旭岳スキー場とは
大雪山国立公園の旭岳スキー場
御鉢平を中心に据えて、標高2,291メートルの旭岳や2,241メートルの北鎮岳など、北海道の天辺に鎮座する大雪山。ここは全域が国立公園のなかです。旭岳スキー場は、東川町の旭岳西斜面の標高1,100~1,600mメートルの領域にかけて広がっています。
旭岳の絶景で有名なスキー場
平野より遥か高くの姿見駅から、スキーやスノーボードを駆使してスキー場を滑走するとき。またはロープウェイに乗った時。それは大雪山の絶景にも心を奪われてしまう瞬間です。旭岳周辺の白い山地から北海道の果てに至るまで、多様な雄大な冬景色が見られる場所です。
パウダースノーの評価の高さ
津々浦々からやってくるスキーヤーが、旭岳スキー場を評価する理由のひとつが、パウダースノーの上質さです。スノーシーズンを通じて、大雪山はその特有な気象により、パウダー状態を維持してくれます。特に山頂部でのバックカントリースキーならば、サラサラを体感したいスキーヤーを魅了します。
5月まで滑れるスキー場
初夏の3月まで盛況となるスキー場に満ちた日本列島ですが、それより先まで滑れる施設はぐっと数を減らします。しかし旭川スキー場は、大雪山の稀な気候を力として、5月までもスキーヤーが目指してくるという、特別な場所でもあります。
旭岳スキー場のアクセス
旭川空港からのアクセス
羽田空港からも就航中な旭川空港は、旭岳スキー場を目指す人にとって、移動が楽ちんな交通手段です。旭川空港からは1日4本、旭岳ロープウェイまで直通のバスが出て、片道60分程度で結んでいます。レンタカーでスキー場を目指すのも、旭川空港からならば余裕です。
旭川駅からのアクセス
190万都市札幌から、函館本線の顔である特別急行ライラックやカムイに乗り込み、旭川駅までは最短85分です。旭川駅前からは、やはり旭岳ロープウェイまでの直通バスに乗るか、レンタカーという手段もあります。旭川駅から車での所要時間は、およそ1時間10分程度です。
高速道路でのアクセス
南西の函館方面から旭川の北へと伸びている道央自動車道は、北海道の大動脈となった主要道です。旭川北インターが旭岳スキー場の最寄りとなり、道道37号と1160号を伝って現地まで到着の時間は、1時間20分ほどです。
旭岳スキー場の駐車場
ボーダーも押し寄せる冬季も、普通車150台まで押し込める駐車場の場所は、旭岳スキー場のロープウェイ旭岳駅(山麓駅)の手前です。駐車場に停められる時間帯は、ロープウェイの営業時間(09:00~17:30)に合わせています。
駐車場の料金
普通車・バイク 1日500円
中型自動車以上(普通車以外) 1日1500円
(2018/10/12現在)
旭岳ロープウェイについて
旭岳ロープウェイの概要
短い夏の時期も休みなく稼働する旭岳ロープウェイは、冬のスキー場のゲレンデを滑走するときにも必須な存在です。1968年にオープンして以来、ワカサリゾートが営業している山頂までの全長は2.36キロ、片道10分で結びます。
旭岳駅(山麓駅)
メロンで有名な東川町の旭岳温泉郷に、スキー場の入口となる旭岳駅(山麓駅)があります。この駅の標高は1,100メートル地点にあり、全国のロープウェイ駅の中でも有数の立派な建物です。駅舎内では美味しい食堂や売店などの利用もできます。
姿見駅(山頂駅)
モクモクと噴煙を上げる火口に近い名所、姿見の池の名を冠する姿見駅は、旭岳ロープウェイの標高1,600メートル地点です。無骨な建物、キャタピラの雪上車、巨大パラボラアンテナ。そうした風景は、まるで山上基地のようです。ここが旭岳スキー場でのスノーボードやスキーの拠点となります。
旭岳ロープウェイとスキー場の利用
ロープウェイの利用時間
例年のようにスキー場オープンは12月の前半の頃で、クローズするのは5月中旬から後半あたりです。その時期の旭岳スキー場のゴンドラは朝の9時に始発となり、最終便は時期によって午後16時~17時30分と変動します。スキーシーズンは20分間隔でゴンドラが動いています。
ロープウェイ利用券の購入
旭岳のコースをもたもたせずに滑り始めるなら、まずは確実に旭岳駅(山麓駅)にて、ゴンドラ利用券の購入をします。4,500円で購入できる1日券を始めとして、4時間券、6回券、1回券などの種類があります。
ロープウェイ利用料金
ロープウェイ1日券 大人4,500円 小学生以上2,250円
ロープウェイ4時間券 大人3,500円 小学生以上1,750円
ロープウェイ6回券 大人6,000円 小学生以上3,000円
ロープウェイ1回券 大人1,200円 小学生以上600円
※全て上り専用料金・2017年の料金
