はじめに
クロスバイクを購入し、使っていると理想の走りを追求してくる人もいるかと思います。そんなときに交換すべき部品はタイヤ。タイヤを交換することで、より自分好みの走りに近づけることができます。しかし、クロスバイクのタイヤは種類が非常に豊富な上、細いタイヤから太いタイヤまで様々なサイズがあり、初心者の中にはタイヤ選びに苦労している人もいるのではないでしょうか。この記事ではそんなタイヤの選び方などを紹介します。
クロスバイクのタイヤを交換するメリット
ここではタイヤ交換のメリットを紹介します。タイヤ交換には走りが快適になるほかにも様々なメリットがあります。是非参考にしてください。
加速性能の向上
まず、加速性能の向上です。加速性能とはその名の通り、ペダルを踏みだした際の加速や自分が出したい速度を出すまでに必要な時間や労力を総称して加速性能といいます。種類にもよりますが、タイヤを交換することで、加速性能が格段に向上し、まるで今までとは違うクロスバイクに乗っているかのような感覚でサイクリングを楽しむことが可能です。
クロスバイクの軽量化
自転車は重量が重ければ重いほど走行性能が落ちていきます。そのため、タイヤを今までよりも軽いタイヤに変更することで自転車自体の重量を軽くすることができ、走行性能の向上につながります。一般的に25Cなどの細いタイヤほど軽量ですが、値段が高くなってしまいます。
疲労感の軽減
クロスバイクのタイヤを新しいものに変更することで、摩擦が減りペダルよよりスムーズに漕ぐことができます。そのため、疲労感が軽減され、長距離ライドでも疲れにくくなる、というメリットがあるのです。また、摩擦に関してはタイヤの太さであるタイヤ幅にも関係してきます。
クロスバイクのタイヤの種類
ここからはクロスバイクの車輪の種類を紹介します。自転車のタイヤの種類は細かく分けると非常に多くの種類がありますが、ここではクロスバイクに適している種類のみを紹介します。タイヤを変更する際の参考にしてください。
クリンチャー
クリンチャーとはチューブとタイヤが分かれている構造のタイヤのことです。このタイヤはチューブが膨らむことで、タイヤを固定するため、タイヤの空気を抜くことで、チューブを取り出すことができます。そのため、パンク修理がしやすいのですが、パンクしやすい上に重量が重いというデメリットがあります。
チューブラー
チューブラーとはタイヤとチューブが一体化した構造のタイプのタイヤで、接地面にはゴムが貼られています。クリンチャーと比較すると、パンクしにくい上、タイヤとチューブが一体となっているため重量が軽い、というメリットがあります。しかし、パンクした際の修理方法が難しく初心者にはあまり向いていない、というデメリットもあります。
クロスバイクのタイヤの溝について
タイヤの溝はトレッドパターンと呼ばれており、種類ごとに特徴があります。ここからはそんなクロスバイクのタイヤのトレッドパターンの種類と特徴を紹介していきます。タイヤを変更する際の参考にしてください。
スリックタイヤ
スリックタイヤとは溝がないタイプや溝が少ないタイプのタイヤのことをいいます。このタイプタイヤは非常に軽量なため、走行性能においては非常に高い、といえます。しかし、路面がぬれていたり、砂利道だったりするとスリップしやすいため、注意が必要です。また、このタイプのタイヤは比較的細い、という特徴があります。
セミスリックタイヤ
セミスリックタイヤとはスリックタイヤとブロックタイヤの中間のタイヤです。ブロックタイヤとは主にオフロードで使用される、タイヤにブロックが付いているタイプのタイヤです。舗装路とオフロード、両方の道を走ることを想定して作られているため、道が悪くても路面が濡れていても問題なく走行できます。
クロスバイクのタイヤのサイズの選び方
クロスバイクのタイヤはホイールと同じサイズのものを選ばなければなりません。ホイールとは自転車の車輪のことで、タイヤを変更する際には、このホイールを考慮して選ばなければなりません。ここではそんな、ホイールの大きさによる特徴について紹介します。
