ストロベリーキャンドルの育て方まとめ
ストロベリーキャンドルは、マメ科の植物で春から初夏にかけて、赤いいちごのキャンドルのような花を開花させます。観賞用として園芸品種で扱われることも多いですが、本来は牧草のハーブとしても使われいたんです。今回はそんなストロベリーキャンドルの、育て方やハーブとしての効能についてまとめていきたいと思います。
ストロベリーキャンドル詳細情報
それでは、ストロベリーキャンドルの育て方の前に詳しい詳細情報についてみておきましょう。
科名属名
ストロベリーキャンドルの科名属名は、マメ科シャジクソウ属です。マメ科ですが、作物などの連鎖障害がないので、輪作やマメ科作物を育てた土壌でも栽培が可能です。マメ科の植物で見られる「蝶形花」といったキャンドル型の花を咲かせ、花径約2cm~5cm程度の花を長期間咲かせてくれます。
学名
ストロベリーキャンドルの学名は、「Trifolium・incarnatum」となっています。
和名別名
ストロベリーキャンドルの和名は、ベニバナツメクサで漢字では「紅花詰草」と表記されます。花序がトーチのような形をしていることから、「ストロベリーキャンドル」や「ストロベリートーチ」という名前が広く流通するようになりました。別名は、ストロベリートーチ・クリムソンクローバー・オランダレンゲとも呼ばれています。葉っぱが3枚葉なのでシロツメクサやクローバーにもよく似ているので、別名でもこのような見た目から付けられたものが多いですね。
原産国
ストロベリーキャンドルは、ヨーロッパ・西アジアが原産国の植物です。涼しい森林や開けた場所、牧草地・畑のあぜ道などの日当たりの良い場所に自生していた植物です。本来は多年草ですが、日本の環境では夏に枯れる一年草の扱いになっています。
開花時期
ストロベリーキャンドルの開花時期は、4月中旬~6月と花期が長いのも特徴的です。開花時期には、伸びた茎の頂部に、円柱状のトーチ型の花を咲かせ、一株から多くの茎を伸ばして開花させます。
草丈
ストロベリーキャンドは、草丈が約20cmから50cm程度の茎をのばします。
ハーブとしても使える
ストロベリーキャンドルが日本に渡来してきたのは、実は明治時代と以外にも歴史が長いんです。当時は、主に牧草として扱われていて、ストロベリーキャンドルが含む良質なタンパク質によって、牛などの家畜の飼料として使用されていました。現在では、牧草には使用せずに観賞用・園芸品種として扱われるのが主になっています。さらに、ストロベリーキャンドルには土のハーブとしても注目されています。ハーブとして使うのは、土の緑肥効果です。マメ科の植物は、根に「根粒菌」という有効な菌と共生させるといった効果があるんです。緑肥のハーブ作用には、窒素成分を合成して土の栄養分の補充に利用されています。
家畜のえさハーブ
ストロベリーキャンドルは、たんぱく質を豊富に含むハーブとして有名なんです。そのため、近年のトウモロコシが支流の家畜のえさになる前までは、ストロベリーキャンドルがえさようにできるハーブとして、多く栽培されていました。多年草のストロベリーキャンドルは、いったん根付いてしまうと毎年葉が茂るため、今でも日本でえさ用ハーブとして、牧草になっているところもあるようですよ。
緑肥効果のハーブ
緑肥ハーブは、輪作の間の休作畑などでストロベリーキャンドルを栽培しておきます。その後は、開花時期や枯れてきても収穫せずに、そのまま土を耕して全草を土にすき込んでいくことを言います。こうすることで、ストロベリーキャンドルのハーブの効果が土壌改善になり、次に植え付ける作物の肥料になるんですね。ストロベリーキャンドルは、根から根粒菌が作用して窒素を充填します。窒素多過を抑えて、さらに必要な時に窒素成分の栄養素を作物に与えることができる植物なんですね。
ストロベリーキャンドル育て方①種まき
ここからは、ストロベリーキャンドルの園芸用・観賞用の育て方をまとめていきたいと思います。まずは、ストロベリーキャンドルの種まきから、ご紹介していきたいと思います。
場所
ストロベリーキャンドルは、日当たりが良い場所を好みます。水はけの良い場所で、夏の直射日光や西日は枯れるので当てないように注意します。明るい半日陰でも栽培することができますが、花は少なくなったり茎が間延びしてしまうので日当たりには気をつけたいですね。また、夏には枯れてしまいますが冬は防寒対策をとれる場所に植え付けるとよいと思います。
用土
