ペンステモンってどんな植物?
ペンステモンは、北アメリカを原産とする植物です。ペンステモンの草丈はだいたい30~80センチくらいです。ペンステモンにはロゼット状の種類と茎立ちの種類があります。ペンステモンは耐寒性に富む植物で冬越しはしやすいです。ただし夏の暑さは苦手。ペンステモンは、本来多年草ですが、日本の梅雨時期や真夏の暑さに弱く枯れてしまうことが多いので、日本では一年草の種類とされています。切り戻しなどの剪定をこまめにおこなうことで、夏越しできることもあります。
ペンステモンの花の特徴
ペンステモンの花の開花時期は、だいたい6~9月ごろです。ペンステモンの花は釣り鐘のような筒状で、ぷっくらんとした花姿をしています。とても可愛らしいので寄せ植えの材料としても人気です。ペンステモンの花の色は、白やピンク、紫、赤などさまざまです。ペンステモンが風に揺れる姿はまるで熱帯魚がスイスイと泳いでいるようです。
ペンステモンの葉の特徴
ペンステモンの葉っぱの形は、細長くそれほど大きくありません。ペンステモンの葉っぱの色は明るいグリーンです。なかには銅葉の種類や、少し紫がかった種類もあります。
ペンステモンは寄せ植えにも人気
ペンステモンは、草丈のある植物なので寄せ植えの中心や背部に植えると素敵です。ペンステモンにはバラエティに富んだ花色の種類があるので、寄せ植えの雰囲気に合わせて選ぶことができます。6~9月と比較的長く花を楽しめるのも寄せ植えにおすすめの理由です。
ペンステモンの花名の由来
ペンステモンという花名は、ギリシャ語に由来します。ギリシャ語の「ペンテ」と「ステモン」が合わさったものです。ギリシャ語で「ペンテ」は「5」、「ステモン」は「雄しべ」を意味します。ペンステモンの花からちらりと見える雄しべの様子からつけられたものです。ただし、ペンステモンの本当の雄しべは4本です。ペンステモンは花の内部に、雄しべとは別に「仮雄ずい」と呼ばれる器官を持っていて、一見すると雄しべのように見えます。
ペンステモンの基本データ
科名属名
オオバコ科イワブクロ属(ペンステモン属)
学名
Penstemon
和名
ペンステモン
別名
ツリガネヤナギ、ヤナギチョウジ
英名
Beardtongue
原産国
北アメリカ
ペンステモンの花言葉
あなたに見とれています
ペンステモンの花言葉は、「あなたに見とれています」。ペンステモンは寄せ植えやガーデンの主役になる鮮やかで大きめの花を咲かせます。花姿が見事で見とれてしまうほど。そんなペンステモンの花姿から、「あなたに見とれています」という花言葉が生まれました。
ペンステモンの種類
ペンステモンには、原産地である北アメリカ周辺を中心としてだいたい250種類もの原種があります。日本では一年で枯れることが多くそれほど大きくなりませんが、現地では木立性の大きな種類もあるそうです。日本ではペンステモンの種類のひとつである「イワブクロ」が、北部の高山に自生しています。ペンステモンは、品種改良がなされガーデニングなどで育てやすい園芸品種が販売されています。
ペンステモンの育て方1「土づくり」
ペンステモンは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に、軽石や腐葉土、川砂を少し混ぜたものを準備するとよいでしょう。市販の草花用培養土を利用するのも便利です。
ペンステモンの育て方2「肥料」
ペンステモンは、それほど多くの肥料を必要としません。ペンステモンをはじめに植え付ける際に、元肥としてほんの少し穏効性の固形肥料を土に混ぜ込んでおくとよいでしょう。その後は、ペンステモンの様子を観察しながら、必要に応じて液体肥料を少し施しましょう。ただし、ペンステモンは6月以降の夏に肥料分が残っていると夏越しするのが難しいです。夏に向けて土などに肥料成分が残らないように注意しましょう。
ペンステモンの育て方3「水やり」
ペンステモンは、じめじめした多湿の環境を苦手とします。鉢植えのペンステモンへの水やりは、ペンステモンを植えている土の表面が乾いているのをしっかり確認してからにしましょう。地植えの場合はほとんど水やりの必要はありません。
ペンステモンの育て方4「場所」
ペンステモンは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。ペンステモンは比較的強い植物ですが、日本のじめじめとした梅雨時期を最も苦手とします。鉢植えにしている場合は、梅雨の雨にあまりかからないなるべく風通しのよいところに移動させましょう。
夏越し
ペンステモンは、本来多年草の植物です。梅雨時期と真夏をうまく乗り越えれば、秋にも花を咲かせてくれます。ペンステモンは、梅雨時期に差し掛かったら、こまめに花がら摘みや切り戻しなどの剪定をして、できるだけ風通しよく管理しましょう。
冬越し
ペンステモンは、耐寒性の強い植物なので、それほど神経質にならずとも冬越しは容易にできます。逆に、冬の寒さに当たることで翌年の春以降に花を咲かせる性質を持っています。ペンステモンは、冬場暖かいところに移動させずに、あえて屋外の寒さのあたるところで冬越しさせましょう。
ペンステモンの育て方5「植え付け」
ペンステモンの植え付けに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。土を準備した鉢などにペンステモンを植え付けます。植え付けたペンステモンがしっかり根付いて安定するまで、風通しのよい日当たりのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
