デフレエギって何だろう?
エギングをされる釣り人の数は年々増加の一途です。当然釣り具メーカーさんもフィールドテストを繰り返して新型のエギをどんどん開発して世に送り出していますね。1本1000円ほどのものから3000円ほどのものまでその価格帯は様々です。しかし通販サイトや100均などで「おいおい大丈夫かこの値段で」と思わずつぶやいてしまうほど安価なエギを見かけることがあります。これが「デフレエギ」です。工賃の安い外国で作られたものがほとんでですが、少ないおこづかいの中で釣りをする我々の強い味方です。
デフレエギと普通エギ、どこが違うの?
姿形はほとんど同じ
安価なデフレエギを手に入れたら普通、ないしは高級エギと並べて比較してみて下さい。大まかなフォルムの差は無いことが認められると思います。では重さはどうでしょう。エギの号数は重さではないですが、号数と重さは比例します。ちなみに3号なら3寸(約9cm)、4号なら4寸(約12cm)の全長になります。重さは3号で15g前後、4号で25g前後になります。安価なデフレエギでも高価なエギでもこれは大体同じサイズ感になります。
では値段の違いは何?
フィールドテスターなどを頼んでプロトタイプから製作するメーカー品の付加価値が高いのは当然のこととして、やはり安価なエギと高価なエギでは細かい「造り」が違います。100均エギなどは投げてみればすぐに分かりますが、2投もすればすぐにお洋服が脱げてしまいます。また沈降テストをしてもくるくると円を描いて沈降するふつつかものがいたりします。せっかくヒットしたモンゴウイカがカンナの甘さから「とぅるり」と逃げだしてしまうこともあります。デフレエギは全体的に雑な作りのものが目立ちます。
デフレエギで釣れるの?
もちろん釣れる!
造りが雑なデフレエギのすべてがポンコツなのかと言えばそうではありません。中には色と動きがその釣り場にマッチして爆釣を産むエギもあります。実際にKUMA10の使っている1軍登録されているエギの中にも服の脱げかかった半裸エギが存在します。ただこれは特別なケースで、デフレエギを手に入れたならば、雑な造りの部分を何とか補修してみましょう。
補修してから使えば釣れる!
安価だろうと何だろうとフォルムや大きさ、重さが同じ(似ている)のならばイカは釣れます。しかも高価なエギではなかなかできない底攻めも、「根掛かっても100円」と思えばガンガン攻めることができるので、場合によっては高価なものより釣果が上がる場合があります。安価なデフレエギを手に入れたら、まずは(使ってもいないのに)補修をしましょう。
デフレエギ補修道具
接着剤は2種類用意
接着剤はゴム系の物と乾式の物と、できれば2種類用意しましょう。ゴム系のものは画像左側のG17などのいわゆる「ボンド」と呼ばれている物、乾式接着剤は画像右側のいわゆる「瞬間接着剤」と呼ばれている物が使いやすいと思います。それに付随してヘラや爪楊枝なども用意しましょう。使い場所はどちらも同じですが、瞬間接着剤だとエギの服が白くなったり指にくっついて面倒なことになる場合があります。使いやすい方を使いましょう。
コーティングなどで外装補修
浸水や剥がれ、イカへのアピールなどさまざまな理由でコート剤があると便利です。画像の物は100円ショップのネイル関係売り場で手に入れた「トップコート」ですが、ジグのドブ漬けなどに使用する「ウレタンコート」などの代替品として充分使えます。
先の細いペンチ
いわゆるラジオペンチ、「ラジペン」と呼ばれる先の細いペンチを用意しましょう。これも100均で手に入ります。100円のエギを補修するのに1000円の道具を使うのはなんだか悔しいですものね。ちなみに今回画像で紹介している道具はすべて100均のものです。高級エギを振っている釣り人の隣で、安価に改良したデフレエギで先にアオリイカを掛けたりすると「してやったり」と心の中でガッツポーズを繰り出す悪いkumaです。
デフレエギを補修する①「角度調整」
三か所の角度を見る
