パレスサイクリングを楽しもう
大都会東京のど真ん中で、車を気にすることなく思い切り自転車に乗ってみたい…。そんなサイクリストだけなく、自転車を楽しみたい多くの人の夢をかなえてくれるのが、パレスサイクリングです。パレスサイクリングとは、一般財団法人自転車振興協会によって、皇居外苑の周辺で開催されているサイクリングイベントです。1975年から始まったといいますから、40年以上もの歴史の由緒あるイベントです。ここでは、パレスサイクリングのコースや開催日や時間、イベント、どのように利用できるのか、また、参加するにあたっての注意点など、いろいろな情報を紹介しましょう。
パレスサイクリングって何?
祝田橋から平川門までの片道1.5km、往復3km一周とする、この間4車線もの車道すべてを自転車専用道路、つまりサイクリングロードとして開放されるイベントが、パレスサイクリングです。日頃は横を走り抜ける車の走行にビクビクおびえながら走らなければならないのを、全く気にせず自転車で走り抜けることができるのは、非常に快感です。
パレスサイクリングは今やサイクリストの聖地に
また、近年はスポーツバイクへの人気の高まりもあり、東京に住む人たちだけでなく、東京近郊のサイクリストの聖地ともなって賑わいを見せています。ただ走るだけでなく、自慢の愛車を見せ合って交流をする場ともなっています。
パレスサイクリングはいつ開催しているの?
開催は毎週日曜日
パレスサイクリングは、毎週日曜日の10:00~16:00のあいだ、コースが解放されます。ただし、当日雨天の場合は中止、また天気予報で降水確率が50パーセント以上の予報の場合は前日に中止の決定がされます。前日に中止が決定したなら、当日晴れてもそのまま中止なので要注意です。
ホームページをチェックしてから出かけよう
雨でなくても、諸事情で中止になることもあります。行ってから「中止だった!」といった事態にならないように、出かける前に、ホームページをチェックしておくと確実な情報が手に入るのでおすすめですよ。
大都会のビル街を走る爽快感
ただ、残念なのが、パレスサイクリングが開催されるのは、週に1度日曜日だけという点です。また、雨天の場合は中止されてしまいます。だからこそ、もっと多くの日で開催してほしいものですが、東京の交通事情を思えば仕方ありませんね。とはいえ、丸の内にそびえたつ大都会のビル群を眺めながら、車を気にせず走ることができるので、いつもの見慣れた東京の景色にはない爽快感を味わうことができます。
パレスサイクリングはどこを走るの?
パレスサイクリングのコース
パレスサイクリングは、皇居外苑前の祝田橋交差点から平川門交差点間の約1.5㎞、往復一周約3㎞のコースです。開催時間内のコース内は、一般車両通行止めになります。通常は多くの車が行きかう道路が封鎖されて自転車しか走っていない景色は、普段この辺りを知っている人にとっては、何だか違和感を感じるかもしれませんね。
一周だけでなく何周走ってもOK
往復一周約3kmという距離なので、走るのにそれほど時間は掛かりません。15分から20分もあれば一周できてしまうでしょう。もちろん一周だけでなく何周してもかまいません。開催時間内なら、いくら走っても構いませんし、自転車から降りて、ゆっくり過ごしてもOKです。
ビルの間の自然を走る
皇居は都心の真ん中に位置しています。東京に住んでいない人には、都会のど真ん中なので自然などはないと思われがちですが、実はたくさんの自然が存在しています。皇居の外苑のお濠には水鳥が飛び交っていますし、皇居内にはたくさんの木々があるので、それをサイクリングコースから眺めることもできます。皇居の外苑を囲む歩道は、日頃は外苑を一周する多くのウォーキングやジョギングをする人で賑わっています。この辺りは、都会の喧騒の中ののどかな憩いの場といった感じでしょうか。
パレスサイクリングの基本情報まとめ
パレスサイクリング基本情報
【開催】毎週日曜日 10:00~16:00
【場所】(コース):祝田橋~平川門 往復約3㎞
【連絡先】TEL:03-6409-6923(パレスサイクリングテント)
【アクセス】日比谷線 日比谷駅から徒歩8分:千代田線、二重橋前駅2番出口から徒歩3分:JR東京駅丸の内側から徒歩15分
皇居前警備派出所横に案内所のテントがあるので、わからないことなどがあれば尋ねてみるといいでしょう。
パレスサイクリングの注意点
そんな皇居外苑周辺という、都会の真ん中の自然豊かなサイクリングコースにおいて、普段は自動車に注意しながら走らなければならない場所をこの日ばかりは全く気にせず、自転車での走りを楽しむことができるのがパレスサイクリングの魅力のひとつです。けれども、いかに自転車専用に開放されたコースとはいえ、たくさんの人が公道を自転車で走るわけです。したがって、いろいろなルールやマナーなどもあります。参加するにあたって、いくつかルールやマナーまた、注意点があるので、ここで挙げておきましょう。それらを守って、安全に自転車走行を楽しみたいものです。
