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2ストバイクの名車11選!今こそ乗りたいスーパースポーツの魅力を一挙にご紹介!

ハイスペックな走りでバイク界を席巻した2ストロークバイク。環境問題の高まりからその役目を終えつつあるかのように見える2ストバイクですが、かつての輝きはいまだ失なってはいません。そんな2ストバイクのおすすめの名車と、メンテナンスのコツをご紹介します。
更新: 2024年4月15日
ironman17
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2ストバイク

かつてスポーツバイクのカテゴリーで高い人気を誇ったのが2ストロークバイクです。軽い車体に圧倒的な加速感で一世を風靡し、バイク史の歴史を彩る数々の名車が生まれました。

環境問題の高まりなどから、今や大手メーカーのスポーツバイクのラインナップからも消えつつある2ストバイクですが、旧車市場ではいまだに多くのライダーに支持されています。

そんな今でも輝きを失わない往年の2ストバイクの名車や、2ストエンジンのメンテナンスのコツについてご紹介します。

2ストバイクの魅力

ハイパワーを得られる

一般的な4ストロークエンジンは、クランクシャフトが2回転する間に吸気・圧縮・爆発・排気の工程を行います。これに対し2ストロークエンジンは、クランクシャフトが半回転する間に吸気・圧縮を行い、残りの半回転で爆発・排気を行います。

すなわち同じ回転数では4ストに比べ2ストは倍の爆発をしていることになります。そのため同じ排気量であれば、2ストエンジンの方がより効率良くパワーを取り出す性能があるということになります。

シンプルな構造

2ストエンジンは4ストのようにカムシャフトや吸排気バルブを必要としません。構造自体もシンプルなため部品点数も少なくでき、軽量なエンジンをつくることができます。

スポーツバイクにとって軽量であることは、それだけ走行性能をあげることができます。またシンプルな構造はライダーにとってもメンテナンスしやすく、チューニングなどで性能をアップさせることも容易に行えます。

2ストバイクを取り巻く状況

同じ回転数で倍の爆発をすることによって性能を引き出している2ストエンジンは、燃費性能的には4ストより劣ることになります。また4ストロークがオイルを循環させることで潤滑性能を得ているのに対し、2ストロークは燃料にオイルを混ぜて潤滑性能を得ています。

年々厳しくなる排気ガス規制では、ガソリンとオイルをともに燃焼させる方式では規制をクリアすることが難しくなってきたこともあり、2ストバイクはその役割を終えつつあるのが現状です。

おすすめの2ストバイクの名車①

カワサキ 500SSマッハIII

1960年代後半、まだまだ世界的にはマイナーな存在だった日本のバイクメーカーであるカワサキが、北米市場で戦い抜くために選択したエンジンが、2ストローク並列3気筒でした。

スロットルの一捻りで猛烈なオイルの白煙とともにフロントホイールが浮き上がるその暴力的なまでの加速と、200キロオーバーのトップスピードで瞬く間に人気となり、カワサキのアメリカでの地位を確固たるものとしました。

「曲がらない、止まらない、まっすぐ走らない」とまで言われたじゃじゃ馬ぶりは、逆にそれを乗りこなすことがライダーのステータスともなり、現在でも熱狂的なファンが全世界に存在する名車となりました。

基本スペック

エンジン:空冷2ストローク ピストンバルブ 並列3気筒
排気量:498cc
最高出力:59ps(43.0 kw)/8000rpm
最大トルク:5.7kg・m(55.9N・m)/7000rpm
発売開始年:1974年

おすすめの2ストバイクの名車②

スズキ GT380

”サンパチ”の名で親しまれたスズキの中型2ストロークスポーツモデルがGT380です。

太めの中低速トルクや120度クランクによるスムーズなエンジン特性、オイルの白煙の量の少なさなど、ライバルのカワサキマッハとは異なるマイルドさが多くのファンを獲得しました。

シリンダー冷却のためのラムエアシステムがもたらす角ばったシリンダーヘッドや、大型車並みのボディでも多くのライダーの人気を博しました。

基本スペック

エンジン:空冷2スト ピストンバルブ 並列3気筒
排気量:371cc
最高出力:38ps(28.0 kw)/7500rpm
最大トルク:3.8kg・m(37.3N・m)/6500rpm
発売開始年:1978年

おすすめの2ストバイクの名車③


ホンダ エルシノアMT250

ホンダエルシノアMT250は本格モトクロッサーCR250の系譜を受け継ぐ、公道走行可能なデュアルパーパスモデルです。

ホンダ初の本格2ストロークモデルで、一般走行向けに低速から高速までの広いパワーバンドで日常での使用を考えたチューニングがなされています。オイルに関してもCRの混合方式に対し、オイルとガソリンの分離給油方式がとられメンテナンスの利便性を高めています。