庭植えでストロベリーキャンドルを育てる場合は、どんな土壌の場所でも栽培できますが、水はけが極端に悪い場合は腐葉土をすき込んでおくようにしましょう。市販の草花用培養土でも簡単に栽培できますし、自分でブレンドする場合は、赤玉土と腐葉土を、6:4で混ぜ合わせて作っておきましょう。緑肥となるような植物なので、基本的に肥料は必要としません。土作りの際に元肥が多いと草姿が乱れてしまいます。市販の草花溶媒い用土を使用するときには、赤玉土をブレンドして薄めておくとよいと思います。
発芽温度
ストロベリーキャンドルを種まきして発芽する温度は、約20から25℃です。
種まき時期
ストロベリーキャンドルの種まきに適した時期は、9月から10月です。春に種をまいても夏に枯れてしまい、十分なハーブとしての効力もなくなってしまいます。また、寒冷地でストロベリーキャンドルを栽培する場合は、8月~9月に種をまいておくと寒さにも強くなります。ストロベリーキャンドルは、寒さに強い植物で、寒さに当たらないと花芽を作らない性質を持っています。
種まき方法
種まきは、バラまきやポットに撒くようにします。この時、種への覆土は約5㎜程度で深すぎないように気を付けてくださいね。芽が出て、ストロベリーキャンドルの本葉が2~3枚程度になったら、ポットにあげたり、間引いて大きくします。本葉が5~6枚程度になったらころに、地植えするとよいでしょう。理想的な株間は、約30㎝程度を目安するとよいですね。
ストロベリーキャンドル育て方②水やり・肥料
ストロベリーキャンドルの、水やり方法と肥料について、まとめてご紹介していきたいと思います。
水やり
定植後、しっかりと根付くまでは毎日水やりを行いましょう。その後、庭植えの場合は降雨のみで大丈夫です。鉢植えでストロベリーキャンドルを育てている場合は、表土が乾いたらたっぷりとを基本に、水やりを行ってくださいね。
肥料
マメ科の植物の根には根粒菌(こんりゅうきん)が共生していることは、前述にお伝えしましたね。そのため、ストロベリーキャンドルは自身の根で、空気中の窒素分を取り込んで養分として蓄えることができるんです。
そのため、庭植えのストロベリーキャンドルには肥料が必要ないようです。鉢植えのストロベリーキャンドルのみ、2月に少量の化成肥料を置き肥するとよいでしょう。
ストロベリーキャンドル育て方③寒さ対策
夏の暑さには弱くて、枯れてしまう日本では一年草扱いのストロベリーキャンドルですが、冬のお手入れ方法はどうでしょうか?ここでは、ストロベリーキャンドルの耐寒性と寒さ対策についてまとめていきます。
耐寒性
ストロベリーキャンドルの耐寒性は、とても高く、暖地では寒さ対策の必要はありません。春に種をまいても、種を寒さに当てないと開花しない植物のため、種まきは秋に行うようにします。そのため、寒さに対応するためには、霜が降りる前には定植しておくようにしたいですね。
寒冷地の寒さ対策
ストロベリーキャンドルの実際の耐寒性は、ー2℃までです。逆に-2℃以下になってしまう場所や雪が積もるような場所では、凍害で根腐れをおこし枯れしまう事があります。このような恐れのある寒冷地での栽培は、早めに種まきを行って、鉢植えにして室内に通り込んでおくと良いでしょう。また、四方に支柱を立ててビニールをかけて寒風から守ったり、マルチングを行うといった寒さ対策も効果的です。寒さに当てたほうが良く開花するので、頃合いを見て対策を行うようにしたいですね。
ストロベリーキャンドル育て方④お手入れ方法
ストロベリーキャンドルは、ハーブや緑肥にもなる植物なのであまりお手入れの心配はありません。ここでは、やっておきたいお手入れとストロベリーキャンドルのNG行為について、まとめてご紹介していきたいと思います。
刈り込み
ストロベリーキャンドルは、夏の暑さが苦手な植物でした。春に長期間花を咲かせてくれますが次第に温度が上がってくると、花が上がらなくなってきてしまいます。特に梅雨の時期に入ると、暑さと湿度で株が蒸れて枯れこんできます。その場合は、刈り込むお手入れをしてあげましょう。お手入れ方法は、、一番花が咲いた後に一度株もとからすっきりと刈り込むことで、新しく花が咲くようになります。刈り込んだ後には、新しい花芽を作るために、水で薄めた液体肥料を水やりの代わりに施して手入れします。
移殖を嫌う
ストロベリーキャンドルを定植した後は、なるべく植え替えをしないようにしましょう。マメ科の植物は、特に移植を嫌う性質があります。そのため、定植後に根付いてから植え替えを行うと繊細な根が傷ついて花が咲かなくなってしまうんです。お手入れの際にも、根を傷めないように注意してあげるほうがよいでしょう。
