山岳会とは
山岳会とは、山好きが集まって組織する団体のことを指します。一口に山岳会と言っても、活動内容や傾向は団体によって様々です。通常の登山をはじめ、トレイルランニングや、沢登り、雪山登山など山の楽しみ方はそれぞれあり、団体ごとに得意とする分野を持っています。
団体名による違い
いざ山岳会を調べ始めると、「○○山岳会」「登山サークル○○」といった名前の団体が出てきます。名前は色々ありますが、明確な違いは規定されているものではありませんので、本ページでは両方合わせて山岳会と呼びます。それぞれの傾向について簡単に説明します。
「○○山岳会」という名前の団体
大まかな傾向として、「○○山岳会」という名前がついている場合、運営が組織化されており真面目であることが多いです。具体的には定例会を行って登山報告および募集をしていたり、団体で保険に加入していたり、共有のテントや道具を持っていたりする場合があります。
「登山サークル○○」という名前の団体
こちらも大まかな傾向として、「サークル」、「クラブ」という名前がついている場合、管理人が一人または少数で気軽な雰囲気であることが多いです。自分の行きたい山を提案しやすい場合もあります。
山岳会に入るメリット
友達を作る
社会人になると、学生時代のような友達を作ることがなかなか難しくなります。山岳会に入れば同じ趣味を持つ友達を作るきっかけになります。年齢も職業もバラバラだからこそ、自分の知らない話を聞けて、世界が広がります。登山は移動も含め、丸一日もしくはそれ以上の時間を山仲間と一緒に過ごすことになりますので、話しているうちに自然と友達になれます。
安全のため
山仲間と一緒であれば、事故やケガなどの際に救助を呼んだり、手当てをしたりと迅速に対応できます。岩がゴロゴロしているガレ場や足元が狭い場所では、経験者から歩き方やコツを教えてもらえます。保険については、会で必須の場合もありますが、そうでない場合は個人で入るようにしましょう。
情報交換
山仲間が集まれば、最近行った山や、次に行く山が話題に上がります。道が崩れていた、駐車場が混雑していたなど、ネットだけでは得られない最新情報を得られます。また、次の山行へ誘ったり、誘われたりする機会でもあります。新たな山仲間を作るきっかけになります。
山岳会の選び方①:情報収集
まずはネットで山岳会のホームページやFacebookなどを探します。スポーツサークルの仲間募集サイトなどにも登山のジャンルがあります。また、もしすでに山岳会に入っている友達がいれば紹介してもらうのも良いでしょう。
現在募集中か?
山岳会のホームページなどから、現在募集中かどうかチェックしましょう。募集期間や定員が決められている会もあります。初心者OKかどうかも重要です。もし期間が過ぎていても、どうしても気になる場合は、ダメもとで問い合わせしてみてもいいでしょう。
活動内容をチェック
山岳会のページには、大抵これまでと今後の山行予定や写真が載っています(会員専用ページになっていて、部外者は見られない場合もあります)。そこからどんな山に登っているか、得意とする分野を探ります。初心者には、まずは近場の日帰り登山もおこなっている山岳会をおすすめします。
活動頻度をチェック
登山、定例会、イベントなどの頻度や曜日もチェックしましょう。せっかく入会したのにほとんど活動していない、または休みが合わず参加できないことにならないように気を付けましょう。
年齢層、男女比をチェック
会員の年齢層や男女比も確認しましょう。山岳会は年配の方が多い傾向にあります。構成比の数字で確認しましょう。特に、女性は特有の体調不良がありますので、他に女性会員がいた方が何かと相談しやすいです。
募集条件は?
山岳会によっては募集条件が定められている場合があります。レベルで言えば初心者OKか、アルプスなど高山の経験があるかなどです。また会員の男女比・年齢構成によって、募集条件が限られていることもあります。問い合わせ時に、自己紹介など必要事項を書くよう指示があれば、よく読んでから応募しましょう。
会費について
会費を設定しているかどうか確認しましょう。また最初は登録代などで別途必要な場合もあります。会費に保険代が含まれているかも確認することをおすすめします。
ネットの情報だけではわからない
情報収集の大切さについて書きましたが、ホームページなどに載っている全体の人数や男女比などは参考であり、実際は全員が毎回参加しているわけではありません。実際に活動している会員の人数や男女比などは、思い切って参加してみるしか知る方法はありません。
山岳会の選び方②:コンタクトをとる
メールや応募フォームから
問い合わせをする山岳会が決まれば、さっそく応募します。ポイントは丁寧に書くことです!ネットは顔がわからない分、書き方で第一印象が決まります。自己紹介や必要事項を連絡するよう指示があるのに、よく読まずに応募してしまわないよう気をつけましょう。管理人に「この人はコミュニケーション取れない人かも…?」と思われたら入会どころではありません。
山岳会の選び方③:参加してみる
定例会や飲み会からでOK
問い合わせが完了したら、いきなり山行に参加しても良いですが、顔合わせのために正式入会前に定例会や飲み会から参加してもOKです。まずは雰囲気をつかむことが大切です。自分に合わなければ、また他の山岳会を探せば良いので大丈夫です。
