スコーピオンアンタレス
シマノ 06 アンタレス DC
シマノ ベイトリール 12 アンタレス
シマノ 16 アンタレス DC
シマノ アンタレス 18 DCMD
シマノ 21 アンタレス DC
シマノ 19 アンタレス
初代アンタレス~現在のアンタレスの歴史
1998年からシマノが釣り界に送り出したリール「アンタレス」の歴史を初代から現行のモデルまでひとつずつ詳しく解説していきます。20年たった今でも釣り人に愛されるアンタレスというリールは、どのように進化して今でも愛されているのでしょうか?
初代アンタレス(スコーピオンアンタレス)
スコーピオンアンタレス
1998年に衝撃のデビューをしたスコーピオンアンタレス。この名前も最初で最後となってしまいました。デザイン的な特徴とはシルバーの高級感のあるリールという感じでした。
当時採用されていたブレーキシステムはSVSブレーキというブレーキシステムが採用されていました。これは現在のバスワンなどのエントリーモデルに使用されていますね。
2代目アンタレス(03アンタレスAR)
当時はあまり評価されていなかったアンタレスARですが、現在になってやっと評価されてきました。なぜ発売当初は評価されなかったというと、初代アンタレスと少し違ったコンセプトをしていたからです。このモデルは、7g~14gくらいのルアーを快適に投げられるようにと開発されました。
また、このアンタレスARから使われたスプールはスプール径が変更されては34mmと変更されています。初代アンタレスのスプール系は37mmでした。
このアンタレスARからシマノのリールのスプール径は34mmとなったので、とても良いバランスのスプールだったこと言うことが分かりますね。さらに、マグネシウムスプールからアルミニウムスプールへと変更されたのも特徴です。
3代目アンタレス(06アンタレスDC/DC7)
2006年にこの3代目アンタレスからついにシマノのリールと言ったら「DC」という特徴のある名前のアンタレスDCがついに登場しました。「DC」とはデジタルコントロールの略です。今考えると10年以上も前からデジタルコントロールしているリールが発売されていたということになりますね。
当時は、とても衝撃的なデビューでしたね。このシステムを搭載してから、シマノのリールは圧倒的な飛距離が出せるというイメージが定着してきました。このモデルで村田基さんが111mという驚異の飛距離を出していました。
また、このころから、同じモデルで、ハイギアとローギアの2つのモデルが出てくるのです。その先駆けとなったのがこのリールの特徴といってもよいでしょう。このころの7.1:1のハイギアのリールはあまりありませんでした。
シマノ 06 アンタレス DC
4代目アンタレス(12アンタレス)
アンタレスDCが出てから6年たったころにまた新たなアンタレスが発売されました。しかし、12アンタレスはDCはついておらず、新開発の「SVS∞」が搭載されました。今までのブレーキシステムでは、32段階の調整しかできませんでした。しかしこの「SVS∞」は無段階で調整することができるようになりました。
このモデルから登場したマイクロモジュールギアによって巻き心地がとても改善されました。ピニオンギアとメインギアにマイクロモジュールギア採用しています。ギアの歯の数を今までの2倍に増やしました。多くのギアを嚙合わせることによって強度を下げることなく、滑らかな巻き心地を実現しています。
シマノ ベイトリール 12 アンタレス
5代目アンタレス(16 アンタレス DC)
このシマノのリールが今までの釣り人生を変えたという方も多いのではないでしょうか?1000分の1秒単位で電子制御されたブレーキが特徴です。さらに、スプールの最大回転数を落とさないためにノーブレーキのタイミングがあります。
これにより、飛距離も出しながら、バックラッシュも自動的に防ぐことができるようになったのが、このデジタルコントロールのブレーキのよいところです。アンタレスDCの登場から10年がたちついにデジタルコントロールのブレーキも最終形態となったと思います。
