栗駒山とは
栗駒山(くりこまやま)は宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがる標高1,626mの山です。二百名山にも選ばれており、四季折々の美しい自然が楽しめます。栗駒の名前の由来は、栗原にある駒ヶ岳から、そして雪解けの時期になると山頂西側に馬の雪形が現れることから栗駒と呼ばれるようになったそうです。
標高1626mの山頂からの眺めも見事ですが、栗駒山の魅力の一つは山頂以外でも素晴らしい景色が見れる絶景ポイントがたくさんあること。
どのコースからでもきれいな景色を楽しみながら、自然を満喫してハイキングすることができます。
また、栗駒は温泉地としても名高い地で、山の麓から中腹にかけて栗駒五湯と呼ばれる温泉群があります。昔から湯治場として知られており、栗駒には年間を通して多くの人々が訪れています。
栗駒山 登山時期
山開きは毎年5月第3日曜日で、11月上旬ごろまで山登りを楽しめます。春から夏にかけては、栗駒を代表するヒナザクラ、イワカガミ、タテヤマリンドウなどの花が一面を飾り、さまざまな高山植物を見ることができます。また、日本一の紅葉とも言われるほど栗駒の紅葉は美しく、その時期には毎年多くのハイカーが訪れます。
栗駒山登山の難易度
標高1626mというのは決して高い山ではありませんので、高山病など標高の高い山で起きる可能性のある症状を心配する必要はありません。
栗駒山には合計9つの登山ルートがあり、時間半程度で山頂まで登れる初心者用のコースから、原生林を5時間以上もかけて登頂する上級者コースもあります。すべて日帰りが可能で週末のリフレッシュにぴったりです。
栗駒山の地図と登山ルート
栗駒山には上記の地図の通り、宮城県からスタートする中央コース、東栗駒コース、台地森コース、湯浜コース、表掛け(御沢)コース、裏掛 (新湯) コースの6つ、岩手県からスタートする須川コース、自然観察路コースの2つ、そして秋田県からスタートする天馬尾根(秣岳)の、計9コースがあり、すべて日帰りが可能です。
どのコースにもそれぞれ見どころが満載で、息をのむほどの美しい景色が登山者の目を楽しませてくれるでしょう。登山初心者から上級者まで幅広い層の方が楽しめるコースが用意されています。
それでは地図にも紹介されているそれぞれのコースの魅力を詳しく説明していきます。
登山ルート① 中央コース
登山口の「いわかがみ平バス停」までのアクセスは、JR東北本線石越駅からバスで行くことができます。このバスはJR東北新幹線くりこま高原駅経由で、10月初旬~下旬の紅葉期の土日祝日のみの運行です。また、駐車場も完備されているのでマイカーやタクシーでも登山口まで行くことができます。登山コースは道の半分が石畳で整備されているため、とても歩きやすく初心者でも1時間半ほどで登頂可能です。四季を通して安全な登山路で、避難経路としても最適なコースとなっています。
駐車場には栗駒レストハウスがあり、お食事や休憩所として利用できます。売店ではおにぎりなども売っていますので、登山途中の軽食にも便利です。
登山ルート② 東栗駒コース
短距離ながら素晴らしい景色に出会えるコース。頂上からのパノラマは息をのむほど美しく、人気ルートのひとつです。中央コースと同様、登山口は「いわかがみ平」。登頂時間は平均120分ほどと難易度は低く、登山初心者にもおすすの登山コースです。帰りは中央コースからの下山となります。
ここには400年の歴史を持つ「駒の湯」があり、多くの人が登山後の疲れた体を癒しに訪れます。
駒の湯は38度ほどの「ぬる湯」。長風呂に最適で、ゆっくりと天然温泉を楽しめます。
登山ルート③ 表掛 (御沢) コース
登山口は「いこいの村跡地」で、ここの駐車場の脇から登山スタート。バスなどの公共手段はないのでマイカーかタクシーでのアクセスとなります。
このコースには途中大きな岩が転がる沢を飛び跳ねるように渡渉する箇所があるため、別名「飛八里(いしとびはちり)」と呼ばれています。ペンキで印が書かれているので迷うことはありませんが、沢を登っていく際は足元が濡れるので注意しましょう。
