アブに刺されたらどうする?
虫としての生態や症状、対処法や見分け方をご紹介していきます!
自然の中でのレジャーを楽しみたいなら、絶対に欠かせないのが虫対策。虫はこちらから何もしなければ、基本的に攻撃してくることはありませんが、中には攻撃的で人間や哺乳類の血を吸うような種類もいます。
今回紹介するのは、レジャーシーズンになるとどこにでも現れて、私たちを困らせるアブについてです。アブに刺されたときの症状や対処方法、ブヨやハチとの見分け方や違い、生態についても、詳しく紹介していきます。
アブの生態や特徴
アブはハエの虫の仲間で生き血や糞尿や昆虫が主食
アブは、昆虫綱ハエ目(双翅目)ハエ亜目(短角亜目)の総称で、人間や家畜に対して、害を与える衛生害虫に指定されている生態です。体長は約2~3㎝ほどあるので、飛んでいると一見ハチのように見えるかもしれません。
ハエのように大きな2つの眼を持っており、人間の生き血や動物の糞尿、昆虫などを捕食する種類が多いのが特徴です。
アブは夏のレジャーシーズンによく現れる
アブが現れるのは、気温が18℃~30℃になる6月から9月にかけて。特に早朝や夕方になると、活発に動き出します。アブは、土の中や水の中に生息する生き物なので、森林や川、田んぼやプールでも見かけることがあります。さらに、牛や豚などの家畜の血を好んで吸い、それらが身近にいない場合は人間も襲ってきます。
人間を襲うのはメスのアブだけ
アブの中でもメスのアブのみが、人間や哺乳類を吸血します。吸血する理由は産卵のため。産卵期が近づいたメスのアブは、卵に栄養を送るため人の血を吸うというわけですね。一方オスは、肉食のメスとは違い、果汁や樹液を摂取しています。
またアブはカのように、人間の皮膚を刺して血を吸うのではなく、皮膚の表面を噛んで傷つけて、そこからしみ出てきた血を吸います。アブとその他の虫との痛みの違いは、アブの吸血の仕方が原因だったんですね。
メスのアブの見分け方は眼にあった
アブは、基本的に眼と眼の間が狭いです。見分け方としては、目がくっついているのがオス、間が広いのがメスです。しかし、飛んでいるアブの雌雄の違いを見分けるのは至難の業。
アブは、熱や素早い動きを察知して寄ってきます。また飲酒した後の人や柔軟剤などでよい香りがする人、さらには黒や紺の服の人にも近づいてきます。アブを見かけたら、その場から離れるなどの対処をしましょう。
刺す虫のブヨやハチとの違いは?
人間を襲う虫の中でも、アブと見分け方が難しいのが、ブヨとハチです。ブヨの見分け方は、体長2mm程度の小さな虫で、アブと同様メスのみが吸血します。ハチとの見分け方は、頭・胸・腹の間が細くくびれており、アブに比べて触角が長いのが特徴です。
アブ、ブヨ、ハチは、人間に害を与える昆虫なので、遭遇したときには注意が必要です。また見分け方だけでなく、それぞれの虫の違いや対処法を知っておくことで、いざという時に役に立ちます。
アブに刺されたときの症状
アブは足首やスネを狙ってくる
アブやブヨは、湿気の多い森林や川に群れていることが多く、動くものや熱を発しているものに反応して近寄ってきます。そして、なぜか足首やスネを狙う傾向があるようです。アブを追い払おうとして、ブンブン腕を振っていたら、その動きにつられてアブが集まってくるなんてこともあるので、アブの周りには近づかないことが最善です。
アブに刺されたら痛みと腫れがある
アブは厳密にいうと、刺すのではなく噛んできます。初めは噛まれたときのチクッとした痛みと出血、そして時間が経つにつれて、刺された個所が赤く腫れ、痒みが増してきます。
これは、アブに刺されたときに、皮膚の下でヒスタミンという成分が反応してしまうから。刺されたら同じような症状になる昆虫として、カ、毛虫、ガなどが挙げられます。
ひどい時は発熱する場合も
アブは、ハチとは違い毒性はないので、ハチに刺されたときのように、アナフィラキシーショックになることはほとんどありません。しかし、まれに発熱を起こしたり、完治するまでに3週間程度かかる場合もあります。アブに刺された個所が固く腫れあがってしまうと、皮膚が元の状態に戻るまで時間がかかってしまいます。
アブに刺されたときの対処法
虫に刺された直後は患部を洗って冷やす
アブにチクッと刺されてしまった時は、応急処置として、患部を洗い流し冷やすことが最善策になります。アブ以外の昆虫に刺されて痒くなったときにも、基本的には、患部をかいたりこすったりしないようにしてください。
皮膚に傷がつき、そこから雑菌が入り込んで、炎症がひどくなってしまうことがあります。冷たくきれいな水で洗い、濡れタオルや氷などを患部にあてれば、痒みや腫れが緩和されます。
ポイズンリムーバーで毒素を抜く
アブ対策やブヨ対策として持って行く人も多いのが、刺された患部の毒素を吸いだしてくれる、ポイズンリムーバー。2分以内に処置することで、翌日の腫れや痒みがかなり軽減されます。1つ1000~2000円ほどで購入できるので、キャンプや川へ遊びに行くときには、念のために持っていくとよいかもしれません。
ステロイド系か抗ヒスタミンの塗り薬が効く
患部を冷やして痒みが治まったら、ステロイド系か抗ヒスタミン系の塗り薬を使って処置しましょう。ステロイドは炎症を鎮め、抗ヒスタミンは痒みをおさえてくれます。市販薬ではステロイドが入っている「液体ムヒS2a」、抗ヒスタミンが入っている「ムヒS」がおすすめです。
3週間経っても治らない場合は皮膚科へ
