パーゴラとは
まず、パーゴラってどんな物?と思う方もいらっしゃるかと思います。
元来は屋根にツル性の植物を巻きつける為に木材組みした棚の事で今では軒先にウッドデッキと併せて組み立て、休日のティータイムや屋外での食事をオシャレに演出してくれる日除け棚として人気があるホームエクステリアです。
そもそもDIYでも出来るの?
しかし、「ちょっと敷居が高い!」「工事は面倒なんじゃないの?」「設計図なんて書けないよ」と不安の方にもパーゴラをDIYで組み立てる方法をご紹介します。自作キットも販売されていますし、規格材料を使った簡単な方法もありますのでご安心下さい。作り方は案外簡単です。是非ご覧ください。
パーゴラの種類
独立型のパーゴラ
ウッドデッキや縁側の無い純粋な単体のパーゴラです。
ガーデニング好きの方は屋根等にツル性植物を這わせる棚として建てたりしていますが、日除けとインテリアとしても用いられています。後述するウッドデッキ一体型とは異なりDIYでの設営はウッドデッキが無い分所要時間は短く済みます。
ウッドデッキ一体型のパーゴラ
ウッドデッキ一体型です。日差しが強い際は屋根部分にタープ等をかけて日陰棚を作りウッドデッキの上でバーベキューやティータイムをする家庭も多くDIYではウッドデッキがある分所要時間は長くなりますが、DIYでウッドデッキが自作出来る木部同士の接合キットがありますので後程ご紹介します。
パーゴラの作り方を考える
パーゴラをDIYするにあたって、大別すると2種類の作り方があります。
何でも自作してしまう方は既に持っている道具もあるかもしれませんが、まだ揃えていない方はこの機会に揃えておきましょう。
DIYキットを使った作り方
近年ではカット済、金具やボルトが付属し作り方の説明書(設計図)通りに組み立て、事前に防腐塗装をしている物もあり後から塗装をしなくても済みます。簡単に作れるよう一式が自作のキットとして揃っているものです。安価な自作キットは軽量木材が使用されている事が多く木材耐久性に劣るのが難点です。
規格材料を使った作り方
様々な木材の材料寸法を組み合わせて作ると、手間や設計図自体が煩雑になり費用も高くなります。プロの職人ならいざ知らず、DIYで簡単に制作するには2×8材が最もベストでしょう。規格材で作れば既製品の自作キットには及びませんが安価に簡単に作る事が可能です。
今回ご紹介するDIYは
自作キット材は同封の設計図を基に簡単に制作が可能な事や各自作キットによって作り方が千差万別になる事から、今回ご紹介する方法はウッドデッキ一体型の2×8材(SPF材)を使った作り方をご紹介したいと思います。規格材を用いたDIYは費用にも抑えられます。
まずはDIYの構想を立てる
設計図を描くのがベストですが、設計図と言えば難しく考えてしまうかもしれません。汚くても良いので寸法を入れたイメージ図を作ってみると良いでしょう。「どの位の規模のパーゴラか」「木材の本数と寸法」「塗装の種類」「工程表(簡単な作り方の手順でOK)」これだけで問題はありません。
パーゴラのDIYで事前に用意する道具
パーゴラをDIYするにあたり事前に用意すべき道具は以下の通りです。
インパクトドライバー
ビス留めの為に必須ですが、マキタやボッシュのような超一流メーカー品でなければ、ノーブランドで2980円程で販売している事もありますので買っておくと追々様々な用途で使えるので購入しておきましょう。
丸のこ
DIYを頻繁にする方でなければ費用もかかる為に事前に寸法を設計図やイメージ図にしておおまかに決まっていればホームセンターで木材を有料でカットしてくれますしホームセンターでのレンタルもアリです。今回のDIYの為だけに絶対用意しなければならない訳ではありませんのでご安心下さい。
水平器
言わずもがな、基礎の水平を取らないとガタガタのパーゴラになってしまいますので絶対必須な道具です。100均で購入可能ですが小型の水平器しか置いていませんのでホームセンターでの購入をお勧めします。
メジャー
木材の寸法や間取りのを測り設置するのに必須です。100均のメジャーで十分ですが巻き尺は10m以上の物を購入しておきましょう。
鉛筆
墨付け、いわゆる長さ高さの寸法の線引きに使用します。本来は大工の棟梁などが使用しているのは専用の墨付け道具などもありますが、DIYに別途購入も躊躇される方は鉛筆で構いません。線が曲がり寸法がズレる事がある為に点と点を二点マーキングして線引きを行いましょう。
さしがね
DIYで木工作業をする時は必須道具と言って良いでしょう。見ての通り90度曲がりの定規です。大きさも様々ですが安価に入手が出来る為大中小と3種類程揃えておいても良いでしょう。
シャベル
羽子板付き束石(ブロック基礎)を埋設する穴を掘る為に使います。
先端が山型のシャベルが良いでしょう。間違ってもハンドシャベルはダメですよ。
脚立
パーゴラの屋根の組み上げ組み立ての際に使用します。パーゴラの屋根組みにも使用しますから脚立を登ってみてパーゴラの屋根に届いて作業が出来る高さの確保が必要です。
パーゴラのDIYで事前に用意する材料
今回のDIYで事前に用意する材料をご紹介します。
ホームセンターで揃う部材ばかりで、なるべく費用を抑え作業工程を簡単にする為に規格材料や規格材の取り付けキットや金具を紹介していますのでご覧ください。
