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鎌ヶ岳の登山ルートを難易度別に解説!初心者おすすめのコースは?

鈴鹿山系の鎌ヶ岳は、地図を見るとわかるように三重県と滋賀県の県境にそびえ立つ鈴鹿山脈のほぼ中央に位置している1161mの山で、鈴鹿の槍ヶ岳と呼ばれるほど頂上付近が尖った山の形をしています。そんな鎌ヶ岳の登山ルートなどを解説します。
2020年8月27日
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鎌ヶ岳のある鈴鹿山脈

国土地理院の地図でも確認できるように、三重県の伊勢湾の近くから山並みができていて岐阜県の雪深い関ヶ原まで続いている山脈で、北部の1247mの最高峰の御池岳をはじめ数十の頂を持っています。
数百万年前に花崗岩と石灰岩の地層が斜めに隆起して作られた山地といわれており、南部は石灰岩地帯で中央部が花崗岩地帯さらに北部は石灰岩地帯になっている山脈です。

鈴鹿山脈はアルペン気分が味わえる山

国土地理院の地図を見るとわかりますが、三重県側は急斜面の岩場が多くアルペンムードが味わえる登山道が多くあり、ほぼ中央にある御在所岳には日本有数のロッククライミングとして有名な藤内壁があります。
また、都会からのアクセスが良いこともあって人気の山になっています。

鎌ヶ岳の由来

鈴鹿の槍ヶ岳といわれるほどの尖った山頂が鋭ので、まるで鎌の歯のようだというので鎌ヶ岳と呼ばれるようになった山です。

鎌ヶ岳への登山コース

鎌ヶ岳へは湯の山温泉側の東面からのアタックコースと、宮妻峡側の西面からのアタックコースがあります。いずれも、初心者コースから経験者コースまであります。
湯の山温泉からの一般的なアタックコースは、登山地図に載っている武平峠コース・長石谷コース・三ツ口谷コースなどがあり、宮妻峡からの一般的なアタックコースは、登山地図に載っているニゴリ谷コース・カズラ谷コース・鎌尾根コースなどがあります。

鎌ヶ岳 湯の山温泉からの難易度別コース 3選

鎌ヶ岳の東面からのアタックコースになります。

鎌ヶ岳 ①武平峠コース

難易度:初心者向けコース

武平峠から鈴鹿山脈の県境縦走路で鎌ヶ岳へアタックするアルペンムード満載のルートです。地図で確認してもわかるように最短のルートになり、初心者でもゆっくりと慎重にいけば問題ないルートですが、途中崩れている箇所などがあるので、初心者の方は経験者について登ってください。天気の悪いときは滑落の危険もありますので要注意です。

武平峠コースの駐車場

鈴鹿スカイラインの武平峠トンネル付近に駐車場があります。滋賀県側に武平峠トンネル西駐車場があり車が15台ほど止められ、三重県側には武平峠駐車場があって車20台ほどの駐車場がありここにはトイレもあります。

武平峠コースの魅力

武平峠から鎌ヶ岳へアタックルートは、滋賀県側の武平峠トンネル西駐車場から登山道に出られ、崩れた道を登って武平峠までは20分程度で登れます。武平峠からは、県境縦走路になりザレの道や笹を分けながら数個のアップダウンを繰り返していくと、前方が開けて鈴鹿の槍ヶ岳と呼ばれる鎌ヶ岳の雄姿が目の前に現れます。
ここからは、風化した花崗岩の崩れやすい足場になりますが、登山道を外れないように登っていくと頂上直下の赤ガレが現れてきます。この赤ガレは直登もできますが難易度の高いルートですので、初心者など岩場に慣れていない人は迂回ルートを選んでください。鎖場が現れてくればすぐ鎌ヶ岳山頂という超最短コースになります。

