じゅらく壁(聚楽壁) 京壁 3坪用No.2
はじめに
最近、24時間テレビでもリフォームの企画が放送さたり、リノベーションという言葉が世の中のたくさんの人に知られたりと、家のリフォームに関しての注目は高まってきているように感じます。その中でも聚楽壁という仕上げの土壁を知っているでしょうか。
今回はリフォームの中でも聚楽壁という土壁について記事を書いていきたいと思います。
聚楽壁とは
じゅらく壁(聚楽壁) 京壁 3坪用No.2
聚楽壁とは京都やその周辺で取れた貴重な土を使用して仕上げた土壁です。その土は京都付近のキメの細かい上質の砂であり、この上質な土で仕上げを行っています。
様々な歴史的建造物やその他の建物に使われていて、壁から部屋を上品にしてくれます。歴史的建造物に使われているので職人しか塗ることができないと思う方もいるかもしれませんが、聚楽壁はDIYもできる土壁です。
土壁
土壁はその名の通り、土を素材にして作られた壁で、聚楽壁はこの土壁に当たります。そのほかにも錆砂壁や大津壁なども土壁です。また、最近、聚楽壁と共に注目されている、珪藻土の土壁も人気の土壁です。土壁は和室などに使うととても雰囲気のある室内に変えてくれます。
聚楽壁の特徴
聚楽壁は、湿度を整えてくれたり、防火性や吸音性、断熱性など様々な特徴と利点があります。また、空気中の有害な化学物質なども吸収してくれるので、様々な所で使われています。土壁の中でも最高峰と言われる所以はこういったところにあるのかもしれません。
茶室などに良く使われるのも空気をよくしてくれる、においを吸収してくれるという点もありますが、剥がれることが多くても茶室に使われる理由は土壁の美しさにもあります。
聚楽壁の利点
聚楽壁の利点は先程書いた通り、湿度の調整や、耐火性能の高さ、防音効果が高いことがいえます。また、混ぜる土の色をちょっとずつ変えたりすることで、色々な色合いの壁になることもできます。
そしてなんといっても、聚楽壁に仕上げることによって、空間が良くなり、美しく仕上げられるということにあります。
聚楽壁の欠点
聚楽壁の欠点は脆く剥がれることが多いということにあります。地震が起きてしまったらひび割れはほぼしてしまいますし、汚れや傷にも弱く、傷やひび割れをしてしまった場合は、直すのに苦労しますし、時間と費用も大きくなってしまいます。
ちょっとでも傷があったら要注意
また、ちょっとしたことで剥がれてしまうこともある聚楽壁ですが、そうなった場合、業者に頼まないといけなくなり、施工期間や施工費がとてもかかってしまいます。なので、少しでも剥がれる所があったり、傷やひび割れを見つけたらこまめに補修して美しさを保ちましょう。
聚楽壁でリフォーム
聚楽壁は重要な建造物などの壁に使われることが多いため、簡単に手に入らないと思いがちですが、一般の人でも買える土であり、一般人でもDIYで壁を聚楽壁にリフォームできるのです。業者に頼めば、値段はそこそこかかりますが、自分でリフォームをするとなると剥がれるリスクも高いですが、値段をとても安く抑えることができます。
ただし、自分でするとなると、技術や手間がかかるのでそれでも大丈夫という方だけにしましょう。
聚楽壁のリフォーム時期
聚楽壁は土壁ですので、どうしても塗り替えてリフォームする必要があります。その時期が土が落ちてきた時期で、ぼろぼろになり過ぎると、そのぶん、塗り替えも大変になりますし、リフォームする期間や費用も変わってくるので、少しでも土が落ちてくるようになったら塗り替えてリフォームしておきましょう。
下地塗り
聚楽壁を自分でリフォームする際に下地塗りという事をする必要があります。この下地塗りは昔は下塗りして乾かしてまた塗って乾かして、また塗るという三度に渡って乾かして塗らなけれならず、時間がとてつもなくかかってしまいましたが、今では、とても簡単に石膏の下地に塗ることができるようになりました。
そのため、業者に頼らずリフォームする際も簡単に下地を塗れるようになっています。この下塗りはとても大切ですので、しっかりと丁寧に行うようにした方がいいです。
聚楽壁の土壁を塗装する手順
何事にもそうですが、物事を進める際には手順というものがあります。この手順を間違えると失敗したり、取り返しのつかないことになってしまい、余計な費用と時間がかかることもあるのでしっかりと手順は覚えておきましょう。大まかな流れだと、養生→下塗り補修→下塗り→上塗りの手順になります。
手順1:養生と下塗り補修
まず、他の塗装する箇所以外を保護するために養生を行います。そうすることで、他の箇所が汚れないようにしておきましょう。そして養生を終えたら下塗り補修に移っていきます。この工程はとても大切で、ここを疎かにすると、仕上がりが汚くなってしまいます。下塗り補修は壁をこすり過ぎず剥がれない程度に砂を落とし、砂が落ちなくなったら大丈夫です。
手順2:下塗り
下塗りは養生などが終わったら始めます。聚楽壁もそうですが、砂壁や土壁は剥がれることが多いので、シーラーなどで下塗りをしっかり固めていきましょう。しっかりと固めないと、浮き出てしまい均一に塗ることができなくなってしまいます。