旭岳スキー場は道具レンタルしてない
足ぶら&手ぶらスキーも一般化しつつあるのが、日本のスキー事情です。しかし現時点で旭岳スキー場では、各種の道具のレンタルをしていません。スキー板やスノーボード、各種の防寒具については、初心者でも自前で旭岳スキー場に持ち込むのを忘れずに。
旭岳スキー場コースの概要
4コースは全て中級~上級向き
現地でコースに対峙した初心者が、急激な傾斜を見て尻込みしてしまうのが旭岳スキー場です。施設自体が中級者~上級者向きといわれているから当然のことです。しかしスキーもスノーボードも困難ながら、初心者でもなんとか気合いでクリアできそうなコースも見つかります。
2コースが積算されて距離が長い
姿見駅を起点として、旭岳西斜面のスキー場には4つのコースがあります。Aコースを出発すると必ずCコースを辿ることになり、その場合のコース距離は3.9キロ。一方で駅からBコースを出発した場合にはCかDの選択肢が出てきて、コース距離は2.8~3.5キロです。どれを取ってもかなり長いコースなのです。
コース距離
1・Aコース(1,400m)+Cコース(2,500m)=3,900m
2・Bコース(1,000m)+Dコース(1,800m)=2,800m
3・Bコース(1,000m)+Cコース(2,500m)=2,500m
旭岳スキー場のコース①
Aコース(上級)
どんぐりころころと転げ落ちればもう止まらないであろう、最大傾斜角30度の超難易度高めなAコース。姿見駅から南斜面を進むポール間コースが、旭岳の標高1,600メートル地点から1.4キロ伸びています。平均でも傾斜角20度もあるので、初心者ならばスキー場で立ち入りは躊躇したいところです。
Aコースのルート地図
滑走の初っ端では、スキー場Aコースには樹木がほとんどなく見通しが効くコースです。天気が快晴ならば石狩山地の忠別岳やトムラウシ山といった高山の風景を眺めつつ、パウダースノーでのスキー・スノーボード行脚です。1,400メートルも下ると、やがて北からのCコースに合流します。
コースの情報
Aコース
総距離 1,400m
コース幅 5~10m
コース判別 ポール間
斜度 平均20度、最高30度、最低16度
旭岳スキー場のコース②
Bコース(上級ながらも中級も可)
上空で行きつ戻りつするロープウェイに沿い、姿見駅から西へと進むBコース。旭岳スキー場の上級コースとは言え、最大傾斜角が23度でAコースほどではありません。パウダーな雪も味わえるため、中級者から初心者ならば、ひとまず足慣らしにうってつけなコースです。
Bコースのルート地図
駆け出しは禿山肌を北西へ向かい、コースはすぐに南西向きとなります。正面に映る石狩山地は、左右に尾根が伸びて迫力があります。旭岳スキー場の中では最短な僅か1,000メートルの距離で、上級向きとはいえ、初心者のスノーボードも幾分か負担は少なめ。分岐路からCかDのコースを選べます。
コースの情報
Bコース
総距離 1,000m
コース幅 5~10m
コース判別 ポール間
斜度 平均18度、最高23度、最低13度
旭岳スキー場のコース③
Cコース(中級)
唯ひとつ、A・B・Dのそれぞれのコースと分岐点を接するのがCコース。中級者向けですがスタート地点からA・Bの上級者向けコースを滑って辿り着く必要があります。傾斜角は平均で13度と無理がなく、旭岳の林間に圧雪されてスノーボードも滑りやすさを感じます。
Cコースのルート地図
南へ向かって石狩山地を見ながら滑ると、背の高い針葉樹林が圧雪されたルートの両側に流れていきます。途中で難関のAコースと合流すると、後半は旭岳スキー場の終点である旭岳駅まで、ゆるやかなカーブが西へと伸びています。当スキー場で最長の2,500メートルの距離感が魅力です。
初心者ならB+Cコースで
B+Cという組み合わせが、旭岳スキー場にスノーボードやスキー初心者が挑む時に、堅実と言える選択です。とは言え途轍もない傾斜度で難渋する所もあります。スピードを抑えて慎重に進むのが、初心者のオーソドックスな道です。
コースの情報
Cコース
総距離 2,500m
コース幅 5~10m
コース判別 林間圧雪
斜度 平均13度、最高20度、最低7度
旭岳スキー場のコース④
Dコース(上級)
精神的な圧迫感を生むハードなAコースに次いで、旭岳スキー場で最大傾斜角の急激さを記録しているのがDコース。全体のコースは旭岳ロープウェイに沿って設計され、最短時間で山麓の旭岳駅まで到着できる利点もあります。
