投げ釣りは釣りの基本
釣りをやってみたい、でも何から始めれば良いかわからない、そういったときに一番はじめにマスターすべき釣り方が投げ釣りです。リールをつかったタックルで広範囲を狙えるのが投げ釣りのよいところですね。まず初心者はリールの使い方から、道具の揃え方がわからないところだと思いますので、どうぐについての考え方、釣り方についての考え方を中心に解説していきます。
ファミリーフィッシングに最適
家族で釣りをするときに最適なのが投げ釣りです。防波堤やサーフなど様々なところで行えるうえに、最低限の道具でチャレンジできる釣りだからです。釣りに最低限必要な道具とは、釣り竿、糸、重り、針、餌になりますが、投げ釣りはこれにリールが加わるだけの簡単な釣りです。サーフは波打ち際では釣りにならないので飛距離がないとやや辛いですが、防波堤であればサーフと違ってチョイ投げでも楽しめます。ただ風の無い日であればサーフで投げるのも気持ちいいものがあるので、サーフでキスなどを狙いながら一家団らんするのも良いかも知れません。
投げ釣りとは
リールを使って仕掛けを遠投する釣り方の総称が投げ釣りです、リールを使った釣り方の原点とも言えます。飛距離により呼び名が変わり、5~20メートルほどの飛距離ではチョイ投げと呼ばれ、それ以上の飛距離では”投げ釣り”と言い分けることが多いです。初心者の方はいきなり遠投する釣り方ではなく、チョイ投げからはじめてみてはいかがでしょうか。
投げ釣りのタックル
投げ釣り用のタックルで困るものと言えばロッドの長さぐらいでしょうか?持ち運びにかさばるタックルなので遠征には不向きと言えます。ただ、サーフでの釣り方では無い場合にはチョイ投げというやり方もできます。チョイ投げであればライトなタックルでも出来るので、旅の合間などに釣りに行く場合にはチョイ投げでも良いかも知れません。
待ちの投げ釣り
待ちの投げ釣りとは、仕掛けを投げて放置、そしてアタリがあれば巻き上げるというシンプルな釣り方で、遠投する投げ釣りで行われることが多い釣り方です。「釣った」という感覚ではなく「釣れた」と言う感覚の釣りになるので、どういったタックルで釣れるだろうか?とシュミレーションして仕掛けを考える楽しみ方の釣りになります。思ってもみない獲物がかかることもあり面白いのですが、どうしても手返しが悪い釣り方になるので、大漁を狙うよりかは一発大物狙いといった感覚の人に向いています。
待ちの考え方
待ちの投げ釣りでは飛距離を出して釣ることが多いです。遠方を回遊している大型魚類などがかかる場合もあるので、しっかりしたタックルが必要です。まれに竿が魚に持って行かれる事などもあるので、竿立てなどを持っていくと良いでしょう。重りが重いので竿先の柔らかいロッドでは折れる場合があり、使う重りに対応した使いやすいロッドを用意する事も重要です。
誘いの投げ釣り
誘いの投げ釣りとは、投げた後にロッドをさびいて誘いながら釣る釣り方になります。アタリが取れるレベルになってくれば非常に手返しが良く、大漁狙いの釣りに向いています。ただしサーフなど障害物の少ない場所でやらなければすぐに根掛かりして、仕掛けをロストしてしまうので注意が必要です。また、サーフであっても隠れ根がある場合があるので、はじめてやる場所では試しにロストしても問題ないような仕掛けで探りを入れておくと良いかも知れません。
誘いの考え方
サーフでのキス釣りなどでは誘いが必須の釣り方ですが、ルアーの様に細かいアクションをするよりは引いて止めるの連続です。キスの場合は人の歩くスピードと言われますが、ハゼは逆に少し引いて止めるを交互に1~2秒ずつ細かく繰り返します。ただ、魚によってもその日によっても魚が食いつく誘い方は微妙に変わるので、誘いの釣りではタックルよりもどれだけ誘い方に引き出しがあるかが釣果の分かれ目です。
