高水三山とは?
奥多摩の入門コースとして人気を集めている高水三山(たかみずさんざん)とは、東京都青梅市に位置する高水山(たかみずやま759m)、岩茸石山(いわたけいしやま 793m)、惣岳山(そうがくやま 756m)を併せた総称のことです。高水山の山頂には高水山常福院があり、毎年4月の第二日曜日には、名物の「獅子舞」が披露されます。高水三山はどれも標高800mに満たない低山で、難易度も低く初心者の方でも上級者の方でも楽しめます。アクセスの良さとも相まって、奥多摩地域登山や日帰りハイキングの入門に、多くの方に親しまれているコースです。
高水三山縦走ハイキングコース難易度
尾根伝いに山頂をつなげて歩くことを縦走といいますが、高水山、岩茸石山、惣岳山共に800m未満の低山ですので、難易度は低いです。初心者の方でも安心して下さい。普段体を動かす習慣のある方なら、無理なく縦走ハイキングを楽しめます。スタートとゴールの登山口が駅から近く日帰りが可能。アクセスしやすい点も見逃せませんね。
スタート地点のJR軍畑駅から30分ほど歩いた、高源寺から高水山への登りがもっとも難易度の高い区間です。ですがいったん高水山山頂に登ってしまえば、岩茸石山、惣岳山と平坦でなだらかなルートがメインです。注意点として、高水三山は熊の生息域です。熊鈴を必ず持参して、積極的にこちらの存在を熊に知らせましょう。不意な遭遇を避けられます。
おすすめ日帰りモデルコース
チェックポイント | 時間 |
---|---|
スタート 軍畑駅 JR青梅線 | 9:00 |
↓30分/1.7km | |
高源寺 | 9:30 |
↓60分/1.9km | |
高水山 | 10:30 |
↓35分/1.1km | |
岩茸石山 昼休憩 | 11:05着 12:00発 |
↓40分/1.5km | |
惣岳山 |
12:40 |
↓45分/1.4km | |
沢井駅方面分岐 | 13:25 |
↓30分/1.3km | |
ゴール 御嶽駅 JR青梅線 | 13:55 |
登山地図の定番、昭文社の「山と高原地図」のコースタイムを参考にしました。2人〜5人の40歳〜60歳のパーティーを想定したタイムです。時間が少し早いですが、このルートで一番展望が良いポイントをお昼休憩としました。距離8.8km、休憩時間含めて約5時間のコースです。このぐらいの難易度なら、初心者の方でも大丈夫です。都心からの日帰り登山も十分可能ですね。
日帰りハイキングの醍醐味は山頂でのお弁当
アクセスのしやすさを生かして早朝に出発すれば、午前中に下山することも可能なコースです。今回はあえてお昼休憩をはさむ行程をご提案します。日帰り登山の1番の醍醐味といえば、自然の中で食べるお弁当です。いい汗をかいた後のお弁当はまた格別。ぜひお弁当持参で高水三山に出かけてみて下さい。このルートで一番の展望ポイントは岩茸石山です。山頂からの景色を観ながら楽しみましょう。中級者の方は写真のように、クッカーを持参してもいいですね。ハイキングや登山の楽しみが一段と広がります。
高水三山縦走ハイキングコース 1/6
軍畑駅〜高源寺 30分/1.7km
JR青梅線、軍畑駅が今回のスタート地点です。駅を出ると平溝川に沿って北上していきます。高水山の登山口は高源寺の北にあります。それまでは緩やかな道路を登っていきます。登り始めはまだ体が温まっていませんので、登山口までは焦らずゆっくり歩きましょう。なお今回のコースでは、高源寺と常福院にお手洗いがありますが、駅で済ませておくと安心です。登山口に到着したら、地図でルートをもう一度確認しておきましょう。その後の行程をスムーズに歩けます。
高水三山縦走ハイキングコース 2/6
高源寺〜高水山 60分/1.9km
