読めばイソガニ捕りに行きたくなる!イソガニの魅力について
アウトドア未経験でも大丈夫♪どなたでもイソガニに出会えます
イソガニは日本各地に生息しており、もっとも目にできるカニと言っても過言ではありません。岩がゴロゴロしているような海辺やテトラポットなどでよく見かけるので、お子さんと一緒に磯遊びをしてみませんか?
お味噌汁を堪能しよう!飼育を楽しもう!
磯遊びで捕まえたイソガニは、食材にするもよし!飼育するもよし!お味噌汁にすればカニの美味しい磯の風味を堪能でき、素揚げにすればビールのお供になります!また、小さくてかわいいカニなので、飼ってみると愛着もひと一倍わいてくるでしょう!
釣りの合間に、釣れなかったときの戦利品に...
夏の時期、シロギス釣りなどが最盛期となる海では、釣りのじゃま者、エサ取りたちも活発に動き回ります。思いのほか釣果が出なかった...そんなときは、足元を動き回るイソガニを夕飯のオカズにしてみては!?
なお、このエサ取りの中にはイソガニも含まれています。通常、魚釣りの仕掛けで釣れるカニではありませんが...。
イソガニの生態について~住んでいる場所~
イソガニは大人で甲幅2.5cm、最大でも甲幅4cmに満たない小さなカニです。体つきはほぼ平らで、メスに比べ、オスは脚が大きく発達しています。緑灰色と浅黒い紫色のまだら模様をした甲ら表面に対し、意外にも腹部はまっしろな色をしているのが特徴です。
イソガニの生息地域
イソガニは、東南アジアなどの熱帯地域から樺太などの亜寒帯地帯にいたる広い範囲に生息しており、日本でもほとんどの地域で目にすることができます。さらにはヨーロッパやアメリカ西海岸などでも目撃情報があり、世界中に分布しているカニです。
イソガニの棲み家
イソガニという名前のとおり、岩がゴロゴロしている磯場などでよく見かけます。また、テトラポットなどでも見かける事が多いカニで、平べったいからだを活かして岩のスキ間などに隠れていることがあり、岩を動かしてみるとすばやい動きで逃げていく姿を見ることがあります。
なお、イソガニは海水濃度が薄いエリアでは生息しにくいため河口などの汽水域にはほとんど見られません。海水濃度の高い海辺に住んでいます。
イソガニの生態について~食性や食物連鎖~
イソガニの好物
イソガニは雑食です。海藻やゴカイ類などのほか、小魚や貝類などなんでも食べます。たしかに彼らが棲み家にしている岩礁帯や、防波堤や、テトラポットなどには海藻や貝類がびっしりとくっ付いていることがありますし、小魚も多く群れで泳いでいる姿をよく見かけます。
イソガニの天敵
イソガニ自身が他の生物のエサになってしまう事があります。天敵とされるのは、カラスやウミドリなどの鳥類のほか、イソガニが棲み家としている岩礁帯などに同居するタコも、固い歯でイソガニを食べてしまいます。
また、釣り人に人気がある「クロダイ」という魚も、イソガニの生息区域をナワバリとしており、強靭な歯でイソガニや貝類を捕食しています。ちなみに、クロダイ釣りの1つに[ヘチ釣り]といって、イソガニをエサにして釣る方法があり、イソガニが釣具屋さんなどでもエサとして売られています。
イソガニ料理について
イソガニは食べることができ、シンプルな食べ方が一般的で、素材の味や風味をふんだんに味わえるのが特徴です。中でもよく紹介されている代表的な食べ方をご紹介します。
イソガニの味噌汁
一番カンタンで、お手軽な料理法はやはり[お味噌汁]です。ダシは入れる必要はありません、調味料は味噌だけで大丈夫です。とってもシンプルな料理ですが、イソガニの風味を活かせる料理です。
調理方法
調味料はお味噌だけでダシは必要ありません。以下の手順を参考にぜひチャレンジしてみてください。
手順1.採ってきたイソガニをまずは水で洗います。砂などが付いているかもしれないので、甲羅などもタワシで洗います。 手順2.残酷なようですが、イソガニをキッチンバサミなどで真っ二つにします。こうすることでダシがより出ます。 手順3.なべに切ったイソガニを投入します。水をイソガニの3~4倍の量を入れ、中火で火にかけます。 手順4.沸騰するとアクが出てくるので、ていねいにアク取りをしてください。火を弱火にして軽く5分程度、沸騰させます。 手順5.味噌を適量入れて完成です! ちなみに、わずかに残っているイソガニの身は、ダシが出てしまっているのであまり美味しくはありません。味噌汁をのむときはイソガニを取り出したほうがのみやすいです。また一晩おくとさらにダシが出ます。一晩おく場合は、手順4まで進めてください。
イソガニの素揚げ
イソガニの素揚げは、味噌汁と同じく非常にシンプルな料理ながらも、お酒のおつまみにもピッタリな一品です。素揚げならではの食感、歯ごたえも魅力です。
