まずはぶなしめじについて改めてご紹介
ぶなしめじはシメジ科シロタモギタケ属のきのこです。北半球に広く分布していて日本では北海道から九州まで広範囲に渡って生息しています。生息場所はブナの木の枯れ木や倒木などの死んだ木に自生しています。
高さは4~15㎝で色は茎の部分が白で傘の部分が茶色になっています。
ブナシメジ(橅占地、橅湿地、学名:Hypsizygus marmoreus)はシメジ科シロタモギタケ属のキノコ。分布は北半球の温帯以北、日本国内では北海道から九州にかけて自生。秋にブナをはじめとするトチノキ、シナノキ、カエデ等広葉樹の朽木、倒木および伐根に群生する。傘は高さ4〜15 cm、表面は白~赤みがかった灰色で、中央部に濃色斑状の大理石模様を顕す(日陰に生えたものには模様が見られない場合もある)。襞は白色で、やや密、柄に直生。柄は長さ3〜10 cm、傘に対して偏心性・中心性。胞子は4〜5×3〜4 μmの広卵形~球形。
ホンシメジとぶなしめじの違い
ぶなしめじ以外にも「シメジ」と名の付くきのこは存在しますが、現在食用として最も浸透しているのはぶなしめじです。ぶなしめじは以前まで「ホンシメジ」という名称で販売されていたこともありました。
しかし本来のホンシメジはぶなしめじとは全く別の種類で、しっかりとした味が付いている高級食材のことです。ちなみに「香り松茸、味しめじ」という有名なフレーズがありますが、このしめじはぶなしめじではなくホンシメジのことを意味します。
現在浸透しているのはぶなしめじ
現在はぶなしめじとホンシメジは全く別物としてはっきりと区分けされています。ぶなしめじはホンシメジとは違い味や香りは強くないですが、癖が無く安価で販売されているのでホンシメジよりも一般家庭の食生活に浸透しています。
真っ白なぶなしめじもある!
市販のぶなしめじには品種改良されたタイプもあります。それは全体が真っ白で「ブナピー」と呼ばれる製品です。これはキノコ類の販売株式会社として有名なホクト(株)の登録商標で正式名称をホワイトブナシメジと呼びます。
従来のぶなしめじよりも甘みが強いのが特徴です。
ぶなしめじに含まれる豊富な栄養成分
ぶなしめじは安価で販売されていて料理にも使いやすい食材ですが、栄養成分が豊富で健康的な食材として知られています。
ぶなしめじの栄養成分紹介
ぶなしめじに含まれる栄養成分は「ビタミンC」「ビタミンD」「ビタミンB1・B2・B6」「ナイアシン」「カリウム」「鉄分」「食物繊維」「アミノ酸」などがあります。
ぶなしめじは普段の食生活で不足しがちなビタミンやミネラルを豊富に含んでいるので毎日の食事に積極的に取り入れていきたい食材と言えるでしょう。
栄養たっぷりのぶなしめじの効能・効果
ぶなしめじには栄養成分が豊富に含まれているので様々な体にいい効能・効果が得られます。
ぶなしめじの栄養成分①ビタミンD
ぶなしめじには100g当たり0.6 μg(マイクログラム)ものビタミンDが含まれています。ぶなしめじのビタミンD含有量は僅かながらしいたけよりも多いです。ビタミンDは紫外線を浴びる事で体内で生成され、カルシウムの吸収を助けることで有名な栄養素です。
ビタミンDは必要不可欠な栄養素
ビタミンDが不足するとストレスを感じやすくなってしまうので普段の生活には必要不可欠な栄養素と言っても過言ではありません。
ビタミンDはぶなしめじに含まれる栄養成分の中でも多く含まれる部類に入るのでぶなしめじを食べてビタミンDを計画的に摂取することも可能です。
ぶなしめじの栄養成分②グルタミン・グルタミン酸
ぶなしめじにはグルタミンとグルタミン酸も多く含まれています。これは代謝にかかわる栄養成分なので疲労回復に役立ちます。またβグルカン・レクチンも代謝機能を向上させる効果・効能が期待できます。
免疫力の強化もできるので病気に負けない体づくりに最適です。
ぶなしめじの栄養成分③チロシナーゼ阻害物質
ぶなしめじにはチロシナーゼ阻害物質という栄養成分も含まれています。チロシナーゼ阻害物質はシミの原因と言われているメラニン色素の生成を抑制するので美白効果が期待できます。
またぶなしめじにはオルニチンの様な肌の新陳代謝を上げる栄養成分も豊富なので美容に不可欠な肌のターンオーバーも促してくれます。
ぶなしめじの栄養成分は健康に良い物ばかり
このようにぶなしめじに含まれる栄養成分は疲労回復・免疫力低下・美肌効果などの効果・効能が期待できます。そのためぶなしめじは老若男女問わず幅広い人々が毎日の食生活に取り入れるべき健康食品と言えるでしょう。
ぶなしめじに含まれるカロリーはどれくらい?
健康的な食生活を送る上で食材に含まれるカロリーはとても重要な情報です。ではぶなしめじにはどれくらいのカロリーが含まれるのでしょうか?
