ズル引きゴビーという新機軸トラウトルアー
毎年、冬になると管理釣り場や自然河川を使った冬季釣り場に通っています。冬季釣り場は近年増えてきており、メインのターゲットはニジマス。「渓流が禁漁になった冬でも釣りが出来るネイチャーフィールド」として人気を集めています。この冬季釣り場用とうたっているルアーは無いので、皆さんはいわゆる「トラウトルアー」として、流れの中で使いやすいミノーやスプーン、スピナーなどを使っています。今回紹介する『ズル引きゴビー』は流れの中での放流ニジマスを釣ること重視した冬季釣り場用に開発されたルアーです。
なぜ冬期釣り場用のトラウトルアーが必要なのか?
私の場合、管理釣り場では様々なルアーを投げますが、冬季釣り場では渓流のシーズン中と同様に、ほとんどミノーを投げています。そんな人が、多いのではないでしょうか。しかし昨冬に管理釣り場で釣りをしていたとき、「最近、ミノーのリアクションの釣りで釣りにくくなってきたなぁ」とやんわり感じていました。
一冬で何箇所もの管理釣り場を釣り歩くのですが、多くの管理釣り場ではここ数年で魚の構成比が変わってきたように感じます。外来種の問題でブラウントラウトはほぼ居なくなり、コストの関係かイワナ系も少なくなってきたように思います。その分ニジマスは増えているようです。
目からウロコが落ちた瞬間
推測にはなりますが、リアクションで反応させやすいブラウンやイワナが減ったことがミノーの釣りにくさに繋がっていると考えました。そんなことを考えながら管理釣り場でミノーを投げていたとき、「ニジマスならばもっと安定して釣れる釣り方を知っているのに、冬季釣り場では『渓流感』からミノーばかり投げている。これって釣り方自体を間違えているのでは!?」と気がつきました。目からウロコが取れた瞬間です。
ズル引きゴビーの原型ボトムマジック
様々な管理釣り場を釣り歩いて、フィールドやコンディションも変わってくる状況下で、最も安定して釣果を上げてくれていたルアーが『ボトムマジック』でした。ボトムマジックとミノーとでシーズン終了間際の、スレきった魚達しか居ない状況の冬季釣り場で試したところ、その差は歴然。ボトムマジックの圧勝でした。
ただ、ボトムマジックは止水での使用を前提に作られたルアーなので、流水で使った場合にはいくつかの不満点も出てきます。そこでそのまま流用するのではなく、そのテストをベースに流れのあるネイチャーフィールドで使いやすい商品を作りたいと思い、開発はスタートされました。
ズル引きゴビーの構造の秘密
ズル引きゴビーを見たときに、一番特徴的なのはルアー先端の球状部分。
昔、ジャクソンのルアーで『マイマイ』という商品がありました。これはエリアのボトム専用プラグ。プラグでエリアのボトム専用というのは恐らく業界初の商品。初のボトム専用ということもあり、根掛かり回避については非常に考えました。このマイマイで採用したのが球状のリップ。
このウエイトルームでもある球状部とボディの浮力、そしてラインアイの位置関係で、障害物を乗り越えやすくしてあるのです。この球状は、チヌ用プラグの『ちぬコロリ』に引き継がれ、根掛かり軽減に貢献しています。そして今回、ズル引きゴビーでも採用することになりました。ネイチャーフィールドでは当然、ボトムは変化に富んでおります。そこでの根掛かりリスクを少しでも軽減するための形状です。
他にもフロントフックは腹側ではなく背中側にし、根掛かりを軽減するとともにフッキング率を向上させたり、流れによってボディを押されることを計算し、ボトムでの立ち姿勢もボトムマジックよりも立たせていたりと、細かな配慮がなされています。フックはバーブレスシングルフックを採用しておりますので、冬季釣り場はもちろん、管理釣り場のレギュレーションもクリアー。そのままどちらでも使えます。
ズル引きゴビーの有効な使い方は?
一番基本的な使い方は名前の通り、ボトムをズルズル引いてきます。流れに対してアップクロスで投げ、底まで沈ませてから巻いてきます。リトリーブスピードは流れのスピードよりもやや速い程度に。冬季の魚達は淵やプールなど、ゆっくりした流れを好みますので、その流れのスピードを目安にしてください。
リトリーブスピードが速すぎると浮き上がりやすくなってしまうため、ボトムをキープするのが難しくなってしまいますし、逆に遅すぎるとアピール力に欠けてしまいます。魚の反応が悪ければ、ストップ&ゴーで変化を付けてあげるのも良いでしょう。魚の活性が高いときには、トゥイッチを加えてアピール力を増させれば、効率良くアプローチすることができます。
最後に
個性派ルアーのズル引きゴビー。動画でその水中アクションをご覧いただければ、なおわかりやすいかと思います。渓流釣りでズル引きの発想がなかった方もぜひ、目からウロコを落としてみてください。
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