空気清浄機の仕組みと種類について
空気清浄機は、ほこりや花粉、ウィルスまで集じんしてくれて便利な反面、お手入れ不足だとカビが発生するデメリットがあります。
今回は、空気清浄機にカビが生えてしまう原因と掃除方法、またカビの発生を抑える防止対策(お手入れ)について解説いたします。第一段階として、まずは空気清浄機がお部屋の空気を綺麗にする仕組みから、ご紹介していきます。
空気清浄機は空気の浄水器
汚水を綺麗な水に変える浄水器のように、空気清浄機にはフィルターが何層にも重なっており、空気中の様々なほこりや雑菌を集じんする働きがあります。そして、フィルターを通してクリーンな空気を部屋に放出する、といった仕組みです。
浄水器と同様、長期間使い続けることでフィルターが汚れていくので、掃除または交換が必要になります。
カビが生えやすいのはファン式空気清浄機
空気清浄機の集じん方法は2種類あります。1つはファンを回転させて、掃除機のように空気を吸い込む方法です。もう1つは静電気の力を利用して、お部屋のほこりを寄せ集める方法となります。
集じんパワーの強さを比べると、パワフルなファン式の方が圧倒的に強力です。そのためファン式は、フィルターや本体の内部にカビが溜まりやすいという特徴があります。
空気清浄機にカビが生える原因とは
それでは、本題のカビが発生する原因について触れていきます。カビが生えたままで空気清浄機を使っていると、本来の役割である空気をキレイにする能力は低下しますし、見た目的にも気分が悪いものです。
また、長年放置していると集じん力が落ちるだけでなく、ミクロのカビが部屋に放出してしまう原因にもなります。気持ちよく使うためにもカビが生える原因を知り、正しい対応を心がけましょう。
空気清浄機のカビの原因①ほこり等の汚れ
空気清浄機を分解してみたけど結構ホコリが溜まってるもんだね pic.twitter.com/anFaQfVYCU
— いとるた (@itruta) October 9, 2021
蓄積する前のカビは微粒子なので目には見えませんが、水分を含んだほこり汚れの中に混ざっている可能性大です。空気清浄機は、主にほこり汚れを吸い込む機能がメインとなっています。カビを含んだほこりを大量に集じんすれば、当然フィルターや本体の内部にはカビ菌が蓄積した状態となるのです。
ほこりの中はカビの住処
チリやほこりの無いクリーンな場所と、すすだらけの汚れた場所では、後者の方が湿度や温度が高くなります。そのため、カビが住みやすい条件が揃ってしまうのです。さらに、ほこりの中にはカビの栄養となる、人の皮脂汚れや髪の毛などを含んでいます。カビの住処としては、最適の場所といえるでしょう。
空気清浄機のカビの原因②加湿&除湿機能
ご存知のように空気清浄機には、加湿と除湿機能を備え付けたタイプもあります。部屋の空間を綺麗にするだけでなく、人々にとって快適な湿度に保ってくれる便利機能です。しかし、お手入れ状態によってはカビを増やす原因となるため、逆効果にもなります。
加湿・除湿いずれにしても、本体タンクの中に水を張ることになるので、カビ発生の誘発に繋がります。
湿度60%以上でカビが増殖
カビが生える条件として、湿度60%以上があります。この数値を見てもピンと来ないかもしれませんが、夏にエアコンを付けなかった時の室内は既に湿度60%を越えています。そのため、水が張ったままのタンク内は室内以上の湿気となり、簡単にカビが発生してしまうのです。
空気清浄機のカビの原因③湿度と温度
高湿度・高温度といった部屋の使用環境によっても、カビが生える原因を作ります。エアコンを使いながら空気清浄機も併用する場合は、室内温度も湿度も低いため長時間使用してもカビは生えにくいでしょう。
反対に、エアコンなしで空気清浄機を使用すると、高湿度・高温度のダブルパンチを受けてしまいます。その場合、早い段階で空気清浄機にカビが発生するため、注意が必要です。
気温の低い冬でも油断大敵
湿度と温度が高いのは夏だけかと思いがちですが、冬の室内は暖房が効いているので、部屋の環境としては変わりありません。むしろ冬の方が乾燥対策に加湿をするので、思った以上に湿気があるのです。
