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黄色く甘い香りの綺麗な花!蝋梅(ロウバイ)の育て方講座!栽培のコツはコレ!

甘い香りが魅力的なロウバイは、花の少なくなる冬、寒さに負けず花を咲かす花木です。開花時期は1月~2月。幸福を招く花だと、庭木としてだけではなく、お正月の寄せ植えや、早春の茶花や生け花としても人気です。ここではそんなロウバイの育て方や栽培のコツを解説します。
更新: 2020年12月4日
ティンカー・ベル
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はじめに

冬に綺麗な花を咲かすロウバイの育て方を解説!

Photo by hide10

原産国が中国であるロウバイ。中国ではロウバイ、ツバキ、ウメ、スイセンの4種類の花木を「雪中四花(せっちゅうしか)」と呼び、冬の花として楽しまれています。ロウバイは日本へ江戸時代に渡来してきました。開花時期は寒い季節で、厳寒期に控えめな黄色の花をうつむき加減に咲かせ、甘い香りを放つことで、そのしとやかさが日本人にも深く親しまれている落葉低木です。今回は香りのよい花木であるロウバイの育て方、栽培のコツ、そして縁起の良い花言葉について解説いたします。

ロウバイ(蝋梅)の特徴

2~3mの常緑低木

Photo by ai3310X

ロウバイはロウバイ科ロウバイ属の、高さ2m~3mほどの落葉低木です。学名はChimonanthus praecoxと表記します。葉が出る前に甘い香りを放つ花を枝いっぱいに咲かせる特徴を持つは花木です。花の特徴は花径は2cmほどの小さな花で、ウメに似たよい香りを放つ特徴から、日本人にもとても親しまれ、早春の茶花や生け花にも欠かせない存在となっています。

開花時期は1月~2月

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

ロウバイの開花時期は、寒い冬の季節です。開花時期は1月~2月で、ウメに似た花びらで、ミツバチが巣を作るときに分泌する蝋蜜のような艶やかな黄白色の花を咲かせるのが特徴です。原産国の中国では「雪中四花」の1つに数えられ、寒い冬に開花時期を迎える冬の花として観賞され親しまれてきました。そんな季節に美しく咲く見た目の印象から花言葉も付けられています。英名は冬の季節に花を咲かせ、よい香りを放つ特徴をそのまま表現し「winter sweet」という名前が付いています。深い甘い香りが特徴的であるため「冬の甘い香り」という英語名も可愛い名です。日本の関東より北の地方では12月の初旬に開花時期を迎える地方もあります。

開花時期から春の訪れを知らせる花

Photo by whitefield_d

開花時期が冬であることから、寒さに負けず花咲く姿がなまめかしいともいわれる花木。花が少なくなる冬に開花時期を迎え、雪のちらつく中で咲く黄白色の花は、1年の幸福を招くなどともいわれます。そのため「迎春花」としても親しまれ、お正月の寄せ植えなどにも好んで使われます。開花時期は寒い季節。そんな季節に凛とした姿で咲くロウバイの姿から、中国では縁起の良い花とされています。

濃さに差はあれどどの種類も花の色は黄色

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

ロウバイはたくさん種類があるわけではありません。基本のロウバイの種類は、花の中心がこげ茶色に近い紫色で、花びらが細長い「ワロウバイ(和蝋梅)」という種類。またポピュラーな種類では全体が蝋蜜色の黄色一色で、濃い香りが放つのが特徴の「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」という種類。この種類は丸みのある花を咲かせ、色が濃いので、遠くからも花がよく目立ちます。また花びらは大きめで丸い形をしている、黄色一色の種類の「マンゲツロウバイ(満月蝋梅)」という種類は早咲の種類です。

どの種類も育てやすい花木

Photo by ajari

ロウバイはたくさん種類はありませんが、ロウバイはどの種類も土壌を選ばず、半日陰でもよく育つ特徴があります。昔から庭に植物栽培するには縁起のよい種類の花木だと人気です。どの種類も色の濃さは違っても黄色がメインです。

ロウバイの学名について

学名とは

Photo by gidlark

植物の名称は国によって呼び名も様々ですが、その植物に付けられた学名、ロウバイであるなら「Chimonanthus praecox」と表記されている名称は国際規約の基づいた世界共通の名称で、属名と種名を組み合わせた二名法によって、ラテン語で記されています。属名はその植物の特徴や性質を表す語で命名され、属名に続く種名は属名を修飾する語で表現されています。

ロウバイの学名の意味は「冬の花」

Photo by Matoken

ロウバイの学名の属名Chimonanthusとは、「冬・cheimon」と「花・anthos」という言葉が合わさり「冬の花」という意味。そして種属の名称のpraecoxとは「非常に早い」という意味です。開花時期が1年の初めであるロウバイは「1年の早い時期に咲く冬の花」という意味が学名で記されています。

ロウバイの和名は蝋梅と書く!