ホイールの大きさについて
ホイールの大きさとは、直径のことです。直径についてはタイヤの側面にタイヤ幅とともに記載しています。タイヤを変更する際にはこの大きさをもとに選びます。クロスバイクのサイズの確認についてはWO規格とHE規格の2種類があるため、後記にて説明します。
ホイールのサイズによる特徴
一般的にホイールが大きいとスピードを維持しやすい、というメリットがありますが、漕ぎ始めは重くなります。サイズが小さいと、スピードを維持することが難しくなりますが、漕ぎ始めが軽いため、労力を使わずに発進させることができます。
WO規格とHE規格
多くのクロスバイクはWO規格ですが、中には他の規格のものもあるため、簡単に紹介していきます。WO規格とは分数でサイズが表記され、単位はメートルです。日本のほとんどの自転車にはこのWO規格が使われます。HE規格のサイズの単位はインチで、小数点で記載されます。
クロスバイクのタイヤ幅の選び方
ここからはクロスバイクのタイヤ幅について説明していきます。タイヤの側面には、ホイールの直径の後にタイヤ幅が記載されている場合が多いです。また、購入時のクロスバイクには、28Cが使用されていることが多く、ロードバイクにはより細い25Cが使用されています。
タイヤ幅とは
タイヤ幅とはタイヤの太さのことです。タイヤの太さを変更することで、走行に様々な影響が表れます。そのため、自分に合ったタイヤ幅のタイヤを選ぶことで、より楽しいサイクリングができます。一般的にクロスバイクには28Cの太さのタイヤが使用され、ロードバイクには25Cという細いタイヤが使用されます。
タイヤ幅の特徴について
25Cなどの細いタイヤを使用すると、スピードが出やすく、高速でサイクリングを楽しむことができますが、安定させることが難しく、バランスを崩しやすくなります。逆に太さがあるタイヤだとスピードが出にくく、安定性が高くなります。そのため、スピード重視のサイクリングを楽しみたい人は25Cなどの狭いタイヤ幅、舗装されていない道でのサイクリングを楽しみたい人は28C以上の広いタイヤ幅のタイヤを選びましょう。
クロスバイクのタイヤの交換方法
ここではクロスバイクのタイヤの交換方法について紹介します。タイヤ交換方法はタイヤを入れ替えるとき、だけではなく、パンク修理を行う際にも必要な技術になるため、しっかりと把握しておきましょう。
後輪の交換方法
ブレーキワイヤーを外す
まず、ブレーキワイヤーを外します。後輪のブレーキワイヤーはサドルの下あたりについています。このブレーキワイヤーを外さなければタイヤを外すことができないため、忘れずに外しておきましょう。
クイックレバーを起こす
次に後輪のクイックレバーを起こします。これは後輪のタイプにもよりますが、クイックレバーが付いていないタイプの場合はレンチなどを使用してナットを緩めて後輪を外す必要があります。
タイヤを抑えてサドルの後部を持ち上げる
クイックレバーを起こしたら、タイヤを抑えてサドルの後部を持ち上げます。すると、後輪は外れます。しかし、まだチェーンが付いている状態なので、タイヤを少し下げてチェーンを外しましょう。
後輪の取り付け
後輪が取り外せたら、必要に応じてチューブとタイヤを取り付け、再び後輪を取り付けます。取り付け方は外した時と逆の手順を踏めば取り付けられますが、後輪をはめる際に、ディレーラーに傷がつかないように注意しなければなりません。
前輪の交換方法
ブレーキワイヤーを外す
前輪の交換方法もほとんど後輪と同じですが、チェーンがない分、簡単に取り外すことができます。まず、後輪と同様にブレーキワイヤーを外します。
クイックレバーを緩める
次にクイックレバーを緩めるのですが、ない場合はレンチなどで緩めましょう。レバーを緩めたら前輪は取り外すことができます。
前輪の取り付け
前輪の取り付けは非常に簡単で、外した手順を逆に行うだけで取り付けることができます。
クロスバイクのタイヤ交換に必要な道具
