カスミソウ(かすみ草)ってどんな植物?
カスミソウと言えば、お誕生日やお祝いの花束やアレンジメントフラワーの材料として大人気のお花で、誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。それもそのはず。たくさんの花言葉があるのですが、いずれもポジティブで素敵なものばかりなので、お祝いの席に用いやすいのです。では、花名の由来や花色別の花言葉を詳しく見ていきましょう。
主役にもわき役にも
主役にもわき役にもなり得るお花です。たとえば、白いお花を一種類だけをたっぷりと花束にするとそれだけで絵になり主役になります。また、バラや百合といった主役級のお花に添えるようにちらちらと散らすわき役での使い方もできます。さらに、洋風のほか和風の生け花の資材としても重宝されていて、まさにオールマイティなお花と言えるでしょう。
ドライフラワーにも
水持ちがよいので長いあいだ切り花として楽しめるお花です。さらに、花瓶にいけたままでもドライフラワーになっていきます。もちろん、花茎を麻ひもなどで結わえて上から吊り下げておくときれいなドライフラワーになります。ほかのドライフラワーと一緒に飾ってもよいですし、単体で飾っても可愛いです。
カスミソウの葉の特徴
葉や茎の色はややトーンを落とした白を混ぜたようなグリーン色です。葉っぱは小さく細長いもので、先がややとがっています。花に比べて葉っぱはそれほど目立ちません。
カスミソウの花の特徴
花の咲く時期は、5~6月ごろです。お花は、一重咲きの種類と八重咲きの種類があります。ひとつひとつのお花はとても小さく可憐で、その小花が一本の花茎にとてもたくさんつきます。ちらちらと降る雪のようでもあり、雰囲気があります。花の色は、白やピンクの種類があります。ちなみに、ときどきフラワーショップなどで見かける、青や紫の花色のものは、そうした色の種類ではなく、色水を吸わせたものです。
青や紫の花色の作り方
白いお花に、爽やかな青やビビットな黄色、雰囲気のある紫、鮮やかな赤など色をつける方法があります。やり方は簡単。プリンターのインクや食紅などの液状の色素を吸わせるだけです。
100円均一ショップの材料でも作れる
最近では100円均一ショップでもプリンターの補充インクや食紅が売られているので、とても手軽に手作りできます。青や黄色などお好みの染液に白いカスミソウの茎をつけてしばらくすると、あら不思議。だんだんと白いお花が青や黄色などの色づいてきます。花色がお好みのところまで変わったら染液から取り出して完成です。そのままドライフラワーにしても、青や黄色、赤など美しい花色が残りきれいです。
カスミソウ(かすみ草)の基本データ
科名属名
ナデシコ科カスミソウ属
学名
Gypsophila
和名
霞草(かすみそう)
別名
花糸撫子(はないとなでしこ)
英名
baby’s breath
原産国
アジアやヨーロッパの国々
カスミソウ(かすみ草)の花名の由来
和名「カスミソウ(かすみ草)」の由来
漢字で書くと「霞草」となります。枝分かれした花茎にちらちらと小花をたくさんつける様子が、まるで春霞のように感じられるところに由来します。なんとも奥ゆかしい日本らしい名前ですね。
学名「Gypsophila」の由来
学名「Gypsophia」であるは、ギリシャ語に由来する名前です。ギリシャ語で「gypsos」には「石膏」の意味があり、石灰質の土に育つことに由来します。この名前のとおり、酸性土壌ではよく育ちませんので、栽培のときにはアルカリ性の土壌になるようにコントロールしましょう。
英名「baby’s breath」の由来
英名はなんとも素敵な「baby’s breath」というものです。直訳すると「赤ちゃんもしくは愛おしい人の吐息」という意味で、白い小さなお花のイメージからつけられました。
カスミソウ(かすみ草)の種類
思いのほか色々な種類があります。背丈の低い品種もありガーデンのアクセントにもぴったり。ではいくつか、おすすめの品種をご紹介いたします。
種類1・デラバイ
「デラバイ」は、白色の一重咲き品種です。繊細な雰囲気が漂い特に女性からの人気が高いです。
種類2・ジプソフィラホワイト
白色かつ八重咲きの品種です。ただし、株が成長するまでは一重咲きのこともあります。
種類3・ブリストルフェアリー
「ブリストルフェアリー」は、八重咲きの白いお花の品種のなかでも、ボリューミーで花付きがよいタイプです。ドライフラワーにしても存在感があります。
種類4・ジプシーローズ
「ジプシーローズ」は、鮮やかなピンク色が美しい一重咲きの品種です。矮性で背が低めなので、ガーデンのほかの植物の足元などに植えても素敵です。また背丈の低さを利用して、寄せ植えの前面に配置しても見栄えがします。
種類5・ジプソフィラピンク
ピンク色の八重咲き品種です。大変華やかなので母の日のプレゼントフラワーとしても大人気。女性への「ありがとう」を伝えたいときに最適のお花です。
カスミソウ(かすみ草)の育て方
花束などの切り花として知られているお花ですが、実は庭や鉢で栽培することもでき、切り花とはまた違った魅力があります。
土作りと肥料
