バイクで朝日・夕日を見に行こう
長い海岸線と高い山を持つ島国である日本には、全国各地に美しい朝日や夕日を眺められるスポットが数多くあります。なかには狭く曲がりくねった道路を通って、ようやくめぐりあえる絶景も少なくありません。でもバイクならではの機動力をもってすれば、そんな辺鄙な場所にも容易に行ってみることができます。バイクツーリングで訪れるのに最適な、全国のおすすめ朝日・夕日の絶景スポットをご紹介します。
朝日・夕日スポットとは
全国の朝日・夕日スポットとはどういう場所を指すのでしょうか。ここでは数ある朝日・夕日スポットの中から、バイクを走らせて見に行く場所を選ぶ目安をご紹介します。
日本の朝日百選
日本の朝日百選とは、内閣府のNPO法人である「日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会」が選定した、全国の朝日の名所です。百選といっても、現在のところはまだ12カ所しか選定されていませんが、いずれの場所も素晴らしい朝日の景色に出会える場所です。ツーリングで朝日を見に行きたいときは、まずはこの朝日百選の中から選んでみるのも悪くないかもしれません。
日本の夕陽百選
日本の夕陽百選も、朝日百選と同様にNPO法人の「日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会」が選定した、全国の夕陽の名所です。こちらの選定数は朝日よりも多く、68カ所が現在までに選ばれています。リストアップにあたって、町ぐるみで夕日に関するイベントなどを行なっている地域を優先して選んでいることもあり、いずれの夕日スポットも遊歩道や駐車場が整備されているなど、訪れやすいスポットが多いのが特徴です。
他にも絶景スポットがいっぱい
朝日・夕陽百選に選ばれていない場所でも、日本には数多くの朝日や夕日の絶景スポットがあります。中にはアクセスするまでの道が狭かったり険しかったりと、四輪で訪れるのは難しい場所もあります。でも車体が小さく機動性の高いバイクであれば、そんな車では行けない絶景スポットにも訪れることができるのです。
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場①
千葉県刑部岬(朝日・夕日)
千葉県の北部、九十九里浜にある刑部岬は、朝日と夕日の両方を楽しむことができる絶景スポットです。高さ60メートルの断崖絶壁からは、太平洋と九十九里浜の両方が見渡せます。日の出の時間には、太平洋の水平線から登る朝日が見渡せ、日の入りの時間には、房総半島の海岸線越しに沈む夕日の絶景が拝めます。天気の良い日には富士山を見ることもできるなど絶景の宝庫で、都心からも近いおすすめのツーリングスポットです。
基本データ
スポット名 | 刑部岬 |
所在地 | 千葉県旭市上永井 |
アクセスルート | 銚子連絡道路を横芝光ICで下り国道126号経由で約50分 |
絶景ポイント | 飯岡刑部岬展望館~光と風~ |
6/1日の出時間 | 午前4時21分 |
6/1日の入り時間 | 午後6時48分 |
駐車場 | 有り(無料) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場②
新潟県星峠(朝日)
新潟県十日町の星峠は、大小200の棚田が広がる景勝地です。朝日や夕日のスポットは、水平線が見渡せる海岸線の地域のイメージがありますが、この星峠も朝日の絶景スポットとして有名です。気象条件によってあらわれる早朝の雲海の中、水鏡と呼ばれる水を張った棚田に朝日が反射する様は、まさに絶景です。日の出の光によって雲海が黄金色に染まる幻想的な光景には、思わず言葉を失ってしまいます。
基本データ
スポット名 | 星峠 |
所在地 | 新潟県十日町市峠 |
アクセスルート | 関越道の六日町ICで下り国道253合線経由で約1時間 |
絶景ポイント | 展望台 |