アブに刺されたときにきちんと応急処置をすれば、3週間ほどで患部は元の状態に戻っていきます。しかし回復状況や刺されたときのショック症状によって、いつまで経っても腫れが引かなかったり、化膿した状態が続くのであれば、病院を受診することをおすすめします。
皮膚科の治療の中には、虫刺されに対応しているところもあるので、いざという時のために、皮膚科を調べておくのも手です。病院で処置を行えば、症状に対して的確な処置を施してくれるので、安心感が違いますね。
アブ対策その① 服装
なるべく肌を露出しない服装が◎
アブはハチやカとは違い、針で刺して攻撃するわけではないので、服装による対策は非常に効果的です。暑い夏であったとしても長袖、長ズボン、靴下、靴をきちんと着用すれば、アブによる被害は未然に防げます。またハチと同様に、アブも黒い服装に寄ってくる習性があるので、黄色やオレンジなどの明るい色調の服を選んでみてください。
特に足元は厳重にガード
アブは、スネや足首を狙って人間を襲ってきます。その理由はさまざまですが、主な理由として、牛は豚などの家畜を吸血するときに、足やお腹あたりが1番皮膚が柔らかく、毛が薄いからと言われています。靴下は膝まであるハイソックスを履き、ハイカットタイプのシューズで厳重にガードしていきましょう。
アブ対策その② 香り
アブはミントやハッカ系の香りが苦手
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アブやブヨは他の虫同様、ハッカやミントのようなスーっとした香りを嫌う性質があります。虫よけスプレーもハッカ系の香りを選んだり、服の上からハッカ系スプレーを吹き付けることで、アブやその他の虫が寄ってくるのを防げます。逆に柔軟剤の香りや香水の香り、車の排気ガスの臭いには反応して、集まってきてしまうので注意が必要です。
強力な虫よけ線香でアブを寄せ付けない
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釣りなどのシーンで、アブが近くにいるのにその場から離れられない場合は、強力な虫よけ線香を使ってアブを寄せ付けないようにしましょう。有名なのが「パワー森林香」と呼ばれるプロ用の虫よけ線香で、実際に山で仕事をする人たちにも使われています。Amazonなどで1,400円前後で購入することができます。
アブ対策その③ 行動
アブには近寄らないこと
アブへの1番の対策は、とにかく近づかないこと。人間や哺乳類の熱を感知するので、アブは遠くからでも飛んできて人間へ危害を加えます。またアブやブヨは湿度を好むので、川の近くや雨の日は特に注意が必要です。アブの大群を見つけたら、慌てず騒がずその場をそっと立ち去るのがよいでしょう。
アブがいても騒がないこと
耳元でブーンというアブの羽音がしたら、誰でも手をブンブン回してアブを追い払おうとしますよね。これが逆効果。アブは人間や哺乳類などを吸血するので、動いているものを見ると寄ってきてしまいます。
アブが近寄ってきたら、静かにその場を離れる。その場にいなければならない時は、肌を露出している部分を隠し、ハッカ系虫よけスプレーや強力な虫よけ線香を使って、なるべくアブが寄ってこないように努めましょう。
調理前の食事はしっかりカバー
アブは肉食なので、バーベキューなどのために用意した肉や魚に寄ってくることがあります。せっかく準備した料理なのに、食べる前に虫が付いていたら、いくら焼く前とはいえ最悪ですよね。そうならないためにも、調理前の食材にはラップやアルミをかけて、アブ対策をしておきましょう。
アブに刺された後の症状に効く薬
中見出し腫れの症状に効く「液体ムヒS2a」
液体ムヒS2a
市販薬でアブ以外の他の虫への処置としても効くのが、ステロイドが含まれた「液体ムヒS2a」です。ステロイドは、アブやブヨに刺されて、赤く腫れてしまった箇所を鎮める働きがあります。ステロイドと聞くと威力が強い薬のように思われますが、市販薬なので、薬の効果以外で身体に影響が出ることはほとんどありません。
中見出し痒みの症状に効く「ムヒS」
ムヒS
痒みや虫さされの代名詞とも言える市販薬の「ムヒS」は、レジャーシーズンでも大活躍。アブやブヨ、カなど、自然の中によく現れる虫に刺されたときに、痒みを抑える働きをします。刺されて痒みが出てきてしまった箇所は、とにかく触らないのが1番です。
市販薬のムヒSをすばやく処置したら、なるべく触らずに痒みや炎症が治まるのを待ちましょう。
応急処置には「ポインズンリムーバー」
エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型
刺された!と感じて2分以内の対処法ならば、「ポイズンリムーバー」が最適です。アブやカなどの刺されたときに痒みが発生する虫の他にも、ハチやブヨなどの刺されたときに毒素を注入する虫への処置としても有効です。ネット通販で1,700円前後で購入できるので、レジャーに出かける時は2、3本持っていると安心ですね。
まとめ アブとはこんな虫
レジャーシーズンに吸血してくる害虫
いかがでしたか?楽しいキャンプや川遊びを台無しにするアブ。そのアブの生態や刺されたときの対処法を紹介してきました。自然の中にいるとき、虫の被害は避けて通れないものです。
アブに刺されたら腫れや痒みが発生してしまって、心からレジャーを楽しめません。レジャーに行く前に、しっかりとアブや他の虫の生態とその対処法を知って、正しい処置を行い、より安全で楽しい1日を過ごしてくださいね。