カーネーションってどんな植物?
母の日のプレゼントフラワーとしてお馴染みのカーネーション。草丈は10~30センチくらいです。カーネーションは、鉢植えでも地植えでも育てることができ、水持ちがよいので切り花にしてお部屋に飾ると長持ちします。
カーネーションは多年草
植物は大きく一年草と多年草の2つに分類されます。一年草とは名前のとおり一年で枯れてしまう植物。逆に多年草は、何年も生き続けます。多年草は一度植えるとずっと楽しむことができるのでガーデナーに人気があります。カーネーションは多年草なので、切り戻しなどこまめなお手入れをすることで毎年花を咲かせます。
地植えのカーネーションは季節に応じた工夫を
日本には春夏秋冬の季節があります。多年草だからといって季節に応じた手入れを怠ると、短い期間で枯れてしまうこともあります。とくに地植えのカーネーションは、移動させられないので工夫して夏の暑さと冬の寒さを乗り切りましょう。
カーネーションの花の特徴
カーネーションの花の開花時期は、4~6月ごろです。ただし、種類によっては四季咲きのものもあり秋にも花を咲かせます。カーネーションの花は八重咲きで、花びらのふちは細かくぎざぎざになっていてまるでフリルのようです。カーネーションの花の色には、赤や白、ピンク、黄色や、白い花色にピンクのふちどりのものなどさまざまです。
カーネーションの葉の特徴
カーネーションの葉っぱの色は、ややくすんだグレーがかったグリーンです。カーネーションの葉っぱは細長い形をしています。葉っぱが小さめなので切り花にしても邪魔にならず生けやすいです。
カーネーションの基本データ
科名属名
ナデシコ科ナデシコ属
学名
Dianthus caryophyllus L
和名
カーネーション
別名
オランダナデシコ、麝香撫子(ジャコウナデシコ)、オランダセキチク
英名
carnation
原産国
西アジア、南ヨーロッパ
カーネーションの花言葉集
カーネーションの全体の花言葉「無垢で深い愛」
カーネーション全体の花色の花言葉は、「無垢で深い愛」。カーネーションは母の日のプレゼントフラワーとして人気ですが、母の愛はまさしく無垢で深い愛です。
カーネーションの赤色の花言葉「母への愛」
赤いカーネーションの花言葉は、「母への愛」。母の日のプレゼントに最適な花言葉です。こんな言葉を添えてお母さんにカーネーションをプレゼントしたら、きっと喜ばれることでしょう。
ピンクのカーネーションの花言葉「熱愛」
とてもロマンティックな花言葉「熱愛」。ピンクのカーネーションが咲き乱れる様子は、まるで恋人同士が愛し合っているよう。そんなカーネーションの花姿から、「熱愛」という花言葉が生まれました。
白色のカーネーションの花言葉「純粋な愛」
真っ白なカーネーションは、純真無垢。何ものにも染まらない気品高い美しさからイメージされ、「純粋な愛」という花言葉がつけられました。花嫁のブーケや結婚式の花束にしても素敵です。
カーネーションの種類
カーネーションは、世界中に何千種類もの品種が存在します。プレゼントフラワーとしても人気なので、次々と品種改良がなされ、寒さに強く育てやすいもの、小ぶりで鉢植えにも便利なミニカーネーションなどが生み出されています。カーネーションは、大きくスタンダードタイプとスプレータイプに分けられます。スタンダードタイプのカーネーションは、1本の茎に1つの花を咲かせるもの、スプレータイプのカーネーションは、1本の茎が上部で枝分かれし、花がたくさんつくものです。カーネーションは多年草。一度苗を購入すれば長い間楽しめます。
カーネーションの育て方1「土づくり」
カーネーションは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に川砂を少し混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土を利用しても便利です。
カーネーションの育て方2「肥料」
カーネーションは、春から秋にかけて花を咲かせます。またカーネーションは多年草なのでいつまでも株をしっかりさせておくために定期的に肥料をほどこしてあげましょう。カーネーションをはじめに鉢植えや地植えとして植え付ける際には元肥として穏効性の固形肥料を土に混ぜ込みましょう。そのあとは、追肥を施します。だいたい1カ月に1度の割合で、元肥と同じ穏効性の固形肥料か、もしくは液体肥料を与えるとよいでしょう。定期的に肥料を与えると花付きがよくなります。ただし、カーネーションの休眠期にあたる冬のあいだは、肥料は与えません。
カーネーションの育て方3「水やり」