チョイ投げ
チョイ投げは飛距離の短い投げ釣りのことですが、ちょっとした場所で気軽に出来るのでオススメです。さらに、使う重りなどの道具が重いと竿からアタリを感じ取りにくくなってしまうため、重りの軽いチョイ投げは初心者の方が魚のアタリを理解する練習にうってつけです。そして目でみえる範囲をピンポイントで狙えるため、透明度の高い海では楽しみも倍増します。
チョイ投げの楽しみ方
チョイ投げはライトなタックルで気軽に出来るので、旅の途中や旅行先でもできる定番の釣りです。飛距離が15メートルもあれば十分に楽しめるので、狭いポイントや、ちょっとした川などでも遊べます。子供でも出来るので食育も兼ねて家族でいくのも良いでしょう。オススメは防波堤や港など足場がしっかりしているところで、逆に気をつけるべきなのは磯場です。
投げ釣りのロッド
投げ釣り用のロッドは、遠投するのであればそれなりに丈夫で大きいものを、チョイ投げ程度であればどんなロッドでも可能です。ルアー用のロッドをチョイ投げと併用している方も多いですし。チョイ投げであればロッドにこだわる必要はありません。ただサーフでの遠投を考えた場合には専用のもの以外だとトラブルが起こり易いので注意して下さい。ロッドにあわせてタックルを考えるという考え方もできます。
ペン型ロッド
旅にオススメなタックルに仕舞い寸法が20センチ程度のペン型ロッドがあります。ダナイブロスのロケッティアをはじめ蜂鳥やその他パチものも多いですが、思ったよりも丈夫で30センチ程度の魚がかかってもへっちゃらです。ただ本家本元のロケッティアはやや折れやすいので気をつけましょう。ダナイブロスのものは竿よりもリールが高性能で、ベイト型もあるのでお好みでご利用下さい。
投げ釣り用のライン
ラインは釣りの命と言っても過言ではありません。投げ釣り用には投げ釣り用のラインも存在しますが、はじめはどちらかというとラインの太さで考えるのが良いでしょう。チョイ投げであれば2~4号のラインで十分ですが、遠投する場合には飛距離を稼ぐために重い重りをつける必要があるので、それに加えて魚の重みが乗ると考えれば太めのラインを使う必要があります。だいたいは4~6号ラインを使いますが、本格的に遠投する場合には8号程度が必要になります。
PEライン
PEラインは細かい繊維がより集まって出来たラインなので非常に強く、細いラインでも切れにくいのが特徴です。ただ糸がたわみやすく、コブの様な結び目が出来やすいものがあるので注意が必要です。重りが軽すぎたり、リールとの相性が悪いと飛距離が出ないばかりかライントラブルが頻発するので、よいメーカーを探すことと使い方のコツを身につける必要があります。
投げ釣り用の重り
投げ釣りは、重りの大きさで飛距離が変わるので重りの種類はかなり重要です。ナス型重りを使う場合が多いと思いますが、投げ釣りであれば大きいものを、チョイ投げでは小さいものをと考えるのが普通です。だいたい遠投するやり方の場合だと8~15号を使う場合が多いと思います、20号以上だとタックルによっては竿先が折れてしまう場合があるので注意が必要です。チョイ投げのやり方であれば4~6号のおもりがベストです。ただ、おもりが軽いとどんどん流されていくので、待ちの投げ釣りをするのであれば重い重りがいいでしょう。
ワーム用のバレッドシンカー
チョイ投げではそれほど飛距離がいらないので、1本針で釣るのであればバレットシンカーがオススメです。元々はソフトルアーであるワームを使ったルアーフィッシングの重りですが、根掛かりが非常に少なく、根がかっても無事に戻ってくる確率が高いからです。タングステン製の重さと小型化をを両立したものも多いので試してみてはいかがでしょうか?バレッドシンカー、ヨリモドシ、ハリス15~10センチはどの針という仕掛けが万能です。