高源寺付近の看板を目印に進むと、高水山登山口に到着します。ここから本格的な登山道で、ハイキングスタート。まずは杉林を抜けていきます。途中斜度40%を超える部分もあり、縦走コースで最も難易度の高い区間です。高水山山頂に到着すれば、平坦でなだらかなルートがメインです。激しい登り降りはありませんので、高水山山頂までは頑張りましょう。なるべく楽に登るコツは、歩幅を小さくすることと、息があがってしまったら落ち着くまで休むことです。水分や簡単なお菓子などもこまめに補給しましょう。
高水三山縦走ハイキングコース 3/6
高水山〜岩茸石山 35分/1.1km
長い登りを超えて常福院に到着したら、高水山山頂はもうすぐです。初心者の方にはちょっときつかったかもしれませんね。ここでしっかり休憩しましょう。ここ常福院は9世紀ごろに開創された、真言宗豊山派の寺院です。毎年4月の第二日曜日に春季大祭が開かれ、「獅子舞」が披露されます。
高水山山頂には適度なスペースとベンチがあり、休憩できます。高水山からは平坦な尾根道を進みながら、岩茸石山を目指します。岩茸石山は高水三山で最も高い山で一番の展望ポイントです。少し早い時間ですが、ここでお昼休憩をとりましょう。どうせお弁当を食べるなら、展望のよい場所で食べたいですよね。お昼休憩が終わったら、気になる部分をストレッチしておきましょう。岩茸石山から先は、徐々に下りメインになります。案外下りの方が足を酷使しますので、ストレッチをしておけば登山口に着いてから後悔せずにすみます。
高水三山縦走ハイキングコース 4/6
岩茸石山〜惣岳山 40分 / 1.5km
岩茸石山で展望とお弁当を楽しんだあとは、惣岳山に向かいます。岩茸石山山頂には、惣岳山方面と棒ノ折山方面に向かう分岐があります。ルートを間違えないように、事前に地図をチェックしておきましょう。最近では紙地図以外にも、スマホで使える登山地図アプリが充実しているので、あらかじめダウンロードしておきます。岩茸石山〜惣岳山の区間は、ほぼなだらかな下り道ですが、途中岩場も登りもあります。特に惣岳山手前は短いですが急な登りで、変化に富んだ楽しい区間です。
高水三山縦走ハイキングコース 5/6
惣岳山〜沢井駅方面分岐 45分 / 1.4km
惣岳山を出発したら、後は無事に登山口まで下山しましょう。この先は急な下りもあるので、惣岳山山頂でシューズの紐をしっかり締め直しておくことををおすすめします。つま先を痛めるのを予防できるからです。紐を締め直したら、まずは御嶽駅方面と沢井駅方面への分岐点を目指します。道は尾根伝いの一本道なので、間違える心配はなさそうです。惣岳山からの下り始めが、特に急坂なのでスリップしないように注意が必要です。足の裏全体に体重をかけるイメージで下ります。コースは沢井駅方面の分岐に近づくに連れて、徐々に緩やかになります。
高水三山縦走ハイキングコース 6/6
沢井駅方面分岐〜御嶽駅 30分 /1.3km
ここまで来ればゴールの御嶽駅まで後少しです。分岐点を御嶽駅方面に進みます。ちなみに沢井駅方面に進んでも、30分ほど歩けば到着しますが、普通の道路を歩くルートです。御嶽駅方面は最後までハイキングを楽しめます。途中送電線の下を通過するので、どこまで進んだか目安にされるといいですね。送電線の下を2回通れば、登山口はすぐそこです。
御嶽駅に到着、お疲れ様でした。登山口が駅のすぐ側でアクセスがよいのは、やはり大きなメリットですね。電車の時間に合わせて下山できれば、すぐ帰路につけます。もしお時間があるようなら、御嶽駅から東に徒歩2分行ったところに「玉川屋」があります。こちらでは手打ち蕎麦や、山菜・川魚料理をいただけます。登山後のお楽しみにいかがでしょうか。
◾️玉川屋
住所:〒198-0173 東京都青梅市御岳本町360
電話:0428-78-8345
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日(月曜が祝日の場合火曜)
