レモンバーベナってどんなハーブ?
レモンバーベナとは、南アメリカを原産とするハーブです。原産国など暖かい地域では3メートルにもなる落葉低木ですが、日本では大きくなっても1~2メートルです。レモンバーベナは名前のとおりレモンのようなよい香りを漂わせるハーブ。ハーブティなど気軽な使い方で体によい効果効能があります。レモンバーベナは育て方も使い方も簡単。冬越しや剪定のコツを知りレモンバーベナを育ててみませんか。
レモンバーベナの花の特徴
レモンバーベナの花の開花時期は、6~8月ごろです。レモンバーベナはすっと伸びた花茎の先に、小さな白い花を房のように咲かせます。
レモンバーベナの葉の特徴
レモンバーベナの葉っぱの色は明るいグリーンです。レモンバーベナの葉っぱの形は細長く先がとがっています。レモンバーベナはよい香りで有名なハーブですが、香りがするのは葉っぱです。
レモンバーベナの基本データ
科名属名
クマツヅラ科コウスイボク属(イワダレソウ属)
学名
Aloysia cutrodora(Aloysia triphylla)
和名
レモンバーベナ
別名
防臭木(ぼうしゅうぼく)、香水木(こうすいぼく)
英名
Lemon scented verbena
原産国
南アメリカ
レモンバーベナの花言葉
花言葉1「広い心」
レモンバーベナの花言葉は、「広い心」です。レモンバーベナは、春から秋にかけて葉っぱを茂らせます。葉っぱには人間にとってよい効果が期待できます。長期間いつでも葉っぱを提供してくれるレモンバーベナの葉姿から、「広い心」という花言葉がつけられました。
花言葉2「忍耐」
レモンバーベナには、「忍耐」という花言葉があります。レモンバーベナは、とても丈夫な植物で、葉っぱをたくさん収穫しても枝ごと切っても、また新しい葉茎を伸ばし成長します。そんなレモンバーベナの特徴から、「忍耐」という花言葉が生まれました。
花言葉3「魔力」
レモンバーベナは、原産地などで古来より、呪術の力を高める効果が信じられ神事などに用いられてきた植物です。その昔、魔女が薬を配合するときにレモンバーベナを好んで使ったのだとか。そんなレモンバーベナの特徴から、「魔力」という花言葉が生まれました。
レモンバーベナの効果と効能
レモンバーベナは、よい香りとともに体によい効果効能をもたらしてくれるハーブで、「ハーブティーの女王」という別名を持つほどです。なかでもフランスでは、レモンバーベナのハーブティーは、ベルベーヌと呼ばれカフェの定番メニューであり、人々に愛されています。レモンバーベナの苗をひとつ植えておけばとても重宝します。では具体的にレモンバーベナの効果と効能について見ていきましょう。
効果と効能1「リラックス効果」
レモンバーベナは、レモンのようなすっきりとした香りで、神経を落ち着かせて気持ちをリラックスさせてくれる効能を持っています。
効果と効能2「鎮静効果」
レモンバーベナは、鎮静効果をもたらしてくれるハーブです。頭痛や喉の痛みがあるときに、レモンバーベナのハーブティーを飲むと痛みが和らぐそうです。
効果効能3「胃腸の働きの促進」
レモンバーベナは、胃腸の働きを促進させ、消化吸収をサポートする効果効能を持っています。食欲のないときや、逆に食べ過ぎ飲み過ぎのとき、吐き気があるときなどにレモンバーベナを摂取すると、ぐっと楽になります。
レモンバーベナの育て方1 土づくり
レモンバーベナは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土や川砂を少し混ぜたものを準備しましょう。市販のハーブ用の培養土を利用するのも便利です。また、レモンバーベナは、弱アルカリ性の土壌を好む植物です。レモンバーベナの苗を植え付ける2週間くらい前に土に苦土石灰を混ぜ込んで寝かしておくとよいでしょう。
レモンバーベナの育て方2 肥料
レモンバーベナには、植え付ける際に元肥として穏効性の固形肥料を少しほどこしましょう。その後、5~9月のレモンバーベナの生育時期には、一か月に1度の割合で液体肥料を少し施すとよいでしょう。
レモンバーベナの育て方3 水やり
レモンバーベナは、比較的乾燥を好む植物なので、水やりを控え気味におこないましょう。鉢植えのレモンバーベナには、植えている土の表面が乾くのを確認してから少し水やりします。地植えの場合はほとんど水やりの必要はありません。
レモンバーベナの育て方4 場所
レモンバーベナは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。逆にレモンバーベナは、じめじめとした多湿の環境が苦手です。鉢植えのレモンバーベナは、湿度がこもらないように地面に直接置くより何か台やいすの上などに置くのがベストです。
夏越し
レモンバーベナは、もともと暖かい国に自生しているハーブです。そのため夏越しは比較的簡単です。ただし夏前の多湿になる梅雨時期は苦手。レモンバーベナの葉っぱの混みあっているところをこまめに剪定するなどして、レモンバーベナをできるだけ風通しよく管理しましょう。
冬越し
レモンバーベナは、冬の寒さにも比較的強い植物です。ただし、植え付けてから間もない株については少し過保護に冬越しさせると安心です。また寒冷地で育てる場合は、少し気を付けて冬越しさせましょう。鉢植えの場合は、霜や寒さのあたらない軒下や室内に取り込んで冬越しさせましょう。地植えの場合は、レモンバーベナの株元にバークチップや落ち葉を敷いて、根っこを守ってあげると冬越ししやすくなります。ある程度年数が経って木のように育っているレモンバーベナは冬越しにそれほど気を使わなくても大丈夫でしょう。
