リーフレタスとは?
レタスは大きく、丸く結球するタイプと結球しないタイプ、半分結球するタイプに分けられます。丸く結球するタイプを「玉レタス」、半分結球するタイプを「半結球レタス」、そして、結球しないタイプを「リーフレタス」と呼びます。つまりリーフレタスとは、レタスの総称のひとつで、ひとくちにリーフレタスと言ってもとても多くの種類があります。リーフレタスは、古代ギリシャ時代より栽培されていた歴史の古い野菜。今では、世界中の人々に食されています。
リーフレタスは家庭菜園にぴったりの野菜
リーフレタスが家庭菜園に向いている理由はたくさんあります。まず、リーフレタスは、種まきしてから収穫まで2カ月と、野菜のなかでも栽培期間が短く、家庭菜園にぴったりです。また、プランターなどでも簡単に育てられるのもよいところ。さらに、肥料もそれほど必要としません。種まきしたリーフレタスを必要分間引きながら収穫することもできますし、大きく育てば葉っぱを一枚ずつかきとりながら食べられます。では、リーフレタスの植え方や収穫方法、家庭菜園におすすめの品種などを見ていきましょう。
リーフレタスの基本データ
科名属名
キク科アキノノゲシ属
学名
Lactuca sativa var. crispa
和名
リーフレタス
別名
サニーレタス、ちしゃ
英名
Leaf lettuce、Cutting lettuce
原産国
西アジア、地中海沿岸の国々
リーフレタスの名前の由来
リーフレタスは、リーフとレタスの2つの言葉が合わさったもの。リーフは葉っぱを意味します。レタスの語源はラテン語に由来します。ラテン語で「乳」を意味する「lac」がなまり、英語の「lettuce(レタス)」という言葉が生まれました。レタスの茎から白い乳のようなとろみのある液体が出てくることに由来します。
レタスの白い液体の正体
レタスの白い液体には、ラクチュコピクリンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。ラクチュコピクリンには、鎮静作用や催眠作用があると言われ、精神をリラックスさせてくれます。レタスを夜食べると寝つきがよくなるとも。なお、白い液体は、時間が経つにつれ赤茶色に変色しますので、レタス類の新鮮さを見極める目安になります。
リーフレタス栽培におすすめの品種
とても色々な種類のあるリーフレタス。家庭菜園で育てれば、スーパーなどではあまり出回っていないちょっと珍しいものも楽しめます。間引きしながら少しずつ収穫したり、外葉を必要分だけ収穫するなど、常にフレッシュな状態で食べられるのも家庭菜園ならでは。家庭菜園におすすめのリーフレタスをピックアップしてみました。少しずつ色々な種類を育てる植え方もおすすめです。
グリーンウェーブ
強めのフリルが素敵なリーフレタスです。何株か植えておくと、一枚ずつ外葉を収穫しながら長期間楽しめます。鮮やかなグリーンも美しく食卓が華やぎます。比較的大きく育つので、しっかり株間をとることが植え方のポイントです。
マザーレッド
マザーレッドは、赤味のある葉っぱがきれいなリーフレタスです。外側が赤く、中にいくにしたがってグリーンになります。厚みのある葉っぱはパリパリと食感が良いもの。苦みが少ないので子供も食べやすいです。
トロピレッド
トロピレッドは、明るめの赤い葉っぱが美しいリーフレタスです。コンパクトなので育てやすく、家庭菜園初心者にもおすすめです。フリルは細かめでドレッシングに馴染みやすいです。
チマサンチェ
焼き肉のおともとして有名なチマサンチェも、リーフレタスの一種です。シャキシャキとした歯ごたえが美味しく肉料理をあっさりと食べることができます。次から次に新しい葉っぱが出てくる強健な種類です。
アメリカンレッドオーク
個性的な葉っぱのかたちが印象的なアメリカンレッドオーク。やわらかめの葉っぱで食べやすく人気の高い品種です。
リボンリーフ
細かめのぎざぎざがまるで小さなリボンのようであることから名付けられた「リボンリーフ」。とても可愛らしく育てて見ているだけでも癒されそう。可愛い野菜をガーデンで育てて花のように楽しむ方法もあります。リボンリーフは、観賞用にも食用にもおすすめのリーフレタスです。
グリーンサム
グリーンサムは、フリルのないシンプルなリーフレタスです。肉巻きや生春巻きの具など料理に使いやすい品種です。
ロザンナ
ロザンナは、赤とグリーンのツートンカラーが美しいリーフレタスです。病気や害虫に強く、生育旺盛なのではじめてリーフレタスを育てる方にもおすすめです。
バターヘッドドレス
バターヘッドドレスは、日本でサラダ菜とも呼ばれるリーフレタスです。フリルはなくやわらかめの食感です。生で食べるのはもちろん、さっとゆでて和え物にしても美味しいです。
ダンシング