パレスサイクリングはレース場ではない
パレスサイクリングのコースである皇居外苑周辺は、普段は多くの車が行き交っています。その4車線のスペースが自転車が走るために開放されており、見た目にも非常に広々しています。そのせいか、中にはレース場と勘違いしてコースを一周、二周さらには何周もビュンビュン飛ばす人がいます。しかし、パレスサイクリングはスピードを競うレース場ではなく、のんびり、ゆっくりと自転車に乗ることを楽しむのが目的のためのコースであると認識しましょう。
交通ルールを守ろう
自転車専用道路として開放されていますが、人の出入りは可能です。したがって、道を横断する人もいますし、そのために信号機もあります。外苑を散歩している人も少なくありません。自転車で走行する際には、信号はもちろん、一般道を走るのと同様に、その他の交通ルールを守るのは当然です。また、係員も配備されているので、その指示にも従わなければなりません。
いろいろな自転車、いろいろな人が走っている
走っているのはスポーツバイクだけではない
最近はスポーツバイクの人気の高まりもあり、パレスサイクリングでも、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクを持ち込んで走っている人が増えています。けれども、パレスサイクリングで走る自転車は、そんなスポーツバイクばかりではありません。ママチャリやシティサイクル、子供用自転車も走っています。
走る目的もさまざま
ロードバイクなどのスポーツバイクもたくさん走っていますが、スポーツバイクに乗っているからといってすべての人がスピードを求めているわけではなく、のんびりとサイクリングを楽しむのが目的という人もたくさんいます。いろいろな自転車、いろいろな人たちがいろいろな目的で走っていることを理解する必要があります。
車線の内訳に注意!
パレスサイクリングのコースは4車線ありますが、走行の際には走る車線に注意しましょう。というのも、外苑の内側のコースは、上級のロードバイクに乗ったいわゆる「ローディー」の人たちが、練習を兼ねて走っていることも多いからです。ただ、皆さんマナーを守っているので、流れに近づいたりコースに入ったりしなければ危険ではありませんし、危ない目に合うこともないはずです。ゆっくり、まったり走りたいのであれば、外側のコースを走ることをおすすめします。
走行NGな自転車もある
サイクリングコースとはいえ、あくまでも「公道」です。したがって、変形自転車や、ピストバイクなどブレーキのついていない自転車の走行はNGです。また、補助輪付きの自転車はサイクリングコースに出ることはできないので、小さなお子さんたちは「補助輪付き自転車専用コーナー」で保護者の責任の上で楽しんでくださいね。
自転車は自分で用意を
レンタル自転車という方法もあり
平成30年3月まではイベントで自転車のレンタルをしてもらえましたが、現在は終了しています。したがって、コースを走る自転車は自分で用意しなければなりません。ただし、近辺に自転車のレンタルをしてくれるお店もあるので、自分の自転車を持っていくのは面倒という人は利用してみるのもいいかもしれませんね。
この機会にテストライドにチャレンジ
また、今はスポーツバイクは持っていないけれども買う予定があるという人もいるかもしれません。でも、どの自転車がいいのだろうと迷っているなら、何台かのスポーツバイクをレンタルし乗り比べて、購入の参考にするのもいいでしょう。街中でテストライドができる機会など、まずありませんよ。
パレスサイクリングで車で輪行する場合
東京近郊から参加する人や東京に住んでいてもパレスサイクリング会場まで遠いという人は、車で輪行するという方法があります。ただし、会場には駐車スペースはないので、近くの駐車場を利用することになります。東京の駐車料金はかなり高いので、コインパーキングを利用したなら思わぬ出費になりがちなのが、頭の痛いところです。皇居周辺には、朝から夜までの駐車料金が2,000円台という駐車場もいくつかあります。これならサイクリングを終えてから、車を停めたままでショッピングや食事などに出かけても財布を気にする必要はないでしょう。ただし、利用は事前に予約が必要なところがほとんどなので、出かける前にチェックしておくことをおすすめします。
パレスサイクリングのいろいろな催し
パレスサイクリングは、ただ片道1.5km、往復3kmの間に設けられたサイクリングコースを自動車を気にせず自転車で走れるだけではありません。さまざまな催しも開催されています。前述したように、パレスサイクリングは一般財団法人自転車振興協会によって開催されています。したがって、正しい自転車の乗り方などについての啓もう活動も行っており、パレスサイクリングはその一環でもあるのです。パレスサイクリング会場で行われているサイクリングコースのほかの、自転車に関するいろいろな催しについても、ここで紹介しておきましょう。
