スキー初心者でもビンディング調整は可能!
ビンディングの調整は慣れていないと難しく感じますよね。しかし、方法と手順をしっかりと知っていれば、初めてでも調整は可能です。今後も自分でメンテナンスしていきたいなら、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ビンディング調整には「前圧」と「開放値」がある
自分で調整するといっても、適当な調整では自分を危険に晒します。そのため、最低限でも「前圧」と「開放値」の知識はつけておきましょう。この二つを完璧に調整してこそ、事故を防止する効果も最大限に発揮されるのです。
ただし、前圧についてはメーカーごとの知識も必要になります。そのため、前圧調整については取扱店にお願いした方が良いでしょう。
そもそも「前圧」と「開放値」って?
スキー初心者だと、そもそも前圧と開放値がどんなものか知らないという人も多いでしょう。まず前圧は、ビンディング器具がブーツ(靴)を挟み込む力を指します。次に開放値は、ブーツ(靴)がスキー板からどれだけ外れやすかという値のことです。
前圧に比べ開放値は算出がしやすいため、今回は開放値をメインとした調整の仕方を紹介していきます。
体重身長に変化がある場合は都度調整をしよう
大人も子供も、開放値の調整が必要になるのは身体的な成長が見られたときと言えます。例えば、靴のサイズが変わった、身長が伸び縮みした、体重に変化が見られたという場合です。
成長が見られたのに開放値を調整しないと大きな事故に繋がります。そのため、体重や靴のサイズに成長が見られた際は、面倒がらずにきちんと調整していきましょう。
子供はこまめな調整が大切!
大人に比べ注意が必要なのは子供です。成長期にもなれば、子供は体重や身長、そして靴のサイズに変化が多く訪れます。そのため、子供がスキーをしているなら、成長に合わせて調整をこまめに行ってあげましょう。
また、大人も子供も足や靴のサイズが変われば細かい調整が必要になります。調整は自分でできるといっても調整が多いなら、お店に任せてくださいね。
スキー板のビンディング調整前に行うこと
ソールの長さなど初心者だと知らない人も多いかと思いますが、一つずつ確認していけば難しいことはありません。開放値を導き出せるようになれば、自分でメンテナンスもしていけるでしょう。
開放値確認前の作業
開放値を正しく導くためにも、ソール長と体重の二つのデータを用意しておきます。まずソール長は、靴の端から端までの長さのことです。つまり、つま先からかかとまでの長さを測っておきましょう。また、基本的にソール長は靴の側面に小さく書いてあります。
次に体重のデータを用意しましょう。適当な体重で算出を始めるとケガに繋がるので、必ず現時点での体重で開放値を算出してくださいね。
開放値の確認について
体重 | 250mm以下(ソールサイズ・開放値) | 251~270mm | 271~290mm | 291~310mm | 311以上 |
10~13kg | 0.75 | 0.75 | |||
14~17kg | 1.00 | 1.00 | 0.75 | ||
18~21kg | 1.50 | 1.25 | 1.00 | ||
22~25kg | 1.75 | 1.50 | 1.50 | 1.25 | |
26~30kg | 2.25 | 2.00 | 1.75 | 1.50 | 1.50 |
31~35kg | 2.75 | 2.50 | 2.25 | 2.00 | 1.75 |
36~41kg | 3.50 | 3.00 | 2.75 | 2.50 | 2.25 |
42~48kg | 3.50 | 3.00 | 3.00 | 2.75 | |
49~57kg | 4.50 | 4.00 | 3.50 | 3.50 | |
58~66kg | 5.50 | 5.00 | 4.50 | 4.00 |
開放値がわからないという人は、上の表を参考にしてみましょう。自分の体重、そしてソールの長さからその値を導き出します。また、スキーヤーのレベルやタイプによって開放値は変わってきますが、初心者であれば上の表の通りに設定してくださいね。
適当な調整は自分を危険に晒すだけです。そのため、体重やソールの長さの確認は適当に行わないようにしましょう。
スキーヤーランクによって開放値は変わる
上の表は初心者やまだスキーに慣れていないプレーヤーに合わせた表になっています。当然、初心者も回数をこなせば腕も上がるでしょう。そうした場合には、同じ開放値では逆にケガに繋がる恐れもあるのです。
そのため、スキーヤーとしてのランクが上がった場合には、ランクによって開放値を見直します。例えば、一般的なスピードで滑るなら1つ下の開放値を、急斜面を急スピードで滑るなら2つ下の開放値を選びましょう。
スキービンディングの調整方法
ビンディングの調整は基本技師がいるお店でやってもらいますが、自身で行いたい場合には、次のような手順で行ってみてくださいね。
開放値の調整方法