カーネーションの鉢植えには、カーネーションを植えている土の表面が乾いたらたっぷりと水をあたえましょう。カーネーションを地植えしている場合は、ほとんど水やりの必要はありません。ただし、カーネーションはじめじめとした多湿の環境を苦手とするので、過度に水を与えすぎるのは禁物です。
花や葉っぱに水がかからないように注意する
カーネーションは、花やつぼみ、葉っぱに直接水がかかると傷んでしまうことがあります。水やりするときは、カーネーションの根元にピンポイントで水を与えるようにして、花などに水がかからないようにしましょう。
カーネーションの育て方4「場所」
カーネーションは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。日当たりの悪いところで管理していると、カーネーションの花付きが悪くなったり、せっかくついたつぼみが咲かずに枯れてしまうことがあります。さらに、葉っぱの色が黄色っぽくなって生育も悪くなります。カーネーションは、日当たりのよいところで管理しましょう。
夏越し
日当たりのよい環境を好むカーネーションですが、真夏の暑い時期の直射日光は苦手です。鉢植えのカーネーションは、真夏の時期だけ室内や軒下などに移動させてできるだけ涼しい状態で手入れするとよいでしょう。地植えのカーネーションは、日よけをしてあげたり、株元にバークチップなどをほどこして根っこを直射日光から守るなどの手入れをおこないましょう。
冬越し
カーネーションは多年草なので、本来一度植えると毎年花を咲かせてくれる植物です。ただし、真冬の時期の寒さは少し苦手。上手に冬越しさせて、多年草のメリットを活用したいものです。カーネーションを鉢植えにしている場合は、室内に取り込むなどしてなるべく暖かい環境で栽培しましょう。地植えの場合は、はじめに植え付ける際にできるだけ暑さ寒さにあたりにくいところをチョイスするのがベスト。また、晩秋に、地植えしたカーネーションの株元にバークチップや落ち葉を敷き詰めて、根っこが冬の時期の寒さや霜にできるだけあたらないよう手入れして、冬越しさせましょう。
カーネーションの育て方5「植え付け」
カーネーションの植え付けに適した時期は、3~5月もしくは9~10月ごろです。カーネーションは、地植え、鉢植えどちらでも栽培できます。ただし夏越しや冬越しのことを考えると、鉢植えのほうが簡単です。植え付けたいカーネーションの株を育苗ポットなどから取り出します。根っこについている土を軽く手でほぐします。土を入れた鉢や庭に苗を植え付けます。植え付けた苗がしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
カーネーションの育て方6「植え替え」
カーネーションの植え替えに適した時期は、3~5月もしくは9~10月ごろです。鉢植えのカーネーションは、根詰まりを防ぐために定期的に植え替えをおこないましょう。だいたい2~3年に一度の割合で植え替えるとよいでしょう。これまでより一回り大きな鉢を準備してカーネーションを植え替えましょう。地植えのカーネーションは植え替えの必要はありません。ただしカーネーションは冬越しが少し難しいお花。冬を迎える前に、鉢植えに植え替えて冬の寒さにあたらない場所に避難させてあげるのもひとつの方法です。
カーネーションの育て方7「剪定」
カーネーションの剪定は3つの方法でおこないます。摘芯と切り戻しと花がら摘みです。こまめにお手入れすることで、カーネーションはよりたくさんの花を咲かせ、いつまでも生き続けます。
摘芯
カーネーションの茎がしっかり伸びてきたら、上部を数センチハサミで切り取って摘芯による剪定をおこないます。摘芯による剪定をおこなったところからは新しい芽が左右に出てくるので、カーネーションの株がボリュームアップします。摘芯による剪定で枝数が増えると、それに伴い花数も増えます。
花がら摘み
カーネーションの花が咲き終わったものは、こまめに花がら摘みをおこないましょう。花がらは手やハサミで切り戻します。また茎の根元から切り戻してもよいでしょう。花がら摘みによる剪定をおこなうことで、カーネーションの栄養分が種をつくることに周らず、成長に使われます。こまめに花がら摘みによる剪定をおこなうと、カーネーションの株の成長がアップします。
切り戻し
カーネーションの花が、ひととおり咲き終わったら、すべての茎をだいたい半分くらいの高さに切り戻して剪定しましょう。梅雨時期を迎えてまだ少しだけ花が咲いている、という場合は思い切って花ごと切り戻しましょう。花のついている茎は花瓶に生けて飾るとよいでしょう。また、葉っぱや茎が混みあっているところは、株元から切り戻して風通しよくしましょう。カーネーションは梅雨のじめじめした時期や真夏の暑い時期が苦手。春に花が咲き終わったあと、切り戻して剪定することで、秋にも花を咲かせます。