花びらは蜜蝋のような光沢がある

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

ロウバイは和名では「蝋梅(ろうばい)」と書きます。この花名の由来は、花びらがミツバチの巣の中の蜜蝋のような光沢のある黄白色をしていて、花の形がウメに似ている特徴があるからだそうです。冬の寒い時期に、葉が出ていない枝に、透き通るような黄色い花が咲く特徴のロウバイ。その花は蝋細工のような光沢をもつことから、「蝋梅」というのだと。花を一目見れば「蝋でできているのではないか」と思うほど艶があり、透き通っており、この名前の謂れの説は誠に納得いく点です。

旧暦12月の異名が付いた花名だという説

Photo byTakashi_Yanagisawa

一方で、ロウバイの和名「蝋梅」とは、旧暦の12月の異名「蝋月(ろうげつ)」にウメに似た花を咲かせることから付いたという説もあります。旧暦の12月は、今の1月~2月に当たるので、ちょうどこの花が開花する季節です。それゆえにこの説も納得力があります。ちなみにロウバイの別名はカラウメ(唐梅)と呼ばれています。

「梅」という字が使われている3説

Photo by dreamcat115

ロウバイの和名には「梅」という字が使われていますが、これは「ウメに似た花を咲かせるから」という説と、「枝ぶりがウメに似ているから」という説があります。また「花の香りがウメの花の香りに似ているから」などと言われる説もあります。どれも納得いく説ですが、ロウバイとウメとの間には、植物学的には何の関係もありません。またこの後解説するロウバイの育て方や栽培の仕方は、ウメの育て方や栽培の仕方とも違い、また剪定の仕方も違います。

ロウバイ(蝋梅)の育て方1:苗木から栽培

苗木を植え付けて栽培する

ロウバイは寒さに強く、とても丈夫で、あまり土壌を選びません。昔から植物栽培の庭木として人気の花木です。初心者でも育てやすい花木です。種からの栽培も可能ですが、発芽から開花まで数年かかるので、おすすめは苗木を買って植え付けするのがおすすめです。丈夫な苗木の選び方は、主幹がしっかりしていて、葉につやの苗木を選んでください。

植え付け時期は11月~12月

ロウバイの苗木の植え付け時期は、落葉時期の11月から12月、もしくは2月中旬から3月に行います。地植えする場合は、日当たりと水はけのよい場所を選んで、苗よりも2倍の大きさと深さの穴を掘り植え付けます。地植えの場合は植え付ける土壌に腐葉土や完熟堆肥を混ぜ込んで耕しておきます。

鉢植えは10号鉢ほどの大きさのものを用意!

鉢植えの育て方は、ロウバイは大きくなると2mくらいの大きさになるので、深さは30cm以上ある10号鉢を用意することをおすすめします。鉢植えの場合は水はけをよくするために、鉢の底に鉢底石を入れて、用土には市販の果樹や庭木用の培養土を利用すると便利です。地植えのものも鉢植えしたものにしても、苗木がまだ小さい時の育て方で大切なことは、植え付けた後は水をたっぷりと施すことです。また苗木がぐらつくようなら、支柱を立てて支えてあげましょう。

苗木を植え付ける前に剪定する

Photo byImageParty

苗木を購入し、植え付ける前は、形を整え余分な枝を切り落とす選定を行ってください。剪定を行うことで樹形が整い、株の中に風が通り病害虫の予防になり、元気に育ちます。6月に花芽が出始めるので、剪定は、新芽を切り落としてしまわないように、新芽が出る前の植え付ける時期と同じころに行います。それより遅くなると、花芽が出てくるので、間違って花芽を切り落としてしまうこともあります。植え付ける時期に一緒に剪定して株の形をそろえて剪定するようにしましょう。

ロウバイ(蝋梅)の育て方2:水のやりすぎに注意!

