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多機能すぎる「野燗炉」の魅力を解説!日本古来の文化でキャンプを楽しもう!

野燗炉という昔からある道具を知っていますか?一時期は廃れ忘れ去られてきた野燗炉ですが、近年、登山家などアウトドア愛好家を中心に注目を集めるようになってきています。昔から伝わる野燗炉はどのような物なのでしょうか?その魅力と使い方を紹介します。
2020年8月27日
haduki0
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野燗炉(のかんろ)とは

野燗炉とは、日本古来からある調理器具の事です。本来、調理器具といえば一つの道具に、一つの役割が基本といえます。別の使い方もできますが、一つの道具では、一つの事しかできないのが一般的です。ですが、野燗炉が一つあれば、一度に複数の調理ができるといわれています。また、機能も豊富で「焼く・炒める・炙る・燻す・温める・煮る・炊く・沸かす」ことを野燗炉一つでカバーすることができます。その多機能さから、近年、キャンプやアウトドアで注目を浴びるようになった調理器具です。

野燗炉の歴史

野燗炉は日本古来からある道具で、始まりは平安時代からと長い歴史を持ちます。野燗炉の良さを知るためにも、野燗炉について簡単におさらいしておきましょう。

平安時代

野燗炉の原型とも呼べる物は平安時代に作られました。元々野燗炉は「焼く・炒める・炙る・燻す・煮る」などは意識しておらず、熱燗を作る目的で利用されていました。燗鍋と呼ばれる道具を直火で温め、中に入ったお湯で熱燗を温めていたのです。

江戸時代

江戸時代になると、燗鍋から現代の形に近い野燗炉に変化していきます。ただ温めるだけではなく、熱の対流を活かして「焼く・炒める・炙る・燻す・煮る」などをできるようにしたのです。また、多様性の良さから、多くの庶民に広がっていきます。特に、江戸では花見や花火などのアウトドアイベントが多く、多機能で持ち運びしやすい野燗炉が流行り出します。熱燗を作りながら酒のつまみを炙れるとして、野燗炉は酒飲みに愛用されていたのです。

昭和時代

江戸時代に人気のあった野燗炉ですが、昭和になると徐々に姿を見なくなります。というのも、電気や電化製品の普及により、わざわざ野燗炉を使う必要がなくなってきたからです。その結果、一部の愛好家を抜かし、多くの人から野燗炉は忘れ去られてしまいます。

現代

しかし、現代では再び野燗炉が注目を集めます。コンパクトで多機能の野燗炉は、キャンプやアウトドアで使いやすいと人気となったからです。そして、現代でも作り続ける職人や、粋な様子をSNSなどで紹介することによって多くの人が野燗炉の存在を知り、キャンプやアウトドアをする人を中心に人気を集めるようになったのです。

材質


現代の野燗炉はステンレスを使用しています。軽くて丈夫、なおかつ腐食などに強いと、キャンプやアウトドアにうってつけだからです。ですが、江戸時代は主に銅を使用していました。ステンレスが無かったのもそうですが、銅を熱することで、銅に含まれる栄養が水に溶けだし、殺菌効果や栄養補給になると考えられていたからです。現代では、衛生管理や飽食によって、銅で作る必要はありません。銅の摂りすぎは健康を害するのもありますので、わざわざ銅製品にこだわらなくてもいいのです。
材質からして変わってしまった野燗炉ですが、基本の仕組みは変わりません。新しくなった野燗炉を是非楽しんでください。

野燗炉の仕組み

「焼く・炒める・炙る・燻す・温める・煮る・炊く・沸かす」と多種多様な野燗炉ですが、仕組み自体はとても簡単です。野燗炉の中に水を入れ、間接的に温めることで水を沸かします。すると温められたお湯は野燗炉の中で対流を起こし、野燗炉全体を温め熱燗などを作れるようになるのです。

 

野燗炉は湯沸かし器と同じ

よくわかりにくいかもしれませんが、仕組みとしては、風呂の「湯沸かし」機能と同じです。ボイラー(燃料・炭)で熱した水を循環させ、湯船(野燗炉)を温めるのです。燃料がある限り野燗炉は温められ、温かいおでんや熱燗を楽しみ続けることができます。

野燗炉の魅力①:「焼く・炒める・炙る・燻す」

野燗炉の左の口では「焼く・炒める・炙る・燻す」ことができます。野燗炉を温めるための火口があり、それで調理ができます。炭火のじっくり火を通す様子が「炙る・燻す」ことをよりおいしくしてくれます。ガスバーナーでは味わうことのできない、炭火焼き料理を携帯器具で味わうことができるのです。また、釜があればご飯も炊けます。遠赤外線で炊いたご飯を是非堪能しましょう。

野燗炉は火力が弱い?

野燗炉は他にも「焼く・炒める」もできますが、少々火力が弱いかもしれません。五徳の上にコッヘルなどを置いて調理をするのですが、ガスバーナーとは違い、火を直接当てませんので温まる速さが少し遅く感じます。一人用のコッヘルの薄さなら十分「焼く・炒める」ことはできますが、ガスバーナーに慣れていると弱く感じる人もいるでしょう。

野燗炉の魅力②:「温める・煮る」

野燗炉の右の口では「温める・煮る」ことができます。水を入れておけば、野燗炉の内部の対流によって温められ、お湯になります。そこへお酒などを入れれば、温めて楽しむことができるでしょう。また、出汁を入れれば煮ることもできます。熱燗だけではなく、おでんやうどんなども楽しむことができるのです。

