デグナー ETCケース SB-45
日本無線 JRM-12
バイクにETCを取り付けよう
高速道路料金所の渋滞緩和のために導入されたのがETC(Electronic Toll Collection System)です。バイクの大型化やハイパワー化、高速道路でのタンデム走行解禁などを追い風に、高速道路をバイクで旅する人が増えている中、二輪用ETCを取り付ける人が増えています。
でも車と違い二輪用ETCは防水や防振対策を施しコンパクトに作る必要性から割高感があり、二の足を踏んでいる人も多いはず。そこで二輪用ETCをバイクに取り付けるメリットや取り付け方のコツ、おすすめ車載器についてご紹介します。
バイクにETCが必要なワケとは
高速料金が割安になる
高速道路を運営するNEXCO各社や都市高速道路公社などは、ETCを利用して料金所を通過する車に対し、各種の割引料金を設定しています。もっとも代表的なものは、土日や祝日に適用される休日割引で、通行料金が30%割引になります。
また深夜0時〜4時に通行する車両に適用されるのが深夜割引で、これも同様に30%の割引となります。また通勤などで毎日高速を利用する車両に対し、利用回数に応じて割引となる平日朝夕割引などの制度もあります。
料金所通過がスムーズ
クラッチやスロットル、そしてシフトやブレーキなど両手両足を総動員させて操るバイクを料金所で停車させ、グローブをはずして通行料を支払うのは、熟練したライダーでもかなり手間取るものです。
おまけに渋滞時には、後続の車に気を使ってなおさら焦ったりもします。そんなときも二輪用ETCを装着していれば、常にスムーズに料金所を通過することができます。
行動範囲が広がる
割引料金で通行料が安くなり、料金所通過のストレスからも解放されるETCを装着すれば、それだけツーリングで高速道路を使用する機会が増えます。
信号がなく平均速度も速い高速道路の使用は、すなわち同じ所要時間でも遠くまで行けるということを意味します。そのため二輪用ETCを装着すれば、それだけツーリングの行動範囲が広がることになります。
ツーリングプランでさらにお得に
ETC装着車には、NEXCO各社がお得な周遊プランをいくつか用意しています。特に二輪のライダー向けには、指定の区間を最大2日間乗り放題で定額の、ツーリングプランが設定されています。事前の申し込みが必要ですが、土日や連休を利用して長距離ツーリングに行く場合は、このプランを利用しない手はありません。
スマートICが利用できる
従来の高速道路出入り口以外に、サービスエリアやパーキングエリアに併設されていたり、直接高速道路本線に合流できるETC専用のスマートICが増えています。これらの出入り口はETC未装着車は利用できないので、ETCを取り付けることによりツーリングルートの選択肢も増えることになります。
ETC2.0とは
自動での料金収受のみが目的であった従来のETCに加え、ITSスポットと呼ばれる通信アンテナと専用の車載器によって双方向通信を行い、さまざまな情報やサービスを受けられるのがETC2.0です。そんな便利なETC2.0のメリットや今後導入予定のサービスについてご紹介します。
渋滞や災害などの情報提供
スマートフォンやカーナビと連動するETC2.0車載器により、追突注意情報や降雪情報などの安全支援情報、リアルタイムな交通情報に基づく渋滞情報、災害発生時の情報など多くの有益な情報が受け取れます。ただし現状の二輪用車載器には、これらの画像情報を表示できるものはまだありません。
高速からの一時退出が可能に
事故や給油などを目的に一旦高速道路を降り、再度高速道路に戻った場合、連続して目的地まで行った場合より割高となってしまいます。ETC2.0では「賢い料金」と称して、一時退出の場合も連続して高速道路を走行したと見なす仕組みを検討中です。実際に全国のいくつかの道の駅を立ち寄りの対象施設として、実証実験が始まっています。
圏央道がお得に
これまで都心経由より割高であった圏央道を経由した場合の通行料金が、ETC装着車にかぎり出発地と目的地が同じであれば同一料金となっています。それに加えETC2.0の場合は、圏央道経由での通行料金が全日2割引となるサービスを行っています。
混雑状況に応じた料金体系
網の目のように張り巡らされた都市圏の高速道路では、一箇所で渋滞が発生していても他のルートをたどってスムーズに目的地に行くという選択肢があります。そこで渋滞を避け迂回したETC2.0装着車に対し、通行料金を割引するサービスも今後検討されています。
民間サービスもお得に
ETC2.0では、料金収受や各種情報などの高速道路関連のサービスにとどまらず、街中でのコインパーキングの料金支払いや、フェリー乗船の際の手続きの簡素化など、民間とタイアップしたサービスの充実も推進しています。今後も工夫次第でさまざまなサービスの導入が期待されます。
バイク用ETCの種類
一体型
ETCカードを差し込む車載器本体、料金収受システムと通信するアンテナ、作動状態を知らせるインジケーターといったETCを構成するシステムのすべてが一体構造となったETC車載器が一体型です。
一体型の二輪用車載器の場合、本体はフロント付近に設置する必要があります。ハンドル周りのスペースが取られることや、バイクを離れる際にカードを取り出すのが煩雑なのが問題ですが、シート下に車載器を設置できない車種では一体型が便利です。
分離型
ETCカードを挿入する本体と、アンテナおよびインジケーター部が別体となったETC車載器が分離型です。
車載器をシート下など目立たない場所に設置できるので盗難のリスクは少なく、ハンドル周りにはコンパクトなアンテナだけなので見た目もスッキリできるのが分離型のメリットです。ただし車種によっては分離型を装着できるスペースがないものもあります。
