カワサキZの魅力に迫る
今でも名車の名をほしいままにするZ1の発売から数え、45年以上の歴史を誇るカワサキの人気車種がZシリーズです。今もその洗練されたスタイリングとハイスペックな走りでライダーを魅了するカワサキZシリーズの現行車種や、歴代の名車のおすすめについてご紹介します。
カワサキZシリーズとは
もともと900Super4の形式名であったZの文字は、アルファベットの最後であることから”究極の”モデルであることを示すバイクとして名付けられたと言われています。。以来、カワサキのフラッグシップと言えるスポーツバイクには常にZの文字が冠され続けているのです。
カワサキZおすすめバイク(現行車編)①
Z900RS
カワサキが誇る往年の名車Z1を彷彿とさせるスタイリングを身にをまといつつ、現代に見合う走りの性能を持ち合わせたスポーツヘリテージモデルがZ900RSです。伝統の火の玉カラーのグラフィックが施された丸タンクや、水冷でありながら空冷を思わせる冷却フィンが刻まれたエンジンなど、細部に至るまで作り込まれたこだわりの高さが多くのライダーに支持されています。
特長
クラシカルな見た目ながら、ストリートファイターZ900譲りの水冷4気筒エンジンは、スロットルレスポンスの高さと滑らかな吹け上がりをライダーに提供してくれます。倒立フロントフォークやリンク式のモノショックなど、その足回りも現代の走りに見合うスペックが与えられています。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
排気量:948cc
最高出力:111PS(82kW)/8,500rpm
最大トルク:10.0kgf-m(98N・m)/6,500rpm
全長×全高×全幅:2,100mm×1,150mm×865mm
シート高:800mm
車両重量:215kg
カワサキZおすすめバイク(現行車編)②
Z900RS CAFE
スポーツヘリテージモデルとして人気の高いZ900RSをベースに、レトロイメージのビキニカウルやローポジションのハンドル、段付きシートなど往年のカフェレーサーを思わせるスタイリングをまとわせたのがZ900RS CAFEです。スタンダードのZ900RSとは一味違うレトロスポーツとして、ライダーの人気を集めています。
特長
高めのシート高にローハンドルがもたらすやや前傾気味のライディングポジションは、レーシーなイメージそのままにワインディングで思い描いたラインをトレースする旋回性能の高さをもたらしくてれています。ビキニカウルはウインドプロテクション性能も高く、高速道路でもライダーの疲労を軽減してくれます。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
排気量:948cc
最高出力:111PS(82kW)/8,500rpm
最大トルク:10.0kgf-m(98N・m)/6,500rpm
全長×全高×全幅:2,100mm×1,190mm×845mm
シート高:820mm
車両重量:217kg
カワサキZおすすめバイク(現行車編)③
Z1000
スーパースポーツNinja ZX-9Rの水冷直4エンジンをベースに、カウリングなどの装備を剥ぎ取り、ストリートでの戦闘力を徹底的に追求したモデルがZ1000です。デザインコンセプトである”Sugomi”そのままのスパルタンなストリートファイターに仕上がっています。
特長
141PSのハイパワーを誇るエンジンは、空冷Zの時代とは比較にならないパフォーマンスの高さで、ライダーを異次元の世界へといざないます。人間工学に基づいて設計されたライディングポジションと、路面追従性にすぐれる前後サスペンションによって、その強烈なパワーながらコントローラブルな操縦性の高さを実現しています。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
排気量:1,043cc
最高出力:141PS(104kW)/10,000rpm
最大トルク:11.3kgf-m(111N・m)/7,300rpm
全長×全高×全幅:2,050mm×1,055mm×790mm
シート高:815mm
車両重量:221kg
カワサキZおすすめバイク(現行車編)④
Z650
かつて750キラーとしてライダーの人気を集めた”ZAPPER"の流れを汲むミドルクラスネイキッドが、Z650です。現在のZシリーズのデザインコンセプトである”Sugomi”を継承しつつ、ハイパワーとコントロールのしやすさを高い次元で両立させることに成功したモデルとなっています。
特長
低中速重視のセッティングが施された水冷の並列2気筒エンジンは、軽量・コンパクトなボディもあって、ライダーが意のままにバイクを操る悦びを体感させてくれます。ETC車載器が標準装備されており、ツーリングバイクとしての性能も非常に高いものがあります。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
排気量:649cc
最高出力:68PS(50kW)/8,000rpm
最大トルク:6.6kgf-m(65N・m)/6,500rpm
全長×全高×全幅:2,055mm×1,080mm×775mm
シート高:790mm
車両重量:187kg
カワサキZおすすめバイク(現行車編)⑤
Z400
普通二輪免許のライダーが乗れるカワサキZシリーズのバイクとして新たに投入されたのがZ400です。250ccクラス並みの軽量・コンパクトなボディに、Ninja400譲りのハイパワーエンジンを搭載し、走りを楽しめる本格ネイキッドスポーツとして注目されています。
