スイカの栽培を始めてみよう
家庭菜園で人気な栽培物のひとつにスイカがあります。春から夏にかけて栽培されるスイカは、上手く育てるとスーパーなどで販売されているものよりも数段甘く育つので、機会があれば種、もしくは苗を購入し栽培してみてはいかがでしょうか。
スイカの栽培は難しい?
一般的に高級なイメージがあるメロンとスイカは栽培がとても難しいというイメージがありますが、この仲間の基本から学び、スイカの特性を理解すればそうそう難しいものではありません。というのも、現在のような科学や技術力がないような古い時代から人々に栽培されてきた作物なので、条件を整えてやれば失敗する確率は限りなく減っていきます。
スイカの育て方①スイカはウリ科の植物
スイカはメロンやカボチャの親戚です、野生にはメロンとスイカの中間の様な植物なども存在するようで意外とどれも近い存在であると言えます。そのため、詳細は後述しますが根の強いカボチャとスイカを合体させて栽培する事も可能です。これらに共通する点は非常に多いので、ウリ科果菜の基本をまず知ることにより栽培の難易度はグッと下がるでしょう。種まきの時期、土作り、苗植えの時期などはどれもほぼ一緒です。
ウリ科の種まき方法
ウリ科の植物はごく一部を除いて嫌光性種子です。嫌光性とは、光が当たっていると発芽が抑制される種子のことで、カボチャもメロンもスイカもこれに該当します。ただし、深く蒔きすぎると発芽出来ないので一般的に種を土に埋める感覚で大丈夫です。細かく説明するとすれば1.5センチほどの深さに埋めると良いでしょう。乾燥との戦いになる好光性種子よりは管理が楽なので初心者向きです。
ウリ科の土作り
ウリ科の植物は中性からアルカリ性が良いとされます。ただし、強い酸性でなければ生育にはほとんど問題無いため、石灰を施すとしても少量で大丈夫です。酸性を好む植物は、アルカリ性土壌だとカルシウムが吸収出来なくなるため葉緑素が作れず枯れてしまいますが、ウリ科の植物は弱酸性~アルカリ性まで大丈夫なので栽培しやすいと思います。家庭菜園であれば土は購入する場合が多いでしょうから、それほど気を使う必要はありません。
ウリ科の苗植え
ウリ科の植物はほとんどがツル性で、子ヅル、孫ヅルに雌花をつけることが多いのが特徴です。そのため、親ヅルの本葉が5~6枚程度になったら摘芯して子ヅルを出させることが基本になります。苗には本葉3枚までの小苗期、子ヅルが出始める中苗期、葉が急に巨大化し手のひらサイズを超えてくる成長期があるので、中苗期に植え替えるとその後の成長が良いと思います。植木鉢やプランターで栽培する場合も、2~3号程度の小さいポットで中苗期まで育ててから大きい鉢に苗植えをすると、根の病気や乾燥に負けずに生育します。
スイカの育て方②スイカを知ろう
ウリ科の基本を説明致しました、おそらく勘の良い方はその知識だけでも栽培に成功するでしょう。ですが、収穫までたどり着いてもサイズや糖度が満足いくものではないかも知れません。より良いものを作るために今度はスイカについて詳しく見ていきましょう。スイカ属の植物にはコロシントウリなどの薬用のものや、種子を食用にするものまで存在しますが、今回は甘味があり水分が豊富ないわゆる“スイカ”について説明していきます。
スイカとは
シトラルス・ラナタスという学名で知られ、アフリカが原産地です。葉に深い切れ込みがあることがシトラルス属の特徴で、果肉部分が食用になるメロンと異なり、胎座部分が食用にされます。つまりメロンでいうワタの部分が大きく甘くなるのですが、野生種では栽培種のように中身が詰まっていない場合もあり、所々隙間が見られるようです。アフリカでは家ごとに伝統の品種があり、農家ごとに異なる品種を栽培しているようです。
スイカの特徴
葉の形や果実の利用部位以外にもスイカには様々な特徴があります。例えばアフリカのボツワナが主な原産地であるため乾燥や日照りに非常に強く、中苗期まで水を与えることが出来れば定植後の水やりが全く必要ありません。しかしながら日本の病気に対する耐性がほとんどないため、ツル割れ病やツル枯れ病に弱く、また果実の肥大期に雨が降ると果実が水分を吸いすぎて爆発する事がよくしられています。花粉が水に弱いのも特徴です。
