カーナビは自分で取り付ければ大きな節約に
カーナビを自分で取り付ける大きな魅力は「費用の節約」です。ディーラーや販売店で取り付けすれば、工賃として1~3万円の費用がかかります。安価の中古品を購入しても、工場などで高い取り替え工賃を払うなら、安く買う意味がありません。
カーナビの取り付け作業は難しいと先入観をお持ちの方も多いでしょうが、取り付け方法は簡単で、十数本の配線をつないでネジを締めれば完了します。パネルの脱着には多少の力も必要ですが、誰にでもチャレンジできる節約diyです。
カーナビdiy①車にあうカーナビ選び
カーナビの種類を選ぶ
車内設置型のインダッシュナビは、ダッシュボードスペースに入るものでなくては上手く取り付けできません。多機能カーナビも多く、取り替えで必要ないものは取り外し、機能の追加も可能です。
取り替えのときは取り外した部品を再利用できるならば使いましょう。車に慣れた部品であり、取り替えで外した部品は車にフィットします。
記憶媒体はオンダッシュ型はSDカード、インダッシュ型はHDDが普通でしたが、HDDの人気は落ち気味で小さな記憶媒体に人気が移行中です。
オンダッシュ型カーナビ
オンダッシュ型カーナビは名前のとおりダッシュボード上に置くタイプで、取り付け方は非常に簡単です。本体を好みの空いたスペースに固定するだけで、面倒な配線作業はありません。
電源だけはシガーソケットなどから取り込むため配線は必要です。気になるのは電源の配線がむき出しになるだけで、見えないようにコードをはわせれば完成図のようにきれいに装着できます。
既存のオーディオは取り外ししないで使用できるため、カーナビ機能のみを目的にした商品だといえます。
ポータブルナビはオンダッシュナビの1例
「ポータブルナビ」と呼ばれているものは、オンダッシュ型カーナビの1例で、名前のとおりに、取り外して持ち運べることを意味します。取り外しが簡単なうえに取り付け方も簡単で、好みの場所に置き電源をシガーソケットにつなげるだけです。GPSも内臓で配線は必用ありません。
取り付け取り外しが簡単なため、車を取り替えて使用したり盗難防止にもなる使い勝手のよいカーナビですが、内装にこだわりたい人はすぐに取り換えたくなることも多いので慎重に選んでください。
インダッシュ型カーナビ
インダッシュ型のカーナビは、車の一部のように埋め込まれている本格的なカーナビです。車と一体化するのが特徴のため、スペースにピッタリと入れて見えない裏側で配線を施します。
高級感と機能性からも絶大な人気があり、価格もオンダッシュ型に比較すると高額です。取り付け方法を理解するにも知識が必要となるため、オンダッシュ型がdiyの主役となっています。
中古品やもらったナビなどとの取り替えも可能で、スペースさえあえば取り替え作業は難しくはありません。
カーナビ本体の大きさを選ぶ
インダッシュ型のカーナビは自分の車の空きスペースに収まるものを選びましょう。スペースにおさまらないカーナビは特殊な取り付け方法でなくては取り付けることはできません。カーナビ本体の大きさ選びから、既に取り付け作業は始まっているといえます。
1DIN
カーナビの大きさは「DIN(ディン)」というドイツ語の規格表示を世界中で使っています。1DINは「縦50ミリメートル×横178ミリメートル」で奥行は指定されていません。ダッシュボードにオーディオが機器や小物入れ用の空きスペースがあれば、ちょうど1段分の大きさです。
カーナビを購入したら完成図を見て、図面上の長さでスペースにきちんと入るかを確認しましょう。
1DINタイプはスペースがないためSDカードを使ったものが多くHDDタイプは稀です。
2DIN
2DINは本体が1DINの倍の大きさ(縦の長さが倍)で、例えて「ダブルディン」や「デュアルディン」と呼ばれています。1DINの2つ分のスペースが必要なので取り付け前に確認してください。カーナビの大きさを変えて取り替えるときは特に注意が必要です。図面上の長さで多少の余裕を見た方がよいでしょう。
1DINと2DINを比較すると、どちらにも長短があります。2DINはHDDタイプが多く1DINのほうが省スペースに集約され優秀といえますが割高です。
HDDナビからメモリーナビが主流に