ダンシングは、耐暑性のあるリーフレタスで、高温期にも収穫が期待できる品種です。とても細かいフリルが美しいです。
リーフレタスは水耕栽培できる
水耕栽培とは、土を使わずに水で育てる栽培方法です。家庭でも手軽にできる水耕栽培セットも販売されています。また、スポンジやトレイ、ペットボトルなど身近なものを使って栽培することも可能。台所の窓際などに少し育てておくと、グリーンが可愛いインテリアとして楽しみながら、適期が来たら収穫できます。
簡単な水耕栽培の方法
スポンジを10センチ角くらいに切り、真ん中に十字の切り込みを入れます。切り込みを入れたところにリーフレタスの種をまき、スポンジをトレイに並べます。発芽するまで日当たりのよい室内で管理しながら水やりを続けましょう。常にスポンジが水に浸かっている状態を保ちます。また、水が腐らないようにこまめに入れ替えましょう。種から根と芽が出て、本葉が1~2枚出てきたころから、定期的に液体肥料を施します。
水耕栽培専用の液体肥料を使おう
水耕栽培には、固形の肥料ではなく、水耕栽培専用の液体肥料を使いましょう。固形肥料は、どちらかというと土で野菜を育てることを考えて作られたもの。野菜が肥料成分を吸収するまでに時間がかかりますし、肥料成分が濃すぎることもあります。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ1・土づくり
リーフレタスは畑はもちろんのこと、プランターでも気軽に育てられます。リーフレタスは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜたものを準備しましょう。市販の野菜用培養土を利用してもよいでしょう。また、リーフレタスは弱アルカリ性の土壌で良く育ちます。リーフレタスの種まき、もしくは苗の植え付けをする前に、少し苦土石灰を混ぜ込んで寝かせておくのが、リーフレタスをうまく育てる植え方のコツです。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ2・肥料
リーフレタスには、はじめの肥料である元肥料として種まきもしくは、苗の植え付けの際に、穏効性の固形肥料や堆肥肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。プランター栽培を気軽におこなうときなど肥料成分がはじめから入っている野菜専用の土を使うと、新たに肥料を購入することもなく便利です。リーフレタスは生育期間が短く、はじめに肥料を与えておけば、そのあと追加で肥料を与えなくても大丈夫。リーフレタスが植え方の簡単な野菜と言われる所以です。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ3・水やり
リーフレタスには、植えている土の表面が乾いたらしっかり水やりしましょう。とくにプランター栽培など地植えでない場合は、土が乾きやすいのでこまめにチェックしましょう。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ4・場所
リーフレタスは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。畑で地植えするときは、水が溜まった状態にならないようにきちんと畝を立てておくことが植え方のポイントです。プランター栽培をするときは、プランターをしっかり太陽の光の届くところに置きましょう。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ5・種まき
リーフレタスの種まきに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。リーフレタスは比較的発芽しやすい植物で、種まきからの成功率の高い野菜です。畑やプランターなどはじめから育てたいところに種まきする植え方もありますし、一度育苗ポットなどに種まきして苗を作ってから、畑やプランターに定植する植え方もあります。はじめから育てたいところに種まきする植え方は、苗を定植する手間を省ける植え方です。逆に、一度苗を作ってから定植する植え方は、間引きの手間や間引きによる無駄が省けることと、苗が安定することがメリットです。
種まきの方法
種まき用の土を入れた育苗ポットやプランターを準備します。一粒一粒種が重ならないように種まきしましょう。リーフレタスは好光性の植物。種まきしたあとには覆土せずに、手で軽く押さえます。種まきした育苗ポットやプランターを、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。リーフレタスの種は小さいので、水やりの際に流れてしまわないように注意します。霧吹きを使って水やりすると便利です。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ6・間引き
