デンマークカクタスとは
サボテンの仲間
デンマークカクタスとは「シャコバサボテン」とも呼ばれるサボテンの仲間で、赤やピンクの鮮やかな花を咲かせることで人気の花です。
鉢植えでも育てる事ができますよ。もともとはブラジル原産の植物で、コケのついた樹の上にくっついて育つ、着生植物です。現在ではさまざまな園芸品種が生み出され、園芸初心者の方でも比較的簡単に育てることができます。
冬に開花するため、冬の花壇や室内が少し寂しいと感じている方は、デンマークカクタスを育ててみてはいかがでしょうか。
デンマークカクタスの基本情報
1.名前の由来
デンマークカクタスは別名「シャコバサボテン」とも呼ばれるサボテンの一種です。詳しくいうとサボテン科スクルンベルゲラ属に属する植物で、ブラジルのオルガン山脈などの高山に自生します。
シャコバサボテンというの名前の由来は、トゲのような突起のついた茎が連なって伸びて行く様子が、海の生物「シャコ」の身体のように見えることから名付けられました。また冬のクリスマス頃に花を咲かせることから、クリスマス・カクタスとも呼ばれています。
2.開花時期
デンマークカクタスは品種にもよりますが、ほとんどが10月初旬〜12月中に開花する、秋から冬にかけての花です。開花時期より前からきちんと剪定や植え替え、摘芯などの管理を行っていないと、いざ冬になって花が咲かない事態にもなりやすい植物です。
すでにデンマークカクタスを育てていて、花が咲かないと悩んでいる方は、後半でご紹介する剪定や植え替え、摘芯の管理方法を読んでみてくださいね。きちんと花をつければ、鮮やかな花で冬を彩ってくれる、美しい植物です。
3. 花言葉
デンマークカクタスの花言葉は「一時の美」「美しい眺め」などです。「一時の美」というのは、デンマークカクタスが咲いていない時と、花を咲かせている時期のギャップが由来になっています。
また「美しい眺め」というのは、その花言葉の通りに、花を咲かせている姿がとても鮮やかで美しいからついた花言葉です。剪定や挿し木など年間を通して適切な管理をすることで、花言葉のように美しい花を咲かせられるように育てたいですね。
デンマークカクタスの育て方 1.日当り
暑さは苦手な植物
デンマークカクタスは暑さが苦手な植物のため、直射日光が当たる場所ではなく、風通しの良い明るめの日陰で育てましょう。湿度が高いのも苦手なので、風通しが良いのも育てる上で大事なポイントです。
じめじめとしがちな日陰や日が当たりやすい場所だと、成長不良になったり元気が無く花が咲かない原因にもなるので気をつけましょう。また冬は凍るような寒さだと枯れてしまうため、真冬に入る前に室内の日当りの良く風通しの良い窓際などへ移動しましょう。
デンマークカクタスの育て方 2.用土・肥料
初心者の方は市販のものがおすすめ
デンマークカクタスの用土は、園芸初心者の方には市販のシャコバサボテン用の用土がおすすめです。鉢の底に軽石などを敷いた後に入れれば、簡単にデンマークカクタスを植え付けることができます。
自分で用土を造る場合は、小〜中の赤玉土に腐葉土、軽石を均等に混ぜたものを使用しましょう。軽石を混ぜることで、水はけが良くなり根腐れしにくくなりますよ。植え替えの際も同じ配分の用土で植え替えることができます。
肥料は時期により適切量を与えよう
より元気にデンマークカクタスを育てるのであれば、肥料を与えてみましょう。主に固形の肥料を月に一回程度と、液体の肥料を2週間に1回ほど与えます。肥料は4月〜6月中までにあげるのが望ましく、7月以降は与えないほうが花が咲かない原因を取り除けます。
これは7月以降も肥料を与えていると、花芽のない新芽がつくられるようになるためです。デンマークカクタスの様子を見ながら適切な量の肥料を与えて、元気で綺麗なデンマークカクタスを育てましょう。
デンマークカクタスの育て方 3.水やり
季節と環境を考えて水やりをしよう
デンマークカクタスは基本的に土が乾いたらたっぷりの水をあげて良い植物ですが、季節により必要としない場合もあります。
特に夏場はデンマークカクタス自体が疲れていて、あまり水を吸収する力が無いので、いつもより控えめにしてあげると良いでしょう。他の季節のような感覚でたっぷり水をあげると鉢植えの場合は根腐れの原因になることもあります。
真冬の間も休眠期にあたるため、控えめにして大丈夫です。また後ほどご紹介する手入れの摘芯を行った後は、10〜2週間ほどは水を与えないようにしましょう。これは花芽のつかない新芽をおさえるためです。小さな花芽が見えるようになったら、水やりを再開しましょう。
デンマークカクタスの育て方 4.植え替え
葉摘みとセットで行おう
デンマークカクタスの植え替えは、主に4月下旬頃の気候の緩やかな時に行うのがベストです。貼るに行う葉摘みとセットで行うのがおすすめです。鉢植えから優しく株を抜き、絡まった根をくずして綺麗に整理します。
その後軽石などを敷いた一回り大きい鉢植えにデンマークカクタスを入れ、用土を周りから入れましょう。深植えにすると倒れにくくはなりますが、酸素が充分に行き渡らない原因になりますので注意してください。
毎年植え替えが必要が様子を見て、元気なデンマークカクタスを育てましょう。
デンマークカクタスの育て方 5.増やし方
挿し木(挿し芽)の増やし方
デンマークカクタスは、摘芯した芽を挿し木(挿し芽)のように土に植える増やし方で増やすことができます。