HDDおよびSDカードは記憶媒体であり、地図情報などを記憶するナビには必ず必要なものです。
以前はHDDナビが圧倒的に優位でした。HDDとSDカードを比較すると動作のスピードや破損率などでSDカードが有利ですが、容量が少なく価格が高い(同じ容量での比較)ことでHDDに軍配があがっていたのです。
SDカードが価格と容量の改善をしたため、HDDナビの価格は下落傾向にあります。カーナビ選びでは記憶媒体がHDDかSDカードかも重要な選択肢です。
付属のアイテムを選ぶ
カーナビはナビ以外の機能を備えたものがほとんどです。とくに取り換えのときは、新しい機能を追加したり、取り換えによって性能アップを図ることが多く見られます。
各機能を使うためには専用の取り付け方法を知り、専用の取り付け方での接続が必要です。
1例ですがトヨタでは「T-コネクト」という車とトヨタをコネクトナビとスマホなどがつなぐというサービスを展開しています。トヨタ以外にもナビを使った多種多様の機能が増えていくでしょう。
バックモニター
バックモニターは見えにくい車の後方をカメラでナビ画面に写してくれます。バックで駐車するときなどにとても便利な機能です。
バックモニター搭載の車種も多くなり、車に必要なものとなりつつあります。バックモニターが最初からついているときには、取り替え不要で変換器を使った接続が可能です。
後からバックモニターが必要なものと考えた方でも、機能搭載ナビを追加できますが、新たにバックカメラの取り付けや専用配線の接続作業が発生します。
オーディオ
インダッシュ型のカーナビは、本来オーディオを設置している場所に取り付けるため、オーディオ機能はついているのが普通です。取り換えでオーディオ性能アップを目指す方もいらっしゃいます。
オーディオの取り付け方はスピーカーへの配線くらいですので、取り換えたものが性能のよいオーディオ搭載のカーナビだからといって特に取り付け方法が難しい訳ではありません。
軽自動車では後方のスピーカーがないこともありますが配線はきていますのでスピーカーの増設も簡単です。
テレビ
家族で車を利用する人にカーナビのテレビは必要なものと位置づけられています。遠出のときに子供たちが飽きずに車内で過ごし、緊急の事態でもテレビから情報を得られるのは大きな魅力です。
カーナビのテレビは、アンテナの数により「ワンセグ」と「フルセグ」に分けられます。アンテナが1つのワンセグよりも複数のアンテナから電波を受信するフルセグのほうが画像はよく高価です。テレビのついたカーナビは、TVアンテナの取り付けをするのが通例となっています。
カーナビdiy②工具と材料を揃える
カーナビを自分で取り付けるのに必要な工具
カーナビを自分で取り付けるdiyは難しいと思われていますが、取り付けに必要な工具は多くありません。内張りはがし、ドライバー、ペンチに軍手など自宅にある工具で十分です。
工具を使って作業をするときは、傷つけ防止のため軍手を使い養生テープなどで車内を保護し、十分な注意を払ってカーナビを取り付けてください。内張り剥がしでは大きな力をかけるため、道具を使っても内装を傷つけたという例もあります。道具にも布を巻いて使うなど、工夫して作業しましょう。
カーナビ取り付けに必要なもの
カーナビを取り付けるときは配線をつなぐ作業をします。配線の中の芯線(金属部分)は絶縁体でカバーされていますが、2つの配線の芯線部分が接触するとショートして発火することもある作業です。
配線を保護する絶縁体のカバー部品は必要なもので、とくに配線をつないだ部分には取り付けておかなくてはいけません。素手では難しい取り付け方法ですので、工具と部品がセットになった商品を購入しましょう。
作業では通電しないよう軍手を使い、取り付け取り外しをしてくだい。
車種別の解体図面は必要なもの
部品以外にも取り付けに必要なものがあります。完成図や取り付けの部分ごとの簡単な図面は新しいカーナビ本体や取り付けキットにも付属しているはずです。実際の作業ではパネルを外すにもどこに接続部分があるかわからず、上手くいかないことも多いでしょう。
車のメーカー以外にナビメーカーなどでは独自に車種別の取り付け図を用意しています。廃止したメーカーもありますが、図面を復活させたメーカーもあるので、パソコンなどから図面を入手して利用するとよいでしょう。
