検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

大岳山の登山コースやアクセスは?日帰りや初心者も楽しめるコースもご紹介!

大岳山登山は三頭山、御前山や御岳山と組み合わされることも多いですが、大岳山を単独で上る登山者も少なくありません。日帰りでも家族連れコースから中級登山者コースまで様々に選べ、四季を通じて楽しめます。また、大岳山には山岳信仰の隠された謎の神秘も残されています。
2020年8月27日
栗鼠の森人
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

大岳山の概要

大岳山は多摩川上流域南岸に沿って並ぶ奥多摩三山を主峰として御岳山(標高929m)を含む奥多摩山塊中央部の主稜上に位置します。大岳山は三頭山(標高1531m)および御前山(標高1405m)と共に奥多摩三山の1つであると共に日本二百名山や花の百名山に数えられる名峰でもあります。大岳山の標高は1266.5mで特異な山容しているので遠くからでもすぐにわかります。このため昔から江戸湾(東京湾)の漁民は鍋割山や鍋冠山と呼んで目印としてきました。

大岳山の見どころ

大岳山周辺の見どころは様々に豊富ですが、ここでは大岳鍾乳洞、大滝、大岳山荘跡、大岳神社、台湾寺院と周辺の温泉を紹介します。

大岳鍾乳洞

大岳山山頂から東2.2km付近の大岳沢の標高520m辺りにあり、1961年に発見されました。洞内の保存状態は良く、鍾乳石や石筍など無傷にみられます。東京都の天然記念物で、入り口から300m位は入洞して見学できます。高低差もあり狭いのでヘリメットを受付で借りましょう。ゆっくりと見学しても1時間は掛かりません。

大滝

大岳山の東と北には大滝と呼ばれる滝が2つあります。東の大滝は大岳山山頂から東南東1.4kmで標高610m付近の秋川支流大岳沢にあり、豪快な滝で落差が30mです。北の大滝(上の写真)は大岳山山頂から北1.7kmで標高770m付近の多摩川支流海沢にあります。三段になっていますが落差は30m以上もある豪快な滝です。ぞれぞれが登山道の「関東ふれあいの道」と登山道の「海沢探勝路」沿いにありますので立ち寄って一見するのがおすすめです。

大岳山荘跡

大岳山荘は大岳山山頂の東250mで標高1150m付近にありました。東京都が管理をしていた頃は宿泊も出来、資材運搬用ヘリポート兼用の展望台も完備してました。その展望台からの夜景は宝石箱にも例えられていましたが、2008年3月末で残念ながら閉鎖されました。その後、隣接の台湾寺院の所有者が管理していましたが、現在は放置状態で荒廃が進んでいます。有志によって時より掃除もされ、緊急時の避難に利用できるとの情報もありますが、状況は分からない場合は近寄ることは避けましょう。

大岳神社

大岳山は古くから農業の神または盗難や火災からの守護神であるばかりでなく、龍が祀られた雨乞い信仰の山でもありました。徳川幕府の江戸城守護の祈願も行われていたそうです。山頂東の標高1180mには今でも大岳神社(大嶽神社)が祀られています。武蔵五日市の材木商が夢の中で北秋川を遡る雌雄の白い龍と目が合い、その目の懐かしい優しさを霊夢と考えました。材木商はその姿を台湾に注文して御影石に刻んで白倉にある大嶽神社里宮に奉納しています。

狛犬代わりの狼像

大岳神社では狼が狛犬代わりに置かれている様にこの一帯の山岳信仰は神秘に包まれています。

台湾寺院

大岳山荘に隣接する台湾寺院との紹介記事はあるものの、この寺院に対する詳細は分かっていません。大岳山荘北北西100m付近にある大岳神社と間違われることもあるようですが、タジン鍋の様な独特の屋根をもつ台湾寺院は大岳山荘の下に隣接しています。武蔵五日市の材木商が雌雄の白い龍を台湾に注文して刻ませたことがこの台湾寺院と関係あるのかも知れません。この寺院の所有者が大岳山荘を東京都から受け継いだとされていますが、その後管理出来なくなり今では両方とも廃屋と成ってしまいました。