武平峠コースの参考タイム


武平トンネル西駐車場>20分>武平峠>40分>【鎌ヶ岳】>20分>武平峠>10分>武平トンネル西駐車場

鎌ヶ岳 ②長石谷コース

難易度:初心者向けコース

湯の山温泉から鎌ヶ岳へ登る谷からのアタックになります。
ただし、このルートは地図を見てもわかるように長い谷のコースになりますが、特別な沢登りの経験や技術は不要なので、経験者と同行すれば体力に自信のある初心者なら歩けるルートです。
谷コースなので天気の悪いときは増水の危険もありますので中止しましょう。

長石谷コースの駐車場

長石谷へは、湯の山温泉からのアタックになるので、ロープウェイ乗り場の駐車場が便利です。

長石谷コースの魅力

ロープウェイ乗り場の駐車場からは、舗装道を40分ほど歩いたところに標識があり、そこから谷へ降りられます。

長石谷は大きな滝もなく危険な個所はありませんが、1か所だけ滑滝がありますので左岸を慎重に登っていけば大丈夫です。ただし、最初は渡渉の連続ですので慎重に行動してください。さらに長時間の登山になるのでペース配分を考えて谷を詰めていくことが大切になります。谷を詰めていくと右側から大きな谷が合流してきますが、この谷には20mの落差をもつ犬星の滝がありますので、時間に余裕があればぜひ見に行っていただきたいところです。

ここからは伏流となり、ゴロゴロとした岩の上を歩く難易度の上がったルートなので初心者は気を付けて歩いてください。そこを上り詰めて最後急登のルートを抜けて笹がでてきたら岳峠がもうすぐです。岳峠からは20分ほどで鎌ヶ岳山頂に到着します。

長石谷コースの参考タイム

長石谷分岐>3時間30分>【鎌ヶ岳】>2時間>長石谷分岐

鎌ヶ岳 ③三ツ口谷コース

難易度:経験者向けコース

鎌ヶ岳への沢登りルートで、地図を見てもわかるように最短の谷コースです。
全体的にルートはしっかりしていて、滝もたくさんありますがシッカリとした巻き道がつけられているので、特別な沢登りの技術も必要ありませんが、それなりの難易度はあるので、初心者だけでの登山はやめてください。谷コースなので天気の悪いときは増水や落石の危険もありますので中止しましょう。

三ツ口谷コースの駐車場

三重県側の湯の山温泉から鈴鹿スカイラインに入って、蒼滝トンネルを過ぎて大きなカーブを超えたあたりの道路脇に車を数台とめられる空き地があります。

三ツ口谷コースの魅力

駐車スペースに三ツ口谷登山口の標識があるのでそこから簡単に谷に降りることができ、谷に降りると広い川原になっているので、そのまま進んでいくと堰堤が現れるので、そこを乗り越えて谷におりていきます。そこからは、慎重に踏み後をたどって谷を詰めていくと高巻きが出てくるので、右側から大きく山腹を巻いて登っていき、そのまま左手に谷を見ながら小さな滝を数個見送ると滝らしい滝もなくなってきます。

この辺りで、左の長石尾根にとりつくルートへ導くテープやペイントがあり2~3本のルートがあるので、そのどれかのルートで長石尾根へ登ると展望がひらけてきます。尾根道は岩やザレの繰り返しで、ガレ脇の掘れたルートを登り詰めていき、最後に笹を分けながら急登していくと鎌ヶ岳頂上にでます。また、コースの途中にはたくさんの支流かありますので迷い込まないように注意して下さい。

万年青年男
さわやか

当方は、いろいろな谷に入ってみましたが足元も踏まれていないし、いつ落石が起きてもおかしくない状態ですね!

