登山靴は手入れが大切!
楽しく山登りをするために欠かせない登山靴・トレッキングシューズは、手入れ方法を確認しておくことが大切です。マムートやモンベルなど、有名な登山靴メーカーで製造している優秀なトレッキングシューズでも、手入れをしていないと劣化の原因になります。
正しい手入れ方法を確認しておこう
登山靴・トレッキングシューズの手入れは、正しい洗い方を取り入れることできちんと行えるようになります。使用後のトレッキングシューズをそのままで放置せず、正しく手入れしてきれいな状態を保ちましょう。
本記事では、登山靴・トレッキングシューズの洗い方や注意点、手入れにおすすめの道具を紹介します。トレッキングシューズについた汚れをきれいに落として、いつでも気持ち良く使えるようにしませんか?
登山靴を手入れすべき理由
「別に汚れがついたままでも、トレッキングシューズを使えるのでは?」と考える人もいるかと思いますが、登山靴・トレッキングシューズの手入れは必要なことです。まずはどうして手入れをするべきなのか、その理由についてチェックしましょう。
長く愛用できるようになる
定期的に手入れを行うメリットとして挙げられるのが、お気に入りのトレッキングシューズを長く愛用できるようになるということです。モンベルやマムートなどで購入した高品質な登山靴は高価なものが多いので、なるべく長持ちさせたいですよね。
使用後にきちんと手入れを行い、正しい洗い方でメンテナンスすることで劣化を防ぎやすくなります。全く手入れを行なっていないと劣化が早まり、せっかく購入した登山靴がダメになる原因になるでしょう。
壊れた部分に早く気付ける
長く使っているトレッキングシューズは、一見すると問題なさそうに見えても実は壊れている場合があります。定期的に手入れを行うことで、壊れてしまった細かな部分に早く気付けるのもメリットです。
トレッキングシューズが壊れたまま登山に出かけると、思わぬ事故につながる可能性があります。転倒を引き起こしたり、正常な歩行ができなかったりといったトラブルが起きやすくなるので、十分に注意してください。
細かな部分までよく確認しよう
ミッドソールやアウトソール、ランドラバー、内側などを、手入れの際にはしっかりと確認をするようにしてください。細かな部分ほど壊れているのに気づかないことが多いので、長く使っているトレッキングシューズは特に入念に調べるのがおすすめです。
もし手入れ中に壊れている箇所を見つけたら、次の登山までにメンテナンスするようにしてください。マムートやモンベルなどの購入したメーカーに相談するか、新しい登山靴を購入するか判断しましょう。
【使用前】登山靴の手入れ方法
使用後はもちろんのこと、使用前も登山靴・トレッキングシューズの手入れをしておくと安心です。使用前にチェックしておくことで、万が一故障があった場合にも早めに対処できるでしょう。使用前の基本的な手入れ方法を紹介します。
必要な道具
使用前のメンテナンスには、撥水・防水スプレーと登山靴用のブラシを準備しましょう。撥水・防水スプレーは、その名前の通りトレッキングシューズの内側に水が侵入するのを防ぎ、劣化しにくい状態を作ります。
また撥水・防水スプレーによりコーティングをすることで、汚れがつきにくくなるのもポイントです。これらの道具は使用後のメンテナンスでも必要になるので、登山を楽しむことが多い方は準備しておいてください。
手順①撥水・防水スプレーを吹きかける
まずはトレッキングシューズの靴紐を外してください。靴紐がついたままだと、細かな部分まで撥水・防水スプレーを吹き付けにくくなります。靴紐を外すのは面倒に感じる場合がありますが、きちんとしたメンテナンスのために必要だと思いましょう。
靴紐を取り外したら、撥水・防水スプレーを満遍なく吹きかけます。少し離したところから全体にスプレーが行き渡るようにしてください。
手順②ブラッシングを行う
撥水・防水スプレーを吹きかけたら、乾くまで待ちます。きちんと乾いたことを確認してから、専用のブラシを使ってブラッシングをしましょう。汚れが残っているところは、特に重点的に取るようにしてください。
全体のブラッシングがけが終わったら、使用前のメンテナンスは完了です。登山をする前日にメンテナンスを行っておくと、当日になって慌てて手入れをしなくて済むのではないでしょうか。
【使用後】登山靴の手入れ方法
使用後の登山靴・トレッキングシューズは、しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。ゴアテックスや合成皮革などいろいろな素材がありますが、基本的な洗い方に大きな違いはないので、基本的な方法をチェックしましょう。
必要な道具
使用後のメンテナンスでも、撥水・防水スプレーと専用のブラシを準備します。この他に柔らかいスポンジとぬるま湯、タオルを準備してください。