カロリーは100gでたった18kcal!
ぶなしめじのカロリーは100gでわずか18kcalしか含まれていません。実はカロリーが低いことはキノコ類全般に見られる特徴の一つです。そのためぶなしめじも同じく低カロリーなのでダイエット向きの食材と言えます。
低カロリーだけじゃない!ぶなしめじの栄養成分
ぶなしめじにはレクチンと呼ばれる栄養成分も含まれています。レクチンには食欲を抑える効果があるので食べ過ぎを防止してくれます。またぶなしめじには代謝を上げる栄養成分も含まれているのでダイエット中にありがちな栄養価の偏りも防いでくれます。
ぶなしめじで太りにくい体質へ
ぶなしめじに多く含まれるビタミンDにはカルシウムの吸収を強化してくれる効果・効能があります。カルシウムは脂肪の吸収を妨害してくれるので、カロリーを取り過ぎても太りにくい体を形成してくれます。
低カロリーなのでダイエット向きな効能・効果あり!
以上の事からぶなしめじはカロリーがとても低くてダイエットにも向いている食材であることが分かります。栄養成分もたくさん含まれているのでダイエット中でもそうでなくても食べると体に良いことばかりです。
ぶなしめじに含まれる食物繊維はどれくらい?
食物繊維は整腸作用があるので摂取した食物の吸収・排泄に大きく関わる栄養素です。ぶなしめじには100g当たり3.7gもの食物繊維が含まれています。
この数値は他のキノコ類と比較するとしいたけ・まつたけより少ないですが、なめこ・舞茸より多い数値です。ぶなしめじだけに関わらずキノコ類は総じて食物繊維が多く含まれている傾向にあります。
食物繊維は便秘予防に効能・効果あり
食物繊維は腸の活動に深く関わっているので便秘予防に役立ちます。食物繊維が多い食材を食べると満腹感を得られるので食べ過ぎ防止になります。またコレステロール値の上昇と動脈硬化の予防にも期待できます。
ぶなしめじは不溶性食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。ぶなしめじの食物繊維は不溶性なので、体内の毒素を排出してくれるデトックス効果があります。
干ししめじについて:干すと栄養アップ!
ぶなしめじは基本的に房として繋がった状態で生のままで販売されています。それを焼いたり煮たりして食べるのが普通ですが、一度天日干しにして乾燥させると「干ししめじ」になります。
天日干しにすることで食感が良くなり香りと味がとても深くなります。ここではそんな干ししめじについてご紹介します。
干ししめじの作り方
干ししめじの作り方はとても簡単です。市販のぶなしめじの石づきを切って1本毎に分けます。分解したぶなしめじを日当たりと風通しが良い屋外で平らに並べて天日干しにします。ベランダや庭が調度良いでしょう。
干す時間は保存用の場合3~5日間、そのまま調理する場合は4時間~半日程度かかります。乾き具合にムラが出ないように時々裏返して下さい。ぶなしめじを触ってみて干物の様に乾いていたら完成です。
干ししめじの保存方法
完全に乾燥した干ししめじはジップ付きの袋に入れて保管します。保存期間は常温で3週間ほど持ちます。保存する際は袋の中に乾燥材を入れることをおすすめします。
干ししめじならではの栄養成分と効能・効果
干ししめじは生のぶなしめじに比べてビタミンDが増加するので栄養が豊富です。そのため代謝の向上と脂肪の過剰摂取防止にとても役立ちます。干ししめじの食べ方は生のぶなしめじとほとんど同じです。
ただし、干ししめじは乾燥しているので炒め物に使用する時は事前に水で戻す必要があります。煮物やスープ類ならそのまま使用できます。また、干ししめじは干しシイタケの様に出汁も取れます。
ぶなしめじは食べ過ぎると危険!
ぶなしめじは栄養成分が豊富でカロリーと食物繊維もたくさん含まれているのでダイエットにも向いています。しかし食べ過ぎると体に悪い結果を引き起こしてしまいます。
100g以上は食べ過ぎ!
