キャットニップってどんな植物?
キャットニップはシソ科に属する多年草です。草丈は50~100センチになります。とても強くて育てやすいのでガーデニング初心者にもおすすめです。
キャットニップは「西洋マタタビ」との別名を持つくらい猫が好む植物です。また人間にとっても多くの効能を持つハーブ。キャットニップには胃腸を整えたり解熱などの効果効能があります。キャットニップの育て方や使い方をご紹介いたします。
キャットニップの花の特徴
キャットニップの花の開花時期は6~10月ごろです。キャットニップは白や紫色の可愛らしい小花を咲かせます。キャットニップはシソ科に属する植物で、花の雰囲気はシソのものによく似ています。
キャットニップの葉の特徴
キャットニップの葉と茎には、細かく白い綿毛がはえています。キャットニップの葉っぱの形は、三角の卵形でふちがぎざぎざしています。キャットニップの葉は対生です。
キャットニップの葉にはネペトール由来のレモンのような爽やかな香りがあり、古くより薬草として用いられてきました。キャットニップは、若い葉っぱをサラダにしたりハーブティーにして飲みます。
キャットニップの名前の由来
属名と英名の由来
キャットニップの属名は「Nepeta cataria」。「cataria」はラテン語で「猫」を意味します。またキャットニップの英名「catnip」は「猫が噛む草」という意味を持っています。
キャットニップにはネペタラクトンという物質が含まれているのですが、ネペタラクトンには猫を興奮させる特徴があることからつけられた名前です。キャットニップを育てていると、猫が体をなすりつけ荒らされることがあるので注意が必要です。
別名「西洋マタタビ」の由来
猫が好む植物として有名なのがマタタビです。そのためキャットニップは別名「西洋マタタビ」と呼ばれることもあります。
別名「イヌハッカ」の由来
キャットニップの別名は「イヌハッカ」です。植物名の世界では、有用植物に似ているけれども違うという意味で「犬」を名前につけることが多いです。キャットニップはハッカに似ているけれど違う、という意味から「イヌハッカ」という別名がつけられています。
キャットニップの基本データ
科名属名
シソ科イヌハッカ属
学名
Nepeta cataria
和名
キャットニップ
別名
イヌハッカ、西洋マタタビ
英名
catnip
原産国
アジア、ヨーロッパ
キャットニップの効果と効能
キャットニップは、とても多くの効果効能を持つハーブです。キャットニップは育て方も使い方も簡単なハーブなので栽培してハーブティーなどに利用するとよいでしょう。ただし、妊娠中や授乳中の方、子供は使用しないでおきましょう。
効果効能1・月経を安定させる
キャットニップには、月経を促進させる効果効能があり、月経前症候群の改善などに役立っています。
効果効能2・解熱発汗
キャットニップには発汗や解熱の効果効能があります。風邪をひいたときなどにキャットニップのハーブティーを飲むと熱が下がりやすくなるそうです。
効果効能3・胃腸を整える
キャットニップには、胸やけや消化不良を改善したり、腸内環境を整えお腹にたまったガスを取り除く効果効能があります。飲みすぎた、食べ過ぎた、と思ったらキャットニップのハーブティーを一杯飲むとよいでしょう。
効果効能4・安眠作用
キャットニップには、神経の緊張をほぐしリラックス状態をもたらす効果があります。寝る前にキャットニップのハーブティーを飲むと、ぐっすり眠ることができます。
キャットニップの育て方1「土づくり」
キャットニップは水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土と川砂を混ぜたものを準備しましょう。市販のハーブ用土を利用してもよいでしょう。
キャットニップの育て方2「肥料」
キャットニップには、植え付けの際に元肥として穏効性の固形肥料を施します。そして3~11月のキャットニップの成長期には液体肥料を1カ月に1度の割合であたえましょう。
なお、キャットニップの花が咲いているときには、少し肥料を控えめにします。花が咲いているときに肥料を多く与えると株が弱ることがあります。
キャットニップの育て方3「水やり」
キャットニップには、春から秋の成長期にはたっぷりと水やりします。キャットニップを植えている土の表面が乾いたら水をあげましょう。秋から冬の成長が鈍る時期にはキャットニップへの水やりを少し控えます。
キャットニップを植えている土の表面が乾いたのを確認して2~3日経ってから水やりするのがベストです。
キャットニップの育て方4「場所」
キャットニップは日当たりのよい風通しのよい場所を好む植物です。キャットニップは強いハーブなので半日陰のような場所でも枯れてしまうことはありません。ですが日陰の場所で管理していると花付きが悪くなったり、香りが弱くなることがあります。
夏越し
キャットニップは、風通しのよい水はけのよいところを好むハーブ。梅雨のじめじめした環境や真夏の暑さはあまり得意ではありません。こまめに刈り込む、花がら摘みをするなどして、キャットニップをできるだけ風通しよくすると、夏越しさせやすいです。
冬越し
キャットニップは耐寒性の高いハーブなので、よほどのことがない限り冬越しできます。土が凍ってしまうような場所で心配な場合、上から落ち葉やバークチップをかぶせて冬越しさせてあげましょう。
猫に注意