ストロベリーキャンドル育て方⑤増やし方
ストロベリーキャンドルは、とても可愛らしい、いちごのような花をつけて長期間楽しめる植物でしたね。そんなストロベリーキャンドルを一度育てたら、どんどん増やしてみたくなってしまいます。ここからは、ストロベリーキャンドルの増やし方についてご紹介していきます。増やし方も簡単なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
採種での増やし方
ストロベリーキャンドルは、殖を嫌う性質がある、マメ科の植物で日本ではい一年草扱いになっています。そのため、株分けや挿し木ではなく開花後の採種での増やし方が一般的です。採種は、良く枯れたはなっほを取ってよく乾燥させておきます。採種での増やし方では、そのまま種が土にこぼれている場合もあるので、すべての採種ができるわけではありません。花穂から種を取って、その中を割っていきましょう。種が入っているものはカラカラと音が聞こえますよ。採種したら紙袋に入れて、秋の種まきまで保管しておきましょう。種での発芽は簡単なので、おすすめの増やし方になります。
ストロベリーキャンドル育て方⑥寄せ植え
個性的で愛らしいストロベリーキャンドルは、それだけでもかわいらしいですが寄せ植えにしてみるとぐんと華やかになりますよ。素敵な寄せ植えの画像をチェックして、自宅でもかわいらしい寄せ植えを作ってみましょう。寄せ植え画像をもとに、解説していきたいと思います。
アリッサムと寄せ植え
多年草で開花時期が長い白のアリッサムと寄せ植えをしています。きれいな赤に、下草がこんもりとしたホワイトで落ち着いたナチュラルテイストの寄せ植えになっていると思います。スっとのびたストロベリーキャンドルが高低差を出していますね。
ジニアと寄せ植え
開花時期の長さが同じ植物同士を寄せ植えにすると、手入れの手間も省けてよいですね。ジニアにはいろんなカラーがあるので、赤に合わせて黄色やクリーム色、などの反対色を寄せ植えにしてもよいですね。また、同系色のピンクや紫を寄せ植えしてもまとまりがあると思いますよ。
スノーポールとの寄せ植え
白と赤の対比が美しい情景を作っている、綺麗な寄せ植えになっています。高低差があって、春の訪れを感じさせてくれる背丈の低いノースポールを使うことで立体感も演出できますね。
ストロベリーキャンドル育て方⑦ドライフラワー
ストロベリーキャンドルは、花のかわいらしさ・ハーブとしての効能以外にもドライフラワーとして色あせずに長期間楽しむことができるんです。ドライフラワーにすれば、紫外線に当たらない限りは長期間室内で愛らしいストロベリーキャンドルを眺めることができるんですね。さっそく、ストロベリーキャンドルのドライフラワーの作り方を見ていきましょう。
ドライフラワーの活用方法
ストロベリーキャンドルのドライフラワーは、他の草花のドライフラワーに比べて色がはっきり残りやすいといったうれしい特徴があるんです。他の草花は、少し花の形が歪んでしまったり水分を飛ばすことによって色合いがなくなってしまうものもありますね。ドライフラワーの中でも美しい赤やピンク色を濃く伸ばすことができるので、リースやスワッグなどの他の草花の色足しにも活用できます。また、ドライフラワーを使って話題のハーバリウムにも活用できますよ。
ドライフラワーの作り方
ドライフラワーの作り方は、花瓶につけて入れたまま、少しずつ水分を蒸発させていく方法と、下につる下げて下垂させたまま蒸発させていく方法がありいます。ストロベリーキャンドルの花は、穂状になっているので下に向けたまま風通しの良い明るい室内で吊るしておくとよいでしょう。よく乾燥させたらドライフラワーの完成です。乾燥中から乾燥後のドライフラワーになった後も、直射日光を避けて扱うようにしましょう。
ストロベリーキャンドルを育ててみよう
ストロベリーキャンドルの育て方のまとめはいかがでした?ストロベリーキャンドルは、クリムゾンクローバーとも呼ばれて、クローバーのような葉も楽しめるかわいらしい植物でした。種まきから寒さ対策、お手入れ方法・増やし方・寄せ植えまで多方面で楽しめるまとめになったのではないでしょうか?マメ科の植物として扱えば、比較的育てやすい植物だと思いますよ。少し慣れてきたら、お庭の土もハーブで緑肥に出来るとよいですね。