投げ釣り用のリール
投げ釣り用のリールはスピニングリールを使用します。大きさはチョイ投げのやり方であればどのサイズでも構いませんが、飛距離を稼ぐやり方であれば3000番以上のサイズが必要です。ラインが細くて大丈夫なタックルであれば小さいリールを使い、太いラインが必要になるやり方であれば太い分巻ける長さが少なくなるので、大きなリールが必要になります。その他はパワーや一巻きでどれほどのラインが巻けるかなど細かい選別基準があるのですが、初めのうちは大きさで選べば問題ありません。
いくつか用意する
スピニングリールではまれにいとがたわんだまま巻き取られてしまい、次回以降の投げの妨げになるライントラブルが起こります。そのため、代えのリールを2~3用意しておくと良いでしょう。ただベイトリールのようなバックラッシュはほとんど起こらないので、ベイトリールよりは初心者向けです。
投げ釣りのコツ1:リールの使い方
スピニングリールの使い方ですが、まずベールにラインを通し、ベールをあげロッドのガイドに通します。この時通す長さのラインをはじめから出しておくのがコツです。そしてベールを下げれば完了ですが、投げる時にはベールをあげ、ロッドを握った右手でラインをおさえながら振りかぶり、正面に振りおろす途中でラインをおさえる指をはなします。角度的には竿が水平になる手前であれば高く飛び、竿が水平を下回ったときには手前に落ちます。高すぎれば弧を描く様にとび、低すぎれば手前にドボン!と落ちるのですが、上手い角度であればラインがシューと音をたて遠くでシュポンッと重りが水に吸い込まれます。
ドラグの調整
リールのスプールの上につまみがあるのがわかるでしょうか?それをドラグといいます。スピニングリールでは、ドラグを緩めると引っ張られたときに自動でラインが出るようになります。逆にドラグをしめるとラインが出にくくなるので、引っ張られたらラインが切れるギリギリの所でラインを放出するように調節します。すると、魚に引っ張られてラインの限界が来る前にラインが出ていくので、細いラインでも大型魚とのやりとりが可能となるのです。
投げ釣りのコツ2:目印を使う
待ちの投げ釣りをやる場合には、目印を使う事により効率が上がります。鈴や竿先に付けるライトなど種類がありますが、昼間であれば鈴を、夜間であればライトをというやり方で間違い有りません。釣り人で沢山竿を出している人を時折見かけると思いますが、そういった方たちは竿先に目印をつけることによって魚のアタリを待ちます。また、夜間のばあいライトと鈴を併用するというやり方があります。注意すべき事は、仕掛けを投げる時に目印を付けたままにしておくと、そこにラインが絡まったり、投げたときに目印が飛んでいってしまう事があります。
鈴は怒られる
住宅が近い場所で夜中に鈴をつけて釣りをしていると、怒られる場合があります。近所迷惑になるかもしれないので、住宅が近い場所では出来るだけライトを目印に使って釣りをすると良いと思います。
投げ釣りのコツ3:餌の付け方を工夫する
投げ釣りでは針数の多い仕掛けを使う事が多いです。その場合餌の付け方を工夫することによって釣果が上がる場合があります。例えばよく知られているやり方では、臭いの強いジャリメと、動きの良い青イソメを併用することによって、臭いと動きで魚をおびき寄せるというやり方があります。コツは手前にジャリメを付け、下の方に青イソメを付けます。イソメやゴカイ類は頭から刺すとすぐに絶命してしまうので、頭をさけ首から刺すのが長持ちさせるコツです。
餌の大きさ