デフレエギで角度調整が必要なのは三か所。先端の「アイ」と腹側の「シンカー」、尻尾の「カンナ」部分です。三か所を真上から見て曲がりがないかを目視します。アイに関しては真っ直ぐに付いている物を探す方が難しいほどたいがい曲がっています。しゃくった時に不自然な動きをすることを防止するためにもここはきちんと見ておきましょう。シンカーは左右の曲りと付け根の倒れ方の角度を見ます。カンナは「背中からのライン」と角度が合っているかの確認をしましょう。
ラジオペンチで微調整
曲がりを確認したら本体をしっかりと持ってアイの調整からします。この時、ぎゅっと力を入れてはいけません。ゆっくりじわっと曲げましょう。ぎゅっとやると浸水のリスクが高まります。シンカーはあまりにも曲がっている場合は抜いてしまいましょう。無理に真っ直ぐにしても浸水のリスクが大きくなり、逆に使い物にならなくなってしまいます。お湯などで温めてゆっくりと引き抜きます。カンナも同じですが、曲がりがひどい場合はお店に交換を申し出ましょう。
デフレエギを補修する②「浸水防止」
浸水部分の確認
まずは安価なデフレエギを眺めてみましょう。浸水しそうな場所がすぐに分かりますよね。エギは通常、中は空洞になっています。成型した後で張り合わせたり部品を追加した場所は、目に見えない(見える場合もあり)細かな隙間が開いてしまうことがあります。そこからの浸水に備えましょう。本体に水が入ってしまうとエギはただの棒っ切れになってしまいます。いくらなんでも棒っ切れでは釣りになりませんよね。
瞬間接着剤は必要最低限
浸水場所は目視しただけでは分かりません。しかし「浸水しそうな場所」は特定できます。浸水は起きてしまってからでは遅いので、必ず購入後すぐに補修します。アイの付け根、シンカーの取り付け部分、カンナのちもと、羽根のある場合は羽根の付け根の部品周りに瞬間接着剤かボンドを塗り付けます。どうも動きがおかしいと思いエギを耳元で振ってみたら「チャポチャポ」、では遅いですからね。
デフレエギを補修する③「外装強化」
脱げそうな場所をコートする
コート剤でお腹の縫い目をコートしますが、これはちょっとエギによってパターンを変えた方が良さそうです。例えばクロスファクターやタカミヤなどのメーカーから出されているデフレエギは案外造りが良く、コートのみで補強と改良になる個体が多いのですが、100均エギなどはまず接着剤で補強してからのコートまでしなければ間に合わないものが存在します。何本か試し釣りをしてみて各エギの弱さを把握してから塗りましょう。
触らずに乾燥させましょう
コートを掛ける部分はアイのちもと、シンカーの取り付け部分、カンナのちもとの他に「目玉」と「羽根のちもと」にも掛けましょう。一つは浸水防止、もう一つはエギ本体の強化が理由ですが、あと一つ、水中でキラリと光り多少のアピール力アップに貢献してくれるからです。これに関しては筆者の経験則のみの意見ですので聞き流して頂いて結構なのですが、細かいことで釣れる釣れないが左右されてしまってはもったいないですからね。
安価なデフレエギを有効活用しよう!
最近のデフレエギは本当によくできています。ただし個体によって当たり外れがあるのは安価な分、仕方が無いことだと割り切って考えましょう。ただしちょっとした補修・改良によってパフォーマンスが上がるのも事実です。1軍のエギを温存しなければならないような岩場でのエギングにはもちろん、それ自体が1軍登録されてもおかしくないパフォーマンスを見せてくれるデフレエギもあります。安価なデフレエギをぜひ有効活用して下さい。
釣れるエギに興味の湧いた方はこちらもチェック!
今回は安価なデフレエギを釣れるエギに昇格させる記事でしたが、元々高パフォーマンスのエギはたくさんあります。「暮らし~の」サイトにはそれらを細かく紹介させていただいている記事もたくさんあります。釣れるエギに興味の湧いた方はぜひこちらの記事にも目を通しておいて下さい。
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