伊豆半島の大瀬崎ってどんなトコ?
何もわからない大瀬崎とは一体どんなところなのか、これから知識を高めたくなる魅力に満ちている場所です。
駿河湾の不思議な岬
大瀬崎は、静岡県の伊豆半島の西北端に位置しています。駿河湾と富士山を望む場所で、北に向かって不思議な形をした岬が、南北に800メートルほども伸びています。岬の先端に神池があるので、まるで水をすくったスプーンかのようです。
多数の観光スポット
大瀬岬の不思議な地形、風光明媚な眺め、神社の信仰が影響して、伊豆の観光名所として昔から名高い場所となりました。いまでは観光名所や、優雅に過ごせるホテルやダイビングハウスなどを目当てにして、観光客が集まってきます。
大瀬崎のアクセス
車でのアクセス
東名高速道路の沼津インターから、あるいは新東名高速道路の長泉沼津インターから、伊豆縦貫道に入って長岡北インターへアクセスします。沼津市街地の国道414を南下してもアクセス可能です。海沿いの県道17号線を西へ向かえば大瀬崎です。沼津市街地からの所要時間は、順調なら50分程度です。
電車とバスでアクセス
JR東海道本線の沼津駅南口から、南方の大瀬崎まで、直通バスが1日2本出ています。もしこれに乗れない場合には、沼津駅前から、江梨行きのバスに乗ってアクセスすることもできます。
送迎バスの利用
大瀬崎の各ホテル、または各ダイビングハウスには、沼津駅や伊豆長岡駅からの、無料送迎バスを出している施設があります。行きと帰りの両方とも利用可能です。もしホテル宿泊やダイビングハウスの利用が目的なら、送迎バスでアクセスできるかどうかをチェックしてみてください。
沼津港から船でアクセス
大瀬崎にアクセスするなら、夏の季節だけなら船を使う方法もあります。この方法は大瀬崎の、あるリスクを回避する方法にもなるので好まれています。
沼津港から船でアクセス
夏になると沼津港から千鳥観光汽船の定期船が、大瀬崎の大瀬千鳥丸海の家へと向かいます。ちどり丸などに乗船して、大瀬崎までのアクセスの時間は30分です。駿河湾の絶景の海上散歩を体感してください。
入場できないリスクを避けられる
夏の大瀬崎は、ダイバーや海水浴客などでごった返します。県道17号は渋滞を起こし、駐車場に入れず1~2時間も渋滞を起こして、時間を無駄にすることがあります。車の混雑を避けるという上でも、夏は沼津港からちどり丸で大瀬崎に向かったほうが得策なのです。
定期船の情報(2018年)
航路 沼津港~大瀬千鳥丸海の家
料金(片道) 大人1,250円、小人630円
海の家セットコース(往復) 大人3,000円、小人1,500円
大瀬崎の歴史
飛鳥時代の大地震で隆起
大瀬崎の突如とした誕生は、飛鳥時代のことです。684年(白鳳13年)、白鳳地震の大規模な地殻変動によって、海底から地面が隆起したといわれてます。その形から琵琶島と呼ばれるようになり、その後伊豆半島とは陸繋島となり、いまの形に落ち着きました。
古代から中世
隆起した直後より、丘の上に引手力命神社(ひきてちからのみことじんじゃ)が祀られ始めました。平安時代末には源頼朝や北条政子らが、神社に太刀や弓矢を奉納した記録があります。鎌倉時代には武将の鈴木繁伴がこの地に留まり、後に一族は江梨鈴木氏として一帯を支配しました。
観光地として
戦後の1950年台から海水浴客が現れ始めると、1970年台には、アクセスしやすい道路網が完成したことにより、大瀬崎の海岸は一気に観光地と化しました。ダイビングスポットとして知名度が向上し、多数のダイビングハウスが並び建つようになったのは、1980年台からです。
大瀬崎の観光名所①
大瀬神社
大瀬崎の隆起と同時に誕生した大瀬神社は、本来の名を引手力命神社と言います。神池を中心とした大瀬崎の北半分は、今でも大瀬神社の境内です。大瀬崎を訪れれば存在感の大きな名所であり、境内には幾つもの見所を備えています。
大瀬神社の由緒
白鳳地震で琵琶島(大瀬岬)が隆起したのと同じころ、土佐では地面の水没が相次いでいました。このことから、神が土佐から土地を引いてきたのが琵琶島だと考えられ、引手力命を祭神として祀ったのが始まりです。この神は天の岩戸神話の、手力雄命と同一神と考えられています。
海上安全の神