多くのバスプロたちもこの16アンタレスのには衝撃を受けたそうですね。バスプロ同士の対談などでもたくさん話されています。やはり、バス釣りの常識を変えたリールはこれなのかなと思います。一番プロからの評価も受けているモデルだと思います。
シマノ 16 アンタレス DC
6代目アンタレス(18 アンタレス DCMD)
シマノ アンタレス 18 DCMD
2018年に世界中で戦えるアンタレスが登場しました。5代目までのアンタレスは淡水専用というのが唯一の弱点という感じでした。しかし、このモンスタードライブは、海水も対応できるように改良されています。
どのフィールドでも使うことができ、世界中のモンスターといわれている魚と戦えるアンタレスが完成したということです。
18アンタレスDCMDの特徴①:海水対応
18アンタレスDCMDの最大の特徴は、海水対応となったことです。先ほども少し触れましたが、今までのモデルは、淡水専用のモデルしかありませんでした。しかし海水対応となったことで今まで以上に活躍の場が増えるということです。世界中のどこへ行ってもモンスター級の魚と勝負ができるようになったのです。
18アンタレスDCMDの特徴②:スプール径が37㎜から38㎜へ
今回のモデルではスプール系を37mmから38mmへと変更しました。これによりナイロンラインの20ポンドを100m巻けるようになりました。海の釣りなどではよく使うPEラインの4号も100m巻けるようになっています。
これによりどれだけ大きな魚がかかったとしてもラインブレイクの心配が減りました。またヘビーカバーでの強引なファイトもできるようになっています。
18アンタレスDCMDの特徴③4×8 DC MD TUNE
F(フロロカーボンライン)モード、NM(ナイロンライン)モード、P(PEライン)モード、そして今回のモデルから追加されたXBモードの4種類のモードが基本としてあります。
このXBモードはメタルジグや、ヘビキャロを投げるためのモードです。それに各モードで8段階のダイアル調ができるので、空気抵抗の大きいルアーでもストレスなく投げることができます。
18アンタレスDCMDの特徴④:ライントラブルレス
電子制御により、ベイトリールではつきもののライントラブルが非常に少なくなります。ストレスフリー快適に釣りができます。メタルジグやヘビキャロを投げるのをメインとするのであれば、XBモードでほとんどライントラブルをなくすことができるでしょう。
また、PEラインを巻いて海釣りにもっていくこともできます。最近では、PEラインを使用することが多くなってきました。PEラインでのバックラッシュはその場での釣りの終了を表すこともよくありますので、やはりライントラブルが限りなく少なくなるリールはいいですね。
7代目アンタレス(19 アンタレス)
2019年に発売されたのは、淡水コンパクトモデルのアンタレスです。MDLマグナムライトスプールを径34mmと幅の狭いナロータイプに仕上げているのが大きな特徴となっています。
今までのアンタレスとは一味違うリールとなり、遠くに重いルアーを投げるというよりも、中距離向きのロングキャスト用リールです。使用するルアーもアンタレスでは不得手としていた、8分の3オンス(約10g)のルアーの遠投に適しており、コンパクトに仕上げていることもあり、今までアンタレスを敬遠してきたアングラーからも人気を集めています。
シマノ 19 アンタレス
淡水専用のコンパクトモデル
18アンタレスの登場があまりにも衝撃的だったため、影にかくれがちな19アンタレスですが、使用したユーザーからは好印象の声が多く聞かれます。とくに中距離においてのバス釣りでは最強クラスのリールと評価も受ける品質のよいリールです。
ただし、「アンタレス」の大物釣りのために大きなルアーを遠くに飛ばすというイメージとは少し違うため、アンタレスの中では異色な存在となっています。バス釣りで多く使用される10g程度のルアーを遠投することに優れていて、使用頻度は多く用途も幅広いといえます。50gを超える大きなルアーの遠投でも十分な飛距離が出ますが、用途の異なるコンパクトリールとして使うのがベストです。
8代目アンタレス(21 アンタレス DC)