イメージキャラクターを務めたアクションスターのスティーブ・マックイーンのCMでも話題となり、高い人気を得ました。

基本スペック

エンジン:空冷2ストローク 6ポートピストンバルブ 単気筒
排気量:248cc
最高出力:23ps(17.0 kw)/6500rpm
最大トルク:2.6kg・m(25.5N・m)/5500rpm
発売開始年:1973年

おすすめの2ストバイクの名車④

スズキ ハスラーTS250

1968年に登場し、ヤマハのDTと国産トレールバイクの人気を二分したのが、スズキのハスラーTS250です。DTと異なりエッジの効いたタンクやかまぼこ型のヘッドライトなどの個性的なデザインが特徴で、多くのライダーを魅了しました。

空冷のピストンバルブ単気筒のエンジンの出力は18.5馬力ですが、オプションのモトクロス競技用パーツ装着で25馬力までアップ可能です。独特の無骨なデザインは、仮面ライダーのバイクに使用されていたことでも有名です。

基本スペック

エンジン:空冷2ストローク ピストンバルブ単気筒
排気量:246cc
最高出力:18.5ps(14.0 kw)/6000rpm
最大トルク:2.36kg・m(23.1N・m)/5000rpm
発売開始年:1968年

おすすめの2ストバイクの名車⑤

ヤマハ RD250

カワサキのマッハやスズキのGTなどの2ストロークスポーツバイクのライバルとしてヤマハが投入したのが、RD250です。

カワサキのマッハやスズキのGTなどのライバルに対応するべく、掃気を促して吸気効率を上げる7ポートトルクインダクションシステムや6速のミッションなど当時としては最新の技術が投入されていました。

初期の丸型から当時流行のカフェレーサースタイルの角型タンクへの変更などを受けながら、RZ登場でバトンタッチするまで、多くのライダーに愛され続けました。

基本スペック

エンジン:空冷2ストローク ピストンリードバルブ 並列2気筒
排気量:247cc
最高出力:30ps(22.0 kw)/7500rpm
最大トルク:2.92kg・m(28.6N・m)/7000rpm
発売開始年:1973年

おすすめの2ストバイクの名車⑥

ヤマハ RZ250

排ガス規制など環境問題の高まりから、2ストロークバイクに対する風当たりが強くなってきた1980年、最後の2ストロークスポーツバイクを作るという思想からヤマハが送り出したのがRZ250です。

レーサーTZで培われた技術を注ぎ込んで作られたエンジンはクラス最高の35馬力をひねり出し、当時最新の技術であったモノクロスサスペンションやキャストホイールを奢られた車体は、「400キラー」の異名をとり高い人気を博しました。

その後、ビキニカウルやフルカウルなどを装備したRZ250R、RZ250RRなどへのモデルチェンジを経て、1980年代後半まで生産され続けました。

基本スペック

エンジン:水冷2ストローク ピストンリードバルブ 並列2気筒
排気量:247cc
最高出力:35ps(26.0 kw)/8500rpm
最大トルク:3.0kg・m(29.4N・m)/8000rpm
発売開始年:1980年
 


おすすめの2ストバイクの名車⑦

カワサキ KR250

カワサキのライダーであるコーク・バリントンやアントン・マンクが駆り、世界チャンピオンに輝いたレーサーKRをモデルに作られた2ストロークスポーツバイクがKR250です。

レーサーKR譲りのタンデムツイン、ロータリーディスクバルブという変わった形式のエンジンを持ち、スロットルをひねるとおびただしいオイルスモークを吐きながら加速するそのハイスペックな性能と、クラス最軽量を誇る俊敏な走りで、いまだに中古車市場で高値を維持する人気モデルです。

基本スペック

エンジン:水冷2ストローク ロータリーバルブ タンデムツイン2気筒
排気量:249cc
最高出力:45ps(33kw)/10000rpm
最大トルク:3.7kg・m(36.3N・m)/8000rpm
発売開始年:1985年
 

おすすめの2ストバイクの名車⑧

スズキ RG400Γ

WGPで活躍したワークスレーサーにそのまま保安部品をつけた純粋なレーサーレプリカがスズキのRG400Γです。

2ストロークスクエア4のエンジンは出力こそ当時の国内自主規制に収まる59馬力ですが、レーサー譲りの徹底した軽量化がもたらす俊敏な走りで、多くのライダーを魅了しました。