キャットニップは、猫が好む植物。庭などに植えておくと猫が荒らしてしまうことがあります。猫がはいらないように工夫するなど対策が必要です。
キャットニップの育て方5「植え付け」
キャットニップの植え付けに適した時期は、3~5月もしくは9~10月ごろです。
土を入れた鉢などにキャットニップの苗を植え付けます。植え付けた苗がしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
なお、キャットニップはこぼれ種から発芽して増える植物です。植え付けの際はこぼれ種から発芽してもよいところを選ぶとよいでしょう。
キャットニップの育て方6「植え替え」
キャットニップの植え替えに適した時期は、3~4月もしくは9~10月ごろです。キャットニップは強いハーブなので、植え替えの際にそれほど神経質になる必要はありません。植え替えたいキャットニップを土から抜き取ります。
太い根っこを傷つけないように注意しながら、新しく植えたいところに抜き取った株を植え替えましょう。
植え替えたキャットニップがしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。なお、植え替えの際に一緒に株分けしてもよいでしょう。
キャットニップの育て方7「剪定」
刈り込み
キャットニップは、強い植物ですが、じめじめした梅雨時期や真夏の暑さが少し苦手です。キャットニップが蒸れて弱らないように、梅雨にはいる前くらいに刈り込んで剪定しましょう。
だいたい地表から10~20センチくらいの長さに剪定します。思い切って刈り込むのが否決です。刈り込んだキャットニップは風通しがよくなり、夏越ししやすくなります。
また、刈り込んだところからは新しい脇芽が出てくるのでキャットニップがこんもり茂ります。
花がら摘み
キャットニップの花の開花時期は6~10月の気温の高い時期です。キャットニップの花が枯れたらこまめに花がら摘みをしましょう。
枯れた花をそのまま置いておくと蒸れの原因となり、キャットニップに病気がついたり生育が阻害されます。なお、こぼれ種で増やしたい、種を採取したい場合は程度のよい花をそのまま残しておきましょう。
キャットニップの育て方8「病気」
キャットニップは、まれに灰色かび病にかかることがあります。灰色かび病はじめじめした梅雨時期に発生しやすいカビを要因とする病気です。
キャットニップが灰色かび病にかかると、はじめ葉っぱに小さな白っぽい点があらわれます。しばらくすると白い点は灰色に変色し大きくなってきます。そのまま放置しておくと株全体に広がり、枯れてしまうこともあります。
灰色かび病を見つけたらすみやかに病斑部を切り取って駆除しましょう。
しっかりと剪定するなどキャットニップをできるだけ風通しよく管理することが、灰色かび病を予防するコツです。
キャットニップの育て方9「害虫」
キャットニップには独特の香りがあり、虫よけ効果も期待できるハーブです。そのためキャットニップはほとんど害虫の心配はありません。
キャットニップの増やし方1「種まき」
キャットニップの種まきに適した時期は、3~5月もしくは9~10月ごろです。キャットニップは発芽率がたかっく、こぼれ種からも発芽して増えるくらいの植物です。
種まき用の土を入れた育苗ポットなどにキャットニップの種をばらまきしましょう。土を薄く被せて、風通しのよい半日陰で管理しながら、水やりを続けましょう。
だいたい2週間前後で発芽します。本葉が5~6枚くらいに育ったら種まき苗の完成です。好きなところに植え替えましょう。
キャットニップの増やし方2「挿し木」
キャットニップの挿し木に適した時期は、4~6月もしくは9~10月ごろです。キャットニップの株から生育のよい枝を10センチくらい切り取り挿し木用とします。
挿し木用の土を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。風通しのよい半日陰で挿し木した鉢を管理しながら、水やりを続けましょう。挿し木したものから発根して苗が安定したら挿し木苗の完成。
好きなところに植え替えましょう。
キャットニップの収穫と使い方
収穫
キャットニップは、6~10月ごろの生育のよい時期ならいつでも収穫できます。葉っぱを観察しながら、混みあっているところを剪定を兼ねて収穫するとよいでしょう。
キャットニップはおもに葉っぱを利用するハーブです。収穫したところに花がついていたら、切り取って花瓶に挿して飾っておくとよいでしょう。
使い方1
キャットニップの葉っぱは生のまま、もしくは天日干しして乾燥させたものをハーブティーにします。キャットニップはそれほどクセがなく飲みやすいハーブです。
使い方2
キャットニップの若い葉っぱは食用になります。ほんのりとレモンのような爽やかな香りがします。また、若い葉っぱを天ぷらにして食べても美味しいです。
使い方3
収穫したキャットニップの葉っぱを布袋などに入れると猫の遊び道具になります。驚くほど猫が喜びますよ。作ってから時間が経ったら、少し手でもむなどすると効果が持続します。
キャットニップは猫も人も喜ぶハーブ
キャットニップは、猫が好む植物。猫が好きな植物として有名なマタタビに由来して「西洋マタタビ」という別名を持ちます。キャットニップには胃腸を整えたり解熱したりと猫だけでなく人間に嬉しい効能もたくさんあります。
キャットニップの育て方や使い方は簡単。一株植えておくととても便利なハーブです。