インダッシュカーナビの取り付け方
カーナビ取り付けdiy⑴ダッシュボードまわりのインパネ外し
実は簡単そうな作業に見えて最も厄介な作業ともいえるのが、「カーナビ周りのパネル外し」です。車種やグレード、年式によっても異なるため、ひとくくりに説明できませんし、同じ作業でもありません。
一度インパネを外して部品などを取り替えた方はコツがわかっているので理解できるでしょう。まずは何でもやってみることです。外し忘れのネジがないことを確かめたら、思い切って引っぱって外しましょう。
カーナビ取り付けdiy⑵古いカーナビを外す
古いカーナビから新しいカーナビに付け替えるときには、あたり前ですが古いカーナビを先に取り外します。カーナビは左右に取り付け金具がついているので、ドライバーでネジを外して本体を持ち出してください。本体を取り外したら配線を1本ずつ外していき、全ての配線を外せば取り外しは完了です。
カーナビの取り付けは入れ替えのほうが新規よりも難しいという人もいますが、入れ替えでは配線の接続が詳しく見れるので、取り付け前に予備知識を得られるとも考えられます。
カーナビ取り付けdiy⑶新しいカーナビの配線接続
カーナビの取り付けで最も難しいと警戒するのが「配線の接続」でしょう。難しいとはいっても30本も40本もの配線をつなぐ作業ではなく、多くても20本もつないでしまえば作業は完了します。バラバラになった配線の束を見るとうんざりするでしょうが、1本ずつゆっくりとつないでも10分程度で終わる作業です。
配線は色分けされており、先端はオスとメスのように加工されていて両端が上手くつながります。同じ色のオスとメスをつなぐと考えれば素人でも簡単な作業です。
「カプラー」を使えば取り付けはなお簡単
カーナビの配線は20本程度ですが、スピーカーにはプラスとマイナスの配線が出ていますので、前後のスピーカーがあれば8本の配線があります。見た目では20本以上の配線の束(ハーネスといいます)ですが、スピーカーの配線を除けば10本程度の配線です。使わない機能があれば配線も少なくなるため、スピーカーを除く10本程度の配線を説明書のとおりにつなぎます。
カーナビ本体の配線をつないだカプラーに、車両本体のカプラーをつなげば配線はほぼ完了です。
カプラーの配線例
配線の色 | 端子 | |
---|---|---|
1 | 黒 | アース |
2 | 白 | フロントスピーカー・左(+) |
3 | 白/黒 | フロントスピーカー・左(-) |
4 | 灰 | フロントスピーカー・右(+) |
5 | 灰/黒 | フロントスピーカー・右(-) |
6 | 橙/白 | イルミネーション用電源 |
7 | 黄 | メイン電源 |
8 | 黄 | サブ電源 |
9 | 赤 | アクセサリー電源 |
10 | 赤 | サブ電源 |
11 | 桃 | 車速信号 |
12 | 緑 | リアスピーカー・左(+) |
13 | 緑/黒 | リアスピーカー・左(-) |
14 | 紫 | リアスピーカー・右(+) |
15 | 紫/黒 | リアスピーカー・右(-) |
メーカー・車種・年式にあった「取り付けキット」を使う
diyでカーナビを自分で取り付けるには「車種別の取り付けキット」を購入するとよいでしょう。上記はホンダのオーディオカプラの配線の例ですが、メーカーや車種・年式によって配線が異なるため注意が必要です。
オーディオカプラ配線の他に、アンテナやGPS、ステアリングコントロールの配線やテレビやバックモニター機能があれば、各々の配線が必要です。キットを購入すれば配線の作業例などがわかりやすく書かれており、本体の取り付け部品もあるので重宝します。
カーナビ取り付けdiy⑷カーナビと他機能の動作確認
ナビ本体やキットの説明書きを見たり、ネット上の動画を見ながら配線するのもよい方法です。取り付け方法のとおりに配線接続をしたら、本体を車に固定する前にカーナビおよび付属機能の動作確認をおこないます。