ペンステモンの育て方6「植え替え」
ペンステモンを鉢植絵にしている場合は、根詰まりを防ぐため定期的に植え替えをおこないましょう。ペンステモンの植え替えに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。これまでより一回り大きな鉢に土を入れたものを準備しましょう。植え替えたいペンステモンを土からすっぽりと取り出し、新しい鉢に植え替えます。植え替えたペンステモンがしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。なお、植え替えをする際に一緒に株分けをしてもよいでしょう。
ペンステモンの育て方7「剪定」
ペンステモンは、じめじめした多湿の環境を苦手とする植物です。ペンステモンは花がら摘みや切り戻しなどの剪定をこまめにおこなってできる限り風通しよく管理しましょう。剪定といってもそれほど難しいものではありません。
花がら摘み
ペンステモンの花が枯れたら、こまめに花がらを取り除きましょう。手かもしくは剪定はさみなどで花を摘み取ります。ペンステモンは一本の花茎にたくさんの花をつけます。花茎の花がすべて咲きおわったものは、根元から花茎ごと切り戻しましょう。
切り戻し
ペンステモンの花がすべて咲き終わったら、切り戻しにより剪定をおこないます。ペンステモンの切り戻しによる剪定は、ばっさりと思い切っておこなうことがポイント。だいたい草丈の3分の2くらいまで切り戻します。この剪定により、ペンステモンがうまく夏を越してくれる可能性が高まります。なお切り戻しした茎を挿し木用の挿し芽にしてもよいでしょう。挿し芽には2~3節あれば十分です。
ペンステモンの育て方8「病気」
ペンステモンには、それほど病気の心配はありません。
ペンステモンの育て方9「害虫」
ペンステモンには、アブラムシが発生することがあります。アブラムシは春の暖かくなる時期から発生しやすくなる害虫です。ペンステモンにアブラムシが発生すると、葉っぱや茎に寄生してペンステモンの栄養分を吸い取ってしまいます。アブラムシに栄養分を吸い取られた部分は白っぽく変色します。アブラムシは群生して発生するので、あっという間に栄養分を吸い取られ、ペンステモンが枯れてしまうこともあります。アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。
ペンステモンの増やし方1「種まき」
ペンステモンの増やし方の1つめは種まきです。ペンステモンは色々な種が市販されています。また、育てている株から種を採取することもできます。
種の自家採取
育てているペンステモンから、種まき用の種を自家採取することができます。種を自家採取したい場合は、ペンステモンの花が咲いたあと切り戻しをせずに、そのまま置いておきます。ペンステモンの花が枯れて実が熟すとなかに種がはいっています。ペンステモンの種はとても小さいので、花茎ごと切り取って採取しましょう。採取した種は、種まきするまで紙袋などに入れて冷蔵庫などの冷暗所で保管しておきましょう。
種まき
ペンステモンの種まきに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。春にも種まきできますが、どちらかというと秋に種まきする方がよいでしょう。種まき用の土を入れた育苗ポットなどにペンステモンの種をばらまきします。種まきした育苗ポットを、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けます。ペンステモンの種はとても小さいので、水やりで流れてしまわないように霧吹きを用いるとよいでしょう。春になるまで安定させたら種まき苗の完成です。
ペンステモンの増やし方2「挿し木」
ペンステモンの増やし方の2つめは、挿し木です。ペンステモンの挿し木に適した時期は5~6月もしくは9~10月ごろです。挿し木は比較的成功しやすい増やし方です。挿し木したいペンステモンの株から生育のよい茎を、2~3節分切り取って挿し芽とします。挿し芽の下のほうについている葉っぱは取り除きましょう。発根剤を入れた水に挿し木用の挿し芽を数時間つけておき、しっかり水揚げさせます。挿し木用の土を入れた育苗ポットなどに、挿し芽を挿し木します。挿し芽の断面がつぶれないようにすっと挿し木するのがポイントです。挿し芽から発根し安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら水やりを続けましょう。
ペンステモンの増やし方3「株分け」
ペンステモンの増やし方の3つめは、株分けです。ペンステモンの株分けに適した時期は3~4月もしくは9~10月ごろです。ペンステモンをうまく夏越しさせて数年育ったら株分けすることが可能になります。株分けしたいペンステモンを、土から掘り上げます。根っこを手や清潔なハサミなどで切り分けて株分けしましょう。株分けした株をそれぞれ植え付けます。植え付けた株がしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら水やりを続けましょう。
ペンステモンを寄せ植えしてみよう
ペンステモンは、鮮やかな花色とぷっくりとした花姿が魅力的なお花です。梅雨と夏をうまく乗り越えれば、多年草として毎年花を咲かせてくれます。ペンステモンの夏越しの秘訣は、とにかくすっきりと切り戻しをおこなって風通しよくすること。ペンステモンは草丈があり長く伸ばした花茎に花を咲かせるので、寄せ植えの中心にしてもとても見栄えがよいです。今度の寄せ植えにはペンステモンを取り入れてみませんか。