由布岳ってどんな山?
大分県由布市湯布院町と別府市の境に位置する由布岳。高さ1,583メートルの活火山で、山そのものが阿蘇くじゅう国立公園に指定されています。新日本百名山にも選定されており、山頂は東峰と最高峰となる西峰の二手に分かれる。別名「豊後富士」とも呼ばれる美しい山です。見る角度により様々な表情を見せる由布岳は、地元の方にも愛されるランドマーク的存在。簡単に登れるコースもあり交通アクセスも充実。毎年多くの登山者が足を運んでいます。(当記事は2020年10月8日時点の情報をもとに作成されております。)
由布岳3つの登山口
由布岳は、東登山口・西登山口・正面登山口の3コースに分かれています。難易度が異なりますが、初心者におすすめなのが正面登山口コース。最も一般的で、多くの登山者に選ばれる簡単コースです。各所に設置された登山ガイドマップを確認しながら、整備された道を進めます。由布岳初心者は、東登山口と西登山口は避けましょう。コース案内板はあるものの難易度が高く、経験のあるガイドの同行がなければ迷う可能性が高いからです。
由布岳登山出発地点!正面登山口の基本情報
おすすめコースをご紹介する前に、初心者向けルートの出発点となる正面登山口の基本情報を確認しましょう。標高776メートルの正面登山口には、30台分の無料駐車場・70台分の有料駐車場が完備。有料駐車料金は普通車以下500円、マイクロバス等1,000円、大型バス等2,000円です。バス停(由布登山口)や登山ガイドマップが設置されています。出発前にコース確認をお忘れなく。準備運動をして、いざスタート!アクセス方法は記事の後半でご紹介します。
トイレはココで済ませよう!
基本的に登山が始まるとトイレはありません。正面登山口から歩きだす前にトイレは済ませておきましょう。トイレットペーパーは用意されていないので、水に溶けるティッシュの携帯をお忘れなく!正面登山口から10分~15分程歩いたところにもトイレはありますが、正面登山口のトイレの方が綺麗です。登山口到着後、早めに済ませておくと良いでしょう。
由布岳おすすめコース①東峰山頂を目指す
コース【正面登山口…(15分)…国有林入口…(30分)…合野越(ごうやごえ)…(80分)…マタエ…(20分)…東峰】。平均所要時間【登り片道約2時間30分】。正面登山口から東峰を目指すルートが、難易度の低い由布岳登山の基本ルートです。ガイドなしでは迷いやすい東登山口や西登山口に比べ、正面登山口からのコースは案内板も多く簡単ガイド要らず!それでは、東峰山頂までの道のりを詳しく見ていきましょう!
正面登山口~国有林入口
トイレを済ませ正面登山口を出発後、由布岳を正面に見ながら由布高原の牧草地を進みます。比較的平坦な道のりを歩くこと10分から15分程、分かれ道が目印の国有林入口に到着です。合野越方面への道と東登山口方面へ繋がる道の二手に分かれますが、設置してある案内板を確認し合野越方面へと進みます。国有林入口にこのルートでは最終のトイレがあります。
国有林入口~合野越
国有林入口から先は雑木林の中を進みます。夏は木陰が心地よく爽やかに歩けるエリアで、時期により見られる植物が変わるこの道では写真を撮りながら歩く人も多いです。合野越までは約30分程で、合野越に近付くにつれジグザグの曲がり道に変わるのが特徴。間近に見られる由布岳の自然を観察しながら進みましょう。
合野越(ごうのごえ)
国有林入口からの樹林帯を抜けると、標高1,020メートル地点の合野越に到着。ここから南に目を向けると、標高1067メートルの飯盛ヶ城が望めます。「城」と名が付きますがお城があるわけではないので、小高い丘を想像すると簡単に見つけやすいです。正面登山口から歩き始めてここまで約40分から50分程。少し開けた岩場エリアで休憩にも適しているので、一休みして先を目指しましょう。合野越から先は少し難易度が上がり、本格的な登山道に変わります。
合野越~マタエ
合野越から先は灌木帯(かんぼくたい)と呼ばれ、背の低い木が生育する見晴らしの良いルートを進み山頂手前のマタエを目指します。徐々に傾斜が出てくるので、難易度は低いものの足元には十分注意してください。全体的にジグザグとした道のりで約80分程。マタエに近付くにつれ岩場が増え、ところによりロープが設置されています。景色が開けると、由布院の市街地をはじめとした由布院盆地が望めます。ここまで来れば、マタエまでもうひと息です。
マタエ~東峰
マタエは由布岳の西峰と東峰の鞍部(あんぶ)、山の尾根が中くぼみになったところです。分岐点には看板も立ててあるので迷うことはないでしょう。ここからは東峰を目指します。ごつごつした岩場の急坂を歩くこと15分~20分程、標高1580メートルの東峰に到着。登山の疲れが吹き飛ぶ360度パノラマの景色を望めます。別府湾や高崎山、国東半島にくじゅう連山。座りやすい溶岩を見つけて、お昼ご飯はいかがですか?