畑やプランターなどにリーフレタスの種を直まきした場合は、本葉が数枚出たころによい苗だけ残して適度に間引きをしましょう。
間引きしたものも食べよう
間引きしたリーフレタスを捨ててしまうのはもったいないです。間引きした小さなリーフレタスはとても可愛らしいもの。リーフレタスを間引きしたら根っこを取って、間引きレタスサラダにしましょう。スーパーなどでは、小さい状態で収穫したミニサイズのリーフレタスも販売されています。間引きを前提に少し多めに種まきして、ミニサイズの可愛らしさを楽しむのもひとつです。さまざまな楽しみ方ができるのも家庭菜園のメリットです。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ7・植え付け
リーフレタスの植え付けに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。種まきから育てた苗もしくは市販の苗を植え付けます。リーフレタスを植え付ける際には、苗と苗との間隔をだいたい20~30センチくらいあけましょう。植え付けたリーフレタスがしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ8・病気
リーフレタスには、灰色かび病が発生することがあります。灰色かび病はかびを要因とする病気で、じめじめとした梅雨時期などに発生しやすい病気です。リーフレタスに灰色かび病が発生すると、はじめに葉っぱや茎に小さく薄い灰色の斑点があらわれます。斑点は次第に大きく濃い灰色になり、株全体に広がっていきます。放置しておくとリーフレタスが枯れてしまいますし、収穫して食べられる部分が減ってしまいます。灰色かび病を見つけたら、病斑部を切り取ってすみやかに駆除しましょう。
連作障害に気をつけよう
リーフレタスをはじめとして、野菜を栽培する際に気に留めておくべきなのが連作障害です。連作障害とは、2年以上同じ土壌で同じ野菜を育てていると、野菜に病害虫が発生しやすくなることです。同じ野菜というのは、同じ科の野菜を指し、リーフレタスの場合、玉レタスなども同じ野菜にあたります。畑でリーフレタスを育てるときは、毎年畝を変えます。プランターなどで育てる場合は、土を定期的に新しく更新しましょう。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ9・害虫
リーフレタスには、アブラムシが発生することがあります。アブラムシは、春の暖かい時期から発生しやすい害虫です。アブラムシは、リーフレタスの葉っぱや茎に寄生して、リーフレタスの栄養分を吸い取ってしまいます。アブラムシは群れになって発生することが多く、あっという間にリーフレタスを食べつくしてしまうことも。アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。
リーフレタスの栽培と育て方のコツ10・収穫
リーフレタスが、本葉10枚くらい、大きさ20~30センチくらいに育った頃が収穫の適期です。リーフレタスは、一度に株ごと収穫しなくても、外の葉っぱから一枚ずつ使う分を収穫できます。いつも新しい野菜を収穫できるのが家庭菜園のよいところ。サラダなど作ろうと思ったときに少しずつ収穫しましょう。外の葉を収穫したリーフレタスからは、新しい葉っぱが次々と生えてきますので、長い期間収穫を楽しめます。
茎が伸びたら収穫終了のサイン
最後にリーフレタスの中心部分の葉っぱが伸びて茎があらわれます。そして伸びた茎には花が咲きます。茎があらわれたら収穫終了のサイン。葉っぱが固くなってきたり黄色く枯れてきたりします。株ごと収穫して最後のリーフレタスを楽しみましょう。ただし、種を自家採取したい場合はそのまま置いておきましょう。リーフレタスは、茎の先に小さくて黄色い可愛らしい花を咲かせたあとに種をつけます。種はうっかりすると下に落ちてしまいますので、花が咲いたら、ストッキングなどを花の部分にかぶせておくと確実です。
リーフレタスを栽培してサラダにしよう
リーフレタスは、種まきから発芽しやすく、植え方や育て方の簡単な野菜です。大きな畑がなくても大丈夫。プランターなどでも育てられます。また肥料もそれほど必要としません。リーフレタスには赤やグリーン、チリチリとした葉っぱなどとてもたくさんの種類があり、家庭菜園におすすめ。大きく育つ前の間引きレタスも可愛らしいサラダになります。家庭菜園で育てたリーフレタスをフレッシュサラダにして、リーフレタスの彩りを楽しみませんか。