6/1日の出時間 | 午前4時27分 |
駐車場 | 有り(無料:20台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場③
富山県氷見海岸(朝日)
富山湾を望む能登半島の付け根に位置する氷見の海岸線は、パノラマ的な朝日の絶景スポットとして有名な地域です。目の前に広がる美しい富山湾の水平線に浮かぶ、雪を戴いた北アルプスから昇る朝日は、神々しい美しさです。氷見は能登ツーリングの拠点としても最適です。温泉もあり、ブリや白えび、ホタルイカなど新鮮な海産物の産地としても知られるので、ゆっくりと温泉に泊まって早朝の朝日を楽しんでから、能登ツーリングに出かけるのもおすすめです。
基本データ
スポット名 | 氷見海岸 |
所在地 | 富山県氷見市氷見海岸 |
アクセスルート | 能越自動車道を高岡北ICで下り県道32号線経由で約15分 |
絶景ポイント | 島尾海水浴場 |
6/1日の出時間 | 午前4時34分 |
駐車場 | 有り(無料:150台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場④
高知県桂浜(朝日)
よさこい節にも歌われている高知県の桂浜は、朝日百選にも選ばれた美しい朝日を拝める海岸線としても有名です。「日本の夜明けぜよ」のセリフで有名な幕末の志士である坂本龍馬の像が見守る海岸からは、日の出の少し前から水平線が赤く染まりはじめ、徐々に水平線から朝日が顔を出す壮観な風景が見られます。海岸線で朝日を堪能した後は、土佐名物の鰹のたたきに舌鼓を打つのもおすすめです。
基本データ
スポット名 | 桂浜 |
所在地 | 高知県高知市浦戸 |
アクセスルート | 高知自動車道を高知ICで下り、県道376号線経由で約30分 |
絶景ポイント | 桂浜公園 |
6/1日の出時間 | 午前4時57分 |
駐車場 | 有り(早朝は無料:500台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑤
北海道利尻島(夕日)
北海道の北部、日本海に浮かぶ利尻島は、日本の北の果ての夕日が眺められる人気のスポットです。中でも島の北部にある夕日ヶ丘展望台は、目の前の海岸線と背後の山の360度を見渡すことができる絶景スポットです。水平線に夕日が沈む時刻になると、島全体が赤く染まる幻想的な風景に出会うことができます。特におすすめは、まわりのススキが黄金色に染まる秋の夕焼けです。
基本データ
スポット名 | 利尻島 |
所在地 | 北海道利尻郡利尻富士町鴛泊 |
アクセスルート | 稚内からのフェリーで鴛泊で降り、利尻ファンタスティックロード経由で約10分 |
絶景ポイント | 夕日ヶ丘展望台 |
6/1日の入り時間 | 午後7時14分 |
駐車場 | 有り(無料:20台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑥
秋田県男鹿半島(夕日)
日本海に突き出した秋田県の男鹿半島は、日本の夕陽百選にも選ばれた夕日の絶景スポットです。ゴツゴツした岩場の海岸線が続く南西部の潮瀬崎には、映画の怪獣キャラクターを彷彿とさせるゴジラ岩と呼ばれる岩があり、夕暮れに水平線に沈む夕日がこの岩を照らすとき、あたかもゴジラのようなシルエットが海面に浮かび上がります。夕日がゴジラの口に達する時間帯には、火を吹くゴジラを思わせるユニークな風景にも出会えます。
基本データ
スポット名 | 潮瀬崎 |
所在地 | 秋田県男鹿市 |
アクセルルート | 秋田自動車道を昭和男鹿半島ICで下り県道59号線経由で約45分 |
絶景ポイント | ゴジラ岩(潮瀬崎) |
6/1日の入り時間 | 午後7時02分 |
駐車場 | なし |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑦
千葉県江川海岸(夕日)
