コンセントとは
配線用差込接続器
普段からコンセントの名で定着しているアレ、日本語に直訳すれば配線用差込接続器と呼ばれています。身近な家電製品に、電力を流す用途で使われます。基本的な使い方は差し込むだけと簡単なために用途は幅広く、日本では明治時代の電力の普及と同時に始まり、戦後に全国で使用が一般化しました。
4種類あるのに全部コンセント
実はこのコンセント、4種類に分けられると聞いて、すぐに判断ができますか?日本では配線用差込接続器は何でもかんでもコンセントと総称してしまう傾向があり、4種類の正しい区別ができていない人も多いようです。昔から全てをコンセントとしか呼ばなかった、適当な習慣が影響してのことでした。
世界中で規格や種類が異なる
当たり前だと考える部屋のコンセントの形ですが、実は日本と外国では種類に大きな違いが見られます。日本の家電をそのまま海外に持って行っても、まず使うことは不可能なほどです。19世紀以降に電気が世界に普及した時、それぞれの国では違う知識を元に異なる規格を採用していたのが、その理由でした。
コンセントの名称
コンセントの語源
おそらく英語由来だろうとの感じは受けるコンセント、辞書を引けばハーモニーとか同意と出て、電気との関連は不明です。コンセントの語源はconsentricであるとされ、その意味は同心円。こちらも意味不明ですが、明治時代に日本に最初に登場したコンセントが、同心円型だったことに由来するといいます。
和製英名と本来の英名
もし海外で「コンセントどこ?」と訪ねてみても、逆に「コンセントって何?」と聞き返されます。この言葉は海外では全く通じない和製英語だったのです。アメリカではエレクトリカル・アウトレット(electrical outlet)、または単純にアウトレットと呼ばれるのは、種類と共に覚えたい知識です。
日本での別名
壁に工事で取り付けられるコンセントは、その見た目から「ブタ鼻」とも呼ばれて来ました。配線用差込接続器などとお硬い名称で呼ばれるのは、ネットの解説ページや公的文書などの種類が中心なようです。海外での別名としてはソケットやタップが用いられ、国内の別名にはプラグ受けがあります。
コンセントの種類
種類1・差込プラグ
金属の電極が2つ突き出た形で、電気を家電製品に伝達する部分が差込みプラグです。あらゆる家電製品にくっついていますが、これはコンセントを構成する1種類に含まれています。日本では差込みプラグをコンセントと呼ぶことも定着しているので、こちらの言葉を使うのが適切です。
種類2・コンセント
一般的に国内でコンセントと言えば、壁に工事で取り付けられる差込口のことを指します。いま地上に出回っている家電製品の多くは、コンセントに接続して電気を通してからの使い方をします。種類によっては、地面に漏電を流して安全性の高い、接地極(アース)が付属しているのも一般的です。
種類3・コードコネクタボディ
ちょっと聞いても何のことやらさっぱりなコードコネクタボディは、単純に言えば延長コードのこと。柔軟なコードを使用しているので、壁に固定せずに使用可能となっているコンセントの種類です。家電や工事を目的として、室内の遠方まで電気を届かせる使い方がされます。
種類4・マルチタップ
2つ以上もコンセントが備わったお得な種類が、マルチタップです。単純にコンセントの近くでプラグ受けを増やせる種類から、遠方まで電気を届ける用途のテーブルタップまであり、それぞれ特徴が異なります。しかし過剰過ぎるタコ足配線を放置すると火災を招く場合があるので、管理には注意が必要です。
コンセントの主な規格
アメリカ型(日本型、日米型)
かつての敗戦以降、日本のあらゆる物がアメリカ規格に替えられる中、コンセントもその運命を逃れませんでした。現在日本国内で使われるコンセントはアメリカ発祥のアメリカ型の種類で、電圧などの違いから日本型、日米型とも呼ばれます。形状はタイプAとBという、違ったものがあります。
ヨーロッパ型
いま最も世界に浸透していると言えるのは、ヨーロッパ型の種類。フランス型とドイツ型に分かれ、北アフリカやユーラシア大陸の多くで使用されます。基本的には220Vで16A、50Hzが用いられています。コンセントの形状はタイプC、E、Fなどかなり種類も分岐し、日本ではまるで一般的ではありません。
イギリス型
むかし大英帝国がアフリカやインド方面に広めたのは、イギリス型コンセント。この種類は3つの円柱状のプラグを使う特徴があり、電圧は世界規格でも一番高い240Vを基本にしています。コンセントの形状はタイプD・G・I・Mなど様々で、こちらも日本では見られない種類です。
日本のコンセントの種類①家庭用
タイプA
多様性を極めてきたコンセントの中でも、一番単純な形をしているのがタイプAです。ブタ鼻と呼ばれる2つの穴を持った外見で親しまれています。アメリカの120Vの電圧で使われる種類はNEMA 1-15。日本の100Vで使われるタイプAは、JIS C 8303 クラスIIと呼ばれる規格です。
タイプAの特徴
昔から日米共通した種類とは言っても電圧や周波数の違いがあり、アメリカ製家電を日本で使用すると故障する場合が出るのは忘れてならぬ知識です。このコンセントは接地極がないので、感電の恐れがあります。そのためアメリカでは既に規格廃止で、日本でも接地極がない種類の使用は推奨されません。