カーネーションの育て方8「病気」
カーネーションには、灰色かび病が発生することがあります。カーネーションが灰色かび病にかかると、まず葉っぱに灰色の病斑部があらわれます。はじめ小さかった病斑日は時間とともに大きくなり、そのまま放置しておくと、カーネーションの株全体が弱り、枯れてしまいます。灰色かび病を見つけたら、すみやかに病斑部を剪定して駆除しましょう。灰色かび病は、かびを要因とする病気で、じめじめした環境を好みます。梅雨時期や夏の時期には、カーネーションのこまめな手入れや剪定をして、できるだけ風通しよく管理しましょう。
カーネーションの育て方9「害虫」
カーネーションにはアブラムシが発生することがあります。アブラムシは春のあたたかい時期から夏にかけて発生する害虫です。アブラムシはカーネーションの葉や茎に寄生して、カーネーションの栄養分を吸い取ってしまいます。アブラムシに吸われたところは白く変色します。アブラムシは群生することが多く、あっという間に栄養素を吸い取り、カーネーションを枯らせてしまうことも。さらに、アブラムシの排泄物には甘い香りがあり、ほかの病気や害虫を誘発します。二次被害を避けるためにも、アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。アブラムシは、株の混みあったところなどに発生しやすいので、こまめな手入れや剪定をして、アブラムシの発生を抑制しましょう。
カーネーションの育て方10「増やし方・種まき」
カーネーションの増やし方のひとつめは種まきです。増やし方のなかでも種まきは、冬越しさせる必要があり少しハードルが高いです。その反面、少ない費用でたくさんの苗を育てることができるというメリットがあります。カーネーションは多年草。一度種まき苗づくりに成功したら長い期間楽しめます。種まきによる増やし方の適期は、9月上旬です。土を準備した育苗箱に、カーネーションの種を、ひとつひとつ重なりあわないようにまきましょう。上から薄く土をかぶせます。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けます。
水やりには霧吹きを使おう
カーネーションの種はとても小さいので、水やりで種が流れてしまわないように、霧吹きを用いると便利です。発芽して葉っぱが4~5枚になったら育苗ポットに植え替えます。冬は寒さのあたらないところで管理して冬越しさせます。春になったら種まき苗の完成です。好きなところに植え替えましょう。
カーネーションの育て方11「増やし方・挿し木」
カーネーションの増やし方のふたつめは挿し木です。挿し木による増やし方の適期は、4~5月もしくは9~10月ごろです。切り戻した茎を挿し木に利用してもよいでしょう。挿し木用に土を入れた育苗ポットを準備します。カーネーションの株から、生育のよい茎を切り取り、挿し芽とします。切り取った挿し木用の茎は、発根剤を入れた水に2~3日浸けたあと、挿し木します。その際、断面がつぶれないように挿し木するのがコツ。挿し木したものから発根するまでは、直射日光の当たらない半日陰の場所で管理しながら、水やりを続けましょう。挿し木したものから発根し、発芽して安定したら挿し木苗の完成です。好きなところに植え替えましょう。
カーネーションの育て方12「増やし方・株分け」
カーネーションの増やし方の3つめは、株分けです。株分けによる増やし方は、最も簡単な増やし方でしょう。植え替えの際に一緒に株分けをしてもよいでしょう。新しい鉢を株分けしたい数準備して土を半分くらいいれます。株分けしたいカーネーションの根っこを植木鉢などからすぽんと取り出します。根っこを手か清潔なハサミで株分けしたら、植木鉢に植え替えましょう。植え替えた株がしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
カーネーションはお手入れすると毎年咲く多年草
とてもたくさんの花色やバリエーションのあるカーネーション。お気に入りのプランターに鉢植えしたり、ガーデンのアクセントに地植えにするなどさまざまに楽しめます。カーネーションは水やりや切り戻しなどこまめに手入れすることで、花付きがアップします。多年草なのでずっと楽しめるのも嬉しいポイント。種まきや挿し木で増やせるので、色とりどりのカーネーションをたくさん育てると素敵です。