ハーデンベルギアのつる庭づくり
ハーデンベルギアは、つる性の常緑の植物です。モッコウバラのような感覚で、育て方も簡単で扱いやすくベランダでも栽培することができるんです。ハーデンベルギアの花は、厳しい寒さをほっこりと暖かくしてくれる貴重な早春の花が特徴的なんですよ。
小さな胡蝶蘭のような姿をした花を、一房の藤のような姿で一斉に開花させる姿が魅力的ですね。今回は、そんなハーデンベルギアの詳しい育て方はもちろんのこと、冬越しの方法や増やし方などもまとめてご紹介していきますね。
簡単な育て方が魅力のハーデンベルギア
初心者でも、簡単な育て方で楽しめるのが魅力のハーデンベルギアは、つる性植物の中でも珍しい常緑性の植物なんです。そのため、花がなくてさみしい季節にもきれいな葉が絡まって美しいナチュラルカントリーなガーデニングを楽しむことができるんですよ。
ハーデンベルギアのつるの特徴
ハーデンベルギアのつるは、大株に育っていくと最長で2m以上にもなります。同じつる性植物として有名なバラは、トゲがあり耐病性や耐寒性にも気を使わなくてはなりません。冬季は葉も落ちて、剪定や誘引、定期的な肥料と薬剤散布といった手間がかかってしまいます。
その点、ハーデンベルギアのつるは細くてしなやかで、もちろんトゲもありません。自分から絡まっていくキュウリや朝顔などの巻き付く性質はありませんが、どこかの壁面やトレリス・オベリスクなどに絡ませて枝を伸ばしていく性質があります。
地植え・鉢植えにあった仕立て
鉢植え栽培では、オベリスクやあんどん仕立てにするのが人気です。地植えで栽培する場合では、壁面に伸ばしていくと、華やかな情景を作り出してくれます。また、ハーデンベルギアのつるを、剪定で短く刈り込んでしまえば、小型の低木としても扱うことのできる優秀な植物なんですよ。
つるハーデンベルギアの詳細情報
それでは、ハーデンベルギアの育て方の前に、基本的な詳細情報についてまとめていきたいと思います。魅力的な花の開花時期や、花の特徴を説明していきたいと思います。
科名属名
ハーデンベルギアの科名属名は、マメ科ハーデンベルギア属でした。マメ科の植物なので、鉢植え栽培で新しい土を使う場合は問題ありませんが、地植えでの育て方をする場合には連鎖障害には気を付けたほうがよいと思います。
学名
ハーデンベルギアは、「Hardenbergia・violacea」が学名となっています。ハーデンベルギア属は3種の分かれており、その中でもビオラセア種を指しているようです。
和名別名
ハーデンベルギアの和名は、ヒトツバマメというそうです。また、コマチフジとも呼ばれている、小さな藤といったイメージは共通のようですね。
原産国
ハーデンベルギアの原産国は、オーストラリアです。そのため、乾燥していても枯れる心配はなく、鉢植えでベランダガーデニングを楽しむ人にとっても育てやすいと思います。
開花時期
しだれるようなつるから大ぶりな花を開花させる季節は、早春の3月~5月です。花がまだ少ない時期なので、春の訪れを一気に感じさせてくれる、貴重な存在になるのではないでしょうか?