三ツ口谷コースの参考タイム

三ツ口谷分岐>2時間10分>【鎌ヶ岳】>1時間30分>三ツ口谷分岐

鎌ヶ岳 宮妻峡からの難易度別コース 3選

鎌ヶ岳への西面からのアタックコースになります。

鎌ヶ岳 ①ニゴリ谷コース


難易度:初心者向けコース

西側から登るコースで、地図で確認するとわかるように松山谷とロクロ谷の間の明るく気持ちの良い谷コースになります。また初心者でも登れますが経験者について登ってください。谷コースなので天気の悪いときは増水や落石の危険もありますので中止しましょう。

ニゴリ谷コースの駐車場

鈴鹿スカイラインの滋賀県側にある雨乞岳登山口の稲ヶ谷登山口に駐車スペースがあります。

ニゴリ谷コースの魅力

稲ヶ谷登山口駐車場から鈴鹿スカイラインを少し下っていくと、ガードレールの向こう側に手作りの三段木梯子が掛けられているので、見落とさないようにしてここから松尾谷出会いに降りることができます。

ニゴリ谷は明るい谷で気持ちよく歩くことができるので、この谷を源流まで詰めていくと、鎌ヶ岳の頭が見えてきた辺りが最後の水場となります。ここらはシャクナゲの群生地になっているところです。このまま鎌ヶ岳を眺めながら岳峠を目指していきます。ここから見る鎌ヶ岳は北アルプスの槍ヶ岳にも引けを取らない雄姿を見せてくれます。岳峠へは直登してガレ場を登るのは難易度が高いルートなので、右側の樹林帯へ入ってとりつく方が安全です。帰り道を武平峠へ降りるルートにすれば時間も短縮できます。

ニゴリ谷コースの参考タイム

松尾谷出合>45分>ロクロ谷出合>1時間20分>岳峠>20分>【鎌ヶ岳】>15分>岳峠>50分>ロクロ谷出合>40分>松尾谷出合

鎌ヶ岳 ②カズラ谷コース

難易度:経験者コース

宮妻峡から鎌ヶ岳へアプローチするコースで、地図で確認するとわかりますが宮妻峡からの最短コースになります。ただし、やせ尾根や急登が続く難易度の高いルートなので初心者だけでの登山は危険です。また天気の悪いときは滑落や落石の危険もありますので中止しましょう。

カズラ谷コースの駐車場

宮妻峡キャンプ場の奥へ林道を走らせるとゲートがあり車はここまで入ることができ、脇に広場がありここに駐車できます。

カズラ谷コースの魅力

広場前に案内板で確認をしてカズラ谷に進んでいけば大丈夫です。
カズラ谷コースは800mもの高差があり、これを一気に登っていくルートになっています。カズラ谷コースといってもほとんどがやせ尾根や急登の山腹を登っていくルートになっていて、滑落にも注意が必要な難易度の高いルートになっています。

カズラ谷コースの参考タイム

宮妻峡ヒュッテ>20分>カズラ谷入り口>1時間15分>岳峠>20分>鎌ヶ岳>15分>岳峠>50分>カズラ谷入り口>1時間5分>宮妻峡ヒュッテ

鎌ヶ岳 ③鎌尾根コース

難易度:経験者向けコース

西側から水沢峠を越えて水沢岳を経て岳峠から鎌ヶ岳へのアプローチするコースになります。地図を見てもわかるように距離も長く花崗岩の風化した岩場のコースとなります。
体力と技術力が必要となる難易度の高いコースなので初心者では無理です。天気の悪いときは滑落の危険がありますので中止しましょう。

鎌尾根コースの駐車場


宮妻峡キャンプ場の奥へ林道を走らせてカズラ谷山口前に広場があり、そこの駐車しておけば帰路をカズラ谷コースにする場合には便利です。

鎌尾根コースの魅力

カズラ谷山口を出発して、まずは水沢峠まではよく踏まれた谷沿いの道を一気に登り水沢峠までは40分ほどで着きます。水沢峠から県境稜線を北へ向かって水沢岳へ向かいますが、いきなり急登になりガレやザレや笹の中などを歩きながらひたすら稜線を登っていくと水沢岳につきます。ここから見る鎌ヶ岳は遠くにしか見えませんが、気を落とさずに頑張っていきましょう!

