フライパンで作れるローストビーフ
ローストビーフと言えば豪華な食事のイメージがしますね。ですがローストビーフというものはただただ牛肉を焼いただけのものなのでフライパンで簡単に作ることができます。焼き肉とほとんど変わりがないとも言えますが、焼き方に特徴があるのでそれさえ踏まえれば手作りも可能です。パーティーでも人気のある料理なので挑戦してみてはいかがでしょうか。
本来はオーブンでじっくり
本来はオーブンでじっくりと弱火でローストする事からローストビーフと名付けられました。ただ日本の一般家庭にはオーブンが少ない事と、そこまで時間を裂くことが出来ない人が多いのでフライパンを使った作り方の人気が高まったのだと考えられます。
人気なイギリス料理
フレンチレストランやイタリアンレストランで人気なローストビーフですが、実はイギリス発祥の料理だとされています。イギリス料理は日本ではひろまっておらず人気とは言えませんが、ローストビーフだけはどこの洋食店でも見られるほどの人気ぶりですね。ローストビーフの人気の理由は見た目の美しさと赤身肉の良さをダイレクトに味わえるからではないでしょうか。
フライパンで作るローストビーフ:肉の種類
ローストビーフは牛肉を使った料理ですが、肉の部位はどこになるでしょう?答えは簡単です。実はローストビーフに使う肉の部位に決まりはありません。脂がのった霜降り肉の方が人気ですが、ローストビーフというと赤身肉のイメージがしますね。なぜかと言うと脂身は冷えると硬化してしまうので、ローストビーフの肉には脂の少ない赤身肉が適しているのです。
アメリカ牛は脂の多い部位も
アメリカ牛は昔はよく見られましたが最近はやや少ないですね。脂が少なく赤身肉の割合が多いのがアメリカ牛の特徴ですが、そのためにサーロインなどの脂が多い部位でも美味しいローストビーフを手作りできるのでオススメです。
オーストラリア牛は脂が多い
オーストラリア牛は最近増えてきた種類で比較的安価に手に入ります。オーストラリア牛は脂が最も多いとされているので、ローストビーフを手作りする場合には脂の少ないもも肉などの部位を選ぶと良いでしょう。値段も安く簡単に手に入るのが良いところですね。
和牛はやはり美味しい
和牛は美しいさしが入った肉で有名ですが、ローストビーフを手作りした場合でも美味しくいただけます。普通さしのはいった部位は硬くなってしまいますが、和牛の場合には硬くなりにくいので思い切って利用してみると良いでしょう。硬くなってしまった場合も40度程度のお湯で少しだけ湯煎して食べれば問題ありません。
フライパンで作るローストビーフ:どのフライパン
フライパンの種類は結構大事な問題で、テフロン加工されたものは焼きやすく簡単に作れますが、鉄製の方が火の通りが良くしっとりとした美味しいローストビーフを作る事が出来ます。ローストビーフには二通りの作り方があるので、焼き方によって使い分けても良いかもしれません。
テフロンフライパンの良さ
テフロン加工されたフライパンは肉がくっつきにくく強火で一気に焼くレシピに向いています。焦げ付きにくいので思いきった火の使い方が出来るため、はじめてローストビーフを作る時にオススメです。ただ傷付きやすいので洗うときには気をつけてください。フライパンの形は深めのものが適しています。
鉄フライパンの良さ
日本では鉄フライパンを使う人が減ったために鉄分が不足する人が増えたと言いますが、それ以外にも鉄のフライパンは熱伝導率が高いという特性があります。そのため弱火の火もダイレクトに伝わるため低温で内部まで焼くことが出来ます。コツは焼く前に油をフライパンに馴染ませてから焼くことです。
フライパンで作るローストビーフ:肉の下処理
肉は常温に戻しておき、塩胡椒で下味を付けます。そうすることによって急に熱が入ることによる縮みを無くし、さらには火が中心まで通りやすくなります。これがローストビーフを上手く作る最初のコツになります。肉の脂である程度味が流れてしまうので下味は濃いめに付けることもコツの一つですね。
前日にマリネしておく
本格的なローストビーフでは前日にマリネしておくなどの作り方をされることが有ります。玉ねぎ、人参、セロリを刻み、肉にまぶしてオリーブオイルに浸します。そうすることによって味もよくなり食感も柔らかくなるので、手作りする場合に取り入れても良い方法です。
フライパンで作るローストビーフ:肉の焼き方
ローストビーフで最も大事なのが焼き方になります。レシピによっていくつかのやり方があり、大まかに分けると強火で一気に焼く方法と弱火でじっくり時間をかける方法があります。それぞれ仕上がりに違いが現れ、合わせるソースなども違ってきます。簡単ですが時間がかかる事が多い料理なので自分にあったやり方を試すと良いでしょう。
強火で一気に焼く焼き方
肉のサイズや形状にもよりますが、短時間で仕上がることが特徴です。強火で牛肉全体を焼いて行きますが、一面につき90秒~3分の時間で焼いて行きます。焼き方は普通にオリーブオイルを引いて焼けば問題ありません。肉に焼き色がつく面積が増えますが短時間でできる簡単な方法です。
弱火でじっくり焼く焼き方
弱火でじっくり焼くことによってローストビーフは柔らかくしっとりとしたものになります。色も鮮やかになるので、出来たらパーティーの際などにはじっくり焼いた物を出したいですよね。弱火で長時間1分ずつ転がしながら焼くだけですがオーブンと異なりフライパンは下面からしか熱が来ないので、随時フタをしながら蒸し焼きにする感覚で行うと良いでしょう。