レアなほどの傾斜を突っ切るという意味では、迫力のAコースに次いでいるのが旭岳スキー場のDコース。最高28度の急斜面ポイントは、初心者には恐怖の対象です。ロープウェイに並行するように下るので、旭岳駅まではCコースを通るよりも時間短縮で到着します。
Dコースのルート地図
姿見のゴンドラから降り立ってBコースを選んだ場合にのみ、その先のDコースを進むことができます。左右のいくつかのカーブ、急な斜面などと変化に富むコースが続きます。針葉樹林の中を突き進むと、スキー場終点の旭岳駅(山麓駅)までは1,800メートルです。
コースの情報
Dコース
総距離 1,800m
コース幅 5~10m
コース判別 林間圧雪
斜度 平均16度、最高28度、最低12度
バックカントリースキーについて
冬の旭岳登山でバックカントリーへ
雪原に足跡1つすらないパウダースノーの上。そこを滑走したい思いは、旭岳に魅入られた上級スキーヤーや、スノーボードの若者に去来しています。もし旭岳山頂で実現するなら、姿見駅からの冬山登山です。スキー場から離れた、地獄谷近くのバックカントリーへと足を伸ばす必要があります。
山頂までの登山ルート
石を積み重ねた旭岳石室(避難小屋)や山頂の方面へと、スキー板やスノーシューで上ります。正確な登山道は歩けず、旭岳の山頂の形状や石室など目印を元に足を進めます。2~3時間で地獄谷の尾根に辿り着けば、あとは旭岳スキー場方面へと、スキー跡の無いバックカントリーを滑り出すのみです。
アイスバーンと極寒地獄
地獄谷に近づくほど、真冬はマイナス20度に達する極寒地獄な旭岳はパウダースノーからかけ離れ、もれなくコチコチなアイスバーンと化しています。急峻な地形も相まって、バックカントリーの滑り出しは滑落の危険も伴います。パウダースノーエリアに達するまでは慎重に足を進めましょう。
スキー場から外れ過ぎると遭難の危険
遭難事故は付き物ですが、旭岳山頂からのバックカントリーを滑走する時、あまり遠方へ足を運び過ぎても遭難の心配が出ます。僅かな滑り過ぎが命取りになるのは、険しく進みづらい地形、体力の減少や怪我などが影響します。バックカントリーでは、スキー場の場所を常に把握する必要があります。
石室の1泊も検討しておく
といってもバックカントリーをすんなり滑り出せるのは、運が良い人かもしれません。それは旭岳の天気が変わりやすく、急に雪雲が斜面を覆うこともあるからです。日帰りバックカントリーのハズが、旭岳石室で一晩過ごす羽目ということもあり、1泊分の食料と、暖を取るキャンプ用品も欠かせません。
旭岳スキー場の冬の自然現象
旭岳の周氷河地形
周氷河はマイナス20度の猛烈な低温と、強風に打ち付けられる冬の旭岳で、特有に見られる現象です。過酷な環境の雪が氷河のようにコチコチに凍りいて、旭岳の堅い岩盤を削り取っているという自然の絶景のひとつです。
ダイヤモンドダスト
気温がマイナス15度を下回った晴れた天気ならば、旭岳スキー場ではダイヤモンドダストの現象が見られることがあります。これは空気中の水蒸気が一瞬にして凍結して地表に降り、太陽光を浴びて煌めいている現象です。運が良ければ旭岳駅(山麓駅)あたりでも観賞できます。
シュカブラ
有無をいわさず年がら年中、強い北西の季節風が吹き付けるという珍しい旭岳。だからこそパウダースノーな斜面に、シュカブラと呼ばれる不思議な風紋を生み出します。バックカントリースキーの猛者たちが、意気揚々とシュカブラの中を走り抜けていきます。
サンピラー
厳寒の空にサンピラー出現 北海道・大雪山系旭岳 | 2018/2/3 - 共同通信 https://t.co/99r8fPWnPm
— 小太郎&陸 (@KOTAROURIKU) February 3, 2018
厳冬を迎えた旭岳の夕刻は、山岳と雲の風景にサンピラーが輝き出す絶好の時間帯です。サンピラーとは太陽柱とも呼ばれる現象で、凍りついた大気に太陽の光が反射して、光柱のように見えます。旭岳ではロープウェイ乗車中か、または山頂の姿見駅からも見られます。
旭岳スキー場の天気
旭岳の初冠雪は例年9月
うっすら初冠雪と艶やかな紅葉が、どちらも全国一早く訪れる山が旭岳です。日本中が熱波の天気にやられてしまう9月中旬から下旬にかけて、すでに旭岳山頂部では気温がぐっと下がり雪が降り始めるのです。旭岳スキー場で本格的に雪が積もってくるのは12月のあたりからです。
旭岳は6月でも雪が降る
雪の降り始め、雪の降り終わり、両面共に半端なく平野部とズレているのが旭岳の天気です。5月後半にようやくスキー場でも雪解けが始まりますが、6月に至ってもまだ山頂では雪が降ることもあります。要するに1年のうちで旭岳に雪が降らないのは、年間で7月と8月の2ヶ月だけという類稀な天候です。
パウダースノーのピークは?