18アンタレスDCMDで世界最高のリールと称賛され、19アンタレスでは今までのアンタレスの領域ではなかった部分をも凌駕しました。さらに2021年に発表されたアンタテレスは、今までのアンタレスのいいとこどりをした商品となっています。
18アンタレスで海水使用可となり、19ではまたも淡水モデルとなりましたが、21年モデルはユーザーの期待通りに海水使用もOKです。また、19アンタレスで好評お得た鏡面仕上げを21年のモデルにも採用しています。(ただし、19アンタレスはフル鏡面仕上げであったのに対し、一部分は鏡面にせずツートンカラーのようになっています)
シマノ 21 アンタレス DC
MGLスプールIIIをDCリールとして初めて採用
18アンタレスで変更された38mmのスプールは、もとの37mmに戻され、コンパクトになっています。また、21アンタレスの最も大きな特徴といえるのが、「MGLスプールⅢ(マグナムライトスプール)」を使用したことです。
上級モデルにのみ採用されていたMGLスプールは、立ち上がりが早く軽快なキャストフィールを感じさせる優れもので、DCリールに採用されるのは初めてのことになります。また、サイレントチューンと振動を抑制する3SDスプールにより、回転時の揺れを最小限に抑えており、低い弾道でのキャストも意のままです。
21アンタレスは、デザインは16アンタレスにも似た雰囲気で、スプールは19アンタレスのようにナロータイプでコンパクトです。また、機能は18アンタレスから「4×8DCブレーキ」を継承しています。ただし、モンスタードライブの大きな特徴である、最大6.0kgのドラグは5.0kgに戻り、パワーあふれるアンタレスという感じはなくなりました。
いままでのアンタレスの集大成ともいえそうな21アンタレスは、いろんなアンタレスの特徴を集め過ぎたためか、性能は確かに高い商品ですが、逆にインパクトの薄い商品になってしまったようです。
最強のアンタレスは「18・DCMD」
19アンタレスや、21アンタレスが販売されていますが、現在の売れ行きや評価をまとめると、最強のアンタレスと評価されているのは「18・DCMD」です。MD(モンスタードライブ)の称号を得ているように、超大物を狙う最高のアンタレスです。
アンタレスユーザーの方々より声を聞き、18・DCMDのインプレをまとめてみました。ユーザの皆さんはどんなインプレをしているか、ご覧ください。
パット見の特徴
さてインプレの最初は、見た目での評価でしょ?ということで、ぱっと見での感想を。今までは、シルバーメッキという色で統一されていたのに対し、このモデルでは、黒塗りでラメが入っていました。ファーストインプレッションでは、なんでラメを入れてしまったのだろう…。というのが正直な評価でした。
なんか少し安っぽく感じてしまいました。今までのシルバー一色のほうがよかったのに…。と思っていましたが、実際ロッドに乗せてみるとラメもそんなに気にならず、ちょうどいいと思ってきます。人間何でも慣れが必要ですね。逆に今ではかっこよく感じてしまっているので、少し高評価です。
ロングキャストが簡単に決まる!
ほかにもインプレを見ていると、以前のモデルから変わらずロングキャストがとてもしやすいという感じになっています。16アンタレスではXモードというとにかくロングキャストをするモードがありました。
18アンタレス以降は、そのモードがXBモードとなりかなり使いやすくなっています。琵琶湖等で、ヘビキャロ、メタルジグ、メタルバイブなど空気抵抗の少ないものを中心に投げるのであればこのXBモードがとても使いやすいモードとなります。
以前のXモードは使えないくらいのモードだったので、18アンタレスからは、そのあたりもシマノがちゃんと考えてプログラムを変えてきてくれたのでしょう。やはり飛距離は釣果にも大きく影響してきますので、より遠くまでキャストできたほうがよいですね。
上の動画は、21アンタレスDCと19アンタレスDCMDの飛距離を比べたものです。同じ投げ方では、19アンタレスの方が飛距離は勝っていました。ただし、ブレーキ性能は21アンタレスの方が良くなっている印象があり、ちから一杯振り抜いても心配ないのが21アンタレスで、軽く振っても飛距離が出てくれるのが18アンタレスDCMDでした。
エクストラハイギアが慣れると使いやすい!
