はじめに
スバルのクルマが車好きに好まれる理由は他社には無い走行性能や安全性です。次々と最新車種が発表される近頃の車事情で他のメーカーとは違う特色出していくのは当然です。しかし、その中でもスバルは独自の路線で車作りを行っています。
使い勝手や室内空間、燃費が求められる大衆車であっても、デザインは非常に武骨で、燃費性能もそれほど良いわけではありません。ですが、どこか他とは違う部分がありユーザーの遊び心をくすぐります。
そんなスバルのクルマにが大好きな熱狂的なファンをスバリストと呼んでいます。彼らは自分の愛車を愛して止みません。そしてスバリストは芸能人や有名人そして海外にも広がっています。
スバリストとは
スバリストの歴史
スバリストという言葉が初めて使用されたのは、1975年に発行された「カートピア31号」というスバル愛好家向けの雑誌でした。その中で、後閑暢夫氏(東京農業大学助教授(当時))が「スバルは紳士の乗り物」という投稿をしたのがスバリストの始まりでした。
その投稿の中で、後閑氏はスバル車を運転するときは、常に車社会のエリートとして他の車に対して誇らかに走らせたいという思いを語っていました。
それまでスバル好きは「スバルファン」や「スバル党」といった呼び方をされていましたが、この投稿に対してスバルファンから共感する意見が多数寄せられ、英語で『〇〇〇な人』を表現する「ist」と「スバル」が合わさりスバリストとなり、世間にスバリストが広がっていきました
スバリストの特徴とは
スバリストはレースが大好き
ワークス活動の始まり
スバル=ラリーといったイメージを持っている人が多いと思いますが、スバルのワークス活動としては1973年に開催されたサザンクロスラリー(オーストリア)に初参戦したのがスバルのレース活動の始まりです。
その後、1980年に開催されたサファリラリー(アフリカ・ケニア)に参戦しました、当時はFR(前エンジン。後輪駆動)の車種がほとんどでしたが、スバルは4WDのレオーネで参戦しました。
1990年にはレガシィでWRC(世界ラリー選手権)に参戦しましたが、ランチア・デルタインテグラーレやトヨタ・セリカGT-FOURが強く、参戦直後のスバルの戦績は低迷しました。さらに当時のスバルは経営状態が悪く、レース活動を行っている余裕はありませんでした。
しかし世界中のスバルディーラーからの援助金を頼りになんとかレース活動を継続した結果1993年8月に開催されたニュージーランドラリーでレガシィが優勝し、スバルとしてWRC初優勝を飾る事ができました。
インプレッサの登場〜WRC撤退
1993年には満を持して初代インプレッサがデビューします。ラリーで勝つために作られたインプレッサは他のマシンより小型軽量なボディにターボとフルタイム4WDで武装し、抜群の速さを見せました。
インプレッサは1995年~1997年の3年間に渡ってスバルにマニュファクチャラーズタイトルをもたらします。その後、三菱のランサーエボリューションシリーズと熾烈な戦いを経て、2008年に惜しまれながらWRCのワークス活動を終了しました。
現在のレース活動
現在はSTI(スバルテクニカインターナショナル株式会社)が中心となり、スーパーGT300クラスにBRZが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにWRX STIが参戦しています。この様なスバルのレース活動の実績からスバルファンはラリーやレース活動に興味がある人が多いのが特徴です。
スバリストはスバルが大好き
スバリストはスバル車、特に自分の愛車が大好きです。一般のドライバーが気にしないような、愛車のエンジン出力曲線やミッションのギア比などを調べるのが大好きです。もし、駐車場でスバリスト同士が会えば、お互いの車の詳細な情報の交換の場となるでしょう。
スバルもスバリストが大好き
STIのコンプリートカーであるS208(限定450台)ですが、710万円と高額でありましたが、全世界で1900台の注文があり、申し込み受け付けはすぐに終了してしましました。後継機種のS209が北米のみ限定発売で発表されましたが、すぐに予約が埋まった様です。これだけユーザーに愛されているメーカーは他にないでしょう。
スバリストになるためには