花の色
藤のように鮮やかな紫色の花を咲かせるハーデンベルギアが一般的です。その他にも、ピンクや白、紫に白のストライプをした色合いなどがあります。ピンクといっても落ち着いた桃花で、たくさんの品種の中から選抜されたものが園芸品種として流通しています。
花の特徴
ハーデンベルギアの花は、しだれるようにつるから大きめの房をたらします。その穂状に小さな花をたくさんつけ、一株で数十輪もの花を開花させます。いっせいに開花するのではなく、上から順に開花していくので開花は2週間と花期が長いのも特徴ですね。
耐寒性と冬越し
ハーデンベルギアの苗が流通してくるのは、12月から2月と短い期間になっています。園芸ネットの通販でも、この時期を逃すとどこを探しても苗が出回っていません。ハーデンベルギアの耐寒性は、マイナス3度とかなり強いという性質があります。そのため、流通する時期も寒い季節が多いんですね。大株になれば戸外で冬越しが可能です。
ハーデンベルギアの育て方①地植え・鉢植え方法
それでは、ハーデンベルギアの育て方をご紹介していきたいと思います。ハーデンへルギアは、地植えはもちろんのこと、鉢植えで栽培している人が多いというのもうれしいポイントです。鉢植えでの育て方も、一緒にまとめていきます。
植え付け場所
ハーデンへルギアは、日光が好きな植物なので、よく日の当たる場所に植え付けるようにしましょう。夏の西日や強い直射日光には弱い面があるので、夏場の日当たりが気になる場合は、遮光ネットやよしずなどで対応するようにしましょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、つる性という特徴を生かして、トレリスや壁面・オベリスクに誘引するような育て方が美しさを引き出してくれます。オベリスクを鉢に入れる際には、株の中に入れないように気をつけましょう。
また、幼苗のハーデンへルギアは冬越しのために室内に入れることがあります。壁面に沿わせてしまうと、室内での冬越しが難しいので植え付け場所には考察が必要です。
植え付け時期
ハーデンへルギアの苗は、12月から園芸用品店で流通が始まります。開花時期が、3月からなので休眠期の短い年内には植え付けを終わらせておくとよいと思います。霜よけをして、よく日に当たるように植え付けましょう。
植え付け用土
植え付けの用土は、水はけの良い土を好み、そのほかに土質は選びません。市販の祖押下用培養土や、赤玉土、腐葉土に川砂を混ぜた、根張りがよく水はけのよい土に植え付けましょう。
ハーデンベルギアの育て方②水やり
ハーデンへルギアの水やりについてまとめました。原産国が、アフリカという温暖な気候の植物なので乾燥には強いのが特徴です。鉢植え・地植えの水やりについてみていきましょう。
地植えの水やり
植え付けてから、しばらくの間は毎日土が湿る程度に水やりを行いましょう。植え付けてから一か月もすると年末やお正月シーズンに入ります。
このころには、水やりを行うと霜によって根にダメージを与えてしまうことがあります。極端に乾燥している場合は、日中の暖かい時間帯に水やりを行いましょう。植え付けてから根付いてしまえば、地植えの場合は水やりの必要はありません。
鉢植えの場合
鉢植えの水やりは、鉢の大きさにもよりますが夏場はすぐに水切れしてしまいます。ハーデンへルギアはたくさんの水を必要とし、どんどん根を張っていきますが、鉢植えの場合はねを下に伸ばすよりも表面に浅く根を張りがちです。
かといって水やりの頻度が多すぎると高温多湿状態になって枯れることがあります。土の中の湿り気を書くんんしてから水やりを行うとよいと思います。とくに、開花前には花を咲かせるために多くの水を必要とします。
ハーデンベルギアの育て方③肥料
ハーデンへルギアは、あまり肥料は必要ありいません。庭植えの場合は、通年通してほとんど必要がない植物ですが、開花後のお礼肥として液体肥料を少量施しておくとよいでしょう。肥料の窒素分が残った状態が続くと、茎が徒長して葉が茂りすぎて根も軟弱になります。ハダニなども発生してしまうので、成長促進のためには少量で十分でしょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、土の中の栄養分では少し栄養が足りないので、開花後に緩効性の置き肥を株もとにまいておきます。やはり、鉢植えでも肥料の与えすぎによって、花が咲きにくくなります。
ハーデンベルギアの育て方④冬越し
ハーデンへルギアは、アフリカの温暖な場所に自生していた植物なので耐寒性はあまりありません。大株になってしまえば、地植えの場合は戸外も冬越しが可能ですが、まだ植え付けたばかりのハーデンへルギアは枯れこむ事があります。