調理方法
必要なものは油だけのカンタン調理です。以下の手順を参考にぜひチャレンジしてみてください。
手順1.味噌汁同様、先ずはカニを水で洗います。 手順2.油の温度は180度で揚げます。ただし、熱した油にイソガニを投入すると暴れるので、低い温度からジワジワ揚げて甲羅が赤くなったら更に5分ほど揚げます。ここで揚げすぎてしまうと苦くなるので注意してください。 手順2つで完成です! そのままパリポリ食べられます。カニせんべいを彷彿とする風味と食感が楽しめます。お好みでレモンや、塩コショウをかけても美味しいです。
イソガニ料理おまけ
イソガニの仲間であるモクズガニを用いた大分県の[ガン汁]という郷土料理もあります。カニを生きたまま殻ごとすり鉢ですり潰し、醤油ベースで仕立てた料理になります。カニを潰すことにより芳醇なダシが出てきます。
イソガニの捕まえ方について
イソガニを見つけるのは割りと簡単ですが、すばやい動きで逃げ回るイソガニを捕獲するには、少しコツがいります。イソガニの捕まえ方には多種多様なやり方がありますが、「釣る」のが一番カンタンな捕まえ方です。釣りのポイントをまとめました。
イソガニ釣りの仕掛けづくり
道具は全て100円ショップで手に入れる事ができます。釣竿、糸、おもり、ハリのほかに捕獲用の網、持ち帰り用にバケツなどがあると良いでしょう。エサは生イカの切り身やスルメ、アタリメでも可能です。エサが軽くて浮いてしまうので、おもりを付けた方が釣りやすいです。
イソガニ釣りの誘いかた
ハリにスルメをとり付けたら、イソガニのいるポイントへエサをスッと落とすだけです。イソガニは、岩場の隙間やテトラポットなどの陰に隠れています。エサを落とした付近にイソガニがいれば、エサにおびき寄せられて姿をあらわします。
イソガニの捕獲のコツ
エサにつられたイソガニが姿をあらわしたら、甲羅などにコンコンとエサを軽く当てるとハサミでエサを掴みにかかります。ハサミで掴んだとしても慌てずに、急いで合わせないでください。イソガニがビックリして思わずエサを離してしまいますので、ゆっくりと持ち上げます。
アミや柄の長いトングなどがあると、安全に捕まえることができます。エサを挟んだイソガニをゆっくりと持ち上げたら、できれば水中にいるうちに網で下からすくうように捕獲してください。水中から出てしまうと、イソガニがびっくりしてエサを離してしまうことがあります。
イソガニの飼育方法について
イソガニの育て方は決して難しいものではありません。しかし放たらかしというわけにもいきません。小さい生き物ですが大切な命なので、お世話が難しい場合は海に返してあげてください。
イソガニの飼育に必要な環境づくり
注意点
まず、イソガニに限らずカニはデリケートな生き物です。カニはケース内に1匹だけ入れてください。複数飼う場合でも、固体ごとに個室を用意して飼うようにしましょう。カニは脱皮をする生き物ですが、脱皮をする最に他のカニに襲われてしまう事もあるので、注意しましょう。
具体的な飼育環境
イソガニを家で飼うときは、棲んでいた環境をできるだけ再現してあげてください。海水を汲みに行くことができない場合、人工海水を作ってあげればOKです。最寄りのペットショップなどで販売しています。海水を水槽に入れて、ポンプなどの器具を取り付けてください。
イソガニの棲み家となる大きめの石やブロックなどのほかに、底には小石や砂などを敷きます。エサは乾燥エビやしらす干しのほか、アサリや魚の身、さらにはミミズなども食べますが、ペットショップなどで売られているザリガニ用のエサでもOKです。
イソガニ飼育時のお手入れなど
水質の悪化を防ぐためにも、食べ残しは取り除いてください。くわえて、フィルター清掃を定期的に行ってください。清掃のときは海水を使用してください。真水を使うと水質を浄化する働きのあるバクテリアが死んでしまいますので注意が必要です。
イソガニについて【まとめ】
○イソガニは日本各地で目にすることができます。捕まえ方をマスターすれば、大量に捕まえることも可能です。
○イソガニはダシが出て風味が良いので、味噌汁や素揚げなどの料理法がピッタリです。
○ポピュラーなカニだからこそ、飼育して生態観察をすると面白い発見があるでしょう。
ぜひ、この機会にイソガニ捕りを楽しんでみてはいかがでしょう。ご自分で新しい食べ方や、おしゃれな水槽レイアウトを編み出してみるのも面白いですね。
※海には立ち入り禁止の区域や、滑りやすかったり、足元が危ない区域もありますので、決して無理しないように安全を心がけましょう。また、イソガニが生息するエリアにはハオコゼ、ゴンズイ、ウツボといった危険な生物も生息しています。毒をもっている生物もいますので注意しましょう。