BMW R nineTがカッコいい
オーソドックスなボディに、伝統のボクサーツインを搭載したBMWの新しいシリーズ、R nineTが人気です。バイク本来の面白さを突き詰めたR nineTの魅力や、R nineTのラインナップ、レトロからスポーツヘリテイジまでさまざまなスタイルをカバーする、R nineTのカスタムの魅力についてご紹介します。
BMW R nineTの魅力
R nineTの歴史
四輪メーカーのイメージが強いBMWですが、実は二輪の方が古い歴史を誇ります。1932年に発表したR32がその原点で、そのときすでにBMWの伝統ともいうべきボクサーツインエンジンを搭載していました。その後もテレレバーと呼ばれるフロントサスペンションや乾式クラッチ、シャフトドライブやパラレバーと呼ばれるリヤサスペンションなど、独特なバイク作りで人気を博してきました。そんなBMWが創業90周年を記念して開発したロードスターが、R nineTなのです。
R nineTのエンジン
R nineTのエンジンは、BMW伝統のボクサーツインエンジンです。このボクサーツインは、低重心とジャイロ効果をほぼゼロにすることができる理想のエンジンとして、BMWのRシリーズに搭載され続けているエンジンです。水冷が全盛のBMWのボクサーの中にあって、R nineTにはあえて空油冷方式が採用されました。これはR nineTが、尖ったスペックの水冷と異なり、中低速のマイルドさなど、空冷独特の乗り味や操る楽しみを重視した結果と言えます。
R nineTのエンジンスペック
エンジン形式 | 空油冷4ストロークDOHC4バルブ水平対向2気筒 |
排気量 | 1,169cc |
最高出力 | 110ps(81kW)/7,750rpm |
最大トルク | 116N・m/6,000rpm |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
使用燃料 | ハイオクガソリン |
燃料消費率 | 18.90km/L |
R nineTのスタイル
多くのラインナップを誇るR nineTシリーズに共通しているのが、最近のバイク界のトレンドであるスポーツヘリテイジ調のスタイルです。これはどこか懐かしさを感じるレトロイメージに、現代的な解釈を施したスタイルです。R nineTシリーズのいずれの車種もレトロ調の外観を持ちながら、最新スペックのメカニズムによるライディングを楽しめるスポーツヘリテイジのスタイルを持っています。
R nineTの走り
R nineTの開発コンセプトは、モーターサイクルが本来持っている走る喜びを具現化するというものでした。そのためヘリテイジイメージのオーソドックスなボディに、ハイスペックなボクサーツインを搭載、空油冷エンジンが持つ独特の走行フィールや、ボクサーエンジンとパラレーバーがもたらす安定感のあるコーナーリングなど、バイクを操る楽しさがとことんまで突き詰められています。
BMW R nineTのラインナップ①
R nineT
BMWモトラッドの90周年を記念して開発された、R nineTシリーズの第一弾モデルです。レトロな匂いのするオーソドックスなシャシーに、BMWの伝統ともいうべき空油冷のボクサーツインを搭載、バイク本来が持つ走る楽しさを追求したスタイルで注目を集めました。伝統的なテレレバーではなく、倒立式のテレスコピックの採用は、軽やかなハンドリングを獲得しました。シンプルなデザインはカスタムを想定したもので、リアフレームを脱着式とすることで、さまざまなカスタマイズに対応できるようになっています。
R nineTのボディスペック
モデル名 | R nineT |
全長×全幅×全高 | 2105mm×870mm×1060mm |
ホイールベース | 1490mm |
シート高 | 805mm |
車両重量 | 222kg |
燃料タンク容量 | 18.0リットル |
タイヤ(フロント) | 120/70ZR17 |
タイヤ(リヤ) | 180/55ZR17 |
BMW R nineTのラインナップ②
R nineT アーバンG/S
BMW伝統のアドベンチャーバイクとして、1980年代に活躍したR80G/Sを彷彿とさせるアドベンチャーカスタムが、R nineT アーバンG/Sです。高い位置にマウントされたフロントフェンダーやスクリーン一体となったライトカウル、初代R80G/Sをイメージさせるレトロなタンクグラデーションが、ヘリテイジイメージを際立たせています。
アーバンG/Sのボディスペック
モデル名 | R nineT Urban G/S |
全長×全幅×全高 | 2175mm×870mm×1330mm |
ホイールベース | 1527mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 221kg |
燃料タンク容量 | 17.0リットル |
タイヤ(フロント) | 120/70R19 |
タイヤ(リヤ) | 170/60R17 |
BMW R nineTのラインナップ③
R nineT レーサー