明治時代に古来からの社殿は焼失しますが、1939年(昭和14年)に同じ場所に社殿が再建されました。海から浮き上がった島であることが影響してか、引手力命は海上安全の神とされ、漁業関係者が参拝するときは、赤い褌を奉納するのが習わしです。
神社の彫刻
社殿の各所には、沼津の彫師梶山桂仙が1939年に完成させた立派な彫刻が見られます。正面の虹梁には天狗や牛若丸鳳凰の姿があり、欄干には獅子、海老虹梁には龍といった伝説的な生物の活き活きとした姿は、じっと魅入ってしまうほどの価値があります。
大瀬崎の観光名所②
大瀬崎の神池
大瀬神社の社殿から北へ100メートル歩いたところに、神池があります。伊豆七不思議のひとつに数えられる神池は直径100メートルほど。岬の真ん中で不思議な魅力を湛え、近くには国の天然記念物、ビャクシン樹林を従えています。
神池の不思議
大瀬崎は海底から隆起した地形で、神池は標高1メートルしかないので、海水が溜まっていると思われがちです。しかし神池の水は完全な真水で、コイやフナが泳いでいます。これが伊豆七不思議に含まれる理由です。神域なので調査されたことがなく、真相は神のみぞ知るところです。
大瀬崎の観光名所③
ビャクシン樹林
国の天然記念物のビャクシン樹林は、大瀬崎の見逃せない見所です。ビャクシンはヒノキ科の針葉樹で、とても長生きでたいへんな巨樹になる種類です。大瀬神社の南から北の神池の周囲にかけて、130本あまりのビャクシンの木が生えています。
御神木
特に神池の近くに生えているビャクシンの木は、御神木と呼ばれて立派な姿を見せてくれます。夫婦ビャクシンともいい、幹周りは7メートル、推定樹齢は1,500年もあるとされています。古来より引手力命の分霊がこの木に宿り、漁船を見守っていると考えられています。
大瀬崎の観光名所④
大瀬海水浴場
1950年台より、静岡の人々にとって海水浴場の穴場だった大瀬海水浴場は、今では食事もできるホテルやダイビングハウスが立ち並ぶ観光地です。特に夏場になると、海水浴客やダイバーが集まっています。
砂浜の特徴
大瀬海水浴場の砂浜は、南北に360mほど伸びています。南側には真城山の山林、西と北側にはビャクシン樹林、東側は駿河湾の海域と、自然の風景に囲まれて、都会とは無縁な景色が広がります。バナナボートなどのアクティビティを提供するお店もあります。海開きは、毎年7月1日です。
大瀬崎の観光名所⑤
伊豆大瀬崎灯台
大瀬崎の北の端っこに、駿河湾の夜間の海域を照らし出す、伊豆大瀬崎灯台が立っています。この灯台のあたりは、北の正面に愛鷹山と富士山が綺麗に見られる景勝地であり、日本の灯台50選にも選定されています。神池周囲の散策と合わせて訪れたいスポットです。
伊豆大瀬崎灯台とは
1957年(昭和32年)に完成した、高さ13メートルの灯台です。光度は8,500カンデラで、光達距離は駿河湾の西の対岸の清水港まで届く12海里もあります。全体が白く細長い形状で、背後の海と東海地方の山並みを背景にした撮影スポットです。
大瀬崎の観光名所⑥
富士山ビュースポット
大瀬崎に向かう途中の、海沿いの県道17号には、富士山を綺麗に見られるビュースポットがあります。大瀬崎のすぐ手前のあたりで、駐車場は6台停めることができる程度の狭い場所です。晴れた日には景色が良いとして、旅行者はこぞってここに立ち寄って記念撮影をしています。
富士山ビュースポットの風景
真正面に駿河湾と大瀬崎を配し、その向こうで晴れた日には、綺麗に愛鷹山と富士山が眺められます。東の端は沼津市街地、西の端は静岡市方面まで見通すことができます。
大瀬崎のイベント
大瀬まつり
この地域で最大のイベントは、大瀬祭りを置いて他にありません。毎年4月4日、内浦漁港祭と合わせて盛大に行われる、大瀬神社の例大祭です。地元では「天下の奇祭」を自称して村の誇りとしています。面白い伝統や美味しい食事を目当てに、祭りに合わせて大瀬崎を訪れてみませんか。
大瀬まつりの勇み踊り
各地から集まった漁民が、大漁旗を立てた漁船の上で「勇み踊り」を披露します。この時には何故かゴツい男が女装で白塗りの厚化粧しているので、観客の笑顔が絶えません。お囃子が演奏される中、岸に近づいた船から俵が投げ込まれて、それを拾った青年が神社を参拝し、大漁と海の安全を祈願します。
祭りの見所
大瀬海水浴場から大瀬神社境内にかけてが、メイン会場となります。阿波おどりや太鼓演奏が披露され、屋台では美味しい各種の食事が販売されます。自宅での食事に取り入れたい、鮮魚や伊豆半島の特産品も見逃せません。