特長
”Sugomi"コンセプトのスパルタンなデザインは、このZ400でもしっかりと息づいています。モンスターマシンであるNinja H2譲りの鋼管トリレスフレームは、抜群のハンドリンング性能の高さを実現、軽い車体もあいまって、キビキビした走りを可能にしてくれます。アシストスリッパークラッチや視認性の高い多機能インストルメントパネルなど、ライダーをサポートする装備も充実しています。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
排気量:398cc
最高出力:48PS(35kW)/10,000rpm
最大トルク:3.9kgf-m(38N・m)/8,000rpm
全長×全高×全幅:1,990mm×1,055mm×800mm
シート高:785mm
車両重量:166kg
カワサキZおすすめバイク(現行車編)⑥
Z125 PRO
多くのラインナップを誇るカワサキZシリーズの中でも、最も排気量が小さく末弟的な位置付けなのがZ125 PROです。他のZシリーズ同様のシャープなデザインを踏襲しつつ、どこか愛嬌を感じさせるルックスでライダーから高い人気を誇ります。
特長
前後12インチホイールを履いたコンパクトなボディと、100キロそこそこの軽量な車体により、気負わずに走りを楽しむことができます。タンデム走行も考慮した段付きのシートや、ギヤポジションインジケーターなど快適装備も充実し、街乗りからツーリングまで幅広く楽しむことができます。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
排気量:124cc
最高出力:9.7PS(7.1kW)/8,000rpm
最大トルク:0.98kgf-m(9.6N・m)/6,000rpm
全長×全高×全幅:1,700mm×1,005mm×750mm
シート高:780mm
車両重量:102kg
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)①
900Super4 Z1
ドリームCB750FOURで世界の大排気量市場で先を越されたカワサキが、ホンダに対応すべくDOHCで900ccのエンジンを搭載して発売したのが900Super4、通称Z1です。重量車然としたイメージのホンダCBとは一線を画し、ティアドロップ型のタンクからテールカウルへと流れるような美しいラインを描くスタイリングと、ツインカムならではのハイスペックな走りで、瞬く間にライダーのハートを掴むことに成功しました。
特長
DOHC化された908ccのエンジンは、OHCのCBを上回る82馬力のハイパワーを発揮、当時としては高い剛性を誇った鋼管製のダブルクレードルフレームにより、高次元での走りを実現しました。4気筒であることを誇示するかのような美しい4本出しのメッキマフラーも高い人気を誇りました。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒
排気量:908cc
最高出力:82PS(60.0kW)/8,500rpm
最大トルク:7.5kgf-m(73.5N・m)/7,000rpm
全長×全高×全幅:2,200mm×1,170mm×865mm
シート高:815mm
車両重量:230kg(乾燥重量)
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)②
Z1-R
それまでのティアドロップタンクの曲線イメージから一変し、直線基調のスタイリングに当時流行していたカフェレーサーイメージのデザインを取り入れたのがZ1-Rです。Z1以来モデルライフが長くなり売上が低迷していたZシリーズにとって、起死回生ともなるビッグヒットとなりました。
特長
日本刀をイメージしたという直線的なデザインにシルバー1色のカラーリングは、それまでのZと異なるメタリックなイメージを作り出すことに成功しています。前後18インチのホイールや4into1のエキゾーストも、斬新なイメージとして当時のライダーに好意的に受け入れられました。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒
排気量:1,015cc
最高出力:90PS(66.0kW)/8,000rpm
最大トルク:8.7kgf-m(85.3N・m)/7,000rpm
全長×全高×全幅:2,160mm×1,295mm×800mm
シート高:ーmm
車両重量:246kg(乾燥重量)
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)③
Z400FX
当時としては斬新な角型の燃料タンクに、中型免許で乗れる空冷4気筒モデルとして人気を集めたのがZ400FXです。400ccクラスとしては大柄な車体も、当時は合格が困難だった限定解除免許を持たないライダーたちの支持を集めることに成功しました。
特長
空冷の直4エンジンは、43馬力という当時としてはクラス最大のパワーを実現しました。大排気量車を思わせるその排気音も人気でした。前後ディスクブレーキやキャストホイールも、当時のミドルクラスとしては贅沢な装備でした。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒
排気量:399cc