もしひどい汚れがついている場合はブラシやスポンジでは対処できないため、専用のシュークリーナーを準備する必要があります。汚れの度合いによって判断して、必要な道具を揃えることが大切です。
洗い方①靴紐を外してブラッシング
最初に、靴紐を外します。靴紐に汚れがついている時は、ネットに入れてから洗濯機で洗うのがおすすめです。また、靴紐はどのようについていたか忘れてしまいがち。元に戻せなくならないように、靴紐がついた状態を写真に収めておくと安心です。
靴紐を外した後は、ブラシを使います。ランドラバーのゴムの部分やミッドソールなどについた汚れをブラシで落としましょう。軽い汚れなら、ブラシで大体落ちます。
洗い方②内側のソールを外して水洗い
ブラシでも落とし切れない汚れがある場合は、ぬるま湯とスポンジを使って洗います。まずは内側に入っているソールを外し、砂やゴミを落としてください。スポンジをぬるま湯に浸して絞り、内側の汚れを優しく拭き取ります。
内側の汚れが落ちたら、次に外側の汚れに取り掛かりましょう。ランドラバーのゴムの部分などに泥汚れがつきやすいので、しっかり落とすのがポイント。もしぬるま湯で落とせないなら、専用のクリーナーを使ってください。
洗い方③靴底に詰まった石を取る
内側や外側の目に見える部分だけでなく、靴底にも注目しましょう。使用後のトレッキングシューズの靴底には、石が詰まっている場合があります。手で取れない場合は、マイナスドライバーを使うと取りやすいです。
ただし力を入れすぎると靴底が傷つく原因になるため、優しく取り除くようにしてください。詰まった石を放置すると、どんどん取りにくくなるので早めにメンテナンスしておくと安心です。
洗い方④登山靴の内側にタオルを入れて乾燥
乾いたタオルを使い、内側と外側の両方についた水分を拭き取ります。きちんと拭き取っておくことで乾くまでの時間が短縮され、登山靴の劣化を防ぐことが可能です。
続いて登山靴の内側に丸めたタオルを入れ、風通しの良い場所で陰干しをします。内側にタオルが入っていることで、乾燥が早くなるでしょう。もし適当なタオルが見つからない場合は、丸めた新聞紙を入れても大丈夫です。
ゴアテックスでもきちんと乾燥させて
内側に水が侵入しないように加工が施されているゴアテックスでも、十分に乾燥させることが重要です。表面が乾いているように見えても、内側には水分が残っている場合があります。カビの原因になるため、時間をかけて乾燥させてください。
洗い方⑤撥水・防水スプレーを吹き付ける
1日かけてしっかりと登山靴を乾燥させたら、仕上げに撥水・防水スプレーを吹きかけてコーティングします。全体に満遍なくスプレーを吹きかけたら、再び風通しの良い場所で乾燥させてください。
皮革部分には保革剤を
合成皮革や天然皮革の部分がある登山靴の場合は、撥水・防水スプレーをかける前に保革剤を塗りましょう。保革剤によって栄養を与えることによって、きれいな状態を保ちやすくなります。
もし保革剤を塗る手間を減らしたいなら、保革剤が入った撥水・防水スプレーを使うのがおすすめです。必要に応じて、道具のラインナップに入れておきましょう。
洗い方⑥靴紐を付け直す
完全に乾燥してスプレーが定着したら靴紐を付け直します。元通りに靴紐を結べたら、メンテナンスの完了です。
必要な道具さえ揃っていれば初心者でも簡単に使用後のメンテナンスが行えます。最初は手間に感じると思いますが、慣れてくればすぐにできるので使用後の手入れを忘れないようにしてください。
洗い方のまとめ
- 軽い汚れはブラシ、ひどい汚れはスポンジ+クリーナーで
- 内側までしっかりと乾燥させる
- 撥水・防水スプレーでコーティングする
手入れと同時に確認したいポイント
使用後のメンテナンスは、壊れた部分がないかどうか確認をするのも重要です。どんな点に注目をすれば良いのか、基本を紹介するので参考にしてください。
タン
足首の部分にあるタンは、登山靴の中でも汚れがつきやすいと言われています。また、内部に入っているパッドが劣化すると耐久性が落ちるため、触って確認しておきましょう。
靴紐
擦り切れている部分がたくさんあると、登山中に突然靴紐が切れるトラブルが起きやすくなります。手入れの際には、靴紐も全体的に確認してください。また汚れがついたままだと伸縮性が失われ、破損する原因になるため注意が必要です。
ミッドソール
靴底を曲げた時に、ひび割れが起きないか確認してください。長く愛用している靴ほど劣化が進み、使っている途中にソールが剥がれる可能性があります。もしひび割れが起きているなら修繕を行い、安全な状態を保ちましょう。
アウトソール
アウトソールのかかとや爪先の部分は、すり減りやすいので注意が必要です。すり減りが広がると滑りやすくなり、登山中のアクシデントにつながります。もしすり減っている場合は、アウトソールを貼り替えるのがおすすめです。