中間地では地植えでの育て方も出来ますが、寒冷地では地植えよりも大きめの鉢植えで仕立てて冬越しは室内に取り込むほうがよいでしょう。地植えでの冬越しをする場合は、株もとにマルチングをして霜よけ対策をしておくとよいでしょう。
ハーデンベルギアの育て方⑤剪定
ハーデンへルギアのつるが伸びすぎたり葉が茂りすぎた場合は、剪定を行いましょう。花が終わった後に、花がらをきれいに剪定し、枯れている葉や傷んでいる茎を切り落としておきましょう。
剪定の時期は、開花後から秋までの期間で、夏に大きく伸びすぎた枝はいつでも剪定してきれいにすることができる健常な植物です。この時に好きな形に誘引したり、アーチやオベリスクに仕立てたり、植え替えを行うようにするとよいと思いますよ。秋は、花芽ができるのでそれ以降の剪定は避けるようにしましょう。
ハーデンベルギアの育て方⑥植え替え
ハーデンへルギアは、低木のつる性植物です。つるを長く伸ばしたい場合は、やはり土の最善を促す意味もあり植え替えを随時していくほうがよいでしょう。低木とはいえ、一年もたてば大株になりねばりも深くなっていきます。ここからは、鉢の植え替え・鉢から地植え編の植え替えについてご紹介していきます。
鉢への植え替え
鉢植えのハーデンへルギアは、根鉢の底から根が飛び出して来たら植え替えの時期になります。幹が大きく太くなり、2周り大きめの鉢に植え替えることで大株に仕立てることができます。根鉢をほぐし、大きめの鉢に植え替え、土は新しいものに取り換えましょう。根が土の表面に出ているものはほぐしてきれいに取り除いておきます。
鉢植えから地植え
本来は、低木扱いの樹木に分類されいているので地植えが好ましい植物です。幼苗のハーデンベルギアはまだ耐寒性が低く戸外での越冬には向きませんが、大株にもなれば中間地までの気候でしたら地植えに植え替えてみるのもよいと思います。
下から上へと伸びるように仕立てて、壁面に這わせると美しいですね。地植えへの植え替えの際には根鉢を崩さないように気を付け、敷き藁などでマルチングしておきましょう。
ハーデンベルギアの育て方⑦枯れる原因
常緑で美しい花を咲かせるつる性植物は貴重です。しかし、育て方によっては葉が枯れることもあります。正しい管理方法を抑えて、常緑の美しい葉も通年楽しめるようにしていきましょう。
夏に枯れる原因
暖かい地域が原産国のハーデンベルギアですが、まれに葉っぱが枯れることがあります。梅雨時期の高温多湿状態になると、根腐れをおこして根に空気が行き届かなくなってしまいます。雨よけや、水はけのよい土に変えましょう。また、強い西日で葉焼けをおこして枯れることもありますので、地植えの場所には気をつけたいですね。
冬に枯れる原因
冬に枯れる原因としては、0℃以下になってしまったことかもしれません。大株になれば戸外での冬越しも可能ですが、購入したばかりの苗の場合はまだ根が張っていない状態で酷寒は苦手です。鉢植えの場合は暖かい室内で管理するようにしましょう。地植えにする場合も、暖かい季節になるまでは植え付けないようにすると安心ですね。
ハーデンベルギアの増やし方
園芸店でも、ハーデンベルギアが流通する期間は、12月から2月の短い期間にしかありません。また、今まで日本にはないつる性の常緑花木として、とても貴重な植物です。挿し木を使った増やし方で、たくさんの苗を作っておくと楽しいお庭になるのではないでしょうか?ここからは、そんな増やし方についてまとめていきたいと思います。
挿し木での増やし方
一般的な増やし方は、挿し木を使った増やし方です。剪定の際に切り取った枝でも構いませんし、なるべく今年伸びた新しく健康で若い枝を挿し木にしましょう。葉の上から切り取って、エンピツの半分ほどの太さの挿し木を15cmに切ります。
切った挿し木を水につけて置き、翌日に赤玉土に挿し木をしましょう。この増やし方で一か月ほどが経てば根が出てきてきます。葉が出始めたら植え替えて大きくしましょう。挿し木を使った増やし方は、4月から6月の梅雨前までに行います。
種まきでの増やし方
ハーデンベルギアは、豆のような実をつけます。その中の種を採取して、取り巻きをすることで新しい苗を作ることもできますよ。
ハーデンベルギアで表情あるお庭に
つる性植物ハーデンベルギアについて、育て方や枯れる原因についてもまとめてきましたが、いかがでしたか?鉢植えでも庭植でも育て方が簡単で、冬と夏の時期に気をつければ枯れる心配もありません。
長くハーデンベルギアを育てるためには、剪定で出た挿し木を使って株の更新をしたり、植え替えをしてどんどん力のある大株に育てていきましょう。常緑のつる性植物は貴重なので、ぜひガーデニングのアクセントに取り入れていてはいかがでしょうか?