ぶなしめじの1日の摂取目安量は100g程度(市販のぶなしめじ1袋分)です。それ以上食べ過ぎるとビタミンDが過剰摂取になってしまい骨からカルシウムが溶けだしてしまいます。
すると高カルシウム血症になってしまい、下痢・嘔吐を引き起こしてしまう恐れがあります。
食べ過ぎなければ栄養が豊富な健康食品
高カルシウム血症はビタミンDの過剰摂取が原因となるのでビタミン類が含まれるサプリメントを服用している方は、ぶなしめじの目安摂取量が少なくなって食べ過ぎになりやすいので注意して下さい。
ぶなしめじは100g以下の摂取量ならば問題無いので食べ過ぎにならない程度で食べることをおすすめします。
他のキノコ類も要注意
ちなみにぶなしめじ以外のキノコ類も同様の理由で食べ過ぎると体に悪影響を及ぼします。毎日キノコ類ばかり食べることはあまりないと思われますが、栄養が豊富だからと言って食べ過ぎには十分注意して下さい。
ぶなしめじの美味しい食べ方
ぶなしめじは安価で食用として広く浸透していて食べ方も豊富です。特にぶなしめじは食感が良く味と香りに癖が無いのでさまざまな料理に合わせやすいという特徴があります。
主な食べ方は炒め物か煮物
ぶなしめじの食べ方は主に野菜炒めやスパゲティなどの炒め物か、味噌汁や炊き込みご飯などの煮物の2種類があります。どちらにせよ調理時には必ず火を通す必要があります。またぶなしめじは足が速いので買って来たら早めに食べる必要があります。
買ってきて冷蔵庫に保存したら2~3日以内に消費するのが理想です。それ以上の期間使用する予定がない場合は一度加熱処理してから冷凍庫で保管すればより長く保存できます。
ぶなしめじの調理時の注意点
食べ方の注意点:水洗いしない
ぶなしめじを含むキノコ類は水洗いすると表面の栄養成分が洗い流されてしまいます。そのためぶなしめじの調理時は軽く洗うか表面のゴミをキッチンペーパーで拭き取る程度にすると良いでしょう。
食材を料理する前に水洗いするのは一般常識なので、どうしても衛生面を気にする人もいるかもしれません。しかしぶなしめじは栽培時に農薬などの薬品を一切使わないので表面に有害物質が付着している心配はありません。
食べ方の注意点:石づきは破棄する
ぶなしめじを調理する時は石づきと呼ばれる下の部分を切って、1本ずつ手でちぎるか包丁で切りわけます。余った石づきは食べないので破棄します。
食べ方で栄養・効能アップ
ぶなしめじは食べ方や料理によって栄養成分をよりたくさん摂取できるようになります。豚肉・鶏肉・キャベツ・かぼちゃと一緒に食べると美肌効果が期待できます。
またブロッコリーやアスパラガスは免疫力アップに、小松菜や牛乳は骨粗鬆症の予防効果が期待できます。ぶなしめじを料理する時は食べ方にも気を付けてみましょう。
しめじ料理①:しめじ入りペペロンチーノ
ここからはぶなしめじを使った代表的な料理をご紹介します。とても簡単にできますので是非試しに作ってみて下さい。
鍋に水をたっぷり入れて大さじ1杯の塩とともにお湯を沸かします。沸騰したらスパゲティ100gを入れて袋に表示されている時間の通りに茹でます。しめじを1本ずつ、ベーコンを小さくカット、ニンニクをみじん切りにします。
フライパンにオリーブオイル大さじ1杯とベーコン・ニンニク・鷹の爪少々を入れて弱火で香りが出るまで炒めます。香りが出たらしめじを入れて火が通るまで炒めます。
茹で上がったスパゲティとお玉1杯分のゆで汁を入れて全体が良く絡むように炒めます。汁気がなくなり全体が馴染んだら完成です。味見をして薄かったら塩を足してください。
しめじ料理②:しめじごはん
米3合とつゆ(だし汁1カップ、しょうゆ大2、みりん大1、酒大1、塩小0.5)と炊飯器に入れます。水は炊飯器の3合のメモリに合わせるように入れて下さい。あとは小分けしたぶなしめじを入れて炊くだけです。
お好みで油揚げなどの炊き込みご飯に使用する食材を入れると彩りが良くなり美味しくなります。
しめじ料理③:きのこのホイル焼き
こちらのレシピはぶなしめじだけでなくたくさんのキノコ類を使用します。画像の料理はぶなしめじだけですが、しいたけ・舞茸・エリンギ・えのきなどの数多くのキノコ類を使用する事でいろんな食感が楽しめて美味しくなります。
作り方
作り方はアルミホイルにバター30gを塗ってキノコ類(合計額250g前後)とニンニク1片を乗せて上から塩コショウ少々を振ります。アルミホイルを丸く包んでオーブントースターで6分焼きます。
その後少しだけ開封してしょうゆを一回しかけてさらに1分焼きます。きのこが中まで火が通っていれば完成です。食事やお酒のつまみなど色んなタイミングで美味しく食べられます。お好みですだちを絞って下さい。
しめじ料理④:しめじ入り焼うどん
お好みの野菜・ぶなしめじ100g・豚肉100gを小さくカットします。炒める際は野菜→ぶなしめじ→豚肉の順に入れます。次の食材を入れる前に火が通っているかどうか確認してください。その後うどん2玉と水100ccを入れて麵をほぐします。
うどんが柔らかくなったら粉末出汁小1としょうゆ大1を入れて混ぜます。全体に味が馴染んで水気が無くなったら完成です。
ぶなしめじの栄養と食べ方について:まとめ
いかがでしたでしょうか。ぶなしめじは安価で購入しやすいにもかかわらず栄養成分が豊富でダイエットや健康食品としての効果・効能も期待できます。しかし食べ過ぎると体に悪いので十分注意して下さい。
1日100g以下さえ守れば栄養が豊富で体に良く、色んな料理に使えて美味しい食材なので毎日の食生活に積極的に取り入れることをおすすめします。