18DCMDのいろいろなインプレを見ていますが、どのインプレを見ても特に弱点はなく、誰でも簡単に飛距離を出せるリールですね。ロングキャストをした後に回収するためにギア比は7.8:1というXG(エクストラハイギア)となっています。
これは、ルアーの回収や糸ふけを処理するときに、とても早く処理できます。最初は、慣れるまでに少し慣れが必要となりますが、慣れてしまうととても回収も早く、テンポよくいろいろなところを探ることができます。
アンタレスDCのブレーキシステムの進化
今までにもアンタレスDCのブレーキシステムについては、解説してきました。しかし、何がそんなに、すごいのでしょうか?ノーブレーキコントロールとは何でしょうか?人間でもできるのでしょうか?そんな疑問がわいてきたので、解説していきたいと思います。
加速時ノーブレーキ制御
アンタレスDCがなぜこんなにも飛距離を稼ぐことができるのでしょうか?それは、アナログのコントロールではできない、ブレーキ制御を自動でしていたからです。
一般的なアナログのマグネットブレーキやSVSブレーキなどは、スプールの回転が加速しているときでも必ずブレーキをかけてしまっていました。つまり、これからスプールの回転が上がろうとしているのに、ブレーキをかけてしまい、最大回転数に達するまでに減速していたということになります。
しかしDCの場合は、最大回転数に達するまではブレーキをかけずにそこからかけ始めることができます。つまり、スプールの最大回転数がアナログのものよりも多くなるということです。これが飛距離に直結するので、100mという飛距離を出せるのです。
人間のサミングで同じことができないのか?
簡潔にいいます。常人では不可能だと思います。ほかのリールを使って、ブレーキを0にしてからサミングでDCと同じように加速時だけ何も触らず最高回転になったらそれと同時にサミングするということで理論上はできます。
しかし、これをやろうとするとたいていの場合ロッドを振り切った瞬間にバックラッシュしてしまうことが大半です。相当な練習を積まなければできないと思います。また、人間の感覚では1000分の1秒で制御するのは不可能と思います。もし、デジタル制御を超える自信があるのならチャレンジしてみてください。
結局アンタレスの評価はどうなの?
結局アンタレスの評価はどうなっているのでしょう?いろいろなことを解説してきましたが、評価としてはどうなっているのでしょうか?プロが使ったらどのような評価をするのでしょうか?逆に一般人ではどのような評価となっているのでしょう?
プロの評価は?
リール開発にかかわっているプロの評価はどうなんでしょうか?もちろん自分が開発しているリールなので、満足のいくインプレ、評価をしています。特に村田基さんは、絶賛しています。もちろん開発にかかわっているのでそうなるでしょうが…。やはり軽く投げても50mしっかりと投げれば100m投げられるというところがアンタレスのよいところでしょう。
俺たちこと秦拓馬さんは、とにかく飛ぶ。めっちゃ飛ぶという評価でした。やはり、飛距離がハンパないということです。とは言え、二人ともシマノがスポンサーとしてついているので、あまり悪いことも言えません。ということで一般人の方のインプレ、評価を見ていきましょう。
一般人の評価は?
やはり一般人となるとシマノの相当なファンでない限り、辛口なインプレも少しはありました。しかし、いろいろなインプレを見てみましたが、やはり、圧倒的な飛距離が出るということでしたね。また、ライントラブルがほとんどないということでした。しかし、一般人なので値段が少し高いという評価が多くみられました。
どんなものでも一度一般人が感じる特徴や、フィーリングを見てから買うのがいいかもしれません。プロというのは、それに特化してしまっているので、多少のことはすぐに慣れてしまうのかもしれませんので…。
やはり18アンタレスDCMDが最強!
やはりアンタレスは初代からの現在まで、シマノの最高峰リールとして名を連ねているということが分かりました。どの年代のリールもバーサタイルに使えるという特徴は変わっていませんでしたね。しかしその中でも、各年代の商品に特徴があり、その特徴を生かした釣りができます。どのリールを持っていてもしっかりと使い分けができるところがよいですね。
最後に思うのは、20年たっても色あせないリールはなかなかないと思います。しかし、歴代のほとんどのモデルでは、淡水専用のリールとなっているので、海釣りもする人には18アンタレスDCMDが絶対おすすめです。やはり世界最強のリールであると改めて感じさせられました。
出典:amazon.co.jp