大瀬崎のダイビングスポット①
湾内エリア
大瀬海水浴場に面している大瀬の湾内は、大瀬岬でのダイビングの拠点となるところです。砂浜に近い海域は、初心者も熟練者も最初に訪れるダイビングエリアです。
湾内エリアの見所
エキジット(水から上がる)がしやすく、地形を活かして強風にも強く、魚の種類も多いのでダイバーに好まれています。大瀬岬周辺海域では、唯一ナイトダイビングもできるのが湾内エリアです。
大瀬崎のダイビングスポット②
岬先端エリア
大瀬岬の北側に広がっているエリアで、正面に富士山を見ながらのダイビングができます。このエリアは、土日祝日だけしか潜ることができない、大瀬岬の穴場エリアです。大瀬神社の境内を通っていくので、拝観料100円を支払ってから岬先端エリアに向かいます。
岬先端エリアの特徴
海底は大瀬岬の海域では最も急斜面です。浅瀬から奥に向って砂地が広がり、底へ向かうに釣れて岩場となります。魚の群れに遭遇できやすい場所で、マンボウやマンタやハンマーヘッドシャークなど、大魚に遭遇できるのも頻繁です。
大瀬崎のダイビングスポット③
外海エリア
大瀬崎の西側一帯が、外海エリアと呼ばれています。湾内や岬先端のエリアに比べて海域が広くて海流も速いですが、どこよりも変化に富んだ海底の風景があります。中級者以上のポイントを中心としますが、初心者が安全に入れるポイントもあります。
外海エリアの特徴
マンボウに遭遇できる柵下、大きなウミウチワが見られる一本松、ダイナミックな海底地形が見られるホトケや白崖など、いくつもの見所を見て回れます。ダイバーが求めている海の風景の全ては、ここに集まっているようです。
大瀬崎のお食事処
マリンスポットパートナー
ガイド付きダイビングを提供している、大瀬海水浴場に面したホテルですが、ここは和食を中心としたお食事処として利用ができます。おすすめなのがソースカツ丼や塩豚丼、生姜焼き丼などの各種丼ぶりメニュー。日帰り客は、昼食のみ利用可能です。
オーシャンビューふじみ
ふじみは大瀬崎海水浴場の正面に立地する、真新しい洋風のホテルです。大瀬崎のダイバー御用達の宿ですが、宿泊しなくても食事ができます。みかん味の珍しいおしるこ「みかんじるこ」は沼津市も認定した大瀬崎の名物料理。恋の病を治す効果があるそうなので、恋の病な方はお食事時にぜひ。
峠の茶屋 アザセボラ
大瀬崎から県道17号線の山道を、少し南へ向った峠に、アザセボラという一軒のお食事処があります。野菜とイノシシのトマトソースパスタや、イノシシカレー、シカカレーなんていう珍しいお食事ができます。みかんのおしるこや、みかんケーキもいただけます。
大瀬崎の近くの日帰り温泉
伊豆半島の大瀬岬にアクセスしたときには、日帰り温泉も立ち寄ってみませんか。おすすめな大瀬岬の近隣の日帰り温泉ご紹介します。
松濤館
松濤館(しょうとうかん)は伊豆半島の付け根の内浦湾にあり、人気スポットの伊豆三津シーパラダイスに隣接しています。温泉は駿河湾の絶景を目にできる、屋上の檜露天風呂、岩露天風呂、岩盤浴などがあります。温泉の後は、館内で和風創作料理のお食事もできます。
ホテルサンバレー伊豆長岡
温泉場として有名な伊豆の国市の長岡温泉で、日帰り温泉といえばホテルサンバレー伊豆長岡です。奈良の法隆寺をモチーフにした、総ひのき大温泉の満天の湯・夢殿や、岩の露天風呂、スチームサウナ、個室風呂など充実の温泉があります。朝も夜も味わえる、バイキングでのお食事も人気です。
道の駅くるら戸田
大瀬崎から峠を超えた南方の、戸田(へだ)地区にある日帰り温泉です。道の駅くるら戸田という商業施設に併設されています。戸田温泉のナトリウムカルシウム硫酸塩泉の源泉を使用し、健康や美容の効果が高いとされています。トロボッチフライ丼など、名物の食事も楽しめるところです。
大瀬崎に行こう
飛鳥時代に海底から突如隆起したという大瀬岬は、神池やビャクシンなど不思議な自然、神社の歴史、海水浴にダイビングと、色んな魅力が詰まっていました。沼津港から普段は経験できない船旅をしつつ、大瀬岬でバカンスを過ごしてみませんか。
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