巨大ソウギョという魚
ソウギョとは
ソウギョとはコイ目コイ科ソウギョ亜科に属する中国原産の淡水魚で、明治時代に日本に持ち込まれた魚です。全長は軽く1mを超え現在日本に生息している淡水魚の中で最大級の大きさです。かなりの大食漢で、水草などを好んで食べるため、放流した池や川の水草を食べつくして絶滅させてしまうこともあります。
その全長の大きさから引きはものすごいものがあり、一部の釣り好きから熱狂的な支持を得ているマニアックなさかなでもあります。
ソウギョの生息域と生態
もともとは中国でソウギョは食用として養殖されていました。明治時代初期に日本の食糧難を解決すべく日本に持ち込まれたいきさつがあります。その後日本各地に放流され、特にソウギョは利根川水系の河川にたくさん生息しています。雑食性でプランクトンから水草、水辺に生えている雑草まで何でも食べます。
特にアシが好物で水辺にアシが生えており葉にかじられている形跡があればそこ河川にはソウギョが住み着いています。ソウギョ釣りの仕掛けではエサは葉っぱを使用するという変わった釣り方をします。
巨大ソウギョは繁殖しにくい?
日本の河川では繁殖しにくい?
ソウギョは日本では主に利根川水系の河川で繁殖と生息が確認されています。日本各地に放流された割には繁殖していないようです。ソウギョは卵を産んで繁殖しますが、日本の河川では流れが速いのでそのまま海まで流れていってしまい、淡水魚の卵なので孵化にはいたらないようです。
被害の出た地域も
ソウギョは日本での生息域は限られており、繁殖も進んでおらず外来種としての脅威は一定の水準から上昇していないといわれています。しかし長野県の池や川では以前ソウギョが住み着いており、在来種の生物や水草を食べつくし甚大な被害をもたらされた地域もあります。
将来的には絶滅?
ソウギョは現在生息や繁殖は利根川水系だけとの定説があります。繁殖しにくい環境のため、将来的には絶滅するのではとの見解はありますが、実は現在荒川水系の河川でもソウギョらしき魚の大群の目撃例もあり、実は全国で密かに繁殖しているのでは、という説もでています。
巨大ソウギョの釣り方①
ソウギョ釣りのタックル
ソウギョ釣りのタックルは基本的にシーバスかジギング、バスロッドでよいと思われます。強度を優先にタックルを組みましょう。正直あまり繊細な釣りでは無いので、タックルも仕掛けも百円ショップの紐とタックルロッドのかわりに石にくくりつけるだけで十分です。
ソウギョ釣りの仕掛け
ソウギョのきちんとした釣り方がしたい、という方は頑丈なタックルロッドとタックルリールを組んでください。仕掛けは強度の高いラインにルアー用のフックをつけておけばよいです。仕掛けや釣り方にはこだわりは必要なく、エサをつけて浮かべておければOKです。
ソウギョ釣りのエサ
ソウギョ釣り仕掛けの最大の特徴はエサに葉っぱをしようすることです。アシの葉が使用されることが多いですが、生息している地域の水辺に生息している植物の葉であれば仕掛けにつけて浮かべておけばソウギョが釣れるかもしれません。釣りエサは現地調達が一番という格言があるように、ソウギョ釣りは現地の葉っぱを仕掛けに使用するのが一番よい釣り方かもしれません。
巨大ソウギョの釣り方②
アシの葉をさがせ
アシは水辺に生息している植物です。広大な茂みをつくることが知られています。イネ科の植物で秋には穂が垂れ下がっています。ソウギョはこのアシの葉が好物です。水流比較的緩い場所を好んで生息するため、ソウギョと生息域が似ていることからこの植物があるとソウギョの期待ができます。
アシの茂みは生き物の憩いの場
アシの茂みはその川に生息する生き物の憩いの場となっています。エビやカニ、ヌ-トリアに魚などいろいろな生物がアシの茂みに身を隠しています。もちろんソウギョの居住区としてもうってつけの場所です。ぜひアシの茂みを見つけたらタックルで探ってみましょう。
アシの葉にかじられた跡があれば激アツ
アシの葉があれば水面付近の葉の部分を見てみて下さい。葉っぱの部分にかじられた跡があればソウギョのいる可能性が高いです。そのかじり跡がまだ枯れたりしていなければソウギョがまだすぐ近くにいるはずです。ぜひタックルで仕掛けを投入してみて下さい。
巨大ソウギョの釣り方③
アシの葉を水中へ
アシの茂みを見つけたら足で踏みつけて水中にアシの葉が浸るようにしてください。これでソウギョを呼び寄せます。ウキフカセ釣りで言うコマセですね。ガサガサ何やら音がし出したらソウギョのおびき出し成功です。アシの葉の中にはいろいろな生き物が生息している可能性があるので、素手で触ったりするときは十分気をつけて下さい。
アシの葉に針を仕掛けて待つ
アシの葉を一枚ちぎり、仕掛けの針にひっかけます。あとは先ほどふんだアシの中に投入してソウギョが食いつくのをまちます。ロッドをもっていかれない様に工夫してあれば、竿先に鈴をつけて放置しておいてもよいです。あとはソウギョが仕掛けの針にかかるのを祈りましょう。
巨大ソウギョを釣りあげろ!