野生のスイカ
研究者でもある私は野生のメロンの種子を入手し、栽培試験の真っ最中ですが、日本では藤井信一郎という鳥取県の研究者が収集した野生のスイカ種子が一部保管されているので、個人でも会社でも研究者であれば入手可能です。メロンと比べスイカには画像や特性が明らかにされていない種もまだまだ沢山あるので、いずれは画期的な品種が生まれるかも知れませんね。日本での栽培は裂果と病気がネックなので、それらの解消を目標にしていただきたいと思います。
スイカの育て方③スイカの苗作り
本稿では家庭菜園向けの栽培方法を記載していきますが、やはり自ら種を取り翌年もまた同じように栽培するのが家庭菜園の醍醐味の一つかと思います。自分の地域で良く出来たもの、病気にかかりにくいものを選抜して種を取り栽培していくのも、古代より人間が行ってきた品種改良の一つの方法でもあります。スイカは特に苗8作と呼ばれるほどに苗作りが大切なので、まず苗についての記載をしていきます。
種まき
スイカの種まきについてですが、まず種まきの時期が大切です。家庭菜園ですと農家の様に早めに種をまき、苗を作ったとしてもその後の栽培で枯らしてしまうリスクが高いので、気温が上がる5月上旬~6月中旬までの期間に種まきをするのがオススメです。種まきの土にはピートモスやココピートが使われていないものがオススメです。家庭菜園であればイチゴ栽培用の専用培養土とゴールデン粒状培養土を混合したものを利用すれば、種まき~苗作りまで植え替えの必要がありません。
種まきの際の深さは1センチほどの深さで大丈夫です。種まきしてからおよそ4~7日で発芽すると思います。種まき後の水やりですが、乾燥しすぎると発芽しないので種まき直後に1回、その後は2~3日に1回水やりをすれば充分発芽してきます。種まき後しばらく経って発芽しない場合は覆土が足りなかったか、水やりや温度が足りなかったと考えるのが妥当ですが、実は発芽済みでダンゴムシやナメクジに食べられてしまったという可能性も高いです。
発芽後の育て方
発芽後数日で本葉が現れると思いますが、本葉が2枚程度になったところで1ど肥料をやります。このときの肥料には窒素、カリを含んだ緩効性のものが良く、家庭菜園では根に優しいことを重視して作られているイチゴ専用のものがオススメです。太陽にたっぷり当てないと病気にかかりやすいので、出来るだけ太陽に当て、毎日水やりをして下さい。
苗植え
苗が本葉4~5枚になったらいよいよ定植ですが、家庭菜園であればプランターでしょうか、植木鉢の場合もあるでしょう。実際、上手くすれば小さい植木鉢でも収穫は可能ですが、ひどい場合ピンポン球サイズにしかならない場合も多いので、出来るだけ大きい鉢に植えましょう。苗植えの際にも畑と同じく株元が1段高くなるように植えると、株元に水が溜まりにくく病気の予防に効果的です。
スイカの育て方④スイカの植木鉢
スイカを育てる場合には、メロンやカボチャ同様に地這い栽培という育て方か、支柱やネットにツルを誘引して立体栽培という育て方にするか、そのどちらかが一般的です。ただ地這い栽培を植木鉢やプランターで行うとなると、着果部位が鉢の外に出てしまうので、すのこを敷くなどして果実が地面に触れない様にする必要があります。そのため家庭菜園では立体栽培がオススメなのですが、節間が短い品種や大玉の品種であれば立体栽培が難しいため地這いの育て方にすると良いでしょう。そのためスイカの鉢には大型のものを利用します。
植木鉢のサイズ
正直収穫を得るだけであれば本葉2枚で摘芯し、子ツル3枚ほどで摘芯、そして孫ヅルに着果させるなどの育て方にすれば4~5号鉢でも可能ですが、ピンポン球サイズになります。普通の小玉スイカサイズの果実をつけるためには8号鉢以上が必要です。しかしながら大玉品種でも8号鉢で立派な果実をつける事もあるので、どのスイカでも最低8号と覚えておくと良いでしょう。