水はけのよい土壌を好む植物。市販の草花用培養土や小粒の赤玉土に少しバーミキュライトを混ぜ込んだものを準備しましょう。また、カスミソウは酸性土壌が苦手なので、種まきや植え付けの少なくとも2週間くらい前までに、苦土石灰を混ぜ込んで弱アルカリ性にしておきましょう。肥料はそれほど必要なく、植え付けの際の元肥と花の咲く前の3~5月ごろの追肥を少しおこなうくらいです。元肥と追肥は、穏効性の固形肥料を用いるとよいでしょう。
水やりと環境
日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。じめじめした多湿の環境が苦手で根腐れを起こして枯れることがあるので気を付けましょう。水やりは植えている土の表面が乾いてからおこなうようにします。また真夏の照り付けるような強い日差しは少し苦手なので、鉢植えにしたものを軒下など涼しいところに移動させる、地植えの根元にバークチップを敷くなど暑さ対策をおこないましょう。
植え付けと植え替え
植え付け、植え替えの適期は、2~3月もしくは10~11月ごろです。一年草タイプと多年草タイプがあり、このうち多年草タイプを鉢植えにして育てるときは、根づまりを防ぐため定期的な植え替えが必要となります。根っこがやや繊細なので、植え付け、植え替えどちらの場合も根っこについた土をできるだけ崩さないように速やかにおこなうのが鉄則です。植え付けた苗が安定するまで、直射日光の当たらない風と光のよく届く場所で管理しながら水やりを続けます。
病害虫
アブラムシやハダニがよく発生します。いずれも春から夏にかけての気温があたたかくなってきたころに発生しやすい害虫で、葉っぱや茎に寄生して栄養成分を吸ってしまいます。とくにアブラムシは小さいわりに大食漢なので要注意。どちらも群生して発生するので、被害が広がらないうちに早期発見して駆除しましょう。
カスミソウ(かすみ草)の花言葉<全体の花色>
とても繊細で可愛らしいカスミソウ。いくつかの花色がありますが、すべての花色に通じる花言葉は全部で4つあります。
花言葉1・無邪気
細くて枝分かれする花茎に、たくさんの小花をつける様子は、あたかも小さな子供が無邪気に遊んでいるかのような雰囲気を持っています。そんな花姿からつけられた可愛らしい花言葉です。
花言葉2・親切
全体の花言葉には、「親切」というものがあります。控えめで上品、だけれど周りに幸せをもたらしてくれそうな花姿からイメージされつけられたものでしょう。
花言葉3・清らかな心
小さな花なのでともすれば見過ごしてしまいそうですが、よく見つめると吸い込まれてしまいそうなほどの純白です。今では品種改良により桃色の種類もありますが、原種は白い一重咲きの種類です。美しい花姿から、イメージされた花姿そのものといったものでしょう。
花言葉4・幸福
お誕生日の花束や入園・入学・卒業式のお花、さらには花嫁の持つブーケや花束によく使われるお花です。「幸福」というずばりの花言葉があり、花束に人気のある秘密がわかりますね。確かに、愛らしい小さなお花がちりばめられた様子を見ているととても幸せな気持ちになります。
カスミソウ(かすみ草)の花言葉<ピンク色>
とてもキュートな桃色のお花。花束のわき役ではなく主役にもなりえる華やかさで、女性なら誰しも心をわしづかみにされてしまいそうな可愛さです。そんな桃色のお花ならではの花言葉を見てみましょう。
花言葉1・切なる願い
ピンク色は恋や乙女などをイメージする意味を持つカラーですから、恋が成就することを願ってつけられたのかも知れません。
花言葉2・感激
品種改良により生み出されたのがピンク色の種類です。はじめてピンク色のお花を目にした人々は、まさに「感激」で胸いっぱになったのではないでしょうか。優しい桃色の小花がたくさんついた花束なら、ほかのお花がなくてもそれだけで絵になり、プレゼントにすると感激されることでしょう。
カスミソウ(かすみ草)の花言葉<白色>
オーソドックスな白色の種類。昔からあるお花ですが決して色褪せることなく、花束の人気の資材として君臨しています。白色のお花の花言葉は3つあります。
花言葉1・無垢の愛
結婚式の花嫁のブーケや花束、髪飾りに重宝される白色のお花。その利用シーンぴったりの花言葉を持っています。
花言葉2・感謝
「ありがとう」と直接言うのが恥ずかしい方におすすめなのが白いお花です。「ありがとう」の意味である「感謝」という花言葉があります。母の日にお母さんに向けての「ありがとう」、あるいは結婚記念日にパートナーに向けての「ありがとう」、青春を共にした親友に向けての「ありがとう」、さらには尊敬する先生に向けての「ありがとう」、などカスミソウを利用して、素直な「ありがとう」を伝えられると素敵です。
花言葉3・夢心地
白いお花には「夢心地」という花言葉もあります。ふわふわと花いっぱいちりばめられたお花を見ているとリラックスして、ふわふわとした心地よい気分なるからではないでしょうか。
花言葉を知ってカスミソウ(かすみ草)をもっと好きに
無邪気、親切、清らかな心、幸福、とポジティブなラインナップの花言葉を持つカスミソウ。水持ちがよくドライフラワーにもなるので、長いあいだ楽しめるのも魅力のひとつです。結婚式のブーケや青春時代の入学式・入園式で目にしたことのある方も多いでしょう。昔からよく見る植物ですが、花言葉や花名の由来などに焦点を当てるとまた新たな発見があるもの。新しい魅力を知ることで、さらにカスミソウを愛おしく感じるのではないでしょうか。
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