窓枠など狭い所は刷毛で塗るようにして、広い部分は広範囲塗れるもので一気に塗っていきましょう。塗るとき、一回で全部は塗り終えないので、塗って乾燥させて塗って乾燥させてを繰り返して光沢が出たら下塗りは終わりとなります。
上塗り
光沢が出るようになったら上塗りを開始します。この作業も同様に、細かい部分は刷毛で塗り、広い部分はローラーで塗っていきます。この時に、一回で全部の面を塗ろうとしないで、薄く塗ることを繰り返した方が、見た目が良くなるそうです。塗装が終わりある程度乾いたら、いらないものを取り除いて終了となります。
聚楽壁をリフォームする際のコツとは
聚楽壁をリフォームする際は聚楽壁からクロスに張り替えるのもいいですし、聚楽壁を塗り替える補修をしてもいいのですが、もし、業者に頼むのではなく、自分で塗り替える補修をする場合は少しコツがいります。このコツをしっかりと押さえておかないと、仕上げが汚くなってしまいますので、しっかりと押さえておきましょう。
コツ①:端部のパテ処理
パテ処理をする際に、下地のジョイント部分にパテ処理に移りますが、このパテ処理をしっかりと仕上げないと、とても汚くなってしまいます。また、端の部分やパテが余計な所についてしまうと汚く見えてしまうのでこちらも気を付けて塗装しましょう。
コツ②:天井部分の塗り替え
2つ目のコツとしては天井など上部にある箇所の塗装です。この天井はずっと上を見上げる形になるため、とても大変なので雑に塗らないように丁寧に塗っていきましょう。それに加えて、二度塗りなどをする場合はかなり時間がかかりますので、休み休み塗装し、早く仕上げることよりも、綺麗に塗装することを心がけた方がいいかもしれません。
この天井を塗装する作業はやってみるととても大変なので、業者に頼んだ際、高額になる理由はこのような時間と労力を必要とするからだということが分かります。
コツ③:二度塗り
3つ目は2度塗りをすることです。下塗りと上塗りをする場合、とても時間がかかります。だからと言って、下塗りを手早く適当にしていいわけではありません。
下塗りをしっかりやらないと、ムラ多くできてしまい、綺麗にできなくなってしまいます。せっかく材料をそろえて時間をかけて塗装したのに汚かったらとても残念ですので、丁寧に塗装することが必要です。
コツ④塗装するのが難しい場所
基本的に聚楽壁は和室に使われることが多いですが、自分で聚楽壁を塗る場合はどうせなら様々な所に使いたいと思う人もいるはずです。その場合、塗装するのが難しい場所があります。
それが階段です。階段は角になっている部分が多いのでどうしても細かな所までは丁寧にできません。難しいのでいい加減に塗ってしまうとかえって見栄えが悪くなることがあります。そのため、階段を聚楽壁に塗り替えたい方は業者に頼んだ方がいいかもしれません。
クロスを使う
塗装するのが難しい場所や天井部分などはクロスというものを使う場合もあります。クロスとは壁紙と呼ばれるものですが、現在では土壁のクロスもあるので、一部分をクロスにしても違和感がないです。
クロスの性質としては、汚れの防止や、キズをつけなくしてくれる、匂いを吸収してくれるなどといった性質があるので、土壁の聚楽壁と同じような性質があります。また、このクロスは低価格で素早く仕上げることができるため、現在のリフォームではとても好まれています。
聚楽壁を補修する
聚楽壁はリフォームするだけではなく、聚楽壁をそのまま補修する方法もあります。方法としては、古くなった壁を取り除き、聚楽壁を塗っていきます。聚楽壁を塗るのは難しいですが、難しいからといって少しでも雑になってしまうと、壁が汚く見えてしまうので、この作業は丁寧にしましょう。
聚楽壁の補修は広範囲を補修しようとすれば、お金はかかりますが、少しずつ狭い範囲を補修すればお金をかけなくても大丈夫です。
DIYする際の注意点
気温や湿度
聚楽壁を扱う時は、気温や湿度に注意をしなくてはいけません。購入すれば袋や缶には適切な湿度や温度が書かれているはずですので、使用する前に必ず確認するようにしましょう。この確認を怠ると、乾かなかったり、ボロボロと剥がれるという事態に陥ってしまいます。必ず確認はしましょう。
特に冬や梅雨の時期など、湿度が高い季節や気温が低い季節は避けた方がいいようです。室内での作業になると思いますので、エアコンや除湿器などで気温や湿度は調整してボロボロに剥がれないようにやりましょう。
養生を剥がすタイミング
塗装が全部終わったら、最後に養生テープを剥がしていきます。その際は完全に塗料が乾いてから剥がすと塗料まで全部剥がれる可能性がありますので、半分乾いている状態で剥がすようにしましょう。半乾きの状態で剥がれるようになった場合も慎重に塗った面を触ることのないようにゆっくりと剥がすようにしましょう。
まとめ
聚楽壁のリフォームや補修に関してまとめてきました。聚楽壁をクロスに変える。塗り替えて補修するのもよしです。また自分でDIYする際は、費用は抑えられますが、下地などの難しさに加え、場所によっては下地も上塗りも難しい場合もあるようなので気を付けてリフォームしましょう。