地植えのものは自然に任せる

Photo by s.sawada

鉢植えのものにしても地植えのものでも、苗木を植え付けて根付くまではたっぷりと水を施しますが、そのあとは地植えのものは特に水やりの必要はありません。自然の降雨に任せておけば大丈夫です。鉢植えのものは用土が乾いたら水やりしてください。また肥料についてですが、花が咲き終わった後と生長期に緩効性の固形肥料や有機肥料を与えます。時期は2月~3月と生長期に当たる8月~9月です。

おすすめの肥料

園芸店へ行くとさまざまな肥料がありますが、ロウバイの肥料は特にこだわりはありません。市販の果樹・庭木用の肥料でよいでしょう。肥料の袋の注意事項を見るとチッ素N、リン酸P、カリKと記載があります。市販の果樹・庭木用の肥料はその割合が大概10:10:10です。ロウバイに限らず植物の三大栄養素というのは、このチッ素N、リン酸P、カリウムKです。チッ素は葉や茎、リン酸は花や実、カリは根の栄養になります。花付きが悪ければリン酸の割合の多い肥料を与えてみてください。


ロウバイ(蝋梅)の育て方3:選定しながら樹形を整える

若い木のうちは強めの剪定をする

ロウバイは毎年大きくなっていきます。しかし必ず剪定をしなければ樹形が偏ってしまうということはありません。また生長しても自然と樹形が整っていくので、選定に頭を悩ます必要のない、ガーデニング初心者でも育てやすい花木です。若木の時は勢いもあるので、不要に伸びた枝などは枝元で切るなど強い剪定を行ても構いませんが、2~3年経過したものは枝を間引くくらいの選定で構いません。花後は短く切り戻しすることもありますが、ウメの木のように神経質になる必要はありません。

ロウバイの剪定の基本は古い枝などを切る程度

ロウバイの剪定は基本的に枯れた枝や伸びすぎた枝を切りそろえていきます。そうすることで日光や風が内側に入り、病害虫を予防することもできます。ちなみに内向きの枝を剪定すると、幹に日がよく当たるようになるので生長がよくなります。またロウバイは挿し木で増やすことができます。剪定した枝を挿し木すると、そこからまた芽が出てきて増やすことができるのです。

ロウバイ(蝋梅)の育て方4:挿し木で増やすときの注意点

挿し木は柔らかい枝を選ぼう。

ロウバイを増やすときは、挿し木で増やすことができます。ただし、発根するのはそれほど簡単ではありません。むしろビニールポットに種まきして苗を育て増やす方が簡単だという方もいますが、種から増やす場合、花が咲くまでに時間がかかります。枝の一部を切り取って発根できれば、それも便利な増やし方です。挿し木で上手に増やすコツは、花芽の付く6月に柔らかい枝を選び切り取って挿し木にします。柔らかそうな枝を選び、10cm~15cmくらいの長さに切り、切り口に市販の発根促進剤をぬり、用意した鉢や土壌に挿します。

移植を嫌うので場所を選んで挿し木しよう

挿し木を鉢に挿す場合は、用土は市販の果樹や庭木用の培養土で構いません。地植えの場合は土壌の状態が悪ければ赤玉土や腐葉土、また緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んで耕して挿し木します。挿し木する場合に注意したい点は、ロウバイは移植を嫌うので、地植えの場合は特に根付いてから移植をしなくてもよいように、ロウバイが好む場所を選んで挿し木するようにしましょう。

ロウバイが移植を嫌うわけ

ロウバイは移植を嫌うので、ロウバイの苗木を植え付ける場合と同様に、挿し木する場合も、生長した時のことを考えて、鉢の大きさを決めたり、庭に植える場合は植える場所を考えて挿し木をするのが、ロウバイを挿し木で増やして栽培していくコツの1つです。ロウバイが移植を嫌うわけは、ロウバイは直根生の植物だからです。

直根性の植物の特徴

Photo byArtTower

直根性というのは、地中にまっすぐ根を伸ばして生長する植物のことです。太い根っこが地中に深くまっすぐ下に伸びるので、移植すると根を痛めてしまい、枯れてしまうことがあります。そのため直根性の植物は移植を嫌います。移植を嫌う直根性の植物は、根っこがあまり分岐しないので、根っこが切れてしまうとそれが致命傷となってしまうことがあります。移植を好まない樹木は、たとえば沈丁花や桃の木も直根性の樹木で移植を好みません。移植する場合は、育成中の苗木がある程度の大きさになったら、育てる場所を選んで植え替えるならそれほど問題はありません。