大岳山周辺の温泉

「瀬音の湯」が秋川渓谷入り口の十里木にあります。源泉は地下1,500mから湧き出し、アルカリ度が高い湯は肌を美しくすることで知られています。源泉かけ流しで、露天風呂では春夏秋冬それぞれの景色が堪能できます。日帰り入浴が可能で料金は3時間までが900円程度です。その他にも少し離れますが日の出山の麓に「つるつる温泉」、そして奥多摩駅から徒歩10分付近に「もえぎの湯」があります。

大岳山の登山コースについて

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

大岳山登山のコースは奥多摩三山縦走コースと大岳山単独のコースに分かれます。奥多摩三山縦走コースは三頭山、御前山、大岳山から御岳山へと連なる山稜の縦走になり、多摩川や秋川さらに鶴川や葛野川の様な相模川上流域からのアプローチも可能です。山稜の東に位置する御岳山の頂上までケーブルカーが通っており、往復すれば難易度の低い登山コースにもなるので家族連れから中級登山者向けまで難易度はさまざまで登山道は多彩です。ここでは範囲をあまり広げ過ぎないよう大岳山単独コースに限ってご紹介して行きます。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース①

御岳山ケーブルカーを利用して芥場峠経由での往復

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

御岳山駅から売店や食事何処が並ぶ御岳平を抜け、御岳山山頂に登り、武蔵御嶽神社脇の登山道を長尾平まで辿ります。長尾平から芥場(アクバ)峠(標高1020m)までは3のルートがあり、それぞれに見どころが多くて楽しめます。行きと帰りと別々のルートを選べば、難易度が低いにもかかわらず家族連れでも変化に富んだ登山道のルートが日帰りで楽しめます。

御岳山駅


ケーブルカーの御岳山駅(標高831m)が登山口になります。

北ルート

奥の院と鍋割山を経由する北ルートには「天狗の腰掛け」と呼ばれる樹齢350年の杉の木があり、また登山道途中で鎖場でのスリルも味わえます。難易度は少し高く、コースタイムは2時間30分です。

中央ルート

中央ルートは最短で歩きやすい登山道です。御岳神社みそぎの滝行で知られ、樹齢300年の巨木「お浜の桂」のある綾広の滝で南ルートと合流し、芥場峠を過ぎた鍋割山分岐で北ルートとも合流します。難易度は低く、コースタイムも2時間です。

南ルート

「ロックガーデン」と呼ばれる岩が苔むして渓流の流れる南ルートでは奥山のひんやりしたせせらぎを愛でながら登山道を歩けます。この南ルートでは「天狗岩」や大小8段の滝がある「七代の滝」等名所にも立ち寄れます。「七代の滝」には林道御嶽線が通じて居り、小さいながら駐車場もあります。難易度は多少高く、コースタイムは2時間15分です。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース②

大岳鍾乳洞から富士見台および白倉分岐経由で大岳山へ

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

大滝鍾乳洞入り口までは西東京バス上養沢行が利用できます。採石場のトンネルを抜け、鍾乳洞を越えて登山道を大岳沢沿いに大滝まで辿ります。大滝の先の登山口から左股を南の馬頭刈尾根方面の富士見台(標高1020m)へ登ります。尾根を少し西に辿ると白倉分岐(標高1040m)となります。白倉分岐からは北へと大岳山荘跡経由でジグザグした登山道を1.5kmほど登ると、大岳山山頂に着きます。難易度は初心者向きで、距離は5.6km、コースタイムは2時間45分です。

富士見台

富士見台や白倉分岐付近からは素晴らしい富士山が眺められます。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース③