最高峰の西峰は難易度が高い?
由布岳の最高峰は西峰。「どうせ来たなら一番高い所まで登りたい」と思われる方も勿論いるでしょう。しかし西峰付近の険しい岸壁を抜けるべく設けられた鎖場の難易度は高く、中でも「カニノヨコバイ」と呼ばれるエリアは断崖絶壁。疲労が溜まった状態でのトライは、初心者には精神的にも肉体的にもハードな道のりです。西と東、どちらも眺望の素晴らしさに変わりはありません。西峰より簡単な東峰をゆっくり歩きましょう。
同じルートで下山しよう!
帰路コース【東峰→マタエ→合野越→国有林入口→正面登山口】。同じ道を引き返すのが一番分かりやすく簡単です。しかし行きはよいよい帰りはなんとやら。気を抜かないように下山してください。東峰からの急勾配や岩場を下るときは、怪我に気を付けて慎重に。登ってくる人とすれ違うこともあるので、道を譲り合いながら進みましょう。駐車場まで無事に辿り着き、最後まで楽しい由布岳登山にしてくださいね!
由布岳おすすめコース②飯盛ヶ城を目指す
コース【正面登山口…(15分)…国有林入口…(30分)…合野越(ごうやごえ)…(15分)…飯盛ヶ城(いいもりがじょう)】。平均所要時間【登り片道約1時間】。正面登山口から草原を歩き、飯盛ヶ城へ直登するルートもありますが、看板がなく迷いやすくなっています。今回は、正面登山口から合野越経由で標高1,067メートルの飯盛ヶ城を目指す難易度の低いルートをご紹介します。それでは、飯森ヶ城までの道のりを詳しく見ていきましょう!
正面登山口~国有林入口~合野越
飯盛ヶ城ルートは、家族や登山初心者でも楽しめる簡単ハイキングコースです。飯盛ヶ城を目指す合野越までの道のりは「由布岳登山初心者おすすめコース①正面登山口ルート~東峰山頂」の、「正面登山口~国有林入口」「国有林入口~合野越」「合野越(ごうのごえ)」をご覧ください。
合野越~飯盛ヶ城
合野越に到着後広場の南端から一路、西登山口(飯盛ヶ城)方面へ。木々を抜け合野越から少し下ったところから飯盛ヶ城登山が始まります。ピラミッドのような形をした山の山頂を目指しましょう。合野越から歩くこと15分から20分程、直径20メートル程の広場の中央には「飯盛ヶ城」と書かれた看板が立っています。大昔は火山の噴火口だったことを思わせる頂上の広場で、休憩がてら昼食を取り下山してみてはどうでしょうか。
帰るルートはお好みで!
お帰りは同じルートを歩いても良し、飯盛ヶ城の山頂からみえる正面登山口へ向けて草原を歩いても良しです。往路に山頂への草原ルートを選ぶと看板などのガイドマップが少なく迷いやすいですが、高台からゴールが見えると安心ですね。気分と体力と相談しながら、無理のないように下山しましょう!
由布岳登山初心者におすすめの時期
季節によって難易度が変化する登山。由布岳のコースを確認したあとは、初心者におすすめの時期もチェックしておきましょう!
①初夏
初心者におすすめな時期はズバリ初夏。四季を彩る花々が美しい由布岳ですが、特に5月末から6月中旬が見頃のミヤマキリシマは有名です。ミヤマキリシマはツツジの一種で、鮮やかな紫紅色が特徴的。由布岳の東峰と西峰の分岐点となるマタエというエリアで、群生するミヤマキリシマが見られます。山肌一面がピンクに染まる様子は圧巻。爽やかな気候の中登山を楽しめる上に美しい風景まで写真に収められる、初由布岳は是非初夏に!
②秋
紅葉も美しい由布岳の例年の見頃時期は10月下旬~11月中旬。ヤマザクラやヤマモミジ、ハゼなどが色付き、鮮やかな風景を見ながら登山を楽しめます。国有林入口~合野越の雑木林では、紅葉する木々が間近に。また由布岳山頂から由布院盆地を望めば、華やかに色を変えた山々を写真に収められます。紅葉情報をチェックして是非最盛期に足を運びたいところですが、少し時期を過ぎても足元一面に広がるモミジの絨毯がまた魅力的。
由布岳登山初心者は冬の時期は避けよう
積雪や、タイミングが良ければ樹氷が見られる由布岳。冬には冬の魅力がありますが、冬の時期ならではの危険も伴います。靴底に装着する滑り止め、アイゼンの装備は必須。防寒対策が施された衣類や本格的な装備を買い揃えることも考えると、初心者には不向きな時期です。夏や秋は簡単に登れるコースの中には冬になった途端に難易度が上がるエリアもあるため、初心者の方には初夏や紅葉時期のゆったり登山をおすすめします。
由布岳登山の服装はコレで決まり!
