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大弛峠登山の楽しみ方!登山コースや時間、アクセスまで気になる情報も解説!

大弛峠は奥秩父山塊にある峠です。この峠から日帰登山できる山に、西方には金峰山、東方には国師岳や北奥千丈岳などがあります。この記事では、大弛峠から日帰り可能な3つの登山コースを取り上げます。また、大弛峠はヒルクライムで有名です。これについても解説します。
2020年8月27日
aakm.yamada
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大弛峠について

大弛峠(おおだるみとうげ)は、奥秩父の山脈上で、山梨県と長野県の境にある峠です。自動車が通れる峠としては日本で一番高いところにあって標高は2,365mあります。
 

峠には30台程度の無料駐車場とトイレがあります。近くに約30名収容の山小屋(大弛小屋)もあり、奥秩父山塊の山々への人気のある登山口の一つとなっています。
 

峠から大弛小屋を通って北奥千丈岳への登山口から15分ほど登った所には、すばらしい自然庭園「夢の庭園」もあります。

夢の庭園

原生林の中に巨大な花崗岩がいくつも露出していて、そこにシャクナゲなどが調和して配置されています。岩と低木の組み合わせが幻想的な雰囲気をかもしだす自然庭園です。

また、「夢の庭園」から見下ろす山々の大パノラマが素晴らしく、山には登らずにこの「夢の庭園」だけを目的に大弛峠を訪れる人も多いのです。

大弛峠へのアクセス

大弛峠へのアクセスについて、車利用の場合と、公共交通機関利用の場合に分けてご紹介します。
なお、大弛峠へのアクセス道路/林道は12月から5月末まで冬期閉鎖されますので冬季の間は大弛峠への
アクセス手段は歩く以外は何もなくなります。

車利用の場合

(東京方面からのアクセス)
中央自動車道を勝沼ICで降りてR20へ→R411→R140→R219大弛峠駐車場

(名古屋方面からのアクセス)
中央自動車道一宮御坂ICで降りてR137へR411R208R140R219大弛峠駐車場

要注意!! 牧丘トンネルを出たらすぐに左折!! 

「R140からR 219へ入るところで間違いやすい」です。

R149の牧丘トンネルを過ぎたらすぐに左折してR219へ入ります。ここで直進してしまう人が多いです。R219に入ったら、あとは道なりに進めば大弛峠につきます。
 

公共交通機関を利用の場合

大弛峠へのアクセスにJRを利用する場合の最寄り駅は中央本線の塩山駅になります。ここから大弛峠までは、タクシー利用かバス利用となります。

タクシー利用

JR中央本線塩山駅で下車してからの大弛峠へのアクセス手段は原則タクシー利用となります。大弛峠までタクシーで1時間-1.5時間です。

バス利用

塩山駅から大弛峠へのアクセス手段として、6月1日から11月第3日曜日までの間の土日祝日のみ、バスが利用できます。ただし、事前の電話予約かWEB予約が必要です。

塩山駅北口から栄和交通の焼山峠・大弛峠(金峰山)線に乗り、途中駅の柳平迄このバスで行きます。柳平でバス会社の手配した「乗り合いタクシー」に乗りかえて大弛峠まで行きます。帰りも同様で乗り合いタクシーから柳平でバスに乗り換えます。

栄和交通バス時刻表(H30年6月1日改正)

(往)塩山駅北口発の大弛峠着が7:30発8:50着と8:30発9:55着、9:30発11:00着の3便
(復)大弛峠発の塩山駅北口着が14:50発16:15着と16:00発17:30着の2便 

詳しくはHPを参照ください。ここから予約もできます。

山岳路線バスと観光路線バスの株式会社栄和交通
山岳路線バスや観光路線バスなど、山梨を中心に観光運輸業を1981年より創業する株式会社栄和交通のバス紹介ページ。時刻表や運賃表、WEB予約など。

大弛峠起点の日帰り登山コース

登山口の大弛峠を起点とする日帰り登山では、最も人気のあるのは金峰山(*きんぷさん、きんぽうさん)往復です。次いで、金峰山と反対の東方にある国師岳(こくしだけ、国師ヶ岳/こくしがたけ、とも呼ばれる)、北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)への往復登山でしょう。なお、両コースとも晴れていれば各所で富士山が望めます。

この記事では、この2つの往復コースに縦走コースを加えて、3つのコースについてご紹介します。往復コースについては、往路だけの説明とします。

(*山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼んでいます。)

金峰山往復コース

金峰山は日本百名山に入っていて、奥秩父山塊を代表する山の一つです。山頂にはシンボル的な五丈石(ごじょうせき)があり、遠くからでも目立つ特異な姿をしています。所要時間は大弛峠から往復で5時間程度です。
 

国師岳、北奥千丈岳往復コース

登山口の大弛峠から最も近い国師岳と奥秩父山塊の最高峰である北奥千丈岳の二つの山は非常に眺望が良く、登山初心者でも2時間程度で往復出来るので登る人が多いのです。
 

大弛峠から金峰山を経て瑞牆山荘迄の縦走コース

この記事では上に挙げた2ツのコースに加えて、往復ではなく縦走するルートを歩きたいという人のために、大弛峠起点で金峰山を通って瑞牆(みずがき)山荘までの縦走コースをご紹介をします。瑞牆山荘の前にはバス停留所があります。

大弛峠ー金峰山2.5時間、金峰山ー瑞牆山荘3.5時間の正味6.0時間程度の行程です。日帰りで時間的な制約もあり、登山の初心者には体力的な面で難しいかもしれません。

大弛峠起点の日帰り登山コース1:金峰山往復

車が通れて日本で一番高いところにある峠、標高2,360mの大弛峠の登山口から標高2,595mの金峰山を往復するコースは非常に人気のある登山コースです。

峠から金峰山までの登山道にはアップダウンはありますが、標高差は少なく、全くの初心者以外である程度の山歩きの経験があれば体力的にも、技術的難易度の点でも問題なく歩けるコースです。

必要とされる技術難易度レベルは1/5、体力レベル2/5です。
技術難易度レベル1/5は「標識が多くあり、初心者でも迷わずに行ける」、体力レベル2/5は4,5時間程度の行動時間、ということです。

 

大弛峠起点の日帰り登山コース1-(1)大弛峠から朝日峠、朝日岳頂上まで

大弛峠の西側にある金峰山登山口から登り始めます。最初は樹林帯の中の急な階段の登山道で登りが続きますが、しばらくすると緩やかなアップダウンの道になります。登山口から30分ほどで朝日峠につきます。

朝日峠から30分ほど登ると見通しの良い岩尾根に出ます。 東の方角に山並みが見え、国師岳、奥北千丈岳も確認できます。岩尾根のガレ場を過ぎると朝日岳(あさひだけ、2579m)山頂です。山頂を少し過ぎたあたりで前方に金峰山の全容が見渡せます。

大弛峠起点の日帰り登山コース1-(2)朝日岳頂上から金峰山頂上まで

朝日岳頂上からの下りの急坂登山道を下り、鞍部に達すると次のピークは 鉄山(くろがねやま、2531m)です。鉄山への登山道は登る人が少なく廃路状態になっていますので、今回は鉄山の北側を迂回するルートをとり樹林帯の登山道を進みます。

さらに進むとハイマツ帯になります。ハイマツ帯をしばらく進むと、見通しが良くなり、北西方向に山頂部の岩肌が目立つ瑞牆山と、その後方に八ヶ岳連峰が望めます。

やがて登山道は大きく南西方向に曲がり、金峰山へ向かうゆるやかな稜線にでます。広い岩稜の稜線で岩が多くて歩きにくい道です。登山初心者のみでの山行では、ガスなどで見通しが悪い時にはルートを見失う恐れもあります。
朝日岳から1時間30分ほどで五丈石の手前にある金峰山の山頂につきます。

大弛峠起点の日帰り登山コース1-(3)五丈石

金峰山の山頂標識の先には信仰の山金峰山のシンボルであり、御神体でもある特異な形をした五丈石(ごじょうせき)がそびえています。4階建てのビルほどの高さがあります。岩登りに慣れていない登山初心者は危険ですので上まで登るのはやめましょう。

登山シーズンにはいつも数人の人が五丈石に登っているのが見えますが登り切れる人は少ないようです。五丈石の最上部まで登ると視界を遮るものが一切なく、360度の展望が楽しめます。

大弛峠起点の日帰り登山コース2:国師岳・北奥千丈岳往復


国師岳は林道が開通して、大弛峠まで車で来れるようになるまでは、金峰山経由とか甲武信が岳経由でしか来れない、奥秩父主脈縦走路上にあって最も奥深い所にある山でした。今では登山経験のない初心者でも気楽に登れる山となりました。