本体を設置しまってから動作不良が発覚したときには、もう一度取り外して配線や各機器を点検しなければいけません。例として画面表示でハードディスクの状態をチェック、スピーカー音、車速、テレビやバックモニターなどがあります。全ての機能を確認しましょう。
カーナビ取り付けdiy⑸カーナビ本体の取り付け
カーナビや付属の機能が正常な作動を確認できたら、本体を車に固定する作業にうつりましょう。取り替えならば、古い固定用の部品を取り外して使うのもよい方法です。
新しいカーナビには固定用の部品が付属していなかったり、自分の車種にあわないとき、中古で購入したときにも固定用の金具は必要なものですので、無ければ別で購入してください。
車種別の取り付けキットには配線器具の他に、固定用の金具と隙間をかくす仕上げの部品もついているで、ぜひ利用しましょう。
カーナビ取り付けdiy⑹GPSアンテナをつけて配線をきれいに隠す
カーナビにはGPSアンテナは必要なもので、車内に設置するのが一般的です。ダッシュボード左端あたりに設置し、配線は見えるとカッコ悪いので、インパネ周りの隙間やゴムの中に隠しょう。
左の前に置き配線をダッシュボードの端に入れ込み、助手席の窓枠の内張りの端に押し込むようにして足元に入れ、助手席のダッシュボードに潜り込ませるとキレイに隠れます。実際の取り付け例の動画(車種別もあり)や図も公開されているので参考にしてください。
テレビがついているカーナビはテレビ用のアンテナもつける
テレビ付きのカーナビには、電波を受信するアンテナは必要なもので、本体に内蔵されているものもありますが、リアガラスに貼るフィルムアンテナが一般的です。アンテナを貼り付けるときは、先に貼り付け面を拭いておきましょう。剥がれづらくなり、きれいに取り付けできます。
中古のテレビ付きカーナビに取り換えのときには、フィルムアンテナがついていないのが普通です。テレビに専用のアンテナは必要なものですので、新しいアンテナを購入してください。
カーナビ取り付けdiy⑺最終動作チェック
カーナビの取り付けが終わったら、全ての機能動作を確認してください。とくに車速の表示は忘れないようにします。車を移動しないと車速表示がされず確認ができないときもあるので覚えておきましょう。
動作の確認が終わったら、配線の仕上がりを見ます。きれいに配線が隠れているか、部品や本体はきちんと固定されているかを自分の目と手で確認してください。
どうですか、満足いくでき栄えでしょうか。満足がいくまで仕上げ直して、カーナビ取り付けのdiyは終了です。
カーナビ取り付けdiyはメリットが大きい
初期コストの節約
カーナビ本体の価格は店頭で購入するよりも圧倒的にネット購入のほうが安く買えます。店舗で購入するメリットは、取り付けを店舗でしてくれるということなので、自分で取り付けるのならば、最も安い方法で同じ新しいナビの購入が可能です。
中古のナビを購入して取り替えるときも、店舗ではメリットが少ないため工賃を高くとるか断られることさえあります。初期費用を少しでも抑えようと考えている人は、こうした例も覚えておくとよいでしょう。
ランニングコストの節約
最初につけたナビに不満を感じてくることもあるでしょう。機能を追加するにも自分で取り付ければコストを抑えられます。自分で取り付けたカーナビならば、何となくでも仕組みは覚えていますから、高い工賃を払うのはやめてdiyにチャレンジしてください。
テレビを運転中に見られるようにするキャンセラー機能やバックカメラなどの追加は、自分での施工は簡単で高い工賃をとられることもありません。「カーナビdiy」は長期の使用においてもコストの節約につながります。
カーナビdiyは車のことがわかって楽しくなる
カーナビの取り付け作業は、大きく分けて「内張りはがし」と「配線の接続」です。実は2つの作業に車のdiyの大部分が詰まっています。
見えない内張りの中にどんな配線がされているのか、電源はバッテリーとどんな具合でつながっているのか、HDDの役目はなにか、停止中のカーナビが操作できなくなる仕組みなどもわかってきます。
素人でも理屈がわかってくると面白くなり、どんどんとはまっていくものです。ぜひ楽しみながらカーナビの取り付けに挑戦してください。
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