窓辺などに空気清浄機を設置した場合は、窓についた結露によって湿度が増すため、冬でもカビ対策は油断できません。
空気清浄機のカビの掃除方法を紹介
「空気清浄機の本体カバーを開いたら、既にカビ菌の住処になっていた」こうなってしまっては、撃退するほかありません。空気清浄機のカビ掃除は、ポイントさえ抑えてしまえば簡単です。
この記事では、カビ、ほこり汚れの除去方法と、掃除後のカビの発生を抑えるコツまで紹介します。また、空気清浄機の種類ごとに注意点も抑えていくので、参考にしてください。
空気清浄機のカビの掃除方法①掃除機
スタート段階で取り組むのは、掃除機で表面に付着した大きなほこりの吸引する作業です。洗剤や水に浸す前に、まずは大きな汚れを吸い込むことで、後のカビ撃退がしやすくなります。また、フィルターによっては水洗いできないタイプもあるので、掃除機での吸引は必須です。
フィルターを全て分解しよう
空気清浄機にはフィルターがいくつも付いています。小型タイプでは1枚、大型になると3枚以上ついていることも。粗いほこりを取る「プレフィルター」、細かいほこりを取る「集じんフィルター」、臭いを吸収する「脱臭フィルター」など複数のフィルターが重なっています。
水洗いの可否は問わず、全てのフィルターに付いたほこり汚れを掃除機で吸い込みましょう。特に水洗いできないフィルターは、時間をかけて丁寧に掃除してください。
空気清浄機のカビの掃除方法②フィルター掃除
目に見える汚れを取り終えたら、次は洗剤でフィルターを洗って染みついたカビを撃退していきます。これまで、細かい汚れを吸着する集じんフィルターは、基本的に水洗い不可とされていました。
しかし、最新の商品によっては洗えるタイプもあります。説明書を確認するかメーカーに問い合わせるなど、水洗いの可否をチェックしておきましょう。
洗剤の選び方
空気清浄機のカビ対策に効果的な洗剤は、重曹かワイドマジッククリンなどのアルカリ洗剤になります。重曹は天然素材なので、フィルターを痛めずにカビを除去することができますが、パワーは弱めです。
ワイドマジックリンは重曹よりも強力ですが、薬品のニオイが気になる人もいるでしょう。汚れ具合や状態に合わせて、使うのがおすすめです。
※今回はカビに効く洗剤を紹介していますが、白い汚れの水アカにはクエン酸が効果的です。
37度のぬるま湯で洗おう
フィルターの水洗い方法は簡単です。まずフィルターが全部浸かるサイズの桶を用意し、その中に37度のぬるま湯を張ります。ぬるま湯をかけながら、歯ブラシのようなもので擦り洗いすれば、黒ずんだカビは綺麗に落とせますよ。
それでも落ちない場合は、重曹かワイドマジックリンを入れて30~60分漬け置きしましょう。つけ置きした後は、しっかり水ですすいで洗い流したら完了です。
空気清浄機のカビの掃除方法③タンク内掃除
加湿・除湿機能が付いている空気清浄機は、タンクの中もカビが潜んでいる可能性大です。まず、タンク内の水を全部捨てて下さい。フィルター掃除同様、ぬるま湯をかけながらカビが目立つ部分をブラシで擦りましょう。落としきれない場合は、洗剤でつけ置きすればOKです。
塩素系洗浄剤は絶対にNG
カビに最も効果的な洗剤は、ハイターなどの塩素系アルカリ性洗剤です。こちらは一瞬でカビ菌を撲滅させることができますが、水分を部屋へ飛ばすタンク内には使えません。残留した塩素が空気中を舞う可能性があり、人体に悪影響を与えるのでタンクへの使用は避けましょう
空気清浄機のカビの掃除方法④拭き上げ&乾燥
カビの再発を防止するには、最後の仕上げが非常に大事です。分解したフィルターやタンクを本体に戻す前に、本体に付いた汚れを拭き上げます。本体は洗えないため、分解を機に入念に拭き掃除しましょう。本体の汚れは濡れ拭きで落とせるので、洗剤は使用せずササっと拭いてください。
全パーツを乾かしきる
重要なポイントは各パーツの乾燥です。水分がついたまま密閉させてしまうと、本体の中の湿度が上昇してカビが住みやすい環境になってしまいます。しかもその状態で運転すると、電気系統にダメージを与えることにもなりますので、乾燥は必須です。
空気清浄機のカビの防止対策法を紹介