国師岳の頂上からは20分程度のところにある北奥千丈岳は奥秩父主縦走路から若干それますが、奥秩父山塊での最高峰で、景色の良い山です。4 kmほど先の奥千丈岳 (2,409 m)の北側にあるので北奥千丈岳の名がつきました。

必要とされる技術難易度は1/5、体力レベルは1/5です。
技術難易度1/5は初心者でも問題がないレベル、体力レベル1/5は1-3時間程度の行動時間。

大弛峠起点の日帰り登山コース2-(1)大弛峠から前国師岳

登山口の大弛峠から国師岳方面への登山道には日本庭園のような感じの景観の美しい場所が多くあります。登山道の途中に「夢の庭園」と呼ばれる日本庭園そのものともいえる場所もあります。

大弛峠からほんの少し上がったところに大弛小屋があり、その正面右手の登山口にある標示板に従って北奥千丈岳方面への登山道を登ります。

すぐに丸太を削って作った木の階段が現れます。なんとこれが、前国師岳の近くまで続きます。非常に登りやすく、登山初心者でも問題なく登れます。おそらく、林道が開通して、大弛峠が登山口として利用され始める時期に合わせて作られたものと思われますが、大変な手間とお金がかかったことでしょう。

この階段ルートを10分ほど進むと、夢の庭園への道と分岐します。時間があれば、行きか帰りのどちらかに立ち寄るとよいでしょう。分岐点以降も階段の登山道が続き峠から50分ほどで前国師岳に着きます。ここで階段登山道は終わります。

大弛峠起点の日帰り登山コース2-(2)前国師岳から国師岳

前国師からは国師岳へ向かう道と北奥千丈岳へ行く道が分岐しています。まず、国師岳へのルートをとります。道は原生林の中を行く感じで幽玄な感じさえします。10分ほどで山頂につきます。

国師岳はどっしりと、堂々とした感じの山です。頂上は岩が沢山ありますがほぼ平らで見通しは良いです。南西方向にきれいな富士山が見えます。

大弛峠起点の日帰り登山コース2-(3)国師岳から北奥千丈岳

国師岳から先ほどの分岐点までもどり、今度は北奥千丈岳へ向かいます。登山道のそばに石が沢山転がっていますが、特に歩きにくいことはありません。国師岳山頂から15-20分程度で北奥千丈岳の山頂につきます。

山頂は花崗岩の巨石がゴロゴロしていていますが、ほぼ360度の展望が開けています。西の方角に金峰山が一望出来ます。

大弛峠起点の日帰り登山コース3:瑞牆山荘までの縦走

金峰山山頂から瑞牆山荘までは多少の登りはありますが、ほぼ下り一方の行程です。大日岩までの岩尾根ルートからは時々北方に瑞牆山の頂上付近のすばらしい岩峰が見えます。
 

登山口の大弛峠から瑞牆山荘までの正味所要時間は5.5-6時間です。食事や休憩の時間を考えると、塩山駅発7:30大弛峠着8:50の1番バスで入り、瑞牆山荘発16:30の韮崎駅行の最終バスに乗る予定で可能な山行ですが、あまり余裕時間はありません。万一トラブルがあって、最終バスに間に合わなかった場合は、瑞牆山荘に泊まり、翌日瑞牆山に登るのもよいと思います。 万一の事態に備えて、事前に検討しておくとよいでしょう。

技術難易度は2/5、体力レベルは3/5です。
技術難易度2/5は「迷いやすい場所、危険な場所はあるが、経験者と歩けば初心者でも問題ない」レベル、体力レベル3/5は日帰りの1日登山で行動時間8時間以内。

大弛峠起点の日帰り登山コース3-(1)金峰山から大日岩まで

金峰山頂上までは、「金峰山往復コース」を参照してください。 ここでは金峰山から大日岩までのコース紹介をします。
 

金峰山山頂から大日岩・瑞牆山方面へは五丈岩の右側から、西に延びる岩尾根ルートを進みます。しばらく進むと、右下方に金峰山小屋の屋根が見え、さらに7,8分すると金峰山小屋への道が右に見えますが、岩尾根ルートを直進します。
 

右手前方に日本百名山の瑞牆山が見えてきます。やがてルート上に巨岩が多く現れるようになり鎖場も現れます。このような状態がしばらく続き、金峰山から40-50分で砂払ノ頭が見えてきます。

ここで岩尾根の道は終わります。砂払ノ頭を左に見ながら大日岩に向う樹林帯の中の道へと進みます。樹林の中で見通しの良くない下り道です。勾配が急な部分もありますが30-40分で大日岩の下に到着します。大日岩、八丁平方面と大日小屋、富士見平方面の分岐点の標識があります。

