オキナワスズメウリってどんな植物?
オキナワスズメウリは、ウリ科に属する一年草の植物です。沖縄という名前のとおり、日本では沖縄や琉球諸島に自生し、暑さにとても強いです。またツル性なので、夏の暑さを和らげるグリーンカーテンとして人気があります。
とても強い植物で、肥料もほとんど必要なく真夏の暑さのなかでもぐんぐんと育つので、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
オキナワスズメウリの花の特徴
オキナワスズメウリの花の開花時期は、6~8月ごろです。オキナワスズメウリの花は1センチ前後と小さく目立たないものですが、よく見るとウリ科そのものの黄色くて可愛らしい姿をしています。
オキナワスズメウリの花は、おばなとめばながありますが雌雄同株で一つの株におばなとめばな両方がつきます。オキナワスズメウリの花の形は、花冠が5つに裂けたような形です。
オキナワスズメウリの葉の特徴
オキナワスズメウリの葉っぱの色は、明るいグリーン色です。オキナワスズメウリの葉っぱは、幅と長さともに10センチ前後の大きさです。
オキナワスズメウリの葉っぱはパーの手のような雰囲気で、5もしくは7つに裂けたような形をしています。葉っぱの先はとがっていて、葉っぱのふちは細かいぎざぎざがあります。葉っぱの表面はややざらついています。
オキナワスズメウリの実の特徴
オキナワスズメウリは、花を咲かせたあとたくさんの実をつけます。とても小さな実で、濃いグリーンから褐色の縞模様がついています。たとえるなら、まるで、小さいスイカみたいな実です。
オキナワスズメウリの実は、はじめは明るいグリーン色で、時間の経過とともに、黄色や赤色に変化します。可愛らしい実姿から、「琉球おもちゃうり」という別名もあります。
オキナワスズメウリには毒性がある
大変かわいらしい実が魅力的なオキナワスズメウリですが、実には毒性がありますので、食べるのは禁物、絶対に口にしないでください。オキナワスズメウリはその毒性から、中国では「毒瓜」と呼ばれています。
オキナワスズメウリの毒性は、含まれているククルビタシンによるもので、食べると下痢や嘔吐、腹痛といった食中毒症状に襲われます。とくに、可愛らしい外見から、小さな子供が手にして食べることのないように気をつけてあげましょう。
オキナワスズメウリの基本データ
科名属名
ウリ科オキナワスズメウリ属
学名
Diplocyclos palmatus、Bryonopsis laciniosa
和名
オキナワスズメウリ
別名
琉球雀瓜(りゅうきゅうすずめうり)、琉球オモチャウリ(りゅうきゅうおもちゃうり)
英名
Striped cucumber
原産国
日本の沖縄や琉球列島、台湾、インド、オーストラリアなどの熱帯地域
オキナワスズメウリの花名の由来
和名「オキナワスズメウリ」の由来
オキナワスズメウリという花名は、沖縄に自生するスズメウリのような植物という意味です。スズメウリはオキナワスズメウリととても良く似ていますが、沖縄地方だけでなく日本の本州全体に自生します。ちなみに、スズメウリよりやや大きい植物にカラスウリがあります。
英名「Striped cucumber」の由来
英語で「stripe」は「線」を意味し、「cucumber」は「きゅうり」を意味します。オキナワスズメウリが、ストライプ模様をしたきゅうりのような実をつけることから、この英名がつけられました。
オキナワスズメウリの花言葉
オキナワスズメウリの花言葉は、「いたずら好き」です。オキナワスズメウリはポップな印象の実をたくさんつけます。また、オキナワスズメウリの実は、はじめグリーン色で、次第に茶色や鮮やかな赤色へと変化します。そうしたオキナワスズメウリの果実の様子から、「いたずら好き」というユニークな花言葉がつけられたようです。
オキナワスズメウリの育て方1・土づくり
オキナワスズメウリは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライトを少し混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土や野菜用培養土を利用しても便利です。市販の培養土には肥料成分がはじめから混ぜられているものが多く、この場合は植え付けの際の元肥は必要ありません。
オキナワスズメウリの育て方2・肥料
オキナワスズメウリは、とても強い植物で、ほとんど肥料を与える必要はありません。オキナワスズメウリを植え付けるはじめに、元肥として固形肥料などを少し施しておくとよいでしょう。ただし、肥料がなくてもある程度育ちますし、オキナワスズメウリは食べるのが目的ではないのでそれほど神経質になる必要はありません。
オキナワスズメウリを鉢植えにしている場合のみ、春から夏にかけて少量の穏効性固形肥料をほどこすとよいでしょう。オキナワスズメウリを地植えにしている場合は、肥料はほとんど必要ありません。
オキナワスズメウリの育て方3・水やり
オキナワスズメウリは、沖縄や琉球諸島では自生している植物で、現地では雑草のような扱いです。オキナワスズメウリの水やりは、それほど神経質になる必要はなく、地植えの場合はほとんど必要ありません。鉢植えにしている場合のみ、オキナワスズメウリを植えている土の表面が乾いたら水をあげましょう。
オキナワスズメウリの育て方4・場所
名前に沖縄とつくことから推測されるように、オキナワスズメウリは、日当たりのよい環境を好みます。オキナワスズメウリは夏のギラギラとした太陽の日差しをパワーに変えて、ぐんぐんと育つ植物です。
