キャンピングカーとは?
キャンピングカーとはどんな車?
キャンピングカーというと、一般的にはどういった車を思い浮かべるでしょう?車の中で寝泊まりができて、くつろげるリビングのようなスペースがある。そんな感じの車内を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、キャンピングカーにはもう少し細かい定義があります。それを軽くご説明します。
法律上のキャンピングカー
先にキャンピングカーには細かい定義があるとご説明いたしましたが、単純に車の中を住居として使えるのであれば、それも一般的にはキャンピングカーと言えます。ですが、法律上のキャンピングカーというと少し事情が変わってきます。日本でキャンピングカーは「特殊用途自動車」という車に分類されます。では、どのような条件がそろえばキャンピングカーになるのでしょうか。それを見ていきましょう。
眠るところがある
「特殊用途自動車」に分類されるキャンピングカーにはまず、眠るための場所が備わっていることが条件になっています。キャンピングカーの乗車定員の3分の1以上の人数分の寝台が必要で、これは自動車が走っているときに使ってはいけません。なので、普段は寝台を折りたたんで座席にできるものが備わっていることが多いです。
料理をする場所がある
次に料理ができる施設が必要です。具体的にはお湯を沸かすことができる施設が必要で、他にも調理台と調理する人が立っていられるスペース、流し台が必要です。これら調理台や調理スペース、流し台にはしっかりとした寸法が決まっています。お湯を沸かす施設はガスでも電気でもよく、水道設備が必要となっています。
気を付けないと摘発対象に
日本では「特殊用途自動車」に分類される車のナンバープレートの分類番号の上一桁は8になります。この8ナンバーを付けたキャンピングカーは先に説明した条件を満たしていない場合、もしくは条件を満たしていながらそれらの設備が使えない状態になっている場合は摘発の対象になってしまうので、常日頃からの点検が欠かせません。
キャンピングカーのおおまかな種類
一口にキャンピングカーといっても、さまざまな種類があります。その中でも特に有名なものを大まかに区分してみていきましょう。
バンベースの改造車、バンコン
まずは、ハイエースなどのバンタイプの車に改造を施した「バンコン」タイプのキャンピングカーです。外見は普通のバンタイプの車で、のちに紹介する「キャブコン」などのキャンピングカーに比べ、走行性能が高いのが特徴です。ただし、室内空間は最低限「生活ができる」程度の広さのものが多く、非常に快適に車内で過ごせるかと問われるとイマイチでしょう。ちなみに「バン」タイプの車を「コンバージョン」するから「バンコン」です。
キャンピングカーといえば!キャブコン
次は「キャブコン」についてご紹介いたします。キャンピングカーといえばこの「キャブコン」タイプの車を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。「バンコン」に比べると車体重量が重く、車体前面に張り出したキャンパーシェルの形状のせいで走行性能は高くないですが、居住空間として作られているキャンパーシェルのおかげで「バンコン」に比べ快適に過ごすことができます。通称の由来は「キャブオーバー」タイプの車を「コンバージョン」するためです。
外付けハウス!キャンピングトレーラー
このタイプのキャンピングカーは普通の車の後ろにトレーラータイプのキャンパーシェルをけん引する物です。キャンピングトレーラーの利点は元々車を保有していればキャンピングカーを新たに購入するよりもトレーラーを購入するほうが安くなるところや、トレーラーの連結を解除すれば普通の乗用車に手軽に戻せる点です。ただし、トレーラーの分だけ車体が長くなり、運転時の取り回しが変わるので巻き込み事故の原因になりかねません。
取り回し良好!軽キャンパー
軽キャンパーとは軽自動車ベースの改造、設計をしたキャンピングカー全般を指します。なので、軽キャンパーはさらにその中で「バンコン」、「キャブコン」とまた分かれます。普通車ベースのキャンピングカーに比べ室内が狭いのでソロやペアキャンプに向いています。車体が小さいため取り回しの良さはキャンピングカーの中でも随一です。なお軽自動車でけん引できるキャンピングトレーラーも存在していますが、トレーラーをけん引した軽自動車は軽キャンパーと定義しません。
軽キャンパーとは?