大弛峠起点の日帰り登山コース3-(2)大日岩から瑞牆山荘まで

瑞牆山荘へは、大日岩への分岐点から左折して富士見平方面へのルートを取ります。時間にゆとりがあれば、分岐点から右に向かい大日岩の近くまで行って大日岩を見ながら小休止するのもよいでしょう。


富士見平方面へは大日岩の足元をトラバースしながら岩場のルートを進みます。鎖場が2か所ありますが難易度は低く、危険なことはありません。石ころの多い坂道を下って行くと富士見平につきます。大日岩から60分程度でしょう。

ここで登山道は瑞牆山へ向かう道と瑞牆山荘へ下る道に分岐し、右手には富士見平小屋が見えます。まっすぐ瑞牆山荘へのルートをとります。富士見平から里宮さん参道入り口を経て瑞牆山荘につきます。富士見平から30-40分程度です。

瑞牆山荘からJR韮崎駅へのバス時刻

今回の日帰り縦走コースでは瑞牆山荘からのバスで韮崎駅に向かう予定になっています。利用できそうな便は、瑞牆山荘発、15:20の便と16:30の2便です。15:20の便は平日の最終便で、16:30の便はは土日、祝日の最終便になります。韮崎駅までの所要時間は1時間15分です。

JAPAN ヒルクライム in大弛峠

JAPANヒルクライムin大弛峠が2016年の5月に山梨県山梨市において開催されました。レースの距離と標高差が日本で最も高い難易度の大会となりました、このヒルクライムについてご紹介しましょう。 

まずヒルクライムとは

ヒルクライム(hill climb)とは、ヒル(坂)をクライム(登る)する競技のことです。山や丘の上り坂に設けられたコースを走るタイムレースのことです。したがって、自動車やバイクでの競技もマラソンや駅伝のような競技も含まれるのですが、日本でヒルクライムというと自転車の競技をさす場合が多いのです。

2018年に日本国内の各地で開催される自転車のヒルクライムは約90レースもあります。その中に「JAPANヒルクライムin大弛峠」を引き継いだ「Japanヒルクライムin 乙女湖」もあり、5月20日に開催されました。
 

難易度日本一の「JAPAN ヒルクライム in大弛峠」について

日本で開催されるヒルクライムの中で最も難易度の高いレースは「Mt富士ヒルクライム」(距離が25kmで標高差が1,270m)とされています。 

2016年に山梨県山梨市で計画実施された「JAPANヒルクライムin大弛峠」では車道では日本で一番高い所にあり、標高が2,360mの大弛峠まで登ります。距離は38kmと長く、標高差は2,000mもあり、難易度では日本で最高となります。

なお、この2016年のヒルクライムは大弛峠まで登るチャンピオンコースと途中の乙女湖までのパブリックコースとで行われましたが、2017,2018年はパブリックコースのみを「JAPAN ヒルクライム in乙女湖」と名前を変えて行われています。

「JAPAN ヒルクライム in大弛峠」の内容

コースにチャンピオンコースとパブリックコースの2つがあること、スタート時間が遅く設定されていること、パブリックコースの参加カテゴリーが細かく分けられていて初心者でも気軽に参加できる、などの特徴があります。

詳しくは ”日本一のレース距離&獲得標高「JAPANヒルクライムin大弛峠」5月29日に初開催” を参照してください。

日本一のレース距離&獲得標高「JAPANヒルクライムin大弛峠」5月29日に初開催 - | cyclowired
日本一のレース距離と獲得標高を誇る大会「JAPANヒルクライムin大弛峠」が、5月29日に開催される。カテゴリーが細分化されており、誰でも入賞のチャンスがあるヒルクライムレースである。5月10日まで参加者を募集中だ。以下、主催者の案内より紹介する。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。 いかがでしたか?

今では初心者でも簡単に登れる国師岳や北奥千丈岳が林道が開通する前は、登山口から遠いため簡単には行けない奥深い山だったようですね。

また、登山口の大弛峠は車でアクセスする人にとっては非常に便利です。休日などは駐車場が一杯になって、林道の路肩に駐車している車をよく見かけます。

半面JRを利用してアクセスする人にとっては、最寄り駅の塩山駅からのバスが平日は利用できなかったり、利用できる日でも運行本数が少なかったりと不便な面があります。