レーサー然としたスタイリングやウォルターウルフ仕様をはじめとしたカラーバリエーションの豊富さ、特徴的な4本出しのマフラーなども高い人気を誇りました。

基本スペック

エンジン:水冷2ストローク ロータリーピストンリードバルブ スクエア4気筒
排気量:397cc
最高出力:59ps(43kw)/9000rpm
最大トルク:4.9kg・m(48.1N・m)/8500rpm
発売開始年:1985年

おすすめの2ストバイクの名車⑨

ホンダ NSR250R

国内2大バイクメーカーであるホンダとヤマハが激しく凌ぎを削ったHY戦争を代表する車種が、このNSR250Rです。

当時、2ストスポーツバイク分野で圧倒的人気を誇ったヤマハRZに対抗すべく投入されたNSRは、その後ヤマハが発売したTZRと熾烈な販売合戦を繰り広げる一方、レーサーレプリカ人気の牽引役としてライダーの人気を集めました。

基本スペック

エンジン:水冷2ストローク クランクケースリードバルブ90度V型2気筒
排気量:249cc
最高出力:45ps(33kw)/9500rpm
最大トルク:3.6kg・m(35.3N・m)/8500rpm
発売開始年:1986年

おすすめの2ストバイクの名車⑩

ヤマハ TZR250

ヤマハの誇るレーサーTZの公道モデルともいえるスーパースポーツがTZR250です。

先代モデルであるRZ250を凌ぐ高性能エンジンは当時の自主規制上限いっぱいの45馬力を絞り出し、ヤマハハンドリングと絶賛されたそのコーナーリング性能とあいまって多くのライダーに愛されました。

「前方排気」の初期型、特徴的な「後方排気」の後期型ともに、中古車市場でもいまだに高い人気を誇ります。

基本スペック

エンジン:水冷2ストローク クランクケースリードバルブ 並列2気筒
排気量:249cc
最高出力:45ps(33kw)/9500rpm
最大トルク:3.5kg・m(34.3N・m)/9000rpm
発売開始年:1985年

おすすめ2ストバイクの名車⑪

ヤマハ R1-Z


RDやRZなど華々しい歴史を彩ったヤマハ2ストロークスポーツの、文字通り最後となったバイクが、このヤマハR1-Zです。

TZRなどレプリカブーム時代の、オイルスモークを撒き散らして走るようなアグレッシブな走りとは一線を画し、街中からツーリングまでマイルドで扱いやすい味付けがなされています。

とは言っても前後17インチホイールが生み出す俊敏な走りは、さすがハンドリングのヤマハと頷ける走りで、多くのライダーから支持されました。

基本スペック

エンジン:水冷2サイクル クランクリードバルブ 並列2気筒
排気量:249cc
最高出力:45ps(33kw)/9500rpm
最大トルク:3.7kg・m(36.3N・m)/8500rpm
発売開始年:1990年

2ストバイクの維持・メンテナンス

エンジンのメンテナンス

4ストに比べ2ストバイクは過酷な使われ方をしていた車体が多いため、エンジンのメンテナンスは性能維持のためには不可欠です。ただしバルブ機構を持たない構造のため、メンテナンス自体は4ストよりも容易に行えます。

定期的にシリンダーを開け、シリンダーヘッドやピストン掃除し、時にはピストンリングの交換を行うとよいでしょう。

オイルのメンテナンス

燃料にオイルを混ぜてエンジン内を潤滑する構造の2ストバイクにとって、オイルの給油は必須のメンテナンスです。メーカー純正のオイルを基本に、街乗り中心か、スポーツ走行中心かによってグレードを使い分けるとよいでしょう。

足回りのメンテナンス

スポーツ走行に使われていたバイクであれば、サスのへたりなど足回りに不調を抱える車両も多いのが現実です。純正にこだわるのであれば、部品どり車の入手やオークションに頼る必要ああります。性能重視なら新品のアフターパーツに交換するのもおすすめです。

車体のメンテナンス

スポーツ走行が得意な2ストバイクの宿命で、転倒を経験した車両が多いのは致し方ありません。カウルの割れやタンクのへこみなど外装のメンテナンスも重要です。

オーナーズクラブのネットワークを利用して部品を調達したり、人気車であればリプロパーツが数多く販売されていたりもするので利用するのもよいでしょう。

2スト名車で走りだそう

スポーツバイクのカテゴリーとして一世を風靡した2ストロークバイクについてご紹介しました。マフラーから白煙を吐き、オイルやガソリンの消費量も多い2ストは、たしかに現代の環境問題では最適とは言えないエンジンかもしれません。

でもその過激なパワーフィールは、いまだにライダーの心をがっちり掴んで離しません。魅力あふれる2ストの名車を手に入れ、その魅惑の走りを体感してみませんか。