先ほど軽キャンパーについてご紹介いたしましたが、軽キャンパーはキャンピングカーとしての種類が複数存在します。なぜなら、軽自動車にも種類が複数あるからです。それらをご紹介していきます。
軽バンベースの軽キャンパー
まず、軽バンベースのキャンピングカーです。このタイプのキャンピングカーは「軽バンコン」と呼ばれており、軽バンに寝台や調理台、流し台などの機能を備え付けたものです。車のボディ自体に改造がいらないため「キャブコン」タイプに比べて安価なのが特徴です。ただし普通車の「バンコン」以上に車内が狭いので本当にソロやペア用のキャンピングカーと言えるでしょう。
軽トラックベースの軽キャンパー
次は軽トラックベースのキャンピングカーです。このタイプのキャンピングカーは「軽キャブコン」、「トラキャン」などと呼ばれており、「軽バンコン」に比べ居住性が高いのが特徴です。ただし運転時の乗り心地が「軽バンコン」に比べ悪く、「軽キャブコン」は制作費用が高額になりがちです。しかし、軽トラックの荷台にキャンパーシェルを載せるだけの「トラキャン」は他のキャンピングカーに比べ、安価に制作可能です。今回はこの「トラキャン」について詳しくご説明していきます。
軽トラック改造軽キャンパー自作キット「Kトラハウス」
「Kトラハウス」とは?
キャンパーシェル自作キット「Kトラハウス」とは、大阪府にあるKトラハウス株式会社が作っている軽トラックに搭載するキャンパーシェルを自作し、軽トラックをキャンピングカーに改造するキットです。キャンパーシェルを自作するための材料のセットで、このキットと工具や接着剤を用意すれば、ある程度DIYに慣れた人ならばどなたでもキャンパーシェルの手作りが体験できます。
自作キット「Kトラハウス」何がすごい?①
価格
「Kトラハウス」の価格はなんと45万弱です。これに軽トラックと「Kトラハウス」の内装を用意すれば手作りのキャンピングカーを作れます。新品のキャンピングカーを買うよりは安く仕上げることができます。DIYが好きでキャンピングカーの購入を考えている方はぜひいかがでしょうか。
自作キット「Kトラハウス」何がすごい?②
組み立て説明書&解説動画付き
普通キャンパーシェルを自作しようとするとそのための図面を引かなくてはいけません。しかしこの「Kトラハウス」には最初から組み立て説明書がついている上に組み立ての解説動画まで用意されている親切設計です。説明書と動画をきっちり理解することでだれでも手作りキャンピングカーを作れます。
自作キット「Kトラハウス」何がすごい?③
材料はある程度加工済み
DIYで何かしらを作るときは基本的には材料の加工から行う必要があります。しかし「Kトラハウス」のキット内に含まれる材料はおおよそ加工済みです。ネジを止めたりするときに材料に穴をあけたりする程度の加工でキャンパーシェルの組み立てを楽しめます。
自作キット「Kトラハウス」何がすごい?④
それでも味わえる「手作り」感!
これだけ至れり尽くせりな「Kトラハウス」なのですが、組み立てる部分は多く十分にキャンピングカーを手作りした感覚を得ることができます。DIYが趣味でキャンプも大好きという方には大変おすすめなキットです。
自作キット「Kトラハウス」気を付けるところ
あくまでキャンパーシェルの「がわ」だけ
ここまでキャンパーシェルの自作ができるキット「Kトラハウス」のご紹介をさせていただきましたが、少々気を付けるべき点もあります。それはこのキットで用意されているのはあくまでキャンパーシェルの「がわ」だけ。つまり実際に生活するための寝台やキッチンは自身で設計図を作り、材料の加工をしなくてはいけません。なので、このキットのみで軽トラックを完全なキャンピングカーにすることはできません。
内装を手作りする楽しみも
しかし、内装が用意されていないということは内装を自分の好みに自由に手作りできるということです。キャンパーシェルの外装をこのキットで作成し、内装を凝った作りにすることもできますし、どこまで安く仕上げられるかに挑戦するのもいいでしょう。キットでも作る人によって個性が出るのもこのキットの面白いところです。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!①
これまで軽トラック用キャンパーシェルの自作キット「Kトラハウス」のご紹介をしてきましたが、ここからはキットを使わないキャンパーシェルを手作りする方法をご紹介いたします。
まずは車体選び!どんな軽トラックがおすすめ?