自由気ままに勇壮に、旭岳のバックカントリーで滑りたい時、パウダースノーの状態が良い時期が好ましくなります。旭岳で本格的にパウダースノーが積もるのは、気温が充分低下している、12月から4月上旬までの頃です。
旭岳の天気知るならここ
過酷な冬の旭岳スキー場のお天気ですが、初心者から今週の気温や雪の状況を知ならば、NAVITIMEの「大雪山旭岳ロープウェイ周辺の天気」がおすすめです。スキー場のある旭岳ロープウェイに特化した天気予報で、降水量や風向きに加え、習慣表示も雪マークが出て天気のわかりやすさがあります。
旭岳スキー場のグルメ
姿見食堂
姿見食堂は、旭岳スキー場に向かう前に腹ごしらえをしたい方におすすめ。50人以上は入れそうな、広めの店舗面積を備えた明るい空間です。ジャンボかき揚げ蕎麦など、初心者も食べたい麺類が豊富ですが、大人気を誇る名物料理といえば、東野野菜ゴロゴロカレーです。
姿見食堂情報
所在地 北海道上川郡東川町旭岳温泉 旭岳ロープウェイ旭岳駅2F
営業時間 11:00~ラストオーダー15:00(年中無休)
旭岳ロープウェイ姿見駅売店
これから初心者も旭岳を滑走しようとする前に、スキー場で力を付けるなら姿見駅舎の売店です。お店の名物と言えば、姿見駅限定お山の手作りコロッケ。北海道のじゃがいもと玉ねぎと笹豚を使った、揚げたてホクホクメニューです。有機栽培コーヒーや、いももちなどもいただけます。
姿見駅売店情報
所在地 北海道上川郡東川町旭岳温泉 旭岳ロープウェイ姿見駅
営業時間 年中無休
旭岳スキー場の温泉
旭岳温泉ホテル ベアモンテ
シックな洋館のベアモンテは、旭岳スキー場まで徒歩3分の温泉ホテルです。露天の石の湯・檜の木の湯、それに予約制貸切風呂でも、宿泊せずとも日帰り入浴ができます。回復効果に優れる泉質なために、傷の湯とも呼ばれてスキーヤーにも人気です。
ベアモンテ情報
所在地 北海道上川郡東川町旭岳温泉
電話 0166-97-2325
日帰り利用 12:30~19:00(受付18:00まで)
湯元 湧駒荘
まるでアルプスのロッジかのような湯元湧駒荘(ゆこまんそう)は、大正3年からの歴史を持つ、旭岳スキー場そばの名湯です。ホテル宿泊しなくても、日帰り入浴ができます。神々の湯、ユコマンの湯、シコロの湯など、旭岳温泉の多様な温泉が待っています。
湧駒荘情報
所在地 北海道上川郡東川町勇駒別旭岳温泉
電話 0166-97-2101
日帰り利用 神々の湯(12:00~19:00)、ユコマンの湯・シコロの湯(13:00~17:00)
旭岳スキー場に行こう
パウダースノーと絶景を求めて
粉々しい雪質とバックカントリーも人気な旭岳スキー場は、シュカブラや周氷河など類稀な冬の自然現象、そして美味しいコロッケにも出会える魅力を備えていました。冬だけと言わず5月までスノーボードもスキーも滑れるので、普通の春旅行もウィンタースポーツ日和に変えていけそうです。
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