和泉葛城山はどんな山?
和泉葛城山は大阪府と和歌山県の境に横たわる和泉山脈の山です。自然豊かな山で国の天然記念物に指定されている貴重なブナ林が残っています。野鳥や小動物も多く、美しい渓流には目を奪われるでしょう。紅葉のころにはブナ林が鮮やかに色づきます。見所の多い山ですのでぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
和泉葛城山の見所
天然記念物のブナ林
和泉葛城山のブナ林は国の天然記念物に指定されています。ブナの原生林の中でも南に位置していて、標高も普通より低いところに生育していることが大変貴重なためです。秋には鮮やかな紅葉を楽しめます。ハイキングコースが整備されており間近でブナ林を観察できます。実はこのブナ林は年々衰退しているそうです。訪れる方はもう一度美しい景色が見られるように環境の保護に気をつけていただけるようお願いいたします。
豊かな自然と動植物
和泉葛城山はブナ林を中心に豊かな自然が広がっています。豊かな森林にはさまざまな動植物が生息します。和泉葛城山とその麓は生き物の種類が多様で重要な地域として指定されています。二ホンリスやアナグマ、ノウサギ。野鳥も多く生息しており、ホトドキス、ヤマガラ、オオマシコなどここでは挙げきれないほどです。マムシなど危険な生物も生息していますので気をつけてください。
マムシの注意点
マムシに出会ってしまっても離れて通り過ぎれば大丈夫です。慌てて騒いだりこちらから手を出したりしないようにしましょう。もしかまれた場合は水で洗い、走らずにできるだけ安静にして下山してください。その後医師の診察を受けましょう。ポイズンリムーバーを用意しておくと少し安心です。口で吸いだす場合は口の中に傷がある場合は避けてください。休憩時にどこかに腰掛ける時は座るところに何かいないか一度確認をすると安全度が高まります。
日本最古の修験道の霊場
登山口の近くに七宝瀧寺と大威徳寺という古くからある霊場があります。美しい渓流や滝が流れ、秋には鮮やかな紅葉に包まれ浮世離れした風景です。大昔に役小角が開山したこの2つのお寺には、現在でも修験者の方が修業しておられます。七宝瀧寺はこの修業の場の中心だそうです。大威徳寺には国の重要文化財である多宝塔があります。運がよければ実際に修業をされている姿を目にできるかもしれませんね。
登山のベストシーズン
やはり秋、それも紅葉が始まりブナの木がしっかりと色づいた頃が一番楽しめるでしょう。山頂のブナ林はもちろんですが、登山道中でも紅葉が見られ、ふもとにある大威徳寺や七宝瀧寺も紅葉がきれいな場所です。特にカエデの赤色が美しく境内の景観と相まって素晴らしい光景です。紅葉以外にも山頂にはススキが生育しており風になびく穂に心が癒されるでしょう。
和泉葛城山へのアクセス.1 山頂駐車場
和泉葛城山は山頂に駐車場があり、車で山頂にアクセスできます。ですので、ハイキングを楽しみたい方や手軽に自然を満喫したい方は山頂まで車できてしまいましょう。近くを歩くだけとはいえ足場の悪いところもあります。動きやすい靴で来られるようにしてください。登山とは関係ありませんが、和泉葛城山は天体観測に適しているといわれています。その場合も山頂まで車で来られるのがおすすめです。
おすすめ登山ルート
山頂付近のハイキングがおすすめです。天然記念物のブナ林がすぐそこにありますので是非見ていただきたいです。ブナ林ボードウォークという道が整備されていて山頂からブナ林を通ってグルっと回ってくることができます。他にも展望台や龍王神社、葛城神社という2つの神社があります。展望台では遮るもののない360°の展望が望めます。天気がよければ関西空港や淡路島、南側には紀ノ川や高野山など遠くまで見渡せます。
和泉葛城山へのアクセス.2 ハイランドパーク粉河
山頂から徒歩で約1時間のところにハイランドパーク粉河というアウトドア施設があります。この場所も見晴らしがよく、施設内に展望台もあります。また、こちらの駐車場から山頂の方へ稜線上を歩くのは気持ちがいいです。南側の和歌山の景色がよく見渡せます。ハイキングの後にはこちらの食堂で食事をとるのもいいでしょう。キャンプやバーベキューもできますのでハイキングと一緒に楽しんでみるのはいかがでしょうか。
おすすめ登山ルート
和泉葛城山山頂を目指すルートがおすすめです。せっかくここまで来たのでブナ林を見て帰りましょう。往復で徒歩約2時間の距離です。山頂までは舗装された一本道で歩きやすいです。迷いませんが車や自転車が通りますので気を付けてください。この辺りはサイクリストの方たちがよくいらっしゃるそうです。南側は眼下に紀ノ川、向こうに和歌山の山々を見渡せます。
和泉葛城山へのアクセス.3 牛滝山
牛滝山へは車とバスでアクセスできます。車は有料ですが「牛滝温泉 いよやかの郷」という温泉施設に停められます。バスは岸和田駅と久米田駅から出ています。一日に5,6便ですので時刻表はよく確認してください。牛滝山の登山口の入り口になっているのが大威徳寺です。門の向こうに覗く景観からして美しく、境内には渓流が流れ、滝が連なっております。登る時に境内が通れますのでぜひご覧になってください。