潮干狩りでも有名な木更津の江川海岸は、美しい夕日の絶景スポットとしても人気の海岸線です。干潟に建てられた電柱は、満潮の時刻には水平線に向かって伸びる一直線の電柱の列となり、凪いだ水面に夕焼けに染まった街並みが映り込む幻想的な情景が浮かび上がります。そのどこか神秘的な景色は、ボリビアの絶景ポイントになぞらえて「日本のウユニ塩湖」とも呼ばれ、夕暮れ時には多くのカメラマンで賑わいます。
基本データ
スポット名 | 江川海岸 |
所在地 | 千葉県木更津市久津間 |
アクセスルート | 東京湾アクアラインを袖ヶ浦ICで下り県道87号線経由で約10分 |
絶景ポイント | 盤洲干潟(ばんずひがた) |
6/1日の入り時間 | 午後7時04分 |
駐車場 | 有り(無料:600台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑧
石川県千里浜海岸(夕日)
オンロードバイクでも走れる、固く締まった砂地の海岸線として知られる能登半島の千里浜海岸は、日本海の水平線に沈む美しい夕日が見られる絶景スポットとしても有名です。日の出とともに日本の東海岸を出発し、日没までに日本海側に到達するサンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー(SSTR)のゴール地点にもなっており、キメの細かい砂浜の向こうに広がる日本海に沈む幻想的な夕日は、どこか厳かな気分にさせてくれます。海岸には地元の海産物を食べさせる屋台も多く、名物の焼き蛤を食べながら眺める夕日も乙なものです。
基本データ
スポット名 | 千里浜海岸 |
所在地 | 石川県羽咋市千里浜町 |
アクセルルート | のと里山海道を千里浜ICで下り、海岸方面へ約3分 |
絶景ポイント | 千里浜なぎさドライブウェイ |
6/1日の入り時間 | 午後7時07分 |
駐車場 | 有り(無料) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑨
大阪府りんくうタウン(夕日)
関西国際空港からほど近い、りんくうタウンにあるマーブルビーチは、日本の夕陽百選にも選ばれる夕陽の絶景スポットです。大理石の玉石を敷き詰めた海岸線のビーチからは、夕陽で赤く染まった水平線に離発着する巨大な旅客機の幻想的な風景を眺めることができます。隣接するりんくうタウンには、おいしい料理を提供するお店も多く、美しい夕日を見た後は、レストランでグルメを楽しむこともできます。
基本データ
スポット名 | りんくうタウン |
所在地 | 泉佐野市りんくう往来北 |
アクセルルート | 関西空港自動車道を泉佐野出口で下り一般道経由で約5分 |
絶景ポイント | マーブルビーチ |
6/1日の入り時間 | 午後7時05分 |
駐車場 | 有り(有料) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑩
島根県宍道湖(夕日)
夕陽百選にも選ばれ、日本一美しい夕日との呼び声も高いのが、島根県松江市の宍道湖です。湖上空のたなびく雲と、湖一面をオレンジに染める景観は、神々の国らしい荘厳な雰囲気に満ちています。また、夕日が沈む方角も、出雲大社のある西の水平線に沈むあたりも、どこか神々しさを感じさせます。宍道湖で夕日を堪能した後は、名物のしじみを味わい、宍道湖温泉でライディングの疲れを癒すのもおすすめです。
基本データ
スポット名 | 宍道湖 |
所在地 | 袖師町 |
アクセスルート | 山陰自動車道を松江西ICで下り国道9号線経由で約5分 |
絶景ポイント | 白潟公園 |
6/1日の入り時間 | 午後7時18分 |
駐車場 | 有り(無料:10台分) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑪
長崎県平戸(夕日)