摘芯する芽は1節でも大丈夫ですが、2節だとより早く成長するのでおすすめです。用土は植え替えの時とは異なり、市販の挿し木、タネ撒き用の用土や、自分で作成する場合は赤玉土にバーミキュライトを3:1の割合で混ぜたものを使用しましょう。
10cm程度のビニールポットであれば、5芽くらいを挿し芽して育てることができます。デンマークカクタスはタネからの増やし方もありますが、発芽が難しいことが多いため、挿し木の増やし方を試してみましょう。
増やし方をマスターして、たくさんの花を咲かせよう
デンマークカクタスは剪定で形を整えることで、より美しく部屋や花壇を彩ることができる植物です。まず購入したデンマークカクタスの花を咲かせるのに成功したら、植え替えや挿し木を行い、より多くのデンマークカクタスを育ててみましょう。
部屋の中のインテリアとしてバランスをとりながら剪定管理すると、花が咲いた時にとても綺麗で見応えがあります。また挿し木で新しく育つ根や葉を観察するのもとても楽しいですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
デンマークカクタスの育て方番外編/購入時のポイント
葉が肉厚のものを選ぼう
デンマークカクタスを初めて購入する時は、どんな株を買うのが良いのか迷ってしまいますよね。
デンマークカクタスをポットで買う場合は、まず株全体のバランスが良く、左右どちらかに偏っていないものを選びましょう。また葉は色が濃く肉厚なものがより健康な証で、茎の節目の数は多い物が成長が良くおすすめです。
購入の時期はどの季節でも問題ありませんが、初心者の方であれば10月中旬〜下旬に購入すると、環境の変化が少なくすむため、まず1年目に花が咲くように育てることができます。
デンマークカクタスの手入れ方法
ここからは、デンマークカクタスのお手入れ方法をご紹介します。デンマークカクタスを育てる時に一番悩みのタネとなるのが、花が咲かないことではないでしょうか。適切なお手入れや環境作りを知っていれば、花が咲かない原因を除けるかもしれませんよ。
定期的なケアで健康なデンマークカクタスを育てましょう!
デンマークカクタスの手入れ方法 1.日常のお手入れ
剪定してあげよう
デンマークカクタスは剪定をしてあげることで、花芽がつきやすく良く育つようになります。基本的には春に、各葉の茎節を2節程度、ひねって剪定しましょう。剪定することで分枝するようになり、背丈も小さく育てられます。
また秋頃になっても茎葉が成長を続ける場合は、剪定を行いましょう。秋の剪定は、茎の先端部分の新芽を摘みましょう。その部分は赤くなっていて、柔らかい新芽になります。
秋の剪定は花芽をつけるために特に重要なので、水やりのタイミングでよく様子を見てあげるようにしましょう。剪定を終えたら、水やりは控えめにし、2週間ほど経ったあとに元通りの量のお水をあげましょう。
デンマークカクタスの手入れ方法 2.花を咲かせるために
室内の光に注意
デンマークカクタスは典型的な短日植物です。短日植物とは日中に日が短くなると花芽をつける特徴をもった植物のことで、およそ日の長さが12時間を切り、更に気温が20度以下になるのが1ヶ月ほど続くと花芽をつけるようになります。大体晩秋〜冬の始まり頃ですね。
このようにデンマークカクタスは光に敏感な植物で、部屋の明かりにも反応します。花が咲かない原因の一つに、冬の期間デンマークカクタスを室内に入れ、就寝まで明るい部屋に置いていることがあげられます。
そのような環境だとデンマークカクタスはまだ日が短くなっていないと勘違いし、花芽をつけず、結果花が咲かないという事態になるんですね。冬場室内で育て花が咲かないと悩んでいる方は、室内でも日没後はあまり使用せず、かつ風通しの良い場所に移動させてみてください。
また移動しても花芽は環境が整ってから約1ヶ月ほどたたないと花芽をつけないので、あせらずに見守ってくださいね。
蕾が落ちてしまったら
デンマークカクタスがせっかく蕾をつけたのに、突然つぼみが落ちてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デンマークカクタスは、気温や日照など環境が開花に適していないと、蕾が落ちてしまう習性があります。せっかく丁寧に管理して蕾をつけても、落ちてしまったらがっかりしてしまいますよね。
室外で育てていたデンマークカクタスを冬前に室内へ入れる場合は、外から軒下に移し、その後窓際に移し・・・といったように、徐々に室内の環境へ動かし慣れさせるようにしましょう。
また乾燥でも蕾が落ちる原因になるため、あまり一日中暖房の効いた部屋ではなく、10〜15度程度の明るい日陰の窓よりの場所に置いてあげるようにしましょう。
まとめ
デンマークカクタスの育て方まとめはいかがでしたか?
デンマークカクタスは園芸初心者の方でも育てられる植物ですが、摘芯や剪定などのお手入れや管理方法をきちんとしないと、花が少なくなってしまいます。適切な時期に摘芯などを行うことで、冬に綺麗な花を咲かせるように育てたいですね。
またデンマークカクタスは挿し木などの増やし方で簡単に株を増やす事ができます。まず一つ健康に育てることができたら、挿し木などの増やし方をどんどんためして、たくさんの花を観賞しましょう。育てるのも迷っている方も、まずは一株育ててみてくださいね。