レモンバーベナの育て方5 植え付け
レモンバーベナはあまり種が流通しておらず、苗から育てるのが一般的です。レモンバーベナの苗の植え付けの適期は、5~6月ごろです。土を準備した鉢や庭にレモンバーベナの苗を植え付けます。植え付けた苗がしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
レモンバーベナの育て方6 植え替え
レモンバーベナは、生育スピードの早い植物なので、鉢植えの場合は定期的に植え替えをして根詰まりを防ぎましょう。だいたい1~2年に一度の割合で植え替えをします。これまでより一回り大きな鉢を準備して、植え替えます。植え替えたレモンバーベナが根付いてしっかり安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。なお、植え替えの際に一緒に株分けしてもよいでしょう。
レモンバーベナの育て方7 剪定
レモンバーベナは、環境の合ったところで育てるとぐんぐん育ち、枝が四方八方に伸びていきます。剪定をして樹形を保ちましょう。レモンバーベナの剪定に適した時期は、5~7月ごろです。レモンバーベナの枝の先からだいたい2節くらいを、剪定はさみなどを使って切り取ります。剪定したところからは新しい茎が左右にでてきます。こまめな剪定により、レモンバーベナがこんもりと美しく茂り、収穫量も増えます。
レモンバーベナの育て方8 病気
レモンバーベナにはそれほど病気の心配はありません。
レモンバーベナの育て方9 害虫
アブラムシ
レモンバーベナには、アブラムシが発生することがあります。アブラムシはレモンバーベナの葉や茎に寄生してレモンバーベナの栄養分を吸い取ってしまいます。アブラムシは群れで発生することが多く、あっという間に栄養分を吸い尽くし、レモンバーベナが枯れてしまうこともあります。また、アブラムシの排泄物にはほかの害虫を引き寄せるよい香りがします。二次被害を防ぐためにもアブラムシを見つけたらすみやかに駆除しましょう。
ハダニ
レモンバーベナには、ハダニがつくことがあります。ハダニはとても小さい害虫で、さらに主に葉っぱの裏に発生するので、発見が遅れがち。ハダニは群生してレモンバーベナの葉っぱから栄養分を吸い取ってしまいます。レモンバーベナをこまめに観察しながら、ハダニを見つけ次第駆除しましょう。
レモンバーベナの増やし方1 挿し木
レモンバーベナは、挿し木で増やすことができます。レモンバーベナは強いハーブで発根しやすいので、挿し木による増やし方は比較的簡単です。レモンバーベナの挿し木に適した時期は、5~9月ごろです。育てているレモンバーベナから、程度のよい茎を2節分くらい挿し木用に切り取ります。発根剤を入れた水に数時間挿し木用の茎をつけておき、しっかり水揚げさせます。挿し木用の土をいれた育苗ポットや鉢に挿し木します。挿し木したものから発根して安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら水やりを続けましょう。本葉が数枚出てきたら挿し木苗の完成です。
レモンバーベナの増やし方2 株分け
レモンバーベナは、株分けでも増やすことができます。レモンバーベナの株分けに適した時期は、5~10月ごろです。ただし真夏の暑い時期は避けましょう。株分けしたいレモンバーベナの根っこを土から抜き取ります。レモンバーベナの根っこを手や清潔なハサミで切って株分けします。それぞれの株を新しい鉢や庭に植え替えましょう。株分けした株が、しっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
レモンバーベナの使い方
育てたレモンバーベナを使ってみましょう。使い方は簡単。レモンバーベナは、生のままでも乾燥させても使うことができます。香りがよく効果効能があるのはレモンバーベナの葉っぱの部分です。
使い方1・ハーブティー
レモンバーベナの葉っぱを摘み取ります。さっと水洗いして急須にひとつまみ入れたら熱湯を注ぎます。数分蒸らしたらレモンバーベナのハーブティーの完成です。5~9月ごろのレモンバーベナの葉っぱがふさふさと茂っているときならいつでも収穫して楽しめます。冬のあいだにも楽しみたいときはレモンバーベナの葉を乾燥させておくとよいでしょう。季節を問わずいつでも楽しめます。
使い方2・ポプリやサシェ
レモンバーベナの葉っぱを摘み取って、日干し乾燥させると自家製ポプリの完成です。そのままガラスの器などに入れて部屋に飾ったり、布袋に入れてトイレの壁などに飾るとよいでしょう。また、レモンバーベナを茎ごと切り取って、ひもでつるしておくと簡単なドライフラワー兼ポプリが楽しめます。
レモンバーベナを育ててみよう
レモンバーベナは、とてもよい香りのするハーブ。レモンのようなすっきりとした香りは一度嗅ぐとやみつきになるほどです。レモンバーベナには、胃腸の働きを整えたり精神をリラックスさせる効果があるとされ、一本植えておくと便利です。育てやすい植物なのでぜひ栽培してみましょう。自分で育てたレモンバーベナのフレッシュハーブティーの香りは格別です。