梅雨の時期を彩る有名な花や花言葉をご紹介
うっとうしい梅雨の時期に気分を明るくしてくれる紫陽花。沈んだ気持ちをパッと明るくしてくれる花のひとつです。しかし、5月から6月あたりの梅雨時期にに見頃を迎える花は、紫陽花だけではありません。今回は、そんな初夏に見頃を迎える有名な花について、花言葉の情報も交えながらご紹介したいと思います。この時期だからこそ美しく咲く花を楽しみましょう。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花①
梅雨時期の代表的な花といえば紫陽花
紫陽花はアジサイ課アジサイ属の落葉低木で、日本が原産地の本紫陽花をはじめ、オシベとメシベの両性を持つ小さな花のまわりを装飾花が彩る額咲き紫陽花、手まりのように丸い花形となる紫陽花、関東よりも西の山に自生する山紫陽花、西洋で品種改良された西洋紫陽花などがあります。ちょうど梅雨の時期に赤紫から青紫の花を咲かせることから、紫陽花の字を当てますが、紫陽花の花の色は、土の酸性度が酸性に傾くと青色に、アルカリ性に傾くと赤色に変わります。
開花時期と見頃
紫陽花は、初夏の5月の終わりごろ、九州南部で開花がはじまり、6月上旬ごろに本州へと開花前線を移動させます。太平洋沿岸で開花しはじめると、6月中頃から終わりにかけて関東地方あたりで開花しはじめ、6月終わりから7月にかけて北陸、東北へと見頃を移し、7月半ばすぎごろには北海道で開花をはじめます。北海道北部で紫陽花が開花するのは8月上旬から中旬にかけて見頃を迎えます。紫陽花も気象庁で開花前線を観測していますので、紫陽花鑑賞に出かける際はぜひ開花時期を確認しましょう。
花言葉
紫陽花の花言葉は「移り気」や「浮気」など、変化と関係があります。これは、紫陽花の花の色が土の状態によって変化し、花色に応じて花言葉も変わることからも想像できます。ちなみに、青い花の花言葉は「辛抱強い愛」、ピンク色の花の花言葉は「元気な女性」、白色の花の花言葉は「寛容」です。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花②
数えきれないほどの品種が存在するバラ
世界中に2万種以上もあるといわれているバラ。初夏の5月~6月のみならず、秋にも開花の見頃を迎え、世界中で愛される花のひとつです。世界各地に原種のバラが存在し、原種のバラから生まれ、ヨーロッパで人気が高いオールドローズ、大輪で美しく株立ちで四季咲きのモダンローズなど、系統もいろいろありますが、カップ咲き、ロゼット咲き、シングル咲きなど花形もいろいろあります。香りも色も多様で、バラとの出会いは一期一会といえます。
開花時期と見頃
種類が豊富なバラですが、バラが最も美しく咲くといわれているのが初夏の5月終わりごろから6月ごろにかけてです。ちょうど初夏のころには一季咲きのバラが咲きますが、バラには四季咲きのものもあり、花の後に枝先を剪定すれば、冬以外の季節では必ず花を咲かせます。
花言葉
バラの花言葉は「愛」と「美」です。ただ、バラは色によって花言葉が異なります。赤いバラは「情熱」「美」「愛情」など、白いバラは「純潔」「深い尊敬」など、ピンクのバラは「上品」「おしとやか」など、青いバラは「奇跡」「夢が叶う」など、黄色いバラは「嫉妬」「愛情の薄らぎ」「友情」、紫のバラは「誇り」「気品」「尊敬」などです。なお、バラのブーケの場合、本数によっても花言葉が異なります。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花③
花の種類が豊富なアルストロメリア
花色が豊富で、ブーケやフラワーアレンジメントなどでよく使われるアルストロメリア。南米で自生していますが、世界中で交配が進められ、パステル調の花びらからエキゾチックな色調の花びらまで、実にさまざまな品種が存在します。
開花時期と見頃
アルストロメリアの開花時期は、初夏の5月~7月ごろです。花色は、赤、ピンク、黄、オレンジ、白、紫など、さまざまな色が品種によって交配され、実に花姿が多様です。花びらにはしま模様が入っているのも特徴で、さまざまなタイプの花びらを楽しめます。