ロングポットか発泡スチロール箱か
土が多く必要なのであれば細長いロングポットで済ませようという考えが浮かぶかもしれませんが、スイカの根は酸素をより必要とするため、基本的には広く浅く根を張る植物です。そのためロングポットよりかは広くて浅いプランターの方が栽培には適しています。深さ25センチで60センチ以上のサイズになる発泡スチロール箱があれば、それに穴を開けて栽培に利用すると大体のウリ科植物は良く出来ます。
植木鉢にも穴を開ける
スリット鉢という植木鉢が一世風靡しましたが、これは植物の根が酸素をほしがる性質を利用したもので、植木鉢の側面に穴を開ける事によってスリット鉢以上の効果を得られる事があります。特にカボチャやメロン、そして蒸れに弱いイチゴなどにも効果的なのでお試し下さい。発砲スチロールを利用した育て方にする場合も側面に穴を開けると良いのですが、穴が大きすぎるとダンゴムシやナメクジが潜伏し、夜に苗の葉を食害するので気をつけてください。
スイカの育て方⑤スイカの管理
植木鉢や土の種類の次に栽培中に最も大事なことは、日々のスイカの管理になります。家庭菜園的に言えば毎日の管理の仕方と言うところでしょうか?ここが出来ていないと無闇に苗を枯らし続けるだけでおわってしまいます。人間と同じで家庭菜園の野菜たちにも健康な日常生活が必要なのです。特にスイカやメロンは日本の多湿環境では生育がやや難しい側面があるので注意が必要です。
日照りが必要
鉢植えを置く場所ですが、一日に6時間以上日が当たる場所が最適です。日照りが足りないと病気に弱くなるばかりか、苗が徒長してツルが風などで折れやすくなってしまいます。人間で例えるとご飯が足りてないのとおなじですね。肥料やツルの摘芯方法などを知らなくともいずれは果実をつけますが、日照りが足りていないと枯れてしまいます。
スイカの水やり
スイカの水やりには気を遣う人が多いでしょう。ですがスイカとて植物ではあるので水が大切であることには変わりがありません。よく乾燥地帯の植物だから水やりは控えめにとも言われますが、鉢植えの場合思っている以上に土が乾燥するので家庭菜園では毎日水やりをしてしまって問題ありません。水やりを控えるよりは、鉢植えであっても畝を作ってやり根が酸素を吸えるようにしてやることが大切です。
スイカの育て方⑥肥料のやり方
スイカは肥料が大好きな植物ですが、残念ながら根がそれほど強くはないのでやりすぎると簡単に枯れてしまいます。分量を詳しく正確に計れるのであれば化成肥料も悪くはないのですが、家庭菜園ではやや使いづらい側面があるので、思っているよりも少なめに有機肥料与える感じが良いでしょう。ツルぼけについては肥料の種類を工夫する事により防ぐことが可能です。
肥料の種類
苗植えから摘芯し、子ヅル8節くらいの時期までは元肥だけで充分です。その時期までは苗を成長させる必要があるので、窒素肥料である油かすを与えます。1株何グラムなどと書かれていることがありますが、粉状タイプであれば3つまみ程度、粒状なら2粒程度で問題ありません。苗植えからしばらく経って雄花が4~5花咲き始めた頃に追肥としてリン酸およびカリ肥料である鶏糞灰を1株に3つまみ程度あたえます。この鶏糞灰肥料は緩効性なので今後の追肥はいりません。もしもツル先の葉が黄化してきたら油かすを1つまみ与えることで回復する場合があります。
乾燥地帯には肥料が溜まる
サボテンやスイカなど乾燥地帯の植物は意外と肥料が必要なのですが、その理由の一つに乾燥地帯には肥料が溜まるということが挙げられます。微生物や雑草が少なく消費される量が少ないということと、雨期以外の時期はほとんど雨が降らないために肥料が流されることがないからです。大玉スイカであれば上記の3倍程度の分量を必要としますが、中玉までであれば上記の分量で肥料は問題ありません。
スイカの育て方⑦仕立て方