潜伏キリシタンの里としても知られる平戸は、水平線に沈む夕日の絶景ポイントとしても知られています。特に平戸島から突き出た生月島からは、東シナ海を赤く染めて沈む夕日がいたるところから眺められます。島の西海岸線に沿って走る生月サンセットウェイは、美しい夕焼けのスポットとして、多くの自動車メーカーのCMに使われているほどです。隠れキリシタンの関連施設などの観光スポットや、新鮮な魚介類をはじめとしたグルメも豊富な平戸は、西九州のツーリングスポットとしてもおすすめのエリアです。
基本データ
スポット名 | 平戸 |
所在地 | 長崎県平戸市生月町 |
アクセスルート | 西九州自動車道佐世保ICで下り国道204、県道号線経由で約90分 |
絶景ポイント | 大バエ灯台 |
6/1日の入り時間 | 午後7時24分 |
駐車場 | 有り(無料) |
バイク旅におすすめ朝日・夕日の穴場⑫
沖縄県サンセットビーチ(夕日)
沖縄県中部の北谷町にあるサンセットビーチは、その名のとおりの美しい夕日のスポットとして有名なエリアです。沖縄特有のエメラルドグリーンの美しい海と白い砂浜の海岸線からは、南の島ならではの雄大な夕日が眺められます。周辺はカジュアルなレストランやショッピングモールなども多く、バイクを停めて夕日を楽しんだ後は、観光やグルメを楽しむこともできます。
基本データ
スポット名 | サンセットビーチ |
所在地 | 沖縄県中頭郡北谷町美浜 |
アクセルルート | 那覇空港より国道58号線経由で約35分 |
絶景ポイント | 石の階段 |
6/1日の入り時間 | 午後7時18分 |
駐車場 | 有り(無料) |
バイクで朝日・夕日を見に行くときの注意点
駐車場所に注意
人気の朝日・夕日スポットの中には、駐車場がなかったり、あっても狭かったりと駐車場所に困る場合もあります。でもバイクだからといって、道路脇などに駐車するのはやめましょう。絶景スポットの周辺は生活道路である場合も多く、近隣の住民に迷惑がかかるだけでなく、日の出や日没のあたりが暗い時刻には、追突されるリスクも高まり危険でもあります。
事故に注意
朝日や夕日の美しい絶景スポットは、海沿いの地域が多いという特徴があります。海岸線に近い道路は、横風にあおられたり、地面に浮いた砂で滑りやすいだけでなく、高潮などの危険もあります。また谷あいの山間部などでは、道幅が狭く転落のおそれもあります。特に朝日や夕日の時間帯はあたりが暗いこともあり、バイクの運転には、事故を起こさない細心の注意が必要です。
体の冷えに注意
朝日が昇る早朝や、夕日が沈む夕暮れ時は、夏場でも気温は低めです。それ以外の季節ではさらに気温は低くなりますし、海沿いの地域では風などの影響でさらに寒くなります。そんな中で朝日や夕日の絶景が現れるチャンスを待っていると、徐々に体が冷えていきます。風邪を引いてしまうおそれもありますし、こわばった体でバイクを操るのも危険です。絶景を楽しんだ後は、近くの温泉に浸かって冷えた体を温めるのもおすすめです。
撮影の注意
朝日や夕日の絶景を見ると、ライダーなら自分のバイクをその中に置いて撮影したくなるものです。でも人気のスポットでは他のカメラマンもたくさんいる場合も多く、他人に迷惑をかけないようマナーを守って撮影しましょう。きれいな朝日・夕日写真を撮りたいときは、三脚とレリーズやリモコンを使用し、絞り優先モードで露出をマイナス側に設定すると、初心者でも比較的うまく撮ることができます。
朝日・夕日ツーリングに出かけよう
バイクツーリングにおすすめの、全国の朝日・夕日の絶景スポットについてご紹介してきました。四方を海に囲まれた日本は、そこかしこに水平線ごしに見える美しいサンライズやサンセットを眺めるスポットがあります。また、山間の地域でも、高くそびえる山頂から昇る朝日や、雲海のかなたに沈む夕日などの絶景に出会えるポイントがあります。昼間のツーリングに比べると少し眠かったり、寒かったりはしますが、それを差し引いても余りあるすばらしい景色に出会えるかもしれません。