お試し日帰り登山に参加する
会の雰囲気が気に入ったら、正式入会前にトライアルで登山に参加してみましょう。初心者や女性のペースに合わせてくれるか、会が普段行く山は自分のレベルに合っているか、無理なく続けられそうか考えてみてください。一度限りの参加でも、企画者や運転をしてくれた人がいればお礼も忘れずに言いましょう。車移動の場合は高速代、車代などの費用は参加者で割ることになります。次に会うタイミングがわからなければ特に、支払い漏れのないよう気をつけましょう。
合わなければお断りしてOK
定例会、飲み会、お試し登山などに参加してみて、自分に合わないと思えばお断りして全く問題ありません。ただし、今は初心者でもレベルアップしたり、やりたい分野が変わった時に、またどこかでその会に縁があるかもしれません。なのでお断りの際は一方的にフェードアウトするより、管理人に丁寧にお礼とお断りしたほうが賢明です。
友達と一緒に参加しても◎
とは言え、知らない人たちの中に入っていくのは、勇気のいることです。せっかく山岳会を探したけれど躊躇しているうちに時間が過ぎてしまってはもったいないです。そんな時は登山に興味のある友達や知り合いがいれば、一緒に参加してみましょう。二人で行く日を決めてしまえば、「やっぱりやめた」となりづらいですし、参加した時に話し相手に困ることがありません。
山岳会の選び方④:会の中のクラブ
一つの山岳会の中に、写真やトレランなど同じ趣味の人が集まった「クラブ活動」のようなものがあることもあります。気になるクラブ活動から選ぶのも良いでしょう。一例を紹介します。
山岳会の中の写真クラブ
登山をしていたら、雲より高い場所を歩くこともあります。自分の目線より低い雲、頭上に広がる青空には、何とも言えない気持ちよさを感じます。他にも、可憐な高山植物、かわいい野生動物など、山には被写体が溢れています。普通の登山では、他のメンバーがさくさくと進んで行ってしまうと、立ち止まって写真に時間をかけるのがはばかられることもあります。写真クラブがあれば撮影メインでゆっくり登山を楽しめます。
山岳会の中のトレランクラブ
山を走る爽快感から最近人気になっているトレイルランニング、略してトレランのクラブがあれば、山仲間とタイムを競ったり、技術を教え合ったりできます。女性でもトレランを楽しんでいる人はたくさんいます。またトレランをすることで、通常の登山の時に体力的・精神的に余裕が生まれ、よりいっそう山を楽しめます。
山岳会の中の山ごはんクラブ
山で食べるご飯は不思議といつもよりおいしく感じます。最近は山の上で本格的な料理を作るための本やグッズも豊富に出ており、山ごはんを楽しみに登る人もいます。山ごはんクラブがあれば、できたてあつあつの料理が食べられるし、皆で作った料理をシェアすることもできます。
地図読みクラブ
中には真面目なクラブがある場合もあります。地図読みとは、等高線や地図記号からどのような地形になっているか読み解くことです。例えば急な上り下りがある箇所、崖になっているところ、尾根か谷かなど、登山の前に確認できていれば危険を回避したり、現在地を把握したりしやすくなります。地図読みをできて損することはありませんので、このようなクラブ活動があったら興味を持ってみましょう。
テント泊クラブ
山でテント泊すると、山小屋の狭いスペースのように他人に気を遣うことなく、準備も食事を作るのも好きなペースで進められます。山小屋の宿泊代が浮くというメリットもあります。2人用以上の大きなテントを持っていれば友達も一緒に入れます。今までソロで登っていた人は、テント泊のクラブがあれば、また違った楽しみ方ができます。
山岳会の選び方⑤:トラブルを防ぐために
怪しい勧誘に注意
山岳会を騙って、怪しい勧誘をおこなったり、実態は出会い系サークルのような団体も存在します。特に女性はトラブルに巻き込まれないよう、しっかりとした下調べが重要です。もし知らずに入会してしまっても、はっきりとお断りしましょう。
登山活動をしていない団体
過去に山岳会として活動していたが、人が減ったなどの事情で今はほとんど活動していない、または飲みサークルと化している団体にも気を付けましょう。活動履歴が古い日付のまま止まっている、飲み会の写真ばかりなどの場合は要注意です。ただし、ツールがホームページからLINEなどのSNSに移動しているため、更新が止まっているケースもあります。気になる場合は入会前に問い合わせましょう。
安全登山のために
山岳保険
山ではケガや高山病などのリスクが伴います。滑落や遭難をすればヘリを呼ぶ可能性もあります。ヘリを呼ぶとなると多額の代金がかかるため、万一の場合に備えて保険に入ることをおすすめします。安いものは一日数百円からあります。山岳会で保険に加入している場合は、入会の時に保険代や保険内容を確認しましょう。
まとめ
「初心者や女性におすすめのサークルの選び方」いかがでしたでしょうか?選び方のポイントは、入会前の情報収集で自分に合っていそうな山岳会を選ぶことと、お試しで参加してみて雰囲気を感じるのが大切ということです。この記事が、読者様の楽しい山仲間を作るきっかけになりますように!
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