フライパンで作るローストビーフ:コツは余熱
フライパンで焼いた後ですが、焼き時間を短くとり、一度火を止めて余熱で肉を焼いていく事によって柔らかいローストビーフに仕上がります。イメージとしてはフタをして蒸し焼きにするイメージで、フタをする前にスプーン1杯程度の水を入れることがコツになります。時間は10分~20分が適当でしょう。
フライパンで作るローストビーフ:焼き上がり判定
ローストビーフは焼き上がりの見分け方が少し難しい料理です。簡単に見分ける方法は触ってみてブヨブヨしていればまだ生の部分があります。ローストビーフ専用の温度計も存在するのでよく手作りする場合には利用すると良いかも知れません。金串をさして温度を測ることも可能ですが、少し慣れがいる方法になります。
血がにじんでくる
牛肉にかぎらず肉は内面が美しいロゼ色に焼けていると、表面から血がにじんできます。これが一つの完成の目安になりますね、ただ一部だけでなく全体がこの状態になっていないと生の部分が残る場合があるので注意しましょう。レストランではリードペーパーなどをまいて血を吸い取っておくことが多いです。
フライパンで作るローストビーフ:ホイルで包む
焼き上がったローストビーフはまだ中心部に完全に火が入っていない場合があります。むしろ完全には火を入れない様に調節しておくのも良いでしょう。焼き上がったローストビーフをアルミホイルで包み、30分~1時間ほど寝かせます。アルミホイルで包みことによってさらに肉自身の温度で余熱が入るので柔らかいローストビーフに仕上がります。
アルミホイルの包み方
まずアルミホイルをまな板の上に敷き、まずアルミホイルの左右からローストビーフを包みこみ、最後にアルミホイルの上下から包んで完成です。そうすることによって肉汁がこぼれる心配がなくなります。アルミホイルを二重にすると保温性能が上がるので、アルミホイルで包むときには2重以上にすると良いでしょう。コンロの上に金属製の棚がある場合は、アルミホイルで包んだら棚の上に置いておくと、他の料理をしている最中の熱によって保温時間を増やすことが出来ます。
フライパンで作るローストビーフ:湯煎する方法
ローストビーフは中にじっくりと弱火で火が入る事により、美しい肉色を保ちます。ローストするのが普通ですが実は湯煎での作り方もあり、逆に湯煎の物の方が美味しい場合もあるほどです。ただ基本的に湯煎での作り方でも、肉の表面だけはフライパンで焼き色を付けるため、見た目は湯煎していないものと変わりません。
湯煎する温度
湯煎するレシピには温度管理にキモがあります。最低60度程度の低温をしばらく維持する事が出来れば問題ありませんが、基本的に80度で2~30分かけてつくるのがスタンダードです。IHだと温度の維持が容易な機能がついている場合もあるのでコツいらずですね。直に茹でるのではなく必ずパックにいれて湯煎して下さい。
フライパンで作るローストビーフ:ソースの作り方
ローストビーフを食べる場合にはソースを付けることが普通で、基本的にはグレイビーと呼ばれるソースを利用します。手作りも簡単にできるので挑戦してみると良いでしょう。本格的なグレイビーソースの作り方と醤油を使った作り方、そしてウスターソースを使った作り方が存在しますが、手作りする場合の基本の材料は肉汁とバターなので、ローストビーフを焼いた時の肉汁を捨てないように気をつけてください。
本格的なグレイビーソースのレシピ
本格的なレシピではまずブイヨンを作る必要があります。ブイヨンとはダシのようなもので、料理の基礎となる物です。まず玉ねぎ、セロリ、人参を刻み、それと共に牛すね肉を煮込みます。牛骨があれば牛骨もいれましょう。充分煮込んだら濾して完成です。そして刻んだエシャロットと赤ワインを煮込み、ブイヨン大さじ2杯と肉汁を加え、バターで香りを付ければ完成です。エシャロットを濾しても大丈夫です。コツははじめに赤ワインのアルコールを飛ばす事、それから軽くとろみがつくまで煮詰めることです。小麦粉でとろみを付ける場合もあります。
醤油を使ったグレイビーソースのレシピ
日本ならではのアレンジで、簡単に作れるグレイビーソースです。すりおろした玉ねぎと醤油、赤ワイン、肉汁を煮詰めダシで味を調えます。みりんでとろみを付けることが出来、10分程度でできるので簡単ですね。ダシはビーフコンソメが最適ですが、チキンコンソメやかつおだしなどでも美味しくできます。ローストビーフだけではなくシャリアピンステーキのようにステーキソースに使っても美味しくいただけます。
ウスターソースを使ったグレイビーソースのレシピ
オーストラリア牛など脂の臭いが強い牛肉をローストビーフにする場合に最適なのが、ウスターソースを使ったレシピです。ウスターソースには様々なうま味が含まれているので濃厚なソースを作る事ができます。まず玉ねぎと赤ワインを煮詰め、ウスターソースと少しのケチャップを入れます。そこに肉汁を加えて煮詰めれば完成です。ケチャップではなく蜂蜜を入れる場合や、さらにビーフコンソメをいれる場合もあります。
まとめ
ローストビーフは低温でじっくり焼いただけの焼き肉です。ただそのシンプルな調理法の中にも様々なコツがあり、様々なやり方があります。焼くだけでは無く湯煎などでも美味しいローストビーフができるので、IHに一定温度を保つ性能がある人は湯煎で行うと楽でしょう。グレイビーソースのレシピも沢山ありますが、本格的な物でない簡易的なものでも充分美味しく、また好みによって自分に合ったソースがあると思うので色々試してみてください。