気になる由布岳登山の服装を、正面登山口~東峰・正面登山口~飯盛ヶ城のコース別にご紹介します。服装の準備をしっかりしておけば、当日も登山に集中できます。おすすめの時期である初夏や秋の服装準備にお役立てください。
正面登山口~東峰コースの服装
上半身の服装は長袖Tシャツか、Tシャツの上に薄手の長袖。初夏であっても山間部は肌寒く感じるので、羽織物を1枚準備しておくと安心です。秋は風を通さないウインドブレーカーを持参しましょう。岩場での万が一の転倒に備える意味でも、下半身の服装は長ズボンがベストです。靴はトレッキングシューズが理想的ですが、手持ちがない場合は滑り止めが効くスポーツシューズで臨みましょう。雨具も必ず1つは準備してくださいね。
正面登山口~飯盛ヶ城コースの服装
由布岳よりも標高が低い飯盛ヶ城ですが、上半身の服装は同じく薄手の長袖Tシャツまたは、Tシャツに薄手の長袖のセットがおすすめです。半袖1枚で歩き始めても問題ありませんが、風を遮るものがない山肌で体感温度が下がることを予想した服装が安心です。上着の準備はお忘れなく!登山道には背の低い笹が群生しています。肌を守るため、下半身の服装は長ズボンやジャージなどが適しています。足元は履き慣れた靴で臨みましょう。
由布岳登山前に必ず準備する物4つ
由布岳登山に限らず、山登りは一度始まると物を買う場所がありません。登山前に準備するべき持ち物を4つご紹介します!
①水溶性ティッシュペーパー
これは登山ならではの準備物ですが、記事の序盤でお伝えした通り、由布岳登山口や国有林入口にトイレがあるもののトイレットペーパーは備え付けられていません。水に溶けるタイプのティッシュペーパーを、登山当日までに準備しておきましょう。
②登山ガイドマップ
由布岳正面登山口からスタートする場合、分岐点には看板が設置されています。しかし山ではいつ何時トラブルが起きるか分かりません。万が一に備え、ガイド代わりに登山マップをお守りに持っておきましょう。紙の地図購入やアプリのダウンロードに抵抗がある方は、事前にインターネットで無料の登山ガイドマップを探して準備するも良し、正面登山口にある大きなガイドマップの写真を保存しておくのもおすすめです。
③飲料水
登山に持って行く飲料水は、お茶やジュースよりも水がおすすめです。岩場や急勾配がある以上、転倒や怪我をする可能性は否めません。水を常備していれば水分補給だけでなく、傷口を洗い流すときにも使えます。正面登山口から東峰までの往復で約4時間30分と考えると、少なくとも1リットル~1.5リットル程の水を準備しておくと安心でしょう。由布岳のアクセス前に飲料水をお買い求めください。
④お弁当・非常食
合野越や飯盛ヶ城、東峰など、休憩や昼食を取れるスポットも多い由布岳。せっかくの登山ですから、アクセスまでに簡単な軽食を用意しておきましょう。初夏や秋など、多くの登山者が訪れる時期には登山道も混雑します。簡単に栄養補給ができるカロリーメイトなどの非常食や、素早く食べ終わる軽食を準備すると便利です。登山口に売店はありません。買い出しを済ませてから由布岳へアクセスしてください。
由布岳へのアクセス
由布岳へのメインのアクセス方法は、車・電車・タクシー・バスです。 車でアクセスの場合は 湯布院ICから車で約15分 。電車でアクセスの場合はJR博多駅から特急・久大本線で約2時間でJR由布院駅、JR大分駅より特急・久大本線で約50分でJR由布院駅 につきます。タクシーでアクセス】はJR由布院駅からはの所要時間は約4分 。バスでアクセスの場合は 福岡天神バスステーションから高速バスが運行。片道2時間で2,000円から乗車可能です。
まとめ
今回は登山初心者の方へ向けて、由布岳の難易度の低いおすすめコースをご紹介しました。由布岳にはレベルに合わせて選べる登山コースや様々な難易度のエリアがあります。山頂へ登る際には、1回目は比較的簡単な東峰、2回目は難易度を上げて西峰にチャレンジしてみるのも楽しいですね。由布岳からアクセスの良い温泉地と言えば由布院温泉。登山とセットで是非訪れてみてください。
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