花言葉
アルストロメリアの花言葉は、花の色別にそれぞれです。全体の花言葉は「持続」や「エキゾチック」ですが、ピンク色の花言葉は「気配り」、赤の花言葉は「幸い」、白の花言葉は「凛々しさ」、オレンジの花言葉は「友情」、黄色の花言葉は「持続」などとなっています。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花④
母の日の贈り物カーネーション
日本では母の日の花として知られるカーネーション。スッと伸びた茎から幾重もの花びらがゴージャスでありながら、愛らしい印象を受ける初夏の花です。最近では品種改良によって、年間を通して楽しむことができるようになりました。香りもよく、耐寒性も耐暑性も高いため、育てやすくてガーデニングでも人気です。
開花時期と見頃
日本の母の日は5月第2日曜日ですが、このころはカーネーションの見頃を迎えるころとなります。カーネーションの花色には赤やピンクの品種が多いですが、白、黄色などさまざまな色も存在します。また、花形もさまざまで、花びらの縁に切込みがある剣弁咲きのタイプやひと重咲きなど、同じカーネーションとは思えないほど雰囲気の異なる品種もあります。花の大きさも花径5cm程度の大型タイプのほか、小さな花びらがかわいらしいミニカーネーションもあります。
花言葉
カーネーションの花言葉は「無垢で深い愛」ですが、カーネーションも花色によって花言葉が異なります。赤い花は「母への愛」、白い花は「純粋な愛」、ピンクの花は「女性の愛」、黄色い花は「軽蔑」などとなっています。カーネーションを贈る際は注意しましょう。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑤
サツキはツツジに似た初夏の花
道路沿いなどでよく見かける初夏の花、サツキ。5月の別称が皐月であることからもわかるように、5月ごろに見頃を迎える花です。初心者でも育てやすく、道路沿いや川沿いなどでも自生するほど強いため、失敗せずに育てることが可能です。日当たりがよく、通期のいい場所で元気よく育っていきます。
開花時期と見頃
サツキはツツジ科ツツジ属の花で、ツツジに非常に似ていますが、開花時期が異なることで区別します。サツキは5月ごろから開花して見頃を迎えますが、ツツジは4月ごろから咲きはじめます。また、サツキはツツジよりも花の大きさが小さく、花径はだいたい3~5cmほどです。
花言葉
サツキの花言葉は「節制」です。サツキは、厳しい環境でも立派に育つ力強さを持っている花です。どんな状況下でも、適度に慎みながら生きているその姿から、この花言葉がついたと想像できます。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑥
洗練されたゴージャスな花シャクヤク
ボタンに似た花をつけるシャクヤクは、ボタン科の多年草です。シャクヤクは品種が多い花としても知られ、日本で生まれた和シャクヤク、ヨーロッパの洋シャクヤクと大別されるだけではなく、可憐な一重咲き、ゴージャスな翁咲きやバラ咲きなど、花つきによってその姿はまったく異なります。ちなみに、ボタンとの違いは木か草かで、ボタンは落葉低木なので冬になると枝はそのまま残りますが、シャクヤクは冬になると地上部が枯れてしまいます。
開花時期と見頃
シャクヤクの開花時期は5月~6月はじめで、花の色は赤、ピンク、白、オレンジ、黄色などと抱負です。花径は10cmと大きく、美しい女性をいいたとえた表現として、立てばシャクヤクといわれるように、美しい姿が印象的です。
花言葉
シャクヤクには、そのゴージャスな印象とは裏腹に、「はじらい」や「つつましさ」といった花言葉があります。その由来として、早朝に開いた花が夕方になると閉じる特徴があるためであるとか、恥ずかしがり屋の妖精がシャクヤクの花に隠れたら、花も赤くなったという民話が英国にあるなどとされています。実際、顔を赤らめるという英語の慣用句は「blush like a peony(シャクヤクのように赤くなる)」といいます。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑦
モネが愛した花として知られるスイレン
切込みの入った大きな丸い葉に、はっきりとした花姿の美しい花が水面に浮かび上がるスイレン。フランスの画家であるクロード・モネが愛した花として知られています。スイレンの和名は、夕方に睡眠する=花を閉じることから睡蓮という字を当てます。
開花時期と見頃
スイレンには温帯スイレンと熱帯スイレンのちがいがあります。温帯スイレンは、4月下旬ごろから開花しはじめ、見頃を迎えるのは初夏の5月からです。小型の花をつけるヒメスイレンもあります。ちなみに、熱帯スイレンは、7月から見ごろを迎え、10月ごろまで開花します。
花言葉
スイレンの花言葉は「愛情・無垢」「信頼・信仰」などです。スイレンは、繰り返し咲くことから、永遠に続く愛情、愛情への無垢な心といった花言葉が生まれたとされています。また、スイレンは、朝に花を開き、夕方になると花が閉じるため、太陽のようだとしてエジプトでは信仰や信頼といった花言葉へとつながっていきます。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑧
欧州では5月1日にプレゼントするスズラン
香りがよく、暑さに弱く、小さな鈴のような形をした花が印象的なスズラン。春先から初夏にかけて、半日陰になる涼し気な場所でその愛らしい姿を見せてくれます。反面、スズランは花と根に毒を持っていて、人によっては嘔吐、頭痛、めまいなどの症状が現れるばかりか、最悪の場合、死に至ることもあります。
開花時期と見頃
スズランは春から初夏にかけて花を咲かせます。草丈は20cm程度と小さく、宅陽樹の下などの半日陰で可憐に開花します。スズランには谷の百合、谷間の姫百合などの別称があります。フランスやイギリスでは5月1日はスズランをプレゼントする習慣があります。
花言葉
スズランの花言葉は、「幸福の再来」「純粋」「純潔」です。「幸福の再来」とは、長い冬を経て春が訪れ、スズランの季節が訪れることが由来になっています。また、ヨーロッパのキリスト教の国では、イエスの受難の際、聖母マリアが流した涙がスズランになったという言い伝えがあり、「純粋」「純潔」といった花言葉が生まれたとされています。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑨
初夏の風に香り高いクチナシ
白い花びらに甘い香りが特徴のクチナシ。梅雨のころに大きくて白い花を咲かせ、強い香りが印象的で、秋になると赤色の実をつけます。この実は熟しても実を割いて開くことはないことから、口がない=クチナシの名がついたとされています。また、大きな花をつける庭木としてのクチナシは実をつけません。
開花時期と見頃
クチナシの花は6月ごろからはじまる梅雨のころに開花します。クチナシの花には200種以上の種類があり、花形も多きものから小さいものまで、また、花色も白だけではなく、クリーム色やオレンジ色に変化するものもあります。
花言葉
初夏を代表するクチナシの花の花言葉には、「喜びを運ぶ」「とてもしあわせです」「洗練」「優雅」などがあります。香りよきクチナシの香りが運ばれてくる姿は何とも言えず美しく、幸せな気分になることから「とてもしあわせです」という花言葉が生まれました。また、白くて凛とした花姿は「洗練」や「優雅」の語を思い浮かべるはずです。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑩
純白のウエディングドレスを想像させるカラー
アフリカが原産地で、スーッと伸びる茎に花びらを丸めたようなスタイリッシュな姿で、切り花としても人気の高いカラー。湿地性と畑地性に大別されますが、ガーデニングでは畑地性のカラーが一般的です。花色は赤、オレンジ、黄色、白、ピンク、紫などとさまざまで、草丈は大きくて1mほど、葉形も花形もさまざまです。