おすすめ登山ルート
温泉のある牛滝山に戻るか、同じく温泉のある蕎原に降りるのがおすすめです。どちらも4時間ほどのルートになります。さらにおすすめなのが犬鳴山の登山口に抜けるルートです。6時間ほどのルートになりますが犬鳴山には七宝瀧寺がありますので見所満載のルートです。紅葉の時期でも最も楽しめるルートです。また、犬鳴山はバスの便が多いので時間の調整もしやすいです。
和泉葛城山へのアクセス.4 塔原
塔原の登山口へはバスでアクセスできます。岸和田駅から出ていますが、こちらも1日に5,6便しかありませんので時間には気を付けてください。塔原の登山口からの登山道は昔に参詣道として使われていた道で歩きやすいです。 道中にはその名残を感じられ石灯篭が残っています。
おすすめ登山ルート
温泉のある牛滝山か蕎原に降りるのがよいと思います。ただし、2018年7月現在、山頂から蕎原への登山道は通行止めです。塔原に戻る途中に蕎原に分岐する登山道がありますのでそちらを利用してください。分岐の道は滑りやすい急坂ですので注意してください。バスの便が多い犬鳴山に降りるのもおすすめです。歩行距離が長くなりますので気をつけてください。
和泉葛城山へのアクセス.5 蕎原
蕎原も車とバスでアクセスできます。「かいづか温泉リゾート ほの字の里」という温泉施設があり駐車場が無料です。バスは水間観音駅から出ています。ほの字の里は温泉があるだけでなくバーベキューや宿泊施設があります。陶芸やそば打ちなど体験活動もできますので、ほの字の里で遊んでいくのもいいかもしれません。
おすすめ登山ルート
蕎原から山頂への登山道は2018年7月現在、道路陥没のため通行止めです。塔原からの登山道に合流する道がありますのでそちらを利用してください。http://www.city.kaizuka.lg.jp/kakuka/toshiseibi/norin/topics/201802rindouhonntanisentuukoudome.html滑りやすい急坂ですので注意してください。やはり牛滝山か犬鳴山に向かうルートがおすすめです。犬鳴山に向かう場合は少し時間が掛かりますので体力とスケジュールに気を付けてください。
和泉葛城山へのアクセス.6 犬鳴山
犬鳴山には有料の駐車場が数ヵ所あります。駐車場の料金は\500です。バスは泉佐野駅、日野根駅、熊取駅から出ています。犬鳴山は観光地となっているのでバスの便も多いです。スケジュールを立てるのに助かります。また温泉地でもあり、日帰り入浴できる温泉もあります。場所が少し離れているため歩く時間が長めになりますが、帰りは可能ならば犬鳴山に来るようにするのがおすすめです。
おすすめ登山ルート
既に紹介しましたが牛滝山の登山口から犬鳴山に抜けるルートがおすすめです。6時間ほどのルートです。少し長いですが大威徳寺に始まり山頂のブナ林、龍王神社に葛城神社、展望台の眺め、最後は七宝瀧寺と和泉葛城山の魅力が詰まったルートになります。特に紅葉の時期ならば最高の山行になるでしょう。
和泉葛城山へのアクセス.7 四郷
こちらは和歌山県側からのアクセスになります。四郷へは笠田駅からコミュニティバスが出ていますが一日に3便になります。駐車場は「道の駅くしがきの里」がありますが少し遠いです。車でアクセスする場合、地図などを見てよく検討されたほうがいいです。バス停よりもう少し奥になりますが、四郷は正月飾りの串柿の生産で有名な場所で11月頃には串柿を干す美しい風景を見ることもできます。
おすすめ登山ルート
四郷のバス停から歩くと往復で7時間ほど。もっと近くに車を停められるかもしれません。バス停から下津川沿いを歩き、和泉葛城山の東側にある鍋谷峠の辺りから本格的に登り始めます。大石ヶ峰を経て山頂に到着sるのですが、登山道が大変山深く通る人が少ないので踏み跡も見つけづらいです。木にまかれたテープや踏み跡、地図を駆使して慎重に進んでください。
和泉葛城山へのアクセス.8 加茂神社
こちらも和歌山県側からのアクセスです。バスはありませんので車でのアクセスになります。しかし、神社の駐車場は小さく停められることを期待すべきではないかもしれません。車の停める場所は検討する必要があります。加茂神社には和歌山県の天然記念物に指定されている大きなイチョウの木があり、紅葉の時期には境内を黄色に染め上げます。
おすすめ登山ルート
西谷川沿いを和泉葛城山の方へ進み、三ツ股という所から尾根を登っていくルートです。この登山道もあまり整備されていません。踏み跡、テープをよく見て迷わないように気を付けてください。下るときは同じ道を戻ってもいいのですが、三ツ塚の方に降りて宗道林道を通っても賀茂神社のあたりまで戻れます。
まとめ
紅葉の和泉葛城山にハイキングや登山に行く準備はできたでしょうか。アクセスにはタクシーという手もあります。割高ですが時間を自由に使えます。数人で乗ることで少し費用を抑えられますのでうまく活用してください。大阪の市街地から車で約1時間半、こんなに行きやすくて豊かな自然が見られる山は珍しいです。ぜひ美しいブナ林を目に焼きつけに行きましょう。