バイクへのETCの取り付け
ETC取り付けにかかる費用
ETCの取り付けには車載器本体の価格に加え、取り付け工賃、ナンバープレートなどの車両情報を入力するセットアップ料金がかかります。二輪用の車載器はコンパクトに作る必要がある上に、防水や防振設計にする必要があるため車用のものに比べ割高となり、2万円前後はします。
取り付け工賃は手間のかからないネイキッドで8,000円前後、フルカウルやスクーターで10,000円前後が相場となります。セットアップ料はどこのお店もだいたい2,500円ぐらいになります。つまりバイクにETCを装着する場合、トータルで3万円程度の出費は覚悟する必要があります。
ETCの取り付け位置
分離型であれば車載器本体をシート下のスペース、アンテナ部はハンドル周りやカウルのスクリーン付近やヘッドライト周りに取り付けます。シート下にスペースがないモデルでは一体型を選択します。
一体型の場合は専用のホルダーを使ってハンドル周りに取り付けます。ライディングの妨げになったり、スマホホルダーなどと干渉しないようにする必要があります。
ETC用便利アイテム
シートの下にスペースはないけれどアンテナ部がコンパクトな一体型をつけたい場合には、ETC車載器を収納する専用ケースもリリースされています。バイカーのテイストに合わせたレザー製のおしゃれなものも多く、装着することでバイクのドレスアップにもなりますのでおすすめです。
デグナー ETCケース SB-45
おすすめバイク用ETC①
日本無線 二輪車用ETC2.0車載器 JRM-21
日本無線の分離型二輪車用ETC2.0車載器です。ETC用のアンテナとGPSのアンテナが一体化、ハンドル周りで邪魔にならないよう、コンパクトに小型化されています。防水パッキン一体型のカードリーダーを採用した本体は、高い防水性を発揮し、アンテナやインジケータとともにJIS規格をクリアした高い防水性を供えています。
カード全体を蓋で覆い、端子部を防振材で覆うことにより、振動に強い設計になっている他、独自の大型シールド・ロックを採用し、バイク用のグローブをしたままでも開閉しやすい構造になっているのが特徴です。
基本スペック
本体寸法:110(W)×83(D)×24(H) [mm]
アンテナ寸法:41(W)×37(D)×13(H) [mm]
インジケーター寸法:15(W)×45.5(D)×15(H) [mm]
防水・防塵性能:JIS規格D0203-S2クリア
おすすめバイク用ETC②
日本無線 二輪車用ETC車載器 アンテナ一体型 JRM-12
日本無線 JRM-12
バイク用ETC車載器で高い信頼性を誇る日本無線の一体型車載器です。コンパクトな一体型ボディにより、ハンドル周りに装着してもライディングの妨げにはなりません。ブザーではなくLEDのインジケーターで車載器の状態を目視するシンプルなデザインです。
ETCカードの盗難防止のために、手元ですばやくカードを取り出せるよう考慮された親切設計となっています。本体から出ているコードも電源ケーブルのみとスッキリしているので、ハンドル周りの取り回しも楽に行えます。
基本スペック
本体寸法:124.4×73.8×24.5 [mm]
電源ケーブル:2m
防水・防塵性能:JIS規格D0203-S2をクリア
おすすめバイク用ETC③
ミツバサンコーワ GPS搭載ETC2.0車載器 MSC-BE700E
バイク用ETC車載器のトップブランドであるミツバサンコーワの分離型車載器です。本体が非常に薄型のコンパクト設計で、車種によっては狭い取り付けスペースであっても容易に取り付けることができます。
高速道路上の緊急情報や注意警戒情報をインジケーターの点滅で知らせてくれるので、安全で快適な走行に役立ちます。優れた防水・防塵規格をクリアし、20Gまでの振動加速度試験にも合格した振動に強い造りになっています。
基本スペック
本体寸法:W81×H22×D112.5(mm) ※突起部除く
アンテナ寸法:W40×H15.8×D44(mm) ※突起部除く
防水・防塵性能:IP68、IP66(本体部・コネクター部はIP55)
おすすめバイク用ETC④
ミツバサンコーワ アンテナ分離型ETC車載器 MSC-BE51W
ミツバサンコーワのアンテナ分離型ETC車載器 MSC-BE51Wは、独立型インジケーターモデルです。特徴はなんといっても、スリムタイプのインジケーターが目立ちにくく、バイク全体の雰囲気を損なわないことです。アンテナ部も、ミツバサンコーワの二輪車用ETC車載器の中で最小サイズとなっていて、目立ちません。
その他、既存の機種に比べてアンテナの取付角度に自由がきき、こだわりの取り付けができるので、バイクのデザインを邪魔しない、目立ちにくいETCを探している人にぴったりの商品となっています。防水・防塵規格はIP55をクリア、20G耐振のテストにも合格しているので、機能面でも安心ですね。
基本スペック
本体寸法:W81×H22×D112.5(mm) ※突起部除く
アンテナ寸法:W33×H12.8×D38.8(mm) ※突起部除く
インジケーター寸法:W13×H13×D40(mm) ※突起部除く
防水・防塵性能:IP55
ETCはツーリングのマストアイテム
バイク用ETC車載器についてご紹介してきました。バイクの大型化やハイスペック化により高速道路を利用してツーリングをする人は増えており、いまやツーリングライダーにとってETCはマストアイテムと言えます。みなさんも愛車にETCを装着して、日本の美しい風景を見に出かけてみませんか。