スバル=紳士の乗り物
後閑氏が言ったように、スバルの車は紳士の乗物です。他のドライバーの模範となるべく、あおり運転や無謀運転を行わず安全運転を心がけ、常に紳士的な運転をするべきです。
そして、運転技術の向上やメカ的な要素だけではなく車に対する深い見識を持ち、車社会全体に関心を持って生活する事が大事な要件です。
そして、たとえスバル以外の車に乗っている人や、そもそも車に乗っていない人についてもスバルが好きで好きで仕方がないようなファンはスバリストと言っていいのではないでしょうか?スバリストとは誰かに決められるものではなく、自分自身で名乗るものです。
スバルの特徴
水平対向エンジン
水平対応エンジンとはエンジンの形状の1つで、エンジン中央に置いたクランクシャフトを両側からシリンダーで挟む形のエンジンです。水平対向エンジンは振動特性に優れており、とてもスムーズな回転が特徴です。
また、エンジンの重心位置を下げることができるので、スポーツ走行時の運動能力向上につながります4気筒の水平対向エンジンが主力ですが、レガシィシリーズに6気筒の水平対向エンジンを搭載している車種もありました。
6気筒の水平対向エンジンを販売したのはスバルとドイツの高級車メーカーであるポルシェの2メーカーだけです。近年ではハイブリット機構を追加したe-BOXERを開発し、環境性能のイメージも向上させています。
シンメトリカルAWD
重心の低い水平対向エンジンと左右対称の四輪駆動システムで構成されたスバル独自の4wdシステムです。重心が低く、前後左右の重量バランスが良いため、悪路での走破性にに加え、フォレスターのような重心の高いSUVであってもカーブでの安定性向上に貢献しています。
アイサイト
アイサイトはフロントガラス上部に設置された2つのカメラによって車、歩行者や白線を自動的に認識します。アイサイトシステムは対象物との距離を計算し、万が一衝突が予想される状況になれば、自動でブレーキを掛けて衝突を回避・軽減します。
スバルのブランドイメージ
スバルは2019年2月にアメリカ消費者向け案内サイトのコンシューマーリポートで「最良の車を作るブランド」に選ばれました。個別の車種でも、アセント(ミッドサイズのSUV、日本未導入)とフォレスターがそれぞれベストカーオブザイヤーに選ばれています。
その中でスバルはオーナーの満足度と信頼性が特に高い得点となりました。北米でのブランドイメージはレクサスと同等かそれ以上で、特に気候の厳しいニューヨーク等の東海岸でスバル=タフというイメージになっています。
日本国内では気候の厳しい北海道やとうほくにおいて走破性の高いブランドイメージを持つスバルは人気となっています。
スバルの評価・評判
日本国内での評価・評判
日本国内ではスバリスト等、一部の車好きにはその走行性能や安全性により評判がいいのですが、販売台数では国内で7位と低迷しています。原因は正規ディーラーの少なさ(約700店舗)や軽自動車部門からの撤退が影響しています。
北米での評価・評判
北米でのブランドイメージが強いスバルですが、その中でアウトバックやフォレスターが北米のスバルファンに評判となっています。北米では車をブランドではなく実用的な道具として扱います。したがって丈夫な車体構造と雪道に強い4WDシステムを搭載するフォレスターやアウトバックが高評価を得ています。
その他の地域での評価・評判
ヨーロッパを見ると北米のようにスバルのブランドイメージが強くありません。SUV車の市場は人気が高まっていますが、スバルの評判は今ひとつです。ヨーロッパ全体での販売は約4万5000台程度に留まっており、各車種の評価や評判についても低評価になってしまっています。
スバル車の魅力
ミニバンにも高性能を
スバルはSTIシリーズやSシリーズの様な超高性能なスポーツモデルばかりを制作するイメージのメーカーですが、3列シートのエクシーガを導入して家族の事を考えなければならないスバリストまで大事にしています。
エクシーガは3列シートのミニバンですが2.0GTという上級グレードにはターボを搭載した水平対向エンジン(225馬力)と4WDを搭載しており、他メーカーのファミリーミニバンとは一線を画す高性能ミニバンです。