補助輪付き自転車専用コーナー
前述した補助輪付き自転車専用コーナーでは、就学以前の小さなお子さんが自転車に乗る練習ができます。受付や利用制限時間がないので、お父さん、お母さんなど保護者の責任の下で、利用時間内であれば自由に乗ることができるのは魅力です。また、補助輪付き自転車のレンタルをして貰えるのもうれしいですね。
幼児練習コーナー
これは、子ども用自転車で、保護者が就学前のお子さんに自転車の乗り方を教えるコーナーです。こちらで乗れるのは、補助輪なしの幼児自転車です。持ち込み自転車は不可でレンタル用自転車のみ使用できることや、練習時間は1時間30分まで、などいくつかルールはありますが、街中で安全に幼児が自転車に乗る練習をするところがなかなかないことを考えれば、ここで自転車に慣れておくのはおすすめです。
自転車乗り方教室
自転車に乗れない小学生以上が対象となる、自転車乗り方教室で、大人も利用できます。専門の指導員が指導してくれるので、安心して習うことができます。自転車の持ち込みはNGですが、その人の体格に合った自転車を選んで貸し出ししてもらえるので、却って好都合です。また、場合によってはヘルメットもレンタルできます。練習は5段階で、最終段階を修了したなら「自転車乗り方教室修了証」が発行されるので、モチベーションが上がります。
自転車産業振興会から利用上の注意
コース内の走行について
- 道路標識、信号、看板の指示に従うこと
- 警察官や係員の指示があれば、それに従うこと
交通ルールについて
- 安全のために手袋をつける
- 2人乗りは禁止(タンデム車を除く)
- 手放しや片手運転、よそ見運転はやめよう
- スピードの出し過ぎ、追い越し競争はやめよう
- 急ブレーキ、急カーブ、Uターン、ジグザグ運転はやめよう
交通マナーについて
- 携帯品はハンドルにかけず、前かごやポケットに入れる
- ブレーキをかけるときは、後輪(左手)、前輪(右手)の順にかける
- 停車のときは後方の安全を確認したうえで、左によって徐行しながら止まる
- 路上や空き地などには駐輪不可
- ゴミやたばこの吸い殻を路上に捨てない
パレスサイクリングデートを楽しむ
パレスサイクリングでは、サイクリングデートを楽しむ自転車好きのカップルもたくさんいます。ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクでスピードを楽しむカップルもいれば、ゆっくり・のんびりと、普段落ち着いて自転車に乗ることのできない場所を走って日ごろのストレス解消をしているカップルもいます。自転車好きのカップルなら、パレスサイクリングはうってつけのデートになるでしょう。しかし、パレスサイクリングは、自転車で走ることを楽しむだけのイベントにとどまるわけではありません。東京のど真ん中で開催される催しだからこそのお楽しみもあるのですよ。
パレスサイクリングデートのあとのお楽しみ
一日中サイクリングデートで過ごすのもいいですが、サイクリングのあとは、手軽にショッピングやグルメを楽しむことができるのも、パレスサイクリングの大きなメリットです。パレスサイクルリングコースから丸の内駅舎はすぐ、だから丸の内ショッピングもできてしまいますし、グルメなお店もたくさんあります。都会の中のサイクリングコースだからこその楽しみ方といえるでしょう。
パレスサイクリングについてのまとめ
普段は車で溢れている場所なのに、週に1度の日曜日だけとはいえ、車を気にせず自転車に乗れるなんて、すごいことです。この解放感は一度味わうと病みつきになること間違いありません。また、皇居周辺の自然を楽しみながら、丸の内の摩天楼を横目に自転車で疾走する爽快感は体験しないとわからないでしょう。四季折々の自然が楽しめるパレスサイクリングですが、特に秋には街路樹のイチョウが黄色く染まって非常にきれいです。さあ、今度の日曜日は「パレサイ」に出かけてみませんか。
サイクリングについて気になる方はこちらをチェック!
以下は、全国や関東でおすすめのサイクリングロードについて紹介している記事です。こちらもぜひ参考にして、各地の名所や絶景を自転車で楽しんでみてください。
全国のサイクリングロードおすすめ13選!一度は行きたい名所を厳選紹介!
今回は全国のサイクリングロードのおすすめを紹介します。おすすめのサイクリングロードには一度は行ってみたい名所が多く、ツーリングをしている人や...
関東でおすすめのサイクリングロード10選!絶景も楽しめる名所もご紹介!
関東で自転車を楽しむならどのサイクリングロードを選びますか?ただ走るだけでなく周辺の観光名所に立ち寄ってみるももおすすめです。本記事では、関...