2×8木材 & 4×4木材
規格材で住宅建材にも使用される為に耐荷重性に優れ自作で費用も安価で済みますが、屋外使用には防腐性能に弱い為に防腐処理されたSPF材を購入しておきましょう。防腐処理されたSPF材を使用し最後に防腐塗装をしていきます。4×4材は4本柱の束柱用に使用します。
シンプソン金具
規格木材に特化した金具です。木材のコーナーや木材同士を簡単に繋げてくれバラエティにも富みます。パーゴラの制作にノミを使って木材同士を組み上げる工法もありますが労力的コストがかかります。簡単に接合出来るシンプソン金具をオススメします。
ビス類
シンプソン金具に合ったビスを用意する訳ですが、注意して頂きたいのはステンレスビスをご用意下さい。パーゴラは屋外設置になる為、右のステンレスビスでないと錆びているのがお分かりかと思いますが鉄製のビス類は取り付けても直ぐに錆が発生します。
羽子板つき束石
ブロック基礎としてホームセンターに販売されています。束柱と束石(ブロック)を簡単に接合出来ます。小規模もホームセンターでは販売されていない事もありますので、そこそこ大きなホームセンターで調達しましょう。羽子板つき束石にも大小ありますが、束柱に応じた大きさの物を用意しましょう。
砕石
基礎穴を掘って中に羽子板付き束石(ブロック基礎)の足固め用途で使用します。砕石の調達は大きめのホームセンターでお客さんや店員さんが袋詰めして購入出来たりしますが、採石場に行くと安価に販売してくれる事もあります。
防腐塗料(塗料・刷毛・シンナー)
木材の屋外DIY塗装の塗料として最も有名なのはキシラデコールです。キシラデコールではなくとも、同様の防腐作用のある屋外用の木材塗料を用意しましょう。オイルステインと言って木目をそのままにオイルの塗布で色を変え防腐性能のある塗料もありますので、お好みに合わせてご用意ください。
シェルフリンクス
DIYの為の目から鱗のウッドデッキを簡単に作れる2×4材の接合キットです。
Amazonやジョイフル本田などの大型のホームセンターにて販売されています。
室内の棚や屋外のベンチを2×4材がすっぽり入るようになっており、木材でベンチや棚や更にウッドデッキを作る際に脚を取り付ける事と同時にベンチの座面のスノコ状に貼った板を取り付けする事が可能で簡単に制作する事が可能な強化ABS樹脂製ですので耐久性も問題無し。
パーゴラの作り方
イメージ図(簡単な設計図)と道具・材料を揃えたらいざ本番の作り方に移りましょう。きちんと工程通りに行えば何も難しい事はありません。
材料を塗装する
木材を予め防腐塗装を施しておきましょう。
塗料メーカーの説明書に準じて塗装を行って下さい。一般的には二度塗りを行うと防腐防水性能が向上します。塗料の場合は刷毛塗りが基本ですが、オイルステインの場合はウエスで塗りこむようにオイルを浸透させていきます。
基礎の作り方
四方の束柱を置く箇所にシャベルで束石の全長×1.5倍程の深さの穴を掘っていきます。穴に砕石を入れて平らにシャベルの柄で転圧して水平に頭が4センチ程出るよう束石を入れます。設置が終わったら羽子板つき束石同士で支えるように2×8木材を置き、水平を取って羽子板と束柱をビスで固定し脚と基礎を取り付けます。
組み上げる
脚立に乗り四本の束柱の先端に対して平行に二本、横軸に2×4材を貼っていきます。木材同士の接合はシンプソン金具で行いましょう。最後に屋根の制作になります。2×8材を屋根として平行に二本置いた屋根板にクロスするように等間隔に置いてこれもシンプソン金具で留めるだけです。
ウッドデッキの作り方
今回は手すり無しのウッドデッキの作り方をご紹介します。
手すりを取り付けないタイプのウッドデッキはシェルフリンクスがあれば非常に簡単です。2×4材料を組み立てるのみ。
防腐塗装をする
こちらもパーゴラ同様に組み立てる前に防腐塗装をしておきましょう。パーゴラと同色でも良いのですが、パーゴラとウッドデッキのいずれかをナチュラルとダークで分けると小洒落た感じが増すと思います。
基礎の作り方
パーゴラと同じ要領で基礎を作るのがベストです。同様に基礎穴を掘って砕石を入れて軽く転圧をしながら平にならして羽子板付き束石でウッドデッキの脚を固定し取り付けましょう。この際にパーゴラの束柱にも固定します。
シェルフリンクスを使った作り方
良い時代になったもので、高耐久性のベンチやウッドデッキが簡単に自作制作可能な「シェルフリンクス」と言う2×4材に接合キットが販売されています。予め設計通りに切った木材をビス留めしていくだけでベンチ状に出来上がった木材を連結取り付けをすればウッドデッキが簡単に制作可能です。
パーゴラとウッドデッキのDIYにかかる費用
施工規模や作り方(施工内容)にもよりますが、屋根なしでSPFの規格材を用いて機材を借りる若しくはカットして組み上げれば費用は6畳規模でパーゴラ単体で7万円程、ウッドデッキ付きで10万円台前半の費用で収まるでしょう。
パーゴラをDIYを振り返って
パーゴラのような大きな物をDIYすると「大変だ」と思う方も居るでしょう。
組み立て前の塗装に時間を要しますが、こんなに簡単にパーゴラはDIYで制作が可能なのです。是非、一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。