大岳鍾乳洞入りバス停からサルギ尾根と芥場峠経由で大岳山へ

大岳鍾乳洞入口バス停から少し上養沢方面にある養沢神社奥の登山口から北西へとサルギ尾根を登ります。尾根上にある高岩山(標高920m)や上高岩山(標高1012m)の展望台では御岳山から日の出山方面の眺望が開けます。サルギ尾根を登り切ると芥場峠で御岳山方面からの登山道に合流して大岳山荘跡経由で大岳山に登ります。高低差が大きい場所に加えてガレ場やザレ場もあり、登山初心者には少し難しさもある難易度です。コースタイムは3時間15分です。

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

サルギ尾根

サルギ尾根の登山道は険しく結構ハードなルートです。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース④

白倉から大嶽神社と白倉分岐経由で大岳山へ

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

大嶽神社(大岳神社)里宮から山頂神社への表参道だった登山道を辿るコースです。白倉バス停までは西東京バス上藤倉行き又は小岩行きが利用できます。バス停の向かいの大岳山入口表示の石碑から階段を登り切った左を行くと車道に出ます。北に辿ると大嶽神社里宮に出ます。そこが登山口となります。里宮から少し西に回り込んで北へと尾根筋を1.5km程登ると白倉分岐にでます。そこから先はコース②と同じルートを辿り、大岳山に登ります。コースタイムは3時間です。難易度は元表参道なので高くはありません。

大嶽神社(大岳神社)里宮

雌雄の白い龍が奉納された里宮です。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース⑤


天狗滝から馬頭刈尾根経由で大岳山へ

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

④と同じく千足バス停までは西東京バス上藤倉行き又は小岩行きが利用できます。バス停の先から右に曲がり、集落中の車道を500m登ると登山口です。登山口から500m入った標高520m付近の天狗滝とその奥の綾滝を経て、北へ馬頭刈尾根に登ると、富士見台にでます。難易度は初心者向きです。その後は②と同じルートで大岳山に登ります。コースタイムは3時間15分です。

天狗滝

車道から近いので見物に訪れるドライブ客少なくありません。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース⑥

鋸尾根から大岳山へ

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

青梅線奥多摩駅の和風駅舎の前に遠望できる愛宕神社の胸を突く見上げるように急な石段が登山口です。登山道はしっかりして比較的なだらかですが、途中鎖場が2ヵ所あります。鋸山と大岳山の山頂直下はそれぞれに急な登りとなっています。難易度は少し高く中級者向きとも言えます。距離は6.6kmでコースタイムは4時間です

鋸尾根

むき出した岩も多ぃ鋸尾根ルートです。

日帰りや初心者も楽しめる大岳山登山コース⑦

海沢探勝路から大岳山へ

地理院地図
地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、国土地理院が捉えた日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

海沢園地

青梅線白丸駅から青梅街道沿いに海沢大橋を渡って多摩川南岸道路を少し東に向かいます。トンネルの手前から海沢川に沿ってアメリカキャンプ村方面への林道を辿って海沢園地に向かいます。梅沢園地にはトイレと小さいながら駐車場があります。白丸駅から1時間です。梅沢園地が海沢探勝路の登山口になります。

海沢探勝路

海沢四滝の中の三ッ釜の滝、ネジレノ滝(上の写真)、大滝へは登山道があり、初心者でも訪れられますが、大滝奥の不動の滝へは難易度が高く、上級登山者でないと難しいようです。大滝分岐からさらに遡上して急峻な山稜に取り付きます。悪路あるいは難路とされているように難易度は高いですが、中級以上の登山者なら問題はないでしょう。主稜迄登ると間もなく大岳山山頂です。海沢園地からのコースタイムは1時間45分です。

大岳山の登山コースへのアクセス

大岳山は東京都下の青梅線と五日市線に挟まれた山域にあります。登山口までの電車またはバスでのアクセスが容易なので日帰り登山に覇断然おすすめです。多摩川渓谷では登山口まで青梅線の各駅から徒歩で行けますが、秋川渓谷へは武蔵五日市から出ている西東京バスの上養沢行や藤倉行きを利用します。御岳山駅登山口には青梅線御嶽駅から西東京バスで10分の滝本駅まで行き、ケーブルカーに乗り継ぎます。マイカーでのアクセスは登山口まで多少距離はありますが、次の駐車場が利用できます。