ここからはクロスバイクのタイヤ交換に必要な道具について紹介します。中には代用できる道具もありますが、扱いづらかったりパーツを傷つけたりしてしまうため、専用の道具を使用することをおすすめします。
タイヤレバー
タイヤレバーはホイールからタイヤを取り外す際に使用します。一般的に2本から3本セットで販売されています。形状は様々ありますが、スポークに引っ掛けることができるタイプのタイヤレバーが使いやすいため、おすすめです。使い方はタイヤとリムの隙間にタイヤレバーを差し込んで、ゆっくりとめくっていくだけです。
空気入れ
チューブを交換する際に使用します。タイヤ交換を行う際にはチューブの空気を抜いてからタイヤを交換します。そのため、空気入れがないと、交換後に空気を入れれなくなってしまいます。必ず用意してからタイヤ交換を行いましょう。
軍手
タイヤ交換を行う際には必ず軍手をはめましょう。手を汚さないため、ということもありますが、タイヤとリムの間に指を挟んだり、タイヤに鋭利なものが刺さっていた場合に怪我をしてしまう可能性もあります。必ず軍手をはめてからタイヤ交換を行いましょう。
タイヤ
当然のことですが、タイヤ交換を行う際には新しいタイヤが必要です。タイヤをはめる際にはタイヤの向き、タイヤの内側に異物がないか、タイヤとリムの間にチューブが挟まっていないか、などに注意する必要があります。
クロスバイクのタイヤのチューブの選び方
タイヤを交換する際、タイヤ幅に合わせてチューブも交換する必要があります。ここからはクロスバイクのタイヤ交換を行う際のチューブの選び方について紹介します。
空気口のタイプ
自転車の空気口のタイプは仏式、米式、英式の3種類があります。クロスバイクはスポーツバイクになるため、仏式の空気口であることが多いです。米式はオートバイや自動車などに利用されているタイプで、英式はママチャリなどシティサイクルなどに利用されています。
空気口の長さ
空気口のタイプと同時に確認しておきたいことは空気口の長さです。空気口の長さはクロスバイクのリム高に関係してきます。空気口の長さが短すぎるとバルブが出てこないため、空気を入れることができません。一方で長すぎるとm¥、空気を入れることはできますが、石などをはじくとバルブが折れてしまうこともあります。目安はリムから約3cmくらいバルブが出ている程度がちょうどよいです。
サイズ
チューブにはタイヤと同様に適切なサイズがあります。タイヤと同じで25Cや28Cなどの数字が記載されているので、その数字を確認して、適切なサイズのチューブを選ぶようにしましょう。
クロスバイクのおすすめチューブ
MAXXIS(マキシス)ウルトラライトチューブ
MAXXIS(マキシス)ウルトラライトチューブ
安くて安定性があるチューブといえばこの商品です。重量も軽く非常に扱いやすいため、初心者から上級者まで幅広く使用されています。幅も25Cや28Cの細いタイヤはもちろん、マウンテンバイクにも使用できるような太さがある商品もあり、チューブを変更するにあたり、おすすめの商品です。
SCHWALBE(シュワルベ) 【正規品】700×18/28Cチューブ
SCHWALBE(シュワルベ) 【正規品】700×18/28C
このチューブは18Cから28Cまで対応するため、クロスバイクとロードバイクの両方に使用することができます。エアー抜けも比較的少ないため、長距離ライドでも安心して使用できます。バルブの長さ50㎜でほとんどのクロスバイクに使用できるサイズということも魅力の一つです。
クロスバイクのおすすめタイヤ
IRC METRO メトロタイヤ 700×28c
IRC METRO メトロタイヤ 700×28c
黒、白、赤、青の4色から選ぶことができるタイヤで、耐久性が高く値段の割にはパンクがしづらいタイヤです。また、非常に取り付けやすく、タイヤレバーを使用しなくても、タイヤをはめることができます。グリップ力も高く、街乗り用や中距離のサイクリングを楽しむのならおすすめの商品です。
MAXXIS(マキシス) デトネイターフォルダブル
MAXXIS(マキシス) デトネイターフォルダブル
