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冷蔵庫のコンセントの取り付け位置が高い理由は?抜き差しするときの注意点は?

最近の住宅では冷蔵庫用のコンセントは高い位置にあることが多いです。以前は床に近い場所にありました。なぜ冷蔵庫のコンセントの高さが高くなったのでしょうか?そのほか電源コードを抜き差しする時の注意点など冷蔵庫の電源に関するいろんな疑問点についても解説します。
更新: 2021年8月25日
aakm.yamada
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冷蔵庫用のコンセントが高い位置にある理由

Photo by7742334

最近の住宅ではほとんどの場合、冷蔵庫用のコンセントの高さは冷蔵庫より高い位置に取り付けられています。コンセントの高さが高くなった理由を解説しましょう。冷蔵庫が設置されて電源コードのプラグがコンセントに差し込まれて使用開始されると、通常はその電源プラグが抜き差しされることはありません。

長い時間が経過する間には、何か物が当たってプラグが抜けかけたりすることもありますし、プラグ部分がほこりまみれになることもあるでしょう。このような場合には誰も気づかない間にプラグから発火して(トラッキング現象といいます)火事が起きることがあるのです。

トラッキング現象とは

長期間電源コードのプラグをコンセントに差したままにしておくと、プラグとコンセントの間にほこりがたまり、このほこりが湿気を持つとプラグの2ツの差し刃の間に微弱な電流が流れ、火花が出ます。この火花によってプラグの差し刃の付け根の樹脂部分が炭化し、電気を通さない筈の樹脂が電気の通り道(トラック)になってしまいます。

このトラック部分から放電がおこって発熱し発火します。この現象がトラッキング現象です。湿気の多い梅雨時はトラッキングが原因の火災が多いので注意が必要です。下の動画でトラッキング発火が起きる様子を見ることができます。

コンセントが高い所にあるのは火災を防ぐため

コンセントがいつでも見える場所にあれば、トラッキング現象による発火に至る前に気が付いて対策が取られるでしょう。冷蔵庫用のコンセントの高さが冷蔵庫の高さより高い位置に設定されるようになったのは、トラッキング現象による火災を防ぐためなのです。

冷蔵庫のコンセントが冷蔵庫に隠れてしまわないように冷蔵庫の高さより上の場所に取り付けられていれば、いつでもみんなから見えて、プラグが抜けかけていたり、ほこりまみれになっていたら誰かが気が付いてくれるでしょう。

冷蔵庫用のコンセントが高い位置にない場合は?

転勤などの理由で引っ越した場合に、入居する予定の住宅のキッチンには冷蔵庫の高さより高いところにはコンセントが無い。こんな時はどうしたらよいでしょう?

お金と手間をかけて新しいコンセントを高い位置に新設する必要はありません。要はトラッキング現象が起きないように管理すればよい訳です。まず冷蔵庫の置き場所を工夫してコンセントが冷蔵庫の陰に隠れないようにしましょう。

どうしてもコンセントが壁と冷蔵庫の間に入ってしまう場合は、その隙間を若干広めにとって、チェックや掃除ができるようにしましょう。近くにチェック表を張って、月に1回は点検するようにすれば万全です。

冷蔵庫用のコンセントが近くにない場合は?

冷蔵庫を購入した時についてくる電源コードの長さは2m前後の長さのことが多いです。冷蔵庫を希望の場所に置いた場合にコンセントが2m以内にない場合はどうしたらよいでしょうか?冷蔵庫の場合、電源コードの長さが足りないからといって延長コードを使うのは良くないという人もいます。

しかし、2m以内にコンセントがなければ新しくコンセントを新設しない限りは延長コードを使わざるを得ませんね。延長コードがいけないというのは、トラッキングによる発火の機会が2倍に増えることと、不適格な延長コードを使用することによるコードの発熱、発火の恐れが出るためです。

これらに対する対応を正しくとれば、延長コードを使用すること自体は問題ないのです。
 

延長コードを使う場合の注意点


冷蔵庫の電源コードに延長コードを使う場合にまず最初に留意すべきことは、冷蔵庫の消費電力以上の容量の規格の延長コードを使うことです。通常の家庭用の100V電源の冷蔵庫であれば、モーターの定格消費電力は60~100W程度、電熱装置の消費電力が100~180W程度でしょう。