大岳山の登山コースへのアクセス①

タイムズ奥多摩町役場(奥多摩駅周辺駐車場)

ルートは圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の青梅インターチェンジから青梅街道を踏襲し、甲州裏街道とも呼ばれる国道411号を辿ります(青梅ICから約50分)。23台収容で、料金は1日1,000円前後です。

大岳山の登山コースへのアクセス②

鳩の巣駅駐車場

ルートは同じく国道411号を辿ります(青梅ICから約40分)。35台収容で料金はいりませんが、トイレもあります。


大岳山の登山コースへのアクセス③

滝本駅駐車場

御岳山ケーブルカー麓の滝本駅の駐車場です。ルートは国道411号を経て十里木御嶽停車場線(都道201号)(滝本駅と養沢鐘乳洞入口の間は未開通)を辿ります(青梅ICから約35分)。150台収容の第一駐車場と400m程下の第二駐車場があります。例外的に登山口まで遠くはありません。料金は1日1,000~1,500円程度で第一駐車場にトイレもあります。

大岳山の登山コースへのアクセス④

タイムズ武蔵五日市(武蔵五日市駅周辺駐車場)

ルートは圏央道 八王子西インターチェンジから山田宮の前線(都道61号)を経て一般に「五日市街道」と呼ばれる杉並あきる野線(都道7号)を辿ります(八王子西ICから20分)。収容は144台で料金は1日600円程度です。

大岳山の登山コースへのアクセス⑤

大岳鍾乳洞駐車場

ルートは圏央道 八王子西インターチェンジから都道31号 青梅あきる野線と共に通称秋川街道と呼ばれる八王子五日市線(都道32号)を経て(都道31号)、檜原街道と呼ばれる上野原あきる野線(都道33号)に入って秋川渓谷の十里木交差点(瀬音の湯付近)から十里木御嶽停車場線(都道201号)(滝本駅と養沢鐘乳洞入口の間は未開通)を辿り、養沢神社から左股に入ります(八王子西ICから約40分)。20台収容でトイレもあって無料ですが、キャンプ場は混んでいる場合は使えません。

大岳山の登山コースへのアクセス⑥

払沢の滝駐車場

ルートは圏央道あきるインターチェンジもしくは日の出インターチェンジから国道411号を経て五日市街道(都道7号)から檜原街道(都道33号線)に入り、橘橋丁字路を右折して北秋川に沿いの水根本宿線(都道205号)を辿り、500m先の「檜原とうふちとせ屋」で左折します。33台収容でトイレもあって無料です。

大岳山の登山コースへのアクセス⑦

神戸岩駐車場

同じく北秋川に沿いの水根本宿線(都道205号)の郷土資料館の先のひのはらユースホステルから神戸国際ます釣場方面の林道を辿ります。10台収容でトイレもあり無料です。

大岳山の登山コースへのアクセス⑧

その他の駐車場

その他にも海沢園地、宮ケ谷戸、鋸山直下の大ダワ、七代の滝入り口、大岳沢の大滝入り口などの小規模なものはあります。林道崩落などでの通行禁止や通行止め等の可能性もあり、利用する際は事前にチェックが必要です。

まとめ

「大岳山の登山コースとアクセス」を初心者も楽しめる日帰りコースを主に紹介しました。奥多摩山塊は大都会に近くにもかかわらず、自然が保全されている世界的にも稀少な地域です。その中核をなす奥多摩三山の大岳山もアクセスが容易な割に豊かな地理や動植物があり、そして清々しい空気と澄み切った流れに恵まれています。その自然をさまざまに登山のルートやコースを選択することで思う存分に堪能しましょう。