左の口の使い方

人によっては「おでんと熱燗で一杯やりたい」人もいることでしょう。ですが、どちらも右の口で両立は難しいと思うかもしれません。ですが、そのような場合は、左の口に深型のコッヘルを置いておでんを茹でればいいのです。あくまでも、「煮る」ことができるというだけで、道具の使用に決まりはありません。「焼く・炒める」と同じように「煮て」おでんと熱燗を楽しみましょう。

野燗炉の魅力③:「沸かす」


野燗炉は同時にお湯も沸かせます。本来なら、別にお湯を沸かす必要があることでしょう。ですが、野燗炉なら食事と同時にお湯も沸かすことが可能です。野燗炉を温めるために使用しているお湯を、側面にある注ぎ口から出せば、お湯として使うことができます。食器洗いに、洗顔や歯ブラシなどの生活用水に、湯たんぽなどの保温道具になど、お湯は様々に使うことができます。また、一応飲料水としても使うことはできます。衛生面などを気にする人も多いかもしれませんが、仕組みはヤカンと同じです。沸騰消毒されていますので。問題なく飲むことはできます。食後のお茶に使ってみてはどうでしょうか?

お湯は最後に使う

当たり前ですが、お湯は傾けなければ出てきません。こぼれないためには当然といえます。そのため、野燗炉のお湯を使う際は、野燗炉に何も乗っていない状態でしか使えません。もし、食事の途中でお湯が必要なら、左の口でお湯を沸かす必要があります。くれぐれも、炭や熱燗などが入っている状態で、お湯を出さないようにしてください。

野燗炉の魅力④:「雰囲気」

日本の雰囲気

野燗炉の魅力として雰囲気がいい事も挙げられます。昔ながらの野燗炉は使うことで特有の雰囲気を味わうことができます。特に、「JIPANGWORKS」の野燗炉は、花の陰が入っていたり、木製の収納箱だったりなど、日本の持つ優雅で粋な雰囲気を感じさせてくれます。

野燗炉で有名な「JIPANGWORKS」

近年、注目を集め始めた野燗炉ですが、廃れた時期もあり、現在ではほとんどの企業が野燗炉を作ってはいません。そのため、野燗炉を主に扱う「JIPANGWORKS」が唯一作っているといっても過言ではありません。単純な仕組みながら、一つ一つ手作りのオーダーメイド品な野燗炉は、日本の技術と職人の心が詰まった一品です。通信販売などでは、野燗炉に似たグリル器なども発売されています。ですが、せっかく日本の雰囲気を楽しむのなら、「JIPANGWORKS」が手掛けた野燗炉を是非、試してみてください。

野燗炉
JIPANGWORKSでは現代に蘇った至福を創りだす道具「野燗炉」の製造・販売を通して、現代のライフスタイルに合わせて愉しみ方をご提案します。

至高の時間

日本を感じさせる雰囲気のほかに、ゆったりとした時間を楽しむことができます。よく、囲炉裏や火鉢でゆったりとした気分になるという話を聞いたことはありませんか?あれは、その場の雰囲気もありますが、直接火を見るのではなく、ぼんやりした灯りが心を落ちすかせてくれるため、ゆったりとした気分になれるのです。同じように、野燗炉では炭火で調理します。ぼんやりとした火で気分を落ちつかせ、花見や高所などで絶景を楽しみながら酒とつまみを楽しむ、その至高の時間を楽しめることが野燗炉の一番の魅力といえます。

野燗炉で味わう酒とつまみ

野燗炉といえば、花見や月見です。アウトドアやキャンプで楽しむのもいいですが、花見や月見の席などお酒を飲む場所で輝きます。「焼き鳥やおでんをつまみながら熱燗をいただく」酒飲みにはたまらない贅沢ではないでしょうか?元々は、花見などのアウトドアイベントで活躍した道具です。現代でも同じように使ってみてください。そして、桜や月を眺め、雅で落ち着いた「至福の時」を楽しみましょう。

野燗炉の使い方


最後に使い方を説明します。といっても、仕組みは「注ぎ口に水を入れて固形燃料に火を付けるだけ」です。難しい事ではありませんので、数回行えばすぐに覚えられると思います。

野燗炉の使い方①:「水を入れる」

まずは野燗炉の隅にある投入口から水を入れます。野燗炉を温めるためのお湯になります。側面にある注ぎ口から水がこぼれない程度に入れましょう。それと、右にある口にも水を入れます。熱燗を温めたりするための水です。用途に合わせ量を調整してください。わかりにくいようなら、「下に火口が無い方」と判断するとわかりやすいかもしれません。もし、お湯が温まるのが待てないようなら、あらかじめお湯を入れてしまいます。そうすればすぐに野燗炉を使うこともできます。

野燗炉の使い方②:「炭を入れる」

次に炭を入れます。左の口に台座を敷いて、その上に約3cm角に小さくした炭をいくつか入れます。ただし、炭を入れすぎると空気の流れが悪くなりますので、初めは少なくした方がいいでしょう。そして、その上に五徳や網などを目的に合わせて設置し、準備は完了です。

野燗炉の使い方③:「火を付ける」

すべての準備が整ったら、最後に火を入れます。炭を入れた方の下部に隙間がありますので、そこに固形燃料を入れて火を付けます。少し経てば炭に引火し、焼くことができるようになります。もし、固形燃料が無い場合は、別で炭に火を付けます。そして、炭を入れなおせば同じように使うことも可能です。

まとめ

「焼く・炒める・炙る・燻す・温める・煮る・炊く・沸かす」事のできる野燗炉。これ一つあれば様々なことができます。キャンプやアウトドアにもっていけば、普段できない楽しみ方ができるでしょう。特に、熱燗はわざわざお湯を作らなければならないため、キャンプやアウトドアでする人は滅多にいません。野燗炉があれば大自然の中で楽しむことができます。是非、野燗炉を使って、至高の時間を満喫しましょう。