最高出力:43PS(32.0kW)/9,500rpm
最大トルク:3.5kgf-m(34.3N・m)/7,500rpm
全長×全高×全幅:2,100mm×1,155mm×795mm
シート高:805mm
車両重量:192kg(乾燥重量)
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)④
Z1000R
カワサキがエディ・ローソンを擁して参戦していたAMAスーパーバイクレースで優勝したことを記念して発売されたモデルが、このZ1000Rです。カワサキを象徴するライムグリーンのカラーリングを施した車体に、100PSを超えるハイパワーエンジンを搭載し、まさにグリーンモンスターを象徴する一台と言えます。
特長
スーパーバイクマシンのイメージそのままに、4into1のエキゾーストにKERKER製のメガホンマフラー、リザーバータンク付きのリヤショックなどが採用されていました。外装にはビキニカウルや段付きシートが装着され、大容量の角型タンクにはチャンピオンとなったローソンのサインを印刷したステッカーが貼られていました。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒
排気量:998cc
最高出力:104PS(76.0kW)/8,500rpm
最大トルク:9.1kgf-m(89.2N・m)/7,000rpm
全長×全高×全幅:2,240mm×1,230mm×820mm
シート高:775mm
車両重量:222kg(乾燥重量)
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)⑤
Z1300
カワサキのフラッグシップモデルとして、当時としては国内最大となる1300ccの排気量を誇る水冷直列6気筒エンジンを搭載したバイクがZ1300です。大型エンジンならではの余裕のパワーと安定性の高い車体を持つクルーザーとして、高い支持を獲得することに成功しました。
特長
駆動方式にシャフトドライブを採用するなど、スポーツライディングと言うよりはツアラー的な使い方を重視したモデルと言えます。ほとんどのパーツが専用設計であったことに加え、フロントダブルディスクやハロゲンヘッドライトなど、当時としては最先端の装備が奢られるなど、フラッグシップモデルにふさわしい作り込みがなされていました。
スペック
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列6気筒
排気量:1,286cc
最高出力:120PS(88.0kW)/8,000rpm
最大トルク:11.8kgf-m(115.7N・m)/6,500rpm
全長×全高×全幅:2,295mm×1,280mm×905mm
シート高:ーmm
車両重量:296kg(乾燥重量)
カワサキZおすすめバイク(歴代名車編)⑥
Z750GP
角型タンクのZ750FXの直線的なイメージはそのままに、国産車としては初となる電子制御式のフューエルインジェクションを採用したのがZ750GPです。キャブレターとは異なる迫力ある加速感は、高い人気を獲得しました。
特長
フューエルインジェクションの採用のみにとどまらず、ジュラルミン鍛造性のセパレートハンドルや、液晶のチェックインジケーターが付いたメーターパネルなど、当時としては斬新な装備が採用されていました。
スペック
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒
排気量:738cc
最高出力:70PS(51.0kW)/9,500rpm
最大トルク:5.8kgf-m(56.9N・m)/7,500rpm
全長×全高×全幅:2,170mm×1,130mm×780mm
シート高:ーmm
車両重量:233kg(乾燥重量)
カワサキZシリーズの歴史
丸タンクの時代
ライバルであるホンダのCBに対抗するべく、DOHC900ccの空冷直列4気筒エンジンを積んだZ1が世に送り出されたのが1972年でした。ティアドロップ型タンクに曲線的なラインを持つZシリーズは瞬く間に人気バイクとなり、モデルチェンジを重ねながら1978年まで、このいわゆる”丸タンク”の時代が続きました。
直線基調のデザインを導入
発売から長い年月を経過し、高い人気を誇ったZシリーズもさすがにスペックでもデザインでも古さを感じるようになってきました。そこで投入されたのが、Z1000MkⅡやFXシリーズに代表される直線基調のデザインです。発売当初は賛否両論があったものの、この新しいデザインのZもやがて多くのライダーに受け入れられる人気モデルとなっていきました。
時代は空冷から水冷へ
名車Z1の登場以来、空冷DOHC2バルブの直列4気筒エンジンを守り続けたZシリーズですが、次々とハイスペック化していくライバルたちに太刀打ちするには限界となっていました。80年代に入りついにカワサキZは空冷エンジンと決別、ニンジャのペットネームを持つGPZ900Rなど水冷モデルを投入していきます。以降、現在まで続くZのラインナップは水冷エンジンですが、それでもZ1以来のカワサキスピリッツは脈々と息づいています。
やっぱりバイクはカワサキZ
カワサキのZシリーズについてご紹介してきました。エンジンは空冷から水冷に変わり、そのスタイリングも大きく様変わりしましたが、カワサキZの存在感は色褪せるどころか、さらに魅力を増しています。これからも続くカワサキZ神話から、今後も目が離せません。