日本のコンセントの種類②家庭用
タイプB
現在のアメリカの標準規格に採用されるコンセントが、タイプBと呼ばれます。アメリカではNEMA 5-15が一般化し、日本ではJIS C 8303 クラスIとして、近年に国が推奨するようになりました。この種類のコンセントの穴は接地極を含めて3つになっているので、人の顔みたいに見えるのも特徴です。
タイプBの特徴
きちんと漏電対策の接地極があるために、タイプBコンセントは安全性の高い使い方ができる点が評価されています。近年はAからBへ付け替える対策の工事が進んで来ました。プラグ受けの穴は、タイプAの差込みプラグをそのまま使用することもできます。この種類は家庭用電子レンジの用途が多めです。
日本のコンセントの種類③変換プラグ
USB変換プラグ
続々USB商品が登場して止まらぬ昨今では、通常のコンセントでの家電の使い方ができず困った経験もあります。しかしUSBの登場以来、USBとの変換を可能とするプラグも登場していました。種類はコード式、コネクタ式、コンセント式など様々にあり、ド派手な工事をする必要もなく変換は楽々です。
海外用の変換プラグ
もし日本製家電を海外で使おうと試みても無理な場面に遭遇しますが、そんな用途で困った時は変換アダプタの出番です。あらゆる海外の特殊コンセントに対応する変換アダプタは、今では種類多様に登場しています。今やどこの100均でも売られているのは、意外と知らない知識かもしれません。
日本のコンセントの種類④業務用
三相プラグ
莫大な力を生み出す工業用の電気製品は、工事現場、工場作業には欠かせない道具です。卓上ボール盤や溶接機などは普通の電圧より遥かに高い200Vの製品が多くいため、コンセントは三相交流に対応する特殊型が使われます。ホームセンターでも三相プラグは市販されますが、お値段は意外と高めです。
三相プラグの特徴
よくある三相プラグは3の字が付く通り、3つの電極に分かれた見た目です。コンセントの使い方では、三相に対応する電気製品だけに対応ができます。接地付きの種類の場合は家庭用とは外見が違って、差込みプラグに4つの刃が付いた特殊形状となっているのも特徴的です。
業務用電子レンジプラグ
外見的に特殊な構造になったコンセントはまだあり、知識として加えて良いかも知れません。代表的なのが、日本で使われている業務用電子レンジの種類です。電極がLとI型で、横に接地極が付いています。200Vという強い電流を用いているために、安全性の高いこんな形にたどり着いたようです。
日本のマルチタップ
差し込み式(直付け式)
直付け式とも呼ばれている種類は、マルチタップの中でも昔から普及してきました。複数のコンセントが備わっているので、1度に2つ以上の家電製品に対応できます。近年はUSBの直接的な使い方を可能とする商品が登場していて、家庭での用途を広げています。
延長コード式(テーブルタップ)
多彩な用途に応えられるコンセントを求めたなら、テーブルタップの種類の出番です。延長コードの先に2つ以上の差込みプラグがあるので、少し離れた場所での使い方には重宝します。近年にはそれぞれのコンセントが可動式になって、より使いやすさ重視の種類が登場しています。
省エネスイッチ式
いまマルチタップの中でも人気絶頂なのが、省エネな種類です。省エネコンセントなどと呼ばれ、基本的にはそれぞれの電源口にスイッチがあり、使わない時にはスイッチを切っているので電気代の節約になります。スイッチは発光ダイオードで光るものなら、通電している状態の判断がしやすくなります。
コードリール
よく工事の現場でも使用されがちなコードリールは、遠隔マルチタップの種類です。その長さは20m以上が一般的で、長いものではぐんぐん伸びて、なんと100mに達するものまでも見つけられます。コンセントが複数付いているため、工事現場の電動工具の用途では欠かせない道具となっています。
海外のコンセント
タイプC
遠くヨーロッパの方にお出かけすれば、ホテルでもタイプCのコンセントに遭遇するのは一般的。ユーロプラグと呼ばれるもので、電極が円柱形をしているのが日本のタイプAとの大きな違いです。接地極が付いて円柱が3本になった種類もあります。ユーロプラグの使用には変換プラグが不可欠です。
タイプG
かなりの特殊性が際立った種類としては、イギリス発祥のタイプGが挙げられます。内部にヒューズが入っている種類なので、世界の数多くのコンセントと比較しても異質的に感じます。このヒューズにより、過電流を防ぐ効果を持っているのが最大の特徴です。
コンセントを使いこなそう
知識を活かせば海外でも困らない
いつも使用する家庭用コンセントには、これほどにも奥深い知識があったとは知りませんでした。海外では特殊に見える種類が普及し、日本国内でも不思議なタイプが見つかりました。USBや海外用との変換プラグなどの知識を深めれば、今後の使い方で困ることもなさそうですね。
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