電熱装置の消費電力は時たま入る霜取運転の時の消費電力であり、冷蔵庫の消費電力としては無視してもよいのですが、ここでは大甘に両方を足した数字を冷蔵庫の消費電力としましょう。Max.で280W程度です。

一方、延長コードの規格としては、7A(アンペア)*125V(ボルト)、12A*125V、15A*125Vなどなどの種類がありますが、単相100V用コンセントの容量に見合う15A*125Vを使うことをおすすめします。100Vで使用すれば1500WまでOKですので家庭用の冷蔵庫であればまずは十分な余裕があり安全です。

その他の注意点

延長コードについてのその他の注意点としては、「PSE(電気用品安全法)」「JIS」などのマークがついたもので、差込口は1つだけのもの(差込口が複数ある電源タップではない)、長さはできるだけ短いもの(必要以上に長くないもの)を使うこと、などがあげられます。なお、電源コードと延長コードのつなぎ部分は抜けないようにテープなどで補強すると良いでしょう。

ほこりの侵入も防げます。また、コードを足でひっかけたりしないような場所を選んで配置し適当な方法で固定しましょう。最終的に延長コードの長さが長すぎた場合は、束ねて縛ったりしないでください。発熱発火の恐れが出てきます。面倒でも最適な長さのものに交換してください。

冷蔵庫の電源をコンセントから抜くときの注意点

冷蔵庫の電源は通常はあまり抜き差ししません。ここでの「電源をコンセントから抜くとき」とは、すぐに電源を入れなおすのではなく、引っ越しの場合のように長時間電源が切られたままになる場合を想定しています。

また冷蔵庫が故障してメーカーへ修理依頼する場合、冷蔵庫を入替交換する場合なども長時間電源がきられますね。このような場合に冷蔵庫電源をコンセントから抜く時の注意点を説明します。

このような場合、冷蔵庫を動かすまえに「霜取り」と「水抜き」をしておく必要があります。これをしないと運搬中に水がこぼれて床や荷物を濡らしてしまうことになります。冷蔵庫の霜が解けるには10時間とか15時間が必要ですので冷蔵庫を移動する24時間前には電源をコンセントから抜いておきましょう。
 

冷蔵庫の電源をコンセントに差し込む時の注意点

冷蔵庫の電源をコンセントに差し込む時とは、冷蔵庫を新しく購入して搬入された時や、引っ越しで冷蔵庫を移動した時を想定しています。このような場合の取り扱いを家電メーカーのHP で調べると、東芝は据え付け後5分、日立は7分待ってから電源を入れるように、そのほかのメーカーはすぐに入れてもよい、との記述があります。

また、全てのメーカーで「横向きでの運搬は厳禁!」となっています。コンプレッサーのオイルが冷却機関に流れ込んですぐに電源を入れると故障を引き起こす恐れがあるからです。したがって、電気店から購入した場合は専門家に任せるとして、引っ越しの場合は設置後1時間ほどは電源を入れないようにするのが安全です。

冷蔵庫の電源をコンセントから抜き差し時の注意点

どんな時に電源をコンセントから抜き差しする?


冷蔵庫の電源コードをコンセントから抜き差しする時というと、キッチンの大掃除とか、キッチンの模様替えなどをして冷蔵庫を一時的に移動させなければならないような場合が考えられます。冷蔵庫が故障した場合なども試しに電源を一旦切ってから入れなおすことがあるかもしれませんね。

あとは、節電のために夜中の就寝中には冷蔵庫の電源を切っておき、朝になってから電源を入れるような場合があるかもしれません。節電のために夜中に電源コードを抜くのは一般家庭ではあまり考えられませんが、独身者で冷蔵庫の中にはビールとミネラルウオーターくらいしか入っていないような場合にはありうるかもしれません。

電源をコンセントから抜き差しする時の注意点

冷蔵庫の電源をコンセントから抜き差しする場合の注意としては、10分以上経過してから電源プラグを差し込み約7分ほど待ってから電源プラグを差してください。これは、コンプレッサーへの負担を少なくする効果などがあります。したがって、電源をコンセントから抜いた場合は10分程度経過してから電源を再投入するのが安全です。

なお、最新タイプの冷蔵庫では電源を抜いてすぐに差し込んでも自動的にコンプレッサの起動を遅らせる(5~7分程)保護回路があり、問題ないものもあります。

停電の時に冷蔵庫の電源コードを抜くべきか?