開放値の調整は次のようなやり方で進めていきます。メモリが荒いのできっちり揃える必要はありませんが、メモリが大きくずれないよう気を付けましょう。
①開放値に従ってビンディングを調整する
ソールの長さを測り、正しい体重データを用意したら開放値を導き出します。そして、それに従ってビンディングを調整していきましょう。調整には工具が必要になりますが、必要となる工具は使用しているスキー板によって異なります。
また、基本的に時計回りに回すとバネが強くなるよう設計されているので、回す方向を間違えないよう気を付けてくださいね。
②前後左右の数値を全て揃えて調整する
ビンディングを調整する際は、前後左右の4か所を調整していきます。工具を使えば調整はできるので、一度にすべての作業を終わらせましょう。どこか一つだけなど、偏った調整は事故に繋がるので注意してくださいね。
また、ビンディングの調整には工具を使用しますが、プラスやマイナスなど、使う工具はそれぞれで異なります。そのため、どんなものが必要になるか作業前に確かめておきましょう。
ブーツを取り換えたときのビンディング調整方法
開放値や前圧の他に調整が必要となる場合もあります。それが、ブーツや板のサイズが変わったときです。ここからは、そうした場合の調整方法について紹介していきます。
①金具のレールを外す
スキーブーツの後ろについている金具のロックを外すと、自由に動くようになります。まずはロックを外す必要があるので、指または工具を使ってロックを外しましょう。
指で外れない場合は、マイナスドライバーなど平たい工具を差し込み上に持ち上げることでロックが外れますよ。
②ブーツの踵に金具をくっつける
ロックを外し金具が動くようになったら、ブーツの踵に金具が触れるくらい近づけます。完全にくっつけるのではなく、軽く接近する程度の距離が望ましいです。そして丁度良い位置で指を離し、ロックをかけましょう。
また、ロックは基本的に「パチン」という音がなります。音が鳴るまで何回かやり直すことも必要になるので、作業は音が聞こえやすい場所で行うと良いでしょう。
③ブーツをつける
しっかりと金具を固定し終わったら、ブーツを取り付けていきます。ブーツは踵を押し込むように取り付けていきますが、踵部分を持ちながら作業するとケガをしやすいです。そのため、履き口や側面を持ってケガに気を付けながら作業しましょう。
④挟み込み具合が適正かチェックする
最後にブーツを挟み込む力が適切であるかをチェックしていきます。レールによってどういった確認の仕方をするかは異なりますが、基本的にレールにコの字の枠がついているので、この中にレールのメモリが入っているか確認しましょう。
メモリの長さが長すぎる、メモリが見えないと言った場合にはやり直しになります。正しく開放値を調整しても、この作業がおざなりだと事故に繋がるので注意しましょう。
スキービンディング調整時の注意点
そもそも調整は専門家にお願いするもの
初心者でも前圧や開放値の調整はできますが、基本的にあまりおすすめされていません。そもそも、こうした調整は知識と技術があってこそ安全性が保たれるため、自分での調整では事故率も上がることを理解しておいた方が良いでしょう。
自分で行うならビンディング調整は適当に行わない
自分で調整を行うのであれば、適切な調整を行いましょう。前圧も開放値も正しく調整しなければ大きなケガや事故に繋がります。混みあっているスキー場では他人に迷惑をかけてしまう恐れもあるため、自分で行うなら必ず手を抜かないようにしましょう。
また、ソールサイズを靴のサイズと間違えないといった基本知識も必要です。他にも、長さを間違えたりしないよう気を付けましょう。
必要な工具は必ず揃えておこう
作業に必要となる工具は、事前に揃えておきましょう。いざ作業を進めることになっても、工具がなければ十分な調整は行えません。適当な調整では事故を誘発する恐れもあることから、必ず工具は事前に揃えておいてくださいね。
調整が難しい場合は無理せず取扱店に頼もう
いざ始めてみたものの、途中からやり方がわからなくなったという場合もあるでしょう。こうした場合には、無理せずに取扱店にお願いしましょう。わからないからと素人が無理に手を加えてしまうと、修復が難しくなる場合もあります。
また、素直に取扱店に頼むことで得られる情報もあるでしょう。次回自分で調整する際に役立てることもできるため、無理だと感じたら取扱店に調整を頼んでみてくださいね。
ビンディングを調整してスキーを楽しもう!
初心者だと、何をしていいかわからずメンテナンスも疎かになりやすいですよね。しかし、初心者だからと何もしないでいると、スキーの腕は一向に上がりません。だからこそ、自分で調べ、実践していくことが大切です。
また、ビンディング調整が自分でできるとメンテナンスに自信もついてきます。よりスキーが楽しく感じられるようになるので、ぜひ調整方法を覚えて自分でメンテナンスを施していってくださいね。
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