ここを過ぎると栗駒山の登山道で最も危険な「はしご滝」に至ります。滝の隣にあるロープを使って登っていきます。ここは頑張りどころですが、滝を登りきると素らしい光景が目の前に広がります。
見どころ満載で、おなかいっぱい栗駒山を満喫できるコースです。
登山ルート④ 裏掛 (新湯)コース
栗駒山の最も古い登山道のひとつで、信仰登山の道と言われてい、まさに栗駒を代表するコースと言えるでしょう。登山口は表掛コースと同様、「旧いこいの村跡地駐車場」です。このコースは登山客が少なく、ゆっくりと景色を楽しめる半面、踏み跡が少ないため道を見失う可能性もあり、登山初心者は十分経験のある方と行くことをお勧めします。
岩手・宮城内陸地震の爪痕が色濃く残る崩落地には大きな岩が転がり、こちらも一つの見どころとなっています。
登頂、下山で7時間ほどかかり、視界が悪い時には登山道を見失うことも。また、アップダウンも激しいため、中級者以上のコースとなっております。登山前の十分な準備を怠らないこと、そして初心者の方は登山経験者と行かれることをお勧めします。
登山ルート⑤ 大地森 (世界谷地) コース
登山口は第一湿原とブナ林が美しい世界谷地。このコースは栗駒山の登山道の中で最も距離が長く、中上級者以上のコースとなっているため、あまり観光客がおらず静かに登山を楽しめます。
登山道は距離約9kmと長く、途中に水場や避難小屋も避難路もないため、しっかりとした事前準備が必要です。登山道後半の見所である御室は、美しい花が咲き誇り、登山者の目を楽しませます。また、熊が多く生息する地でもあり、注意深く見ると爪痕や熊の足跡を見つけることができるかもしれません。
登山ルート⑥ 湯浜コース
8.8キロの湯浜コースは長距離であることからあまり登山者が多くなく、ゆったりと自然を楽しむことができます。高山植物や樹林帯、雪渓など多様な景色を楽しめるこのハイキングコーの難易度は中級者向けとなっていますが、勾配の緩やかな山道で整備も行き届いています。
登山口から徒歩10分の距離には湯浜温泉三浦旅館があります。
森を少し歩くと滝の近くに露天風呂があり、大自然の中でマイナスイオンたっぷりの入浴が楽しめます。
登山ルート⑦ 須川コース
登山道の整備が行き届き距離も短い須川コースは初心者におすすめのルートです。休みになると多くの登山客で賑わいます。
登山口にある「須川高原温泉」までは駅からバスも出ているためアクセスも便利です。登山時間は大体1時間半程度と短いため、日帰り温泉旅行を兼ねて行く方も多くいます。
この温泉は湯量がとても豊富で、源泉かけ流しを楽しめます。大きな露天風呂でのびのびと登山の疲れを癒せますよ。
登山ルート⑧ 自然観察路コース
登山口は須川コースと同様「須川高原温泉」。登山を始めて名残が原を上がると須川コースと自然観察路コースに分岐する標柱があります。須川コースと比べて登山客は少ないですが、こちらも難易度は低く初心者向けのコースです。紅葉の季節には美しい景観を堪能できます。
登山ルート⑨ 天馬尾根 (秣岳) コース
秋田県道282号の「天馬尾根」が登山口となる天馬尾根(秣岳)コース。登山口までのアクセスはマイカーかタクシーとなります。登頂・下山でだいたい6時間半~7時間ほどかかり初心者、中級者向けのコースと言えるでしょう。紅葉の時期のしろがね草原の眺めは素晴らしく、草モミジが美しく地面を彩ります。秋だけでなく、春から夏にかけてもたくさんの花が咲き誇り、多種多様な高原植物を堪能できます。
また、登山道からの焼石岳と須川湖の眺めは息をのむほど美しく、風のない日など、湖に山々が映り穏やかな景色に出会えます。
栗駒山登山 まとめ
春から夏にかけては美しい花が咲き誇り、秋には燃えるような紅葉を楽しめる栗駒山。晴れた日には気軽に日帰り登山を楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、栗駒には登山だけでなく、大自然の中でゆっくり入浴できる温泉が多くあり、マイナスイオンをたっぷりと浴び日ごろの疲れを癒すのに最適なスポットです。
登山初心者からでも楽しめる栗駒山ですが、標高1600メートルを超える山。天気や気温の変化が激しいのでしっかりと準備をして登山を楽しみましょう!
療養温泉としても広く知られています。