スイカはツル性なのでメロンと同様に、苗植えから1週間ほどで本葉が4~6枚になったら摘芯し、子ヅルを何本か伸ばし、そこから出た孫ヅルに着果させるというのが一般的です。品種によってある程度差が出ますが、摘芯する場所や摘芯すべき所を見極める考え方などはどれも大体変わりません。盆栽スイカと呼ばれる観賞用の栽培方法もありますが、基本を理解すればそのようなことも自由自在です。
スイカの摘芯
実際、摘芯などしなくともスイカやメロンは果実をつけるのですが、子ヅルが出る時期や孫ヅルが出る時期がランダムになり、雌花が咲くまでにかなりの期間を費やしてしまいます。そのため、摘芯して調節するという技術が生まれました。普通に本葉4~5枚ほどで摘芯し、子ヅルが24節ほどで摘芯するのが一般的です。ただ子ヅルが8節くらいで自然と孫ヅルが伸びてくるので、良い場所を選び受粉してください。着果部位が手前であるほど小さく甘く、遠くであるほど大きくなります。完全に放任で栽培すると摘芯しないため9~10月に熟しますが、管理すれば6~8月には収穫可能です。
スイカを盆栽に育てる
より手前の孫ヅルに着果させれば小玉に、遠くで着果させれば大玉になるので、着果部位を調節すればピンポン球サイズのスイカを収穫する事も可能です。ペットにプレゼントするのも良いかもしれませんね。最小サイズにするのであれば本葉3枚で摘芯し、子ヅル5枚で摘芯します。すると3~4節目から孫ヅルが伸びるのでそこに着果させます。小さいですがきちんとスイカの味がします。苗植えの時に少し深植えしないと乾燥に耐えられない場合がありますが、時期によっては気にするほどではありません。
スイカの育て方⑧スイカの受粉
ウリ科の植物は基本的に雄花雌花の単性花か、雄花と両性花を咲かせるタイプか、雄株雌株に分かれているかのどれかですが、スイカは最初の二つのどちらかになります。ただ両性花を咲かすものでも雄しべが貧弱な場合が多く、雄花からの花粉で受粉しないと実際それほど実着きが良いわけではありません。ただメロンと比べると整理落果が少なく、受粉が成功した雌花は肥大しやすいので収量は高めやすいと言えます。
スイカの花粉は弱い
苗植えから一番はじめに咲く花は子ヅルに咲く雄花です。その雄花にある花粉を用いることでスイカは受粉されるのですが、花粉が非常に弱く午後になると受粉能力が著しく低下します。更に花粉が水にあたると浸透圧で花粉がはじけて受粉できなくなるので、雨の日に受粉するのは困難です。どうしても雨の日に受粉したいのであれば咲きそうな雄花を雨から保護する必要があります。
スイカの育て方⑨種の取り方
家庭菜園で育てたスイカ、どうせなら種子をとって来年もまた栽培したいですよね。その場合は種子をとり保存していく必要があります。ですがスイカの場合はとても簡単で、食べた種を保存しておけば問題ありません。ただしいくつかの注意点があるので解説していきます。
傷のある種は利用しない
傷のある種は翌年の発芽率の低下はもちろんウイルスに感染する可能性が高いので、できるだけ利用しないようにしましょう。ウイルス病にかかると、株が萎縮して果実が変形したり、肥大が途中で止まったりしてしまうという症状が現れます。また、色の薄い種子は未熟なので利用出来ません。
スイカの育て方⑩種の保存方法
せっかく種をとっても保存が上手くいかなければ発芽しません。まず、取った種を充分洗い果汁を落とします。そしてカビの発生を防ぐためにしっかりと乾かします。この際天日干しをすると遺伝子が変成して突然変異が現れる可能性が高まるので、決まった品種ほ保存していきたい場合は陰干しします。極端に湿度が高くない場所で保存しましょう。
ヒョウタンに種子を保存する
ヒョウタンに種子を入れておくと良い野菜が出来るといわれます。というのもヒョウタンは湿度を一定に保ちやすいので、種子の保存に向いているからです。さらに光を通しにくく、虫に食われることもほとんどありません。もし場所に余裕があればスイカと同時にヒョウタンも育ててみてはいかがでしょうか。
小玉品種