通常のミニバンはエンジン等にはこだわらず、快適性や燃費を重視するイメージが強いですが、エクシーガは家族がいてスポーツカーに乗ることを諦めているお父さんにもスポーツドライビングの楽しみを提供しています。
高性能と安全性
スバルの作る車はエンジン特性に優れた水平対向エンジンをほぼすべての普通自動車(軽自動車のR1・R2除く)に搭載しています。また、ほとんどの車種に4WDを設定しております。それにより、スバル車=高性能といったイメージが定着しています。
実際の走行でもスムーズで馬力のあるエンジン特性や路面に張り付くような4WDの特性を感じることができます。したがって、スバルを選ぶ人は走行性能や安全性能にこだわりのある人が多いです。このような他のメーカーではできない様な技術を導入する事がファンの心を捉えています。
スバリストな芸能人・有名人とその愛車
芸能人
奥田民生(シンガーソングライター)・スバルR1
ロックバンド・UNIOORNのメンバーで、「すばらしい日々」等の名曲を世に送り出しているミュージシャンです。愛車は白のスバルR1で、たまたま軽自動車で速い車を探していたら、R1が見つかり購入したようです。
同じ芸能人の所ジョージさんとは親交があり、所ジョージさんの世田谷ベースに来訪したことがあるようです。スバルR1はスバル260のデザインコンセプトを受け継いだコンパクトでかわいい車です。
しかし、最上級グレードはスーパーチャージャーに7速マニュアルモード付のCTVを搭載し、最速の軽自動車となっています
所ジョージ(コメディアン)・スバル360、R1・R2
以前クイズ番組で手に入れたスバル360(通称てんとう虫)を500万円かけてポルシェ風に改造しました。その後、このポルシェ風360はヤフオクに出品されたようです。
その他に所ジョージさんはスバルR1・R2を北野武さんと一緒にフェラーリ風に改造して遊んでいました。スバル360は1958年に発売になったスバル初期の車で、通称てんとう虫の愛称で愛された車です。
長野博(芸能人)・インプレッサスポーツ
高級車に乗っているイメージのある芸能人ですが、長野さんはV6他のメンバーがベンツやレンジローバーに乗る中、インプレッサスポーツにのっています。長野さんは他にも大型バイクも所有しており、スポーツ志向の高いインプレッサを選んだのではないでしょうか?
スポーツ選手
斎藤 佑樹(プロ野球選手)・アウトバック、BRZ、フォレスター
プロ野球選手の斎藤佑樹投手はレガシィアウトバック、BRZ、フォレスターとスバルを三台所有しているようです。スポーツカーのBRZからSUVのフォレスターまでスバルで揃えいることで有名人となっています。
有名人
ウォーレン・バフェット(投資家)・アウトバック
アメリカ合衆国の投資家であり、世界最大規模の投資会社であるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOを務めています。有名人ながら本人は倹約家で、自宅も31.500ドルで購入した中古物件に住んでいます。
自動車に関しても高級車を何台のコレクションすることはなく、スバルの2015年式のアウトバックに乗っています。まさに車を実用的な移動手段として使うアメリカ人の特性が出ています。
まとめ
スバルはラリー活動等のレース活動のの実績からスポーツカーメーカーのイメージがあります。そして実際にもスポーツ志向の人に選ばれています。その一方でレクサスやベンツのような車そのものの質感やブランドイメージを大事にする芸能人や有名人、プロ野球選手の顧客からも評価されています。
それはスバル車に他のメーカーでは真似する事が出来ないような独自の特徴があり、それを一貫として貫いているからではないでしょうか。そのようなスバルの車作りはスバリストの心を捉えて離しません。スバリストの方々にとって、スバル車は生涯にわたって相棒となりうる愛車なのです。
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今回はスバリストについて紹介しましたが、スバルの海外での評価について気になる方は、是非下記リンクをチェックしてみてください。
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