R nineTをベースに、1960〜70年代のヴィンテージなレーサースタイルのカスタムを施されたスポーツヘリテイジが、R nineT レーサーです。レトロなイメージのロケットカウルや小ぶりなシングルシート、前傾の強いライディングポジションを作り出す低いハンドルなどが、往年の耐久レーサーを彷彿とさせるスタイルを形作っています。ボクサーならではの低重心と、正立フォークの素直なハンドリングで、コーナーを俊敏に駆け抜けます。
レーサーのボディスペック
モデル名 | R nineT Racer |
全長×全幅×全高 | 2105mm×920mm×1105mm |
ホイールベース | 1491mm |
シート高 | 805mm |
車両重量 | 220kg |
燃料タンク容量 | 17.0リットル |
タイヤ(フロント) | 120/70ZR17 |
タイヤ(リヤ) | 180/55ZR17 |
BMW R nineTのラインナップ④
R nineT ピュア
R nineTシリーズのオーソドックスで、無駄なものを削ぎ落としたシンプルなイメージをさらに際立たせたモデルが、R nineT ピュアです。装備を必要最低限まで絞り込んだそのスタイルは、名前の通りにピュアなスポーツヘリテイジとして、走りそのもを楽しむだけでなく、カスタムベースとして自分好みのバイクに仕上げていく喜びも味わえます。
ピュアのボディスペック
モデル名 | R nineT Pure |
全長×全幅×全高 | 2105mm×900mm×1240mm |
ホイールベース | 1493mm |
シート高 | 775mm |
車両重量 | 219kg |
燃料タンク容量 | 17.0リットル |
タイヤ(フロント) | 120/70ZR17 |
タイヤ(リヤ) | 180/55ZR17 |
BMW R nineTのラインナップ⑤
R nineT スクランブラー
オンロードバイクをベースに、ダートコースで開催されたスクランブルレースに出場するためのカスタムを施した、レトロなスクランブラーイメージのスタイルをまとったのが、R nineT スクランブラーです。19インチと大径化されたフロントタイヤやレトロイメージのフォークブーツ、高い位置にマウントされたマフラーなどが、往年のスクランブラーを彷彿とさせます。
スクランブラーのボディスペック
モデル名 | R nineT Scrambler |
全長×全幅×全高 | 2175mm×880mm×1120mm |
ホイールベース | 1530mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 222kg |
燃料タンク容量 | 17.0リットル |
タイヤ(フロント) | 120/70R19 |
タイヤ(リヤ) | 170/60R17 |
BMW R nineTのカスタム
R nineTはノーマルで乗ることを前提として開発されたこれまでのBMWバイクと異なり、最初からカスタマイズすることを意識して作られています。シンプルなデザインはモジュラー感覚で各パーツを交換することを想定しており、純正のカスタムパーツだけでなく、多くの社外カスタムパーツで自分だけのR nineTを作り出すことを可能にしています。
BMW R nineTのライバル
トライアンフ スラクストン
レトロなイメージのトライアンフボンネビルシリーズの中でも、どちらかというとスポーティーな走りを追求したモデルが、スラクストンです。1960年代にイギリスのカフェ「ロッカーズ」に集ったバイクたちを思わせるカフェレーサーイメージの車体に、水冷化された伝統のバーチカルツインを搭載し、軽快にストリートを駆け抜けます。
スペック
エンジン形式 | 水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒 |
排気量 | 1,200cc |
最高出力 | 97ps(72kW)/6,750rpm |
最大トルク | 112N・m /4,950rpm |
ヤマハ XSR900
レトロなイメージのボディに、クロスプレーンコンセプトの水冷直列3気筒エンジンを搭載した、ヤマハのスポーツヘリテイジモデルがXSR900です。見た目と走りのギャップやカスタマイズ性の高さなどで、R nineTのライバルとなりうるバイクです。
スペック
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒 |
排気量 | 845cc |
最高出力 | 116ps(85kW)/10,000rpm |
最大トルク | 87N・m /8,500rpm |
自分だけのR nineTを楽しもう
BMWのスポーツヘリテージバイク、R nineTについてご紹介してきました。オーソドックスなボディに、伝統の空油冷ボクサーツインを搭載したR nineTは、バイクが本来持っている走る喜びを堪能できるだけでなく、そのシンプルさから多様なカスタマイズを楽しむことができます。多彩なカスタムパーツで自分好みのR nineTを作り上げ、バイクの楽しさを味わい尽くしてください。