ソウギョが針にかかったら後は一対一の勝負です。リールのドラグを緩めておくとラインブレイクやロッド、リールの破損を回避できます。投げる釣りでは無いので一気に陸へ引きあげてしまいましょう。
もし食べる予定があるなら、その場で捌いて切り身にして持ち帰ると後々楽です。ソウギョは身体が大きいだけにでるゴミも多いです。鱗も500円玉ぐらい一枚一枚があるのでできればその場で捌いて持ち帰りたいところです。
巨大ソウギョを食べる!①
料理・唐揚げ
ソウギョの身はとても淡白であまり生臭い匂いがしないのが特徴です。淡水魚特有の臭みもなくあっさりとしていて鯛と言われて出されても多分誰も気がつかないと思います。しかしソウギョはには寄生虫がいるので生食だけは絶対にしないようにしてください。唐揚げはどんな魚でも美味しく食べることができる調理方法です。ソウギョでも捌けさえすればとても美味しく食べることができます。
味つけ・調理
ソウギョの切り身にした状態で食べやすい大きさに切断します。ジップロックに切断したソウギョの切り身を入れます。そして卵、醤油、みりん、生姜を入れて少し寝かせます。その後片栗粉をつけて180°ぐらいに熱した油でカラッときつね色になるまであげます。あとは油をキッチンペーパーで拭きとれば完成です。お好みでマヨネーズやネギソースなどを作って食べてみてください。
巨大ソウギョを食べる②
料理・フライ
この料理も様々な魚で調理されているレシピです。フライにすることで身がふっくらとしてとても美味しく食べることができます。もし臭みなどが気になるようでしたら、酢に少しつけておくことで臭みを消し去ることができます。ソウギョを一匹釣って捌くととても沢山の切り身ができるので色々な料理にチャレンジすることができます。
また冷凍しておけば保存もきくので冷凍保存しておいてください。味もそこまで落ちることはないと思います。
味つけ・調理
適度な大きさに切ったソウギョの切り身を塩コショウなどで下味をつけて30分ほど寝かせておきます。そして卵を絡めてパン粉をつけます。この作業は揚げる直前に行った方が良いです。あとは180°に熱した油できつね色になるまでカラッと揚げます。
あげる時間が長すぎると身が固くなってしまい、水分も抜けてしまっておいしくなくなるので中まで十分火が通ったぐらいで油から上げてください。お好みでタルタルソースなどを作って食べてみてください。
巨大ソウギョを食べる③
料理・ムニエル
ムニエルは魚料理のひとつで主にカレイや鮭を使用して作られることが多いフランス料理の一つです。似たような料理にソテーやピカタと言った料理もあります。ムニエルの特徴は小麦粉を焼いた時のカリッとした食感と白身魚のジューシーさが楽しめるところです。ちなみにムニエルは魚料理に限定した呼び方で、お肉などを使用した際にはムニエルという呼び方はしません。
牛肉のソテーや豚肉のピカタなどという呼び方をします。ちなみにムニエという呼び方はフランス語で粉屋さんという意味もあります。
味つけ・調理
切り身に塩コショウを振って9分間置いておきます。その後小麦粉をまんべんなく降って小麦粉が馴染んだら余計な粉を振り落とします。フライパンにバターを入れて火をつけます。バターが溶け始めてきたら魚の切り身を投入します。きつね色になってきたら 切り身裏返して両面しっかり火を通します。
淡水魚の切り身はしっかりと中まで火を通すことをお勧めします。最後に油きりをしてお皿に盛り付けたら完成です。
巨大ソウギョを食べる④
料理・アクアパッツァ
アクアパッツァの名前の由来は水とトマトだけで作った魚のスープ出会ったことから始まりました。アクアはその名の通り水という意味でパッツァは暴れるという意味合いがあります。油に水を入れて料理する時に水が跳ねて暴れるところからアクアパッツァという名前になったと言われています。
アクアパッツァに欠かせない食材のひとつとしてトマトが挙げられます。トマトは魚介類との相性がとても良く、盛り付けた時に赤色が加わることによってその料理を華やかに見せる効果もあります。
味つけ・調理
アクアパッツァの作り方はとても簡単です。塩コショウなどを振ったソウギョの切り身をオリーブオイルを入れたフライパンで両面こんがり焼きます。ある程度火が通ったらトマトやオリーブオイル、にんにく、アンチョビや唐辛子などの材料を加えてさらに炒めます。
ある程度火が通ってきたら白ワインを入れて貝類を入れて蓋をします。蒸しあがったらアクアパッツァの完成です。失敗のしようが無いほど簡単な料理です。
巨大ソウギョまとめ
利根川系の川に行ってみよう
ソウギョが釣りたいと思った人は 利根川水系の池や川に行ってみるといいと思います。日本で繁殖が成功していると言われているのは利根川水系の河川です。タックルはバスロッドやシーバスロッドなので十分なので、是非手持ちのタックルを持っている方は関東まで行ってみてその日本最大の淡水魚を釣ってみると良いかと思います。
1m を超える魚は海水魚も合わせてそんなに種類がいるわけではないので、是非未知の生物との体験を楽しんでみてください。
外来種駆除の協力を
ソウギョだけでなく、日本の池や河川には在来種の存在を脅かす外来種が定着しつつあります。ソウギョも利根川水系の河川でしか繁殖していないとは言われていますが、利根川水系以外でも目撃情報があったりと実は密かに繁殖できているのかもしれません。生き物をむやみに殺生することはいいことではありませんが、日本特有の在来種を保護するためにぜひご協力をお願いします。