ロウバイ(蝋梅)の育て方5:病害虫の対策

病害虫の心配が少ない花木

Photo by gtknj

ロウバイは花木の中でも、丈夫な花木なので病害虫の心配はほとんどありません。稀にハダニやアブラムシ、毛虫が付くことがありますが、そのような場合は見つけた時に取り除いてください。その年によっては虫が付きやすくなる場合もありますが、その場合は市販の殺虫剤などを使って駆除しましょう。

ロウバイは寄せ植えや切り花としても楽しめる

寄せ植えにする場合

ロウバイは花の少なくなる冬に、心地よい香りの透き通るような黄色い可愛い花をたくさん咲かせて楽しませてくれます。寒さに強い丈夫な花木。庭木として人気の花木ですが、鉢に寄せ植えにしても冬から春まで可愛い花を長く楽しむことができます。たとえばスイセンやクロッカス、ムスカリなどの球根花は、ロウバイ同様に寒さに強く冬も楽しめる花。そして翌年も目を出すので、ロウバイと一緒に寄せ植えにすると毎年ロウバイの足元を楽しませてくれます。


寄せ植えに相性の良い花

ロウバイは昔から縁起の良い花木として親しまれています。寄せ植えで、ロウバイとスイセンの組み合わせの寄せ植えは「吉祥」を表すと言われ、好まれて寄せ植えに使われます。またお正月の寄せ植えには、赤い実が可愛いナンテンとの組み合わせの寄せ植えも縁起が良いと言われます。寄せ植えでは、切り戻しし、剪定をしながら育てると長いこと楽しむことができます。
 

切り花として楽しむポイント

Photo by towesdaiba.com

ロウバイは、庭の花木や寄せ植えにして楽しむほか、蝋細工のような繊細な質感の花を咲かしている枝ものの切り花としても楽しまれます。12月に入るとお花屋さんにロウバイの切り花が出回ります。ロウバイの切り花で長持ちさせるコツは、枝ものなので、水揚げをよくするために、枝の足先は必ず斜めにカットします。そうすることで断面積が広くなり水を吸いやすくなります。そして足元から3cm~4cmまで皮をそぎます。さらに一文字又は十文字に切り込みを入れると、吸水面が広くなり花が元気になります。

ロウバイ(蝋梅)の花言葉:「奥ゆかしさ」「慈愛」「愛情」

見た目の美しさからイメージされた花言葉

Photo by nubobo

まるでミツバチが作る蝋蜜で作った蝋細工のような光沢のある黄色の花を咲かせるロウバイの代表的な花言葉は、見た目の印象から「奥ゆかしさ」「慈愛」「愛情」という花言葉です。「雪中四花」の中でも最も早く咲き、淡い黄色い花をうつむき加減に咲かせることから奥ゆかしさを感じること、そして冬の間、優しい甘い香りのする美しい花を咲かすそんな姿、また優しい雰囲気から「慈愛」「愛情」という花言葉で印象付けられています。

「幽玄」という花言葉もある

Photo by ai3310X

ロウバイは「幽玄」という花言葉も持ち合わせています。「幽玄」という言葉は、本来仏教や中国思想の分野で使われる漢語でしたが、現代は文芸や絵画など芸術部門において、日本の文化の基盤となっている考え方の1つとして使われる言葉で、「趣があり、深い味わいが尽くしきない」という意味の言葉です。冬の寒さに耐え、花咲く姿が、どことなく色っぽく美しさを感じる。また決して目立つ花ではないけれど、すばらしい香りを漂わせる。そんなことから「幽玄」という花言葉でイメージされています。

「春の訪れ」「先見」「先導」という花言葉もある

Photo by t-mizo

ロウバイは「春の訪れ」「先見」「先導」という花言葉でもイメージされています。雪の中でも花を咲かせる「雪中四花」の中でも最も早く花を咲かせること、そして寒さの中で、春に咲きかけて花を咲かすことから、「春の訪れ」「先見」「先導」という花言葉でイメージされています。

ロウバイ(蝋梅)を育ててみよう!

Photo byshanghaistoneman

花が少なくなる冬の季節に、蝋細工のような洗練された美しい花を咲かせるロウバイは、ツバキ、ウメ、スイセンと共に、「雪中四花」と呼ばれ冬の花として親しまれてきました。花言葉も見た目通りの美しい花言葉です。厳しい寒さの中で繊細な色でうつむき加減に咲き、ウメに似たよい香りを放つことで、日本人にもとても親しまれ、庭木のみならず、寄せ植えや、早春の茶花などの生け花としても人気のロウバイ。庭木としても丈夫で育てやすく、切り花も長持ちします。花言葉を想いながら、ロウバイの花木を楽しんでみませんか。

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