アメリカの世界トップクラスの総合タイヤブランドであるMAXXISの自転車用タイヤで、信頼性も世界トップクラスです。クロスバイクとロードバイクに使用できます。タイヤの太さは28Cですが、一見すると、25Cとも見られるくらい細いタイヤです。グリップ力が高く走行性能も高いため、安定した走りができます。
通勤通学におすすめのタイヤ
通勤通学用の自転車は毎日のように使用する、といっても過言ではありません。そのため、パンクがしにくかったり、コストがかからないタイヤを選びたいところですよね。ここからは通勤通学のために使用する際のおすすめの種類を紹介します。
おすすめのタイヤの種類
通勤通学用にクロスバイクを使用する人におすすめのタイヤの種類はクリンチャーです。クリンチャーは標準的なタイヤの構造で安価で購入できます。パンクしても必要な道具さえあれば自分で修理ができる、というのもおすすめの理由の一つです。
おすすめのトレッドパターン
トレッドパターンはスリックがおすすめです。スリックタイヤは溝がほとんどないため、地面との摩擦が少なく快適に走ることができます。悪天候時にはスリップしやすい、ということがデメリットですが、少しでも快適性を求めるのであればスリックタイヤはおすすめです。
おすすめのタイヤの太さ
タイヤの太さは標準的な28Cがおすすめですが、よりスピード感を出したい、という人は25Cに変更してみましょう。25Cなどの細いタイプに変更することで、速度を出しやすくなり、スピード感ある走りを楽しめます。しかし、荷物などを持っているとバランスを崩しやすくなるため、細いタイヤの場合は注意が必要です。
サイクリングにおすすめのタイヤ
趣味でサイクリングをしている人は、クロスバイクを使っていれば、どんなタイヤにしたらよいのかわかってくるかと思います。そのため、特にここで説明する必要はないかもしれませんが、参考までにおすすめのタイヤの組み合わせを紹介します。
スピードを出して走りたい人は細いタイヤがおすすめ
サイクリングを趣味にしている人の中には、舗装された道路で爽快に走りたい、という人がいるかと思います。そんな人におすすめのタイヤは25Cなどの細いタイヤです。しかし、パンクが気になる人は28Cのタイヤでも快適に走れます。またトレッドパターンも、溝がほとんどない、スリックタイヤを使えば、より快適に楽しめます。
荒れた道を走りたい人は太さがあるタイヤ
あえて荒れた道を走ることが楽しみ、だという人もいます。そんな人におすすめのタイヤは太さがあるタイプです。しかしクロスバイクにマウンテンバイクのようなタイヤを付けることはできません。そのため28Cのタイヤよりも太さがあるタイプがおすすめです。
自転車旅行を楽しむなら
クロスバイクにキャンプ用の荷物を積載して自転車旅行に出かけたい、という人も中に入るかと思います。クロスバイクにキャリアを取り付け、サイドバッグなどを取り付ければある程度の荷物の積載は可能です。そんなクロスバイクで旅行をしたい人におすすめのタイヤの組み合わせを紹介します。
28Cのタイヤでも荷物の積載は可能
荷物の量や重量に注意しなければなりませんが、28Cのタイヤでも荷物の積載は可能です。しかし、荷物を積載した場合、自転車の重量が重くなるため、バランスを取りづらくなります。そのため、28Cよりも太めのタイヤに変更することもおすすめです。28Cよりも細い25Cを使うと、パンクの危険性が高まるため注意が必要です。
おわりに
クロスバイクのタイヤの種類やタイヤ交換のメリット、タイヤ交換の仕方やおすすめのタイヤなどを紹介しました。クロスバイクはロードバイクとマウンテンバイクの中間に位置付けられており、ロードバイクよりも荒い道に強く、マウンテンバイクより軽快性があります。しかし、タイヤを選ばなければ満足な走りができません。タイヤ選びは理想のサイクリングに近づける一歩なので、サイクリングを楽しみたい人は是非、タイヤを変更してみてください。
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