まずはキャンピングカーのベースとなる軽トラックを選ばなくてはいけません。キャンパーシェルを荷台に積むような改造をするため、ベースは荷台ができる限り広いものが望ましいです。なおかつ荷台から地面までの距離が近ければその分キャンパーシェルの屋根を高く作れるので、居住性の向上が見込めます。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!②
軽トラックに乗せられるキャンパーシェルを学ぶ
軽トラックにキャンパーシェルを載せた「トラキャン」のキャンパーシェル部分は荷物扱いです。そしてトラックに載せられる荷物の大きさは法律で決まっています。具体的には長さは車の長さ+車の長さの10%まで、幅は車の幅まで、高さは荷物を車に乗せた状態で2.5mまでです。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!③
キャンパーシェルの図面を作る
キャンパーシェルを作るにはまず図面を引く必要があります。キャンピングカーにする予定のトラックの寸法を含めてキャンパーシェルの設計をする必要があります。図面を引くのは手書きでもフリーのCADを使うのもいいでしょう。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!④
キャンパーシェルの材料を決める
キャンパーシェルの設計が終わったら、今度はキャンパーシェルを作る材料を選びます。キャンパーシェルを手作りするときによく使われるもの素材を大まかにご紹介いたします。
木材
木材はキャンパーシェルの骨組みや壁を作る際によく使われる素材です。素材としては比較的軽量かつ加工がしやすいため、木材に防水加工を施したり、重ね合わせて断熱作用を持たせたりすることでほぼ木材でキャンパーシェルをくみ上げる方もいるようです。手作りするキャンパーシェルのベースとなる素材です。
アルミ
アルミは木材と木材のつなぎ目に使うことでキャンパーシェルの防水性を高めることができます。製品として売られているキャンピングカーにはアルミのパネルをベースに複数の素材をバキュームプレス工法という方法で組み合わせたアルミボディパネルが使われています。
FRP
まずFRPとはプラスチックの中にグラスファイバーや炭素繊維などの繊維を入れてプラスチックの強靭性を増した素材のことです。FRPもキャンパーシェルの防水性を高める目的で利用されます。木材で作ったキャンパーシェルの下地にFRPをカバリングという工法で張り付けるのが主な方法です。
その他
その他にもボンドやシリコンシーリング材が必要になります。ボンドは材料を本格的にネジやクギで固定する前の仮固定材や材料同士の隙間をなくすことで防水性の向上を見込むことができます。シリコンシーリング材は材料同士のつなぎ目に詰めることで防水性を高めるのに使います。そのほかにもキャンパーシェルのドアや採光用のガラス窓も必要です。これらは廃材をうまく利用するとよいでしょう。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!⑤
材料の加工をする
材料を用意したら、それらを図面通りの形に加工します。自身の手で加工までするのなら、木材をベースにキャンパーシェルを設計するのがおすすめです。アルミパネルボディは機材がなければ作れませんし、FRPも成型するのに特殊な機材が必要です。ですので、これらの材料を採用する場合は専門の業者に加工だけ任せるのも手です。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!⑥
キャンパーシェルの組み立て開始
ここまでの準備ができたら、いよいよ組み立て開始です。キャンパーシェルを組み上げる際にはいきなりネジや釘で本固定するのではなく、ボンドやクランプで仮固定をしつつずれを起こさないように組み上げるのが重要です。部品同士が少しずつでもずれると部品同士に隙間ができてしまい、キャンパーシェルの密閉性が保てなくなるので注意しましょう。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!⑦
実際に軽トラックに搭載する
キャンパーシェル本体が完成したら、実際に軽トラックに搭載してみて、搭載した状態でトラックの寸法を測ってみましょう。最初に引いた図面通りにキャンパーシェルが仕上がっていれば法律で荷物として許容される寸法に収まるはずです。ここでうまくいっていないとやり直すのは非常に大変なので、組み立ては慎重に行いましょう。
軽トラック大改造!自作キャンピングカーへの道!⑧
内装を整える
作ったキャンパーシェルがトラックに搭載できることを確認したら、キャンパーシェルをトラックから下ろして、続いて内装を整えます。トラックに積むタイプのキャンパーシェルはあくまで荷物として扱われるため、「特殊用途自動車」としてのキャンピングカーの条件を必ずしも満たす必要はありません。好きなように内装しましょう。ただしトラックには積載重量制限があるのでそれを超えないように設計してくださいね。
手作りキャンピングカー:番外編
中にはキャンピングトレーラーを作る方も
今回の主題とは少々脱線してしまいますが、まだ軽自動車がけん引できるキャンピングトレーラーがなかったころに軽量な軽自動車で使えるキャンピングトレーラーを自作する方がいたようです。キャンパーシェルを自作するよりもさらに難易度が高くなりますが、チャレンジャーな方はトレーラーの自作にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
自作軽キャンパーまとめ
キャンピングカーは自作できる
これまでご紹介してきた通り、キャンピングカーは手作りすることができます。手作りする方法や、ベースにする車の種類によって難易度は様々ですが、それこそ車のボディに改造を加えるような方法も自身のそろえている機材や予算によってはできます。挑戦しようとするときはご自身の状況に合わせたプランを考えましょう。
手作りできるキットもある
軽トラックを持っていればキャンパーシェル手作りキット「Kトラハウス」を購入することで軽キャンパーの手作りを体験できます。キャンピングカーを購入するよりかは安いコストでキャンピングカーを手にすることができますし、何よりキャンピングカーを作る体験を手軽にできるのは強い魅力でしょう。
廃材を利用すればさらに低コスト化も
キットを使うより難易度は上がりますが、建物を解体するときに出る廃材を利用すれば、さらに格安でキャンピングカーを手にすることもできます。DIYの腕に覚えがあり、お金はないけどキャンピングカーを手に入れたい!という方にはキャンピングカーの手作りはおすすめです。