開花時期と見頃
ガーデニングで楽しめる畑地性のカラーは、乾燥気味に育ていくと、初夏を過ぎた6月ごろに見頃を迎えます。花が咲く前は、ある程度、水を与えて開花を促しますが、花が咲いた後はより乾燥気味に管理して、開花期間を長くさせるようにしましょう。夏の暑い日は明るい日陰や半日陰で管理するほうがベター。
花言葉
そのスタイリッシュな花姿からも想像ができるように、カラーの花言葉は「清浄」「華麗なる美」「乙女のしとやかさ」などです。白い花のカラーは純潔な印象を与え、純白なウエディングドレスを想像させます。また、花名のカラーは、究極の美という意味を含むカロスという古ギリシア語が由来だといわれ、華麗なる美という花言葉が生まれたとされています。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑪
初夏を彩る紫の花色が美しいアヤメ
アヤメ科アヤメ属の多年草であるアヤメ。山野の草地に自生する初夏を代表する花です。乾燥した場所で育ち、花色の多くが紫色です。花形は外花被片で、花びらが前の方に垂れ下がり、網目の模様があることから、綾目や文目の字を当てます。
開花時期と見頃
アヤメの開花時期は5月の上旬からはじまります。まさに初夏を代表する花で、よく似た種類のカキツバタやハナショウブとは開花時期も微妙に異なります。
花言葉
アヤメの花言葉は、「よい便り」「メッセージ」「希望」など。アヤメは英語でIris(イリス)と言いますが、イリスはギリシア神話でゼウスの妻であったヘラへの伝達が任務であった虹の女神イリスが由来だとされています。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑫
万葉の時代から親しまれているカキツバタ
湿地に群生するカキツバタ。花色は青紫、紫、白などで、花びらには網目模様がなく、白い斑紋があります。アヤメやハナショウブと似ていますが、生息地と花の模様で見わけることができます。なお、カキツバタは、『伊勢物語』で在原業平がカキツバタの歌を詠んだとされる愛知県の県花でもあります。
開花時期と見頃
カキツバタの開花時期は、5月から6月にかけてです。5月初旬に見頃を迎えるアヤメに少し遅れて咲きはじめます。
花言葉
カキツバタの花言葉には「幸せは必ずくる」があります。万葉集に収められているかきつばたを詠んだ歌には、恋人の訪れを待ち焦がれる思いを託した歌が多く、このことから幸せは必ず来るという願望を花言葉に託したのかもしれません。
5月・6月の梅雨時期に咲く美しすぎる有名な花⑬
品種が多く花姿が楽しめるハナショウブ
ハナショウブは、アヤメ属の多年草で、6月ごろに花を咲かせます。ハナショウブも、カキツバタと同じように湿地に自生し、花色は、白、紫、青、黄、ピンクなどさまざまで、品種は5,000種ほどあるとも言われています。
開花時期と見頃
ハナショウブは6月ごろから開花し、見頃は6月に迎えます。花色が豊富で模様などもそれぞれなので、梅雨のうっとうしい時期に見る者を楽しませてくれる貴重な花のひとつです。
花言葉
ハナショウブの花言葉は、「うれしい知らせ」「やさしい心」「優雅」です。「うれしい知らせ」とはアヤメの花言葉に類似していますが、「やさしい心」や「優雅」とはわずかに首をかしげるような花姿が由来であるといわれています。
美しすぎる花たちと梅雨のお出かけを楽しもう
うっとうしい梅雨のころは、出かけるのもおっくうになってしまいます。でも、少し目を遠くに向ければ、美しすぎる花たちとの出会いが待っているかもしれません。そんな気になる花と出会ったら、ぜひ花言葉も調べてみましょう。気になった花があったら、大切な人に贈ってみるときっと喜んでくれます。梅雨の時期ならではの楽しみ方を送りましょう。
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