ほかの植物が少し元気をなくすような暑さもへっちゃらです。ただし、オキナワスズメウリはじめじめとした環境は少し苦手です。オキナワスズメウリは、日当たりがよく風通しのよいところで管理しましょう。
オキナワスズメウリの育て方5・植え付け
オキナワスズメウリは、暑さには強いのですが、逆に寒さには弱い植物です。オキナワスズメウリの植え付けは、しっかり外気温が高くなるゴールデンウィーク以降に植え付けるとよいでしょう。とくに春でも遅霜の心配があるうちは植え付けしないようにします。
成長をイメージして植え付ける
オキナワスズメウリは、生育旺盛な植物でぐんぐんとツルを伸ばして成長するので、植え付けの際は、のちの成長をイメージして植えるようにしましょう。とくに鉢植えにする場合は、少し大きめの鉢に植えることをおすすめします。
オキナワスズメウリを種まきから育てた苗もしくは市販の苗を、育苗ポットなどからぽこんと抜き取り、好きな場所や鉢に植え替えます。植え替えた苗がしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
オキナワスズメウリの育て方6・植え替え
オキナワスズメウリは一年草なので、植え替えは通常おこないません。種まきから苗を育てる場合のみ、苗を植え替えます。
オキナワスズメウリの育て方7・誘引
オキナワスズメウリのツルは、およそ10メートルくらいまで伸びます。オキナワスズメウリのツルは、単体では直立せず、ふにゃふにゃとしていますので、ネットやフェンスなどに誘引することが必要です。
夏にかけて、オキナワスズメウリのツルが伸びてきたら、ネットやフェンスを仕立てて、ツルを麻ひもで軽くゆわえながら誘引してあげましょう。窓際などに誘引すると、グリーンカーテンとなり夏の厚さを和らげてくれます。
オキナワスズメウリの育て方8・病害虫
オキナワスズメウリには、ほとんど病害虫の心配はありません。
オキナワスズメウリの増やし方・種まき
オキナワスズメウリの増やし方としては、種まきが一般的です。オキナワスズメウリは比較的発芽しやすく、種まきによる増やし方はわりと簡単です。オキナワスズメウリの種は市販されているものを購入する以外に、育てているものから採取することができます。
種の採取
オキナワスズメウリは、実に毒性があるので、種を採取する際は必ず手袋を着用しましょう。オキナワスズメウリの実は、はじめのグリーン色から熟するにしたがって赤色へと変化していきます。赤色になった実をそのまま置いておくと、だんだんと乾いてきてスカスカしてきます。
しっかり乾燥した実を手で押すと、バリバリとした音とともに割れ、なかから種が出てきます。種は綿毛のようなものにくるまれていて、ひとつの実にたくさん入っています。ひとつひとつの種の周りにある綿毛のようなものをピンセットを用いて取り除きます。
種の保存
綿毛のようなものを取り除いて種が出てきたら、水できれいに洗い、日陰で乾燥させます。しっかり乾燥させたら、保存容器やジップロックなどに種をいれ、種まきのときまで冷暗所で保存します。
種の保存は加湿や高温、光を避けるのが一般的。保存場所としておすすめなのが冷蔵庫です。また、保存の際には乾燥剤をいれておくとよいでしょう。うまく保存できれば、オキナワスズメウリの種は数年もちます。
種まき
オキナワスズメウリは、沖縄や琉球諸島などの暑い地方原産の植物で発芽適温は20度以上と高いもの。このことを理解しておくことがオキナワスズメウリの種まきによる増やし方を成功に導くポイントです。オキナワスズメウリの種まきによる増やし方に適した時期は、4~6月ごろです。
育苗ポットで苗を育てると直播きより安定する
オキナワスズメウリの種まきは、育てたいところに直播きするか、育苗ポットなどで苗を育ててから植え替えます。育苗ポットなどで苗を育ててから植え替えたほうが安定します。自家採取して保存していた種もしくは購入した種を取りだします。種まき用の土を入れた育苗ポットなどに種まきします。
種まきしたものが発芽するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。種まきしたものから発芽して本葉が数枚出てきたら種まきによる増やし方成功、種まき苗の完成です。好きなところに植え替えてあげましょう。
オキナワスズメウリの利用方法
オキナワスズメウリは、夏の暑いあいだグリーンカーテンとして利用することができます。そして秋口に実がたくさんついたら、リースを作って楽しむことができます。ハロウィンやクリスマスシーズンに向けて、可愛らしいリースを作ってみましょう。
作り方は簡単。オキナワスズメウリをツルごと収穫して、くるくると丸い形に巻き、ひもやリボンで縛って形を整えるだけです。ただし、オキナワスズメウリには毒性があるので、リースを作るときは手袋をするのがベストです。また、小さな子供が間違えて食べることのないよう注意しましょう。
オキナワスズメウリは食べるのではなく観賞用に
オキナワスズメウリは、沖縄に自生する植物で、とても可愛い実をつけます。沖縄に自生するだけあって暑い夏が大得意で、グリーンカーテンとして重宝します。ただし、オキナワスズメウリは可愛らしい実とは裏腹に、毒性を持っています。
オキナワスズメウリの栽培は、食べるのではなく、グリーンカーテンなどの観賞を目的にしましょう。はじめグリーンのオキナワスズメウリの実は、熟れると赤く染まりますので、ツルごと収穫してクリスマスリースにするととても素敵ですよ。