高水三山縦走ハイキングに必要な装備
ここまでご紹介しました高水三山は、初心者の方でも楽しめる難易度の低いルートです。ですが安全のために、下の表にあげた最低限の用意が必要です。これ以外に必要なものは個人によって異なりますので、適宜装備を追加して下さい。
ザック |
レインウェア |
登山靴 | 防寒着 |
食料・飲料水 | 地図 |
非常食 | 健康保険証 |
ヘッドランプ | 熊鈴 |
ザック
日帰り登山で使うには、15〜20リットルの容量が使いやすいです。ザックは小さすぎても大きすぎてもいけません。装備がちょうど収まる容量で、体にフィットするものを選びましょう。
登山靴
履き慣れたスニーカーでも行けないことはないですが、登山靴の方がグリップも良く安全です。防水モデルを選べば、突然の雨でも大丈夫です。
防寒着
標高が100m上がれば気温が0.6度下がると言われております。さらに強風が吹けば体感温度は下ります。山に真夏はないと考えて、夏場でもウィンドブレーカーやフリースなど防寒着を用意しておきましょう。
レインウェア
ザック、登山靴と合わせて登山の必須アイテムです。突然の雨で体を濡らしてしまうと、夏場でも低体温症で動けなくなる可能性があります。また防寒着の代わりにもなります。登山用品ブランドのものがおすすめですが、なければ代替えに安価なものでもかまいません。必ず用意しておきましょう。
食料・飲料水
高水三山には売店や食堂がありません。お弁当と歩きながら食べる行動食、飲料水は、あらかじめ用意しておきましょう。5時間の行動予定だと、夏場で最低1.5〜2リットルの水分が必要です。500mlのペットボトル数本に分けて持参すると、パッキングもやりやすいです。
非常食
お弁当とは別に、万が一に備えて非常食を用意しましょう。調理の必要のないものを選ぶのが鉄則です。具体的にはチョコレートやエナジーバーなど、かさ張らず高カロリーなものが適しています。これらの食料は安全に下山できるまで、手をつけてはいけません。
地図
登山道によっては、道標が整備されていて地図無しでも登れてしまう山もあります。それでもルートが不明瞭な場所や、道標の向きが傾いてわからないような場面もあります。道迷い防止のために、スマホに地図アプリをダウンロードしておきましょう。こちらの記事で詳しくご紹介しています。
【登山地図アプリ】おすすめ11選をご紹介!
登山道以外にも、最寄り駅からJR軍畑駅までのアクセス、JR軍畑駅から登山道までのアクセスなども、あらかじめ調べておきましょう。
ヘッドランプ
途中で怪我をしたりルートを間違えたりと、予定より行動時間が遅れることがあります。山中は街中より日が沈んで暗くなるのが早く、夜の山中はほぼ真っ暗闇です。ヘッドランプまたは懐中電灯があれば、正しいルートを見失なわずに進めます。
熊鈴
高水三山は熊の生息域です。熊も人間もお互い存在に気づかずに、鉢合わせした時が危険です。それを避けるために熊鈴をザックにつけておきましょう。こちらの存在を熊に知らせることで、熊がこちらを避けてくれます。
健康保険証
あってはならない事ですが、怪我をする可能性は否定できません。もしもの時に、健康保険証は持参しておきましょう。
高水三山まとめ
都心から日帰り可能で、登山口までのアクセス良好。難易度も低く初心者の方でも無理なく楽しめるのが高水三山です。高源寺から高水山までの登りは少しきついですが、そこを乗り切れば山頂からの展望を楽しめます。高水三山は四季を通して楽しめる山であり、どの季節にも良さがあります。もしこれからハイキングや登山を始めらる初心者の方なら、荷物の少なくてすむ夏場がおすすめです。この記事を読んでいただいて、行きたい!と思われたあなた。さっそく今週末に出かけてみてはいかがでしょうか。