餌を付ける大きさですが、待ちの投げ釣りであれば1本まるまるつけても面白いと思います。逆にチョイ投げくらいであれば針の2倍~3倍までの大きさにして誘いながら釣るのが良いでしょう。
投げ釣りのコツ4:潮目を狙う
投げ釣りは遠投出来るのですが、海にはこれと言った目印がなくただただ海があるのみです。ではいったいどこを狙えば良いのでしょうか?その答えが潮目です。潮目には魚が集まりやすいとされているので、投げ釣りでは主にこの潮目を狙ってキャストします。波打つ海面をみていると必ず波がないように見える筋が見つかると思います、それが潮目です。海でも川でも、流れが存在する場所には必ず潮目があるので、そこを狙うのがコツです。
ナブラ
潮目だけでなく、魚の群れが集まり飛び跳ねている塊のことをナブラと呼びます。丘からの投げ釣りではあまりナブラと出会う事はありませんが、ボートや船では遭遇することが多いです。そういったナブラを狙ってみるのも一つの手です。
投げ釣りのコツ5:海底のうねを狙う
サーフなどで誘うやり方の投げ釣りをしていると、仕掛けをさびいているときに一段と重く感じる部分があります、それが海底のうねです。魚たちはそのうねとうねの間に生活しているので、サーフでさびいているときに重みを感じたらしばらく待ってみると、だいたいはそこでアタリを感じます。待つやり方の投げ釣りのときも、仕掛けをキャストしたら一度さびいて、海底のうねまで持ってきてから待つとより釣果を稼ぎやすくなります。
根掛かりしたとき
根掛かりしたときには無理に引っ張ると竿が折れてしまうので、何度か引っ張って外れなかったらドラグを締め、竿をラインの伸びる方向に真っ直ぐ向け、そのまま引っ張ります。竿を曲げることがなく引っ張れるので、ラインが切れるまで引っ張っても竿が折れる事がありません。
投げ釣りとルアーフィッシングの違い
投げ釣りとルアーフィッシングの違いは、簡単にいえば餌ではなくルアーを使うと言うのがルアーフィッシングと投げ釣りの違いになります。ルアーの操作性とライントラブルの軽減のためにルアーロッドはガイドの穴が大きく作られているのも特徴です。ガイドが大きいのでスナップも通しやすいという利点もあります。他には餌を使わない分テクニックが必要な奥深いやり方です。ただ、タダ巻きと呼ばれるただ巻くだけで釣れるルアーもあるので、そういったルアーを活用するというやり方も良いでしょう。
ルアーと餌の中間
ルアーと餌の中間のものに、人工餌というものがあります。特徴は味や香り、うま味などが付けられていることで、自然に分解されるため環境にも優しいという利点もあります。有名なものはガルプサンドワームや、マルキューのパワーイソメで、ルアーと餌の中間として利用が出来ます。
投げ釣りに有ったら便利な道具
タックルの選び方も大事ですが、補助的な道具を持っておくのも快適な釣りには大切です。例えば針外しという道具がありますが、この道具は魚が胃まで針を飲込んだ場合に使う道具です。他にラジオペンチがあると良いでしょう、毒やトゲのある魚に触れたくない時に使える道具です。さらに、万が一針が曲がってしまったときに直すのにも使えます。他にはハンドタオルなどがあると良いでしょう、手を拭くと言うよりかはウナギやアナゴなどヌメリのある魚をつかむための道具として必須です。
調理器具
携帯型のまな板やナイフがあれば魚を釣り、捌いてその場で食べる事が出来ます。調味料も有るといいですね。ほかには携帯型の小型コンロや、モーリアンヒートパックのように水を入れるだけで発熱し、蒸し焼きにできる道具も存在します。
まとめ
投げ釣りは簡単な釣りですが、極めていけば色々なコツが存在します。また、カジュアルな釣りなので家族や友達と投げ釣りに行っても楽しいものです。タックルは最低限で十分楽しめるので気軽に挑戦してみると良いでしょう。