手入れした登山靴の保管方法
正しい方法でメンテナンスを行った登山靴は、保管方法も重要なポイントです。保管方法が間違っていると、せっかくきれいにしても無駄になる可能性があります。どのような方法で保管すると良いのか、学んでおきましょう。
風通しの良い場所で保管する
なるべく風通しの良い場所に保管するのがおすすめです。湿気の多い場所に置いていると、ゴムの部分などにカビが生える原因になります。特に合成皮革はカビが生えやすいことがあるので、風通しの良さを重視してください。
また箱に入れて保管をするのはおすすめできません。箱に入れることで湿気が溜まりやすくなり、知らないうちにカビが生える可能性があります。
直射日光や高温も避けて
風通しが良いからといって、直射日光が当たる場所に置くのはNGです。紫外線によって登山靴が劣化しやすくなります。またトランクや物置の中など、高温になりやすい場所も劣化を引き寄せるので気をつけましょう。湿気が少なく、安定した気温を保てる場所を選んで保管してください。
ニオイ対策を行う
保管の際には、ニオイ対策をしておくのがおすすめです。使用直後は特に気にならなかったとしても、時間が経過するごとにニオイが鼻につくようになる場合があります。
抗菌抗臭スプレーを吹きかけてから保管しておけば、ニオイだけでなくカビ菌が付着するのも防げるので一石二鳥です。ニオイが出始める前に、適切な道具を使って早めに対策しておきましょう。
登山靴の手入れの注意点
良かれと思ってやっていることでも、実は間違った方法であることもあります。メンテナンスをする際にはどのようなところに気を付ければ良いのか、注意点についても確認しておきましょう。
ブラシでこすりすぎない
頑固な汚れがついていても、ブラシでこすりすぎないことが大切です。力を込めてこすることで、ソールやラバー部分が傷つく可能性があります。
またブラシで強くこすると、撥水・防水加工が落ちる原因にもなるので注意が必要です。水が侵入しやすい状態を自ら作らないようにしましょう。もし軽くこすっても落ちない汚れがあるなら、ブラシではなく専用クリーナーを使って落とすようにしてください。
汚れがついた状態でスプレーを使わない
撥水・防水スプレーを使うときは、必ず汚れを落としてからにしてください。汚れがついた状態でスプレーを吹きかけても、本来の効果は発揮できません。汚れが定着し、落ちにくくなる場合もあります。
撥水・防水スプレーは汚れを落として手入れをした後の仕上げの工程と考えて、正しいメンテナンスを行いましょう。
水で丸洗いしない
「水で丸洗いをする方が早いのでは?」と考えることがあると思いますが、これも避けておきたいことです。劣化を招き、カビも生えやすくなります。
水を使う場合は、スポンジに含ませた上で汚れを落とすようにしてください。そして洗った後は、しっかりと乾燥させてカビを防ぎます。
手入れに役立つ!おすすめの道具
登山靴を万全の状態にしておくためには、必要な道具を事前に準備しておくことが大切です。メンテナンスにおすすめしたい道具を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
[コロニル] 汚れ落とし
皮革を始めとしたアウトドア用の靴全般に使えるクリーナーです。天然成分を主に使用しており、汚れを落としながら保湿効果も期待できます。室内で使えるミストタイプになっているのも嬉しいポイントです。
mont-bell(モンベル) S.R.スプレー
汚れを落として乾燥させた後に使用する、撥水・防水スプレーです。メンテナンスの仕上げに登山靴全体をしっかりとコーティングしたい場合に役立ちます。
ゴアテックスを始めとした防水性の素材に使用しても透湿性をキープすることが可能です。残ガス排出機構がついているため、使用後に捨てる際に手間がかかりにくいでしょう。
[コロンブス]撥水・防水・防汚スプレー アメダス
合成皮革や天然皮革にも使える撥水・防水スプレーです。繊維をコーティングすることによって、ホコリや汚れが付着するのも防げます。水は通さないものの、空気は通せる仕様なので登山靴の内側が蒸れる心配も減るでしょう。
安全な登山のために手入れを行おう
登山後は疲れているので「メンテナンスは後で良いか」と放置してしまいがちです。しかし、全く手入れを行わない状態で放置しておくと、どんどん劣化が進みます。余裕ができた時に手入れを行い、きれいな状態をキープしましょう。
必要な道具を事前に揃えておくことで、手入れに対するハードルは低くなります。またメンテナンス中に異常に気付いた場合は早めに修繕を行いましょう。いつでも安全に登山ができるように、手入れを怠らないようにしてください。
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