野生のスイカは白くて10センチ程度のものが多いですが、様々なものがあります。そこから交配や選抜を重ね生まれた赤身で黒皮のスイカが、シルクロードを通り平安時代頃には中国から渡来していたとみられます。その後、明治や大正時代あたりにはヨーロッパで普及してきた系統がアメリカから導入されました。その二系統が奈良で交配され、現在の日本スイカの原点となった大和という品種が生まれました。
愛娘
私が一番味が良いと考えている品種がナント交配の愛娘です。小玉とされていますが実際栽培するとかなりのサイズになるため、中玉と考えると良いでしょう。肉質が非常に緻密なので噛み締めるたびに強い甘味が感じられるのが特徴です。一度カットしてから2週間は持つので家族で毎日少しずつ食べる事も出来ます。皮の際まで甘いので白い部分はほとんどありません。苗植えがやや早すぎたとしても草勢が強いので成功しやすい品種です。節間が短くコンパクトなことも特徴ですね。
こつぶっこ
またナント交配の品種ですが、栽培しやすくかなりの糖度になり、なおかつ種のサイズが普通の小玉スイカの4分の1程度とされる品種です。愛娘と比べると本当に小玉になるので小玉で美味しいスイカを栽培したい人にお勧めです。スイカは夜温が20度以上あると糖度が上がりやすいため、暖かくなってから栽培するのが良いでしょう。栽培のしやすさ、味、共に一級品なので種まきや苗植えの時期さえ間違わなければ最高の品種の一つです。
シュガーベイビー
ヨーロッパで有名な品種で、オーストリアの品種とされています。樹勢が強く雑草の様に育つので、無肥料無農薬栽培も可能です。絶対に失敗したくない人にお勧めですが、苗植えをするときに深く植え付けるとツル割れ病にかかりやすいのが注意点です。受粉しすぎても一定数以上は自然と肥大しなくなるので他の実がピンポン球サイズになる時期に肥大が始まらない果実は取ってしまうと良いでしょう。甘味が強いですが、やや色が薄い桃肉の品種です。
嘉宝スイカ
日本の黄肉スイカの元祖的な品種で、とても古い歴史があります。黄肉ではありますが良く出来たものはオレンジ色くらいには色づきます。シャリ感があるというよりはサクサクしているので水分が多く感じられます。甘味は普通に強い品種ですが、収穫時期が遅すぎると種の周りが溶けて味がなくなります。逆に時期が早すぎると味がないので適期収穫を心がけましょう。豊産性で1株から6~8玉取れるので地植えの立体栽培が出来るのであれば最高の品種です。
大玉品種
大玉品種も大きいプランターを用意すれば栽培可能です。小玉品種との差は着果部位によって味の差が激しいことで、葉が一段と大きくなってくる孫ヅル12節以降でないと大玉になりません。先の方に行けば行くほど果実のサイズは上がりますが、糖度は下がります。
キャロライナクロス
100キロを越えるコンテスト用スイカで、デパートの展示品などにも利用されます。味の差が激しいので、糖度10度程度が平均とされています。ただ、普通の大玉スイカも糖度が10~12程度なので、ちょっとだけ甘味が薄く感じるかも知れないというくらいです。でぇらいスイカの名称でも知られています。
大和
前述の通り奈良で生まれた日本を代表するスイカです。古い系統ですが、未だにこだわって栽培している農家さんもいるほどで味は抜群です。着果から25~30日で収穫出来る早生種で、糖度は10~12程度。優しい甘味のスイカです。縞が無いのが在来系統で、縞があるものが新大和という新しい系統になります。
ブラックジャック
種なしスイカとされますがバナナに種の名残(しいな)があるように、未熟な種子がみられます。動物を含め多くの生物は減数分裂をするため偶数の2倍体ですが、稀に4倍体が生じ、その4倍体と2倍体を交配することにより3倍体が生まれます。魚であれば成熟しなくなり、植物であれば種子が出来なくなります。それを意図的に利用しているのがこの品種です。
まとめ
結局のところは家庭菜園で大切なのは水やりを控えめにせず、水やりをするときにはたっぷりやること、そして人工受粉と受粉する雌花の位置。これだけです。あとは苗を健全に育てるために深く植えずに、日に良く当てる事ですね。品種はどの品種にすべきか?よりはどの品種を食べてみたいか?で選ぶべきだと思います。