家電メーカーは各社とも停電したら家電製品の電源プラグを抜いておくように推奨しています。暖房器具など熱を発するものは停電が復帰した場合の危険性を考えています。

また、モーターなどを使用した家電製品は起動時の電流が大きいため、停電が復帰した時に家中の家電製品が一斉に動き出すとブレーカーが落ちたりして家電製品への悪影響が出るとしています。日立、パナソニック、シャープ、三菱、ともに全く同じです。ただ、三菱のみは「冷蔵庫は除く」と但し書きを入れています。

冷蔵庫のみは電源コードを抜かない

残念ながら、三菱電機のHPには「冷蔵庫を除く」理由が書いてありませんでした。しかし、筆者はこれが正しいと考えます。

すなわち、地震や水害で家屋が被害を受けたり、冷蔵庫が倒れたり故障したりした場合は冷蔵庫の電源も切るべきですが、停電だけの場合は、ほかの家電製品は電源プラグを抜くとしても冷蔵庫についてはプラグを抜かずにそのままにしておくべきなのです。その理由を次に説明します。

冷蔵庫の中身の食品を守ろう

冷蔵庫の電源が切れても冷蔵庫の扉を開け閉めしなければ、2時間程度では冷蔵庫の冷気の逃げはほとんどなく、中の食品の鮮度は保たれます。一方停電の原因は発電所での事故故障、変電所での事故故障、送電線の事故などいろいろありますが、これらの復旧までに要した時間の長さは最短で1分、長くて2時間程度との電力会社のデータがあります。

これらのことから、停電した場合にはできるだけ扉の開閉をせずにプラグを差したままで停電の回復を待つ方がベターなのです。プラグを抜いてしまうと、停電が復旧した時に冷蔵庫の電源がすぐに入らず、家に人がいない場合などは冷蔵庫の中身がダメになってしまう恐れがあります。

冷蔵庫にアース線がついていない場合はどうする?

家電のアースの役割は皆さんご存じだと思います。家電が故障などが原因で漏電した場合に人がその家電に触れれば感電して重大事故になりますが、その家電にアース線が取り付けてあれば感電しないで済むわけです。したがって水気のある場所、あるいは湿気のある場所で使用する家電にはアースが必要なのです。

水を使う代表的な家電の洗濯機やウオッシュレットはアースが絶対に必要です。以前は冷蔵庫にも必ずアース線がついていましたが、直接水にぬれることがなく、人が触れる部分が金属から非金属に換わるなど絶縁対策が進んだ結果、最近の冷蔵庫にはアース線がついていない場合が多くなっています。

したがって、最近冷蔵庫を購入した時にアース線がついていない場合はアース線なしのまま使用しても問題はありません。

水気、湿度が多い所で使う場合はアースを取り付ける

ただし、特に水気、湿度が多い場所で使用する場合には、アースをとりましょう。冷蔵庫裏側下部にはアース線を繋ぐ場所が準備されていますので、必要な長さのアース線をホームセンターなどで購入して取り付けることをおすすめします。


冷蔵庫にアース線がついている場合の処理は?

型式の古い冷蔵庫などの場合には、アース線が最初から取り付けられている場合が多いです。この場合には、コンセントのアース線接続部につないで使用しましょう。

アース線の長さが足りない場合はホームセンターなどで必要な長さのアース線を購入して交換してください。また、コンセントにアースの接続部がない場合には、専門業者に依頼してアース端子付きのコンセントに交換する工事か、単独のアース端子取り付け工事をしてください。

水道管やガス管につないではいけません

素人考えで、アース線を水道管やガス管、電話線などにつないではいけません。これらへのアース線の接続は非常に危険な行為で、法令で禁止されています。

コンセントの増設、交換やアース端子の取付工事をやってくれる全国の業者を下のリンクでご紹介しますので必要に応じて利用してください。
 

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おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがでしたか?

冷蔵庫の機能や漏電対策などは以前に比べ大きく進歩しているようですが、コンセントでのトラッキング火災については使用者が注意するしかありません。コンセントの取り付け位置の高さに関係なく、見やすい状況において、常にチェックすることが大切です。

なお安全カバーというトラッキング防止の方法も最近現れました。プラグを交換するのではなく、使用中のプラグにはめて使うのです。下にご紹介しておきます。

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出典:Amazon
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