水沢岳からはアップダウンの切り立った稜線になり、難易度の高いルートになってきます。きのこ岩やカニのヨコバイなどの岩場の連続になります。鎖やロープがついている箇所もありますが慎重に一歩一歩進んでいってください。風化が激しい地形なのでルートを間違えないように慎重にルートを見極めて行動してください。天気の悪いときにはとても危険ルートなので近づかないこと。岳峠からは鎌ヶ岳山頂直下の岩場を右に巻いて20分ほどで鎌ヶ岳山頂に到着します。

鎌尾根コースの参考タイム

宮妻峡ヒュッテ>1時間>水沢峠>40分>水沢岳>1時間40分>岳峠>20分>鎌ヶ岳>15分>岳峠>1時間30分>水沢岳>25分>水沢峠>1時間>宮妻峡ヒュッテ

鎌ヶ岳登山口へのアクセス方法

湯の山温泉から

公共交通機関でのアクセスは、近鉄電車の四日市で乗換えて終点湯の山温泉で下車、三重交通バスで三交湯の山温泉駅で下車するアクセス方法があります。
マイカーでのアクセスは、東名阪自動車道の四日市ICで降りて湯の山温泉方面へ車を走らせてアクセスできます。鈴鹿スカイラインへのアクセスは、湯の山温泉街に入る手前から右手に入る道がありここからアクセスできます。

宮妻峡から

交通機関でのアクセスは、JR四日市駅から三重交通バスで宮妻峡へアクセスできますが、1時間に1本しかバスがないので、バスでのアクセスは事前に時刻を調べておいてください。または近鉄の四日市駅からもアクセスできますが、ここは1日に1本しかバスがありませんので事前調査をしてアクセスしてください。
マイカーでのアクセスは、東名阪自動車道四日市ICで降りて宮妻峡方面へ20分でアクセスできますが、天気の悪い日には宮妻峡手前の林道が通行止めになりこともあります。

鎌ヶ岳登山の天気と服装

春も早い時期の天気は、稜線に出ると北西の風に強く吹きつけることもあるので、真冬並みの天気に遭遇することもあるので、防寒着は必須アイテムになります。
夏の天気は、雷に合うこともあるので積乱雲の動きには要注意です。雷雨が来ると川の水量が一気に上がるので、雲の動きを見ながら天気の変化を察知し、早めの対応が必要になります。
秋の天気は安定していますが、日中は暑く汗ばみますが日が陰るころのなると一気に気温が下がってくるので、やはり重ね着で体温調節をこまめにしましょう。
冬には強い西風と吹雪に注意が必要です。谷沿いは深い雪に埋め尽くされてしまいます。冬型の天気では県境稜線に出ると強い北西の風と雪にたたきつけられます。防寒対策はシッカリとしておいてください。

鎌ヶ岳の害虫

鈴鹿山系の谷沿いにはマムシやヤマビルが多くいますので要注意です。マムシはこちらから攻撃しない限り襲ってくることはありませんが、動きが遅いのでしらずにシッポを踏んづけてしまうと襲ってきますので足元には注意して歩いてください。

ヤマビルは雨上がりなどに多く出てきますが、しらないうちに噛まれてしらないうちにいなくなっていることがほとんどで、気が付いたら靴下が血だらけになっていたなんてことはよくあります。対策法などがネットに書いてありますが運まかせですね!

万年青年男
さわやか

当方も山腹に作られたやっと通れる道の真ん中に、マムシがとぐろを巻いていて苦労して通ったことがありました。 ヤマビルは、山を下りてきたら両足の靴下のふくらはぎが真っ赤になっていたことがありますが、痛くもかゆくもありませんでした・・・

まとめ

鈴鹿の槍ヶ岳とも呼ばれている鎌ヶ岳には、四季折々の風景があります。
登山コースも尾根道や谷道などバリエーションに富んでいます。地図にも載っていないバリエーションコースもありますが、経験者に同行すれば初心者の方でも登れるコースもありますので、体力と技術に合わせたコースを選んで登ってみてください。山頂からの眺めはとても素晴らしいですよ。