「できればカビの姿なんて見たくない…」そんな方のために、最後のセクションではカビの防止対策法(お手入れ)をご紹介します。日頃からお手入れをしっかり行い、カビ防止に努めていれば、積もり積もったグロテスクなカビ菌を見ることはなくなるでしょう。
空気清浄機本体のお手入れはもちろんですが、今回は見落としがちな外部条件についても解説していきます。
空気清浄機のカビの防止対策①部屋の広さ
空気清浄機には適応床面積が定められており、その広さは小さいもので4畳、ビックサイズは30畳以上の広さに対応します。
サイズ選びを誤ると汚れが溜まりやすくなり、結果的にカビが増えてしまう原因にもなりかねないのです。例えば、12畳のリビングで4畳タイプの小型空気清浄機を運転させると、パワー不足で効果は得られません。そうなると、汚れやカビがあっという間に蓄積されていきます。
部屋の置き方にも注意
大きいサイズの空気清浄機を使っていると、通行の邪魔になるから部屋の隅に置いてしまうケースが多くあるでしょう。ほこりっぽい部屋の隅っこに置くと、フィルターがすぐに汚れてしまうだけでなく、部屋全体の空気を循環させることができません。
正しい置き方として、なるべく部屋の中央に設置し、高めの位置に置いてください。そうすることで、空気清浄機にかかる負担は少なく済み、お部屋もクリーンな状態が持続するでしょう。
空気清浄機のカビの防止対策②部屋の掃除
空気清浄機にカビを防止するには、本体の手入れが何より大切なんですが、見落としがちなポイントは部屋の掃除です。空気清浄機本体が汚くなるということは、それだけ部屋が汚れている証拠ともいえます。
したがって、空気清浄機の機能に頼りすぎずに、毎日の部屋の掃除も大切なのです。掃除機をかけたりワイパーで埃をとったりして、部屋のお手入れも忘れないようにしましょう。
フィルター掃除も楽になる
お部屋の掃除が行き届いていれば、本体へかかる埃の量も少なく済みます。月に1~2回程度必要とされるフィルターのお手入れも、部屋の埃が少なくなれば楽になります。また掃除機をかけるときは、同時に本体の中の埃も吸い込んでおけば、巨大なカビを目の当たりする可能性も下がりますよ。
空気清浄機のカビの防止対策③お掃除機能
毎日のお手入れをする時間が足りない方は、自動お掃除機能の付いた空気清浄機を選ぶのも、カビ防止対策におすすめです。
溜まったほこりを自動で取り除いてくれる、自動お掃除機能をはじめとして、手入れがしやすいシンプル設計の商品もあります。面倒なお手入れを楽にするアイテムを選び、賢くカビ防止対策していきましょう。
ここでは、お掃除のしやすさに特化した空気清浄機を紹介するので、参考にしてください。
埃掃除が自動で楽チン
自動おそうじ クリエア
日立の「クリエア」は、手動でゴシゴシと埃を取り除いたり、掃除機で吸い込む手間を省いてくれる画期的な商品です。専用のお掃除ツールが、カビの原因となる埃汚れをかきとります。
集まった汚れはダストボックスの中に入るので、手動で行う作業はボックスのゴミをポイっと捨てるだけです。空気清浄機の進化は、まだまだ進んで行きそうですね。
使い捨てフィルターで掃除不要
ブルーエア
スウェーデン発の「ブルーエア」は、フィルターを定期的に交換することを前提として作られた空気清浄機です。一般的な空気清浄機は、10年以上使えるフィルターのような長持ちタイプが多くあります。しかしブルーエアは、半年に1回のフィルター交換が必要です。
そうすることでフィルター交換のたびに、空気清浄機の性能を落とすことなく初期化してくれます。効果的に使えて尚且つカビ防止にもなるので、メンテナンスを簡素にしたい方は要チェックです。
まとめ
カビの原因は、空気清浄機の種類によって異なり、湿度、温度、部屋の汚れといった外部要因など様々な条件下で発生します。しかし既に蓄積されたカビの撃退は、そこまで難しくないのでご安心ください。
まずは常日頃から手入れを欠かさないことが、一番の防止対策になります。カビが付いていては、せっかくの空気清浄機能が劣ってしまうだけでなく、見